この記事は、強迫症の傾向をもつ不登校の高校生向けに書いています。
シリーズのスタート投稿:強迫症を治すポイント
自ら強迫症で苦しみ回復した経歴をもつ精神科医が書いた本。
自ら経験しているので、強迫症の苦しさや改善の難しさなども詳しく書かれています。
強迫症が悪化するメカニズム、強迫症状が出ている時に患者が感じていること、それを踏まえた治療戦略が分かりやすく書かれています。
もし、症状が重い場合は、君だけではなく家族も含めて、専門家に相談した方がよさそうですが・・・・
本ブログでは、君の症状が軽い前提で話を進めますが、その中で君の症状の重さにも気づけるように心がけます。
また、強迫症の症状として、強迫性緩慢というものも知りました。
君の行動にもこれと思わせるものがありましたから、後で詳しく議論しましょう。
※強迫性緩慢:
強迫症は、互いに強め合う悪循環の構造がいくつかあります。
例えば、
・強迫観念と強迫行動を強化して、強迫行動が強迫観念を強化する。
※強迫観念:何かを恐れさせたり、拘らせる考えのこと
※強迫行動:強迫観念から、起きる行動のこと
・強迫症状が脳を疲れさせてメタ認知が下がり、強迫症状が起きやすくなり、それによりメタ認知が下がる。
※メタ認知:自分の感情、行動や、周囲との関わりを、第三者的な視点で観察し把握するスキル
その悪循環を断ち切るために、心がけるべきことが、「鉄則」として列記されています。
この本からは、改善に向けたヒントを沢山得られそうです。
強迫行動の中に「巻き込み」と言うものがあります。
「汚いかも」と気になったときに、「大丈夫?!、大丈夫?!」と聞くのもその一つです。
この「巻き込み」に対して、周囲の人が「大丈夫だよ」と答えたり、「何を言っているの?!いい加減にして!」と厳しく当たっても、症状が悪化していきます。
このように、強迫症は周囲を巻き込んで、周囲の対応によって症状が悪化していく構造があります。
強迫観念と強迫行動の悪循環には、周囲の人も関わってくるということです。
強迫症の人が、どんなに騒いでも影響を受けず、「意に関せず」と態度を取り続けるのが正解ですが、家族にはとても難しいことです。
それに向き合った、強迫症の夫をもつ妻の書いた本です。
著者は、夫の強迫症に向き合いながら、自分の心の傷にも気づき、自分の心の傷の修復と、夫の強迫症の改善を実現します。
なるほどと思うことが多々書かれています。
強迫症の改善には、認知行動療法を使うのが一般的です。それらを行うために、症状の状態を書き出したりします。
これらの本は、それを行うためのフォーマットなどが紹介されています。
とくに、上の本では要領を紹介する動画サイトへ誘導するためのQRも掲載されています。
強迫症は、以前は不安症の一種と考えられていたほど、共通点があるので、下の本も使えるものがあるかもしれません。
詳しくは、進めながら詳しく調べていきましょう。
強迫症の改善には、本人が「改善をする!」という強い意志をもって取り組むことが必要になります。
それ無く、自然となくなることは、まずないそうです。
強迫症の改善では、行動療法の中の暴露療法という、自分が苦手なもに実際に向き合うことで症状を改善することになります。これはそれなりの忍耐が必要になります。
いくつか前の記事で「イヤなものを思いだして・・・」という手順を示しましたが、それは暴露療法に向けた練習です。
強迫症は体力的にも精神的にも疲れたり、行けるところが減ったりと、不自由なことも沢山ありますから、強迫症を早めに改善するのは、多くのメリットがあります。
改善のために、一緒に取り組んでいきましょう