この記事は、強迫症の傾向をもつ不登校の高校生向けに書いています。
シリーズのスタート投稿:強迫症を治すポイント
強迫症の症状が重い人は、学校や職場に行くのが困難になったり、引きこもりになったりします。
君にとっても、強迫症の傾向は不登校の大きな要因の一つになっていると思います。
不登校に繋がりそうな強迫症の特徴を挙げてみます。
強迫症の人全てに当てはまるわけではないので、君にどれが該当するかは分かりませんが、自分に当てはまるかどうかを、考えながら読んでみてください。
あとで、君に当てはまるものとそうでないものを教えてください。
強迫症の人が、「汚いかもしれない」「危険かもしれない」「これじゃ、いけない」と強く感じるのに、周囲の人には共感してもらえません。
強迫症の人の感じ方は、過剰な偏桃体の働きなので、多くの人は経験がなく理解できないのです。
強迫症状が行動にでてしまったときに周囲の人から「変な人」と思われることを恐れる人もいます。この場合、その恐れがストレスとなって、強迫症状が出やすくなって状況を悪くする可能性もあります。
また、強迫症状からくる行動(強迫行動と言います)は、周囲の人にスレスを感じさせることが多いので、周囲の人から嫌がられたり、場合のよっては "いじめ" のような攻撃にあうかもしれません。
周囲の人がストレスを感じるのは、強迫行動に含まれる "巻き込み" が関係します。"巻き込み" は別の記事で説明します。
いずれにしても、孤立していると感じたり、実際に孤立することが多いかもしれません。
とくに、学校では「友達と仲良くしなきゃ」と感じさせる環境があったり、宿題やテストのようなストレスがかかって偏桃体を刺激するような場面が多いので、強迫症状が出やすいと思います。
このようなことを感じたことはありませんか?
イヤなものに、なるべく近寄らないように避けるのは、誰にでもあります。"回避" と言います。
ですが、強迫症の人は、耐え難いイヤなものや "できごと" が多く、それを避けることが多くなる傾向があり、 "回避" は強迫症に出やすい特徴の一つです。
その "回避" が多いため、学校や職場、多くの人が集まるところに行けなくなる場合があります。
症状によってイヤなものが違うと思いますが、概ね以下なようなものを避けたくなります。
- 清潔か分からないもの
- 「あるべき」と違うもの
- 整理されていないもの
- 不吉と思うもの(数字の並びなど)
『「あるべき」と違うもの』というのは、例えば、君が「授業で質問あれる時は、事前に問題を出しておくべき」と考えているのに、突然質問されるようなことを言われることを言います。
「整理されていないもの」というのは、例えば、何かを並べる時には、「小さい順」とか端が揃っているべきなのに、そうなっていないことを言います。
多くの人は、「それに越したことはないけど、どっちでも良い」と感じるこ¥とを、強迫症の人は「どうしても許せない」と感じることが多くなります。
そういうことはありませんか?
家庭や遊び仲間には気にならないのに、学校では気になることも多いと思います。学校では、「ちゃんとしなきゃ」というストレスがかかって桃体を刺激する場面があるからです。
強迫症がある人は強迫性緩慢という症状を持つ人がいます。
強迫性緩慢と言うのは、以下のような症状を言います。
- なかなか行動を起こせない
- 考えがまとまらずに、判断ができない
- 細かいことが気になって、勉強がはかどらない
「なかなか行動を起こせない」というのは、例えば、「外出の支度をしよう!」という場面で、他の人が支度を始めても、支度が始められないような症状がある場合があります。
「考えがまとまらずに、判断ができない」というのは、例えば、誰かに「おもちゃを買ってあげるよ」と言われたときに、どれを買うか選べなくなることが多い場合があります。
「細かいことが気になって、勉強がはかどらない」というのは、例えば、授業や宿題をする場面で、「書いた字の形が気に入らない」「使っている参考書が、違うかもしれない」という勉強とは直接関係のないことが気になって、勉強に集中できない症状がある場合があります。