この記事は、強迫症の傾向をもつ不登校の高校生向けに書いています。

 シリーズのスタート投稿:強迫症を治すポイント

 

君の心の中に、"きょうはく坊や" が住んでいます。
"きょうはく坊や" は、ときどき「だいじょぶかな?確認した方が良くないかな・・・」と囁いてきますが、決して確認してはいけません。

油断をして、"きょうはく坊や" の囁きに従っていると、"きょうはく坊や" は徐々に力を増していき、気が付くと強迫魔王になっています。

強迫魔王につかまると、一日中確認をしなければならい確認地獄の世界に連れて行かれます・・・・

「キャーッ!!」

 

 

始まりは、ちょっといつもと雰囲気を変えてみましたが、今日も、これまでの記事のつづきで、大真面目に強迫症のお話です。

 

上の文章は、強迫症を擬人化してはいますが、改善するための大事な要素をいくつか盛り込んでいます。

 

 
心の問題を擬人化して捉える

 

心の問題に向き追うときに、その原因や症状を擬人化すると、強迫症からくる感情なのか、自分の本来の感情なのかを、区別しやすくなるメリットがあります。

前の記事で紹介した本の中でも、その手法を紹介しているものがありました。

参考記事:強迫症の本

 

心の問題は以前も説明したとおり、意識とは関係のない旧哺乳類脳に、たまたま出来てしまったもので、君の意志や価値観とは関係ありません。

ですから、考え方を変えることで症状を改善しようとしても上手くいきません。

 

強迫症からくる感じ方も、その時に出てくる考えも、みな強迫症が作り出しているものですから、君のものではありません。

 

それらをしっかり理解して、強迫症からくる感覚か自分の価値観によるものかを見分けて、強迫症のものであれば適切に処理する必要があります。

 

ですが、感情を伴うので、つい自分のもののように感じてしまって、それが難しくなります。

強迫症状を擬人化して理解しておくと、客観的に観察しやすくなるのです。

 

"きょうはく坊や" はコンピュータウィルス?

 

コンピュータは、多くのプログラムで動いているのは知っていますよね?

 

私達も、旧哺乳類脳というコンピュータに、経験の中から色々な行動のプログラムを作って、便利なものを残して、不要なものを消すようにできています。

私達が歩く時に「まず右足で踏み込んで、左足を上げて…」と考えなくても歩けるのは、歩くためのプログラムが旧哺乳類の中に作られているからで、

意識で「歩く」と命令すると、そのプログラムが働いてくれるので、手足の動きを細かく意識する必要がありません。

 

ですが、理性的ではない旧哺乳類脳の仕組みなので、本当は有害なプログラムでも「ちょっと安心した」「ちょっと便利かも」と感じてしまうと、ため込んだり機能強化してしまうことがあります。

 

"きょうはく坊や" も、そうやって作られてしまったもので、困ったことに強化して強迫魔王に育つ仕組みも持っています。育つ仕組みやそれを消去する方法は、今後の投稿で説明します。

 

コンピュータウィルスを知っていますよね?コンピュータに侵入して、誤作動をさせるものです。

"きょうはく坊や" は、旧哺乳類脳というコンピュータの中に作ってしまったコンピュータウィルスのようなものなんです。

 

コンピュータウィルスを直接見つけるのは難しいですが、誤作動の状況を観察すると見つけることができて、見つけられれば除去することができます。

 

同様に、"きょうはく坊や" の性質を知ると気付けるようになったり、除去できるようになります。

 
"きょうはく坊や" の仕業に気付く

 

君の旧哺乳類脳に住んでいる "きょうはく坊や" を見つけるために、彼が何をしているかを学びましょう。

 

"きょうはく坊や"は、君に「大丈夫かな?」と思わせるように仕向けてきます。「ほっとする」を集めて大きくなるためです。

 

可能性の低い「もしかして、xxという悪いことが起こるんじゃないか?」という考えを浮かばせて、不安の感情もくっ付けて、「重要な考えだ」とリアリティーを感じさせます。

"きょうはく坊や" は、感情を作る旧哺乳類脳の住人ですから、感情を動かすのは得意なんです。

 

実は考えも自分でコントロールしていない、勝手に湧き出るものが多いんです。

瞑想は考えをコントロールできるようになる効果もありますが、瞑想を練習してみると、勝手に沸き出る考えの多さに驚きます。

参考記事:思うようにならない思考

 

勝手に湧き出る考えに、感情が付いていると、意識が向いて、自分が考えたものと思い込みやすくなります。

 

だから、全ての考えも感情も自分のものと勘違いして、信じてはいけないんですが、感情を伴う考えはリアリティーがあるので、慣れないと疑うのは難しいかもしれませんね。

 

感情も "きょうはく坊や" が作り出しているものですから、ただの生理現象として観察するクセをつける必要があります。

ネガティブな感覚には、すべてすぐには従わず、しっかり吟味するクセをつけましょう。

 

「イヤだ~!!」を無くす方法(恐れを無くす方法)』で紹介した方法を繰り返すことで、感情を生理現象として観察するスキルが高まっていきます。

 

 

"きょうはく坊や" の天敵は「まっ、いっか」

 

"きょうはく坊や" は少しの心配があると「だいじょうぶかな・・・?」と囁いてきますから、強迫症がある人は 100%の安心を欲しがるようになります。でも、そんなものは現実にはありませんから、何度も確認したくなります。

 

強迫症の人は、「まっ、いっか」と思える回数を増やすのが一つの目標になります。

"きょうはく坊や" の天敵は、「まっ、いっか」と感じることなんです。これで、"きょうはく坊や" は、力を失っていきます。

 

私の田舎の母は、いつも「まっ、いっか」という調子ですが、こういう人には "きょうはく坊や" は近づきません。

 

RAINを含むマインドフルネスでは、何かに対する執着や拘りを捨て、中庸を目指します。中庸というのは、「どちらでも良い」と言う感覚ですが、その寛容さが心の安定に良いからです。

 

自暴自棄の「どっちでもいい!!」じゃないですよ。優しく寛大な「どちらでも、大丈夫」と言う感覚です。

 

"きょうはく坊や" の餌

 

 "きょうはく坊や" は、安心を欲しがります。

何度も確認して「ほっ」とする。

何度も手を洗って「ほっ」とする

この「"ほっ" とする」という体験が、"きょうはく坊や" の力を強めています。

 

これも少し前に説明した、行動随伴性によるものです。

参考記事:行動を変える本 (行動分析の本)

参考記事:行動を増やす好子の種類

 

「"ほっ" とする」という安心感が、直前の行動・・・つまり、「大丈夫かな?」という考えを生みだした行動、不安になる感情を生み出した行動・・・を強めてしまうのです。

 

ですから、「 "ほっ" とする」ための行動(強迫行為といいます)を止める必要があります。

 

ところが、この強迫行為を止めるの簡単ではないので、作戦が必要です。

強迫行為の種類やそれを止める作戦は、別の記事でお話ししますが、その作戦は "きょうはく坊や" の仕業に気づく必要があります。

 

これにも、RAINの練習が役立ちます。

 

"きょうはく坊や" と付き合うコツ

 

"きょうはく坊や" の囁きに乗ってはいけませんが、"きょうはく坊や" の作り出す感情や考えを振り払おうとたり、消そうとしても上手くいきません。

 

そういう姿勢で向き合うと、不安の感情や考えが強くなっていきます。

 

それよりも、しっかりを感情を感じ切って、出てくる考えをしっかり観察します。すると、しばらくすると、感情が消えていって考えもリアリティーが減っていきます。

これを味わうと、"きょうはく坊や"は静かになっていきます。

 

この手順こそが、RAIN になります。

参考記事:RAIN:感情を整える方法

 

"きょうはく坊や" が動き出してもイヤがらずに、「また、いたずらしているね。今日はどんな手を使ってくるのかな?ぜんぜん平気だよ(^^)」と言うスタンスですが理想だと思います。

 

さて・・・

 

今日の話は、わかりましたかね・・・

あまり簡単に書けなったかもしれないけど。

 

私は、自分の心が苦しくなる時も、「ただの整理現象」ととらえるのが、もうクセになっているんだけど、最初は難しいかな?

できるようになると、感情に巻き込まれることが減って、苦しみが拗れることがなくなります。

 

それにしても、"きょうはく坊や" という名前は、いまいちだよね・・・

良い名前のアイデアったら、教えてね。 (^^)