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私たちの行動のほとんどは、過去に経験した随伴性によって学習したものです。

 

ある行動をするとうれしいことが起きるとか、嫌なことが起きる傾向があることを随伴性と言います。

 

 

うれしいことが起きる行動は増え(強化)、いやなことが起きる行動は減る(弱化)ように、生物はできています。

それが、環境に合わせて生き残る重要な戦略の一つだからです

 

行動を増やす結果のことを好子と言います。

 

 

その好子についての特徴について考えてみましょう。

知らないと見落としやすいものがありますよ。

 

そして、これらを知ると「引き寄せ」や「ホメ日記」の効果についても行動分析で説明できて、そのコツをつかむヒントが得られそうです。

 

 

 

好子の種類

 

 

行動を増やす好子(うれしいこと)にはどんなものがあるでしょう。

 

整理するとおおよそ以下のものに分けられます。

  • 望んだ物や状況が得られる
  • 注目を得られる
  • 内部の感覚を得られる

 

「望んだ物が得られる」というのはわかりやすいですね。

  • 食べ物が得られる
  • お金が得られる
  • 面白い他人の反応が得られる

といったものです。

 

動物の実験でよく行われるものです。

 

注目

 

次の「注目を得られる」というのはわかるでしょうか?

  • かまってもらえる
  • 存在感を感じられる

というのも同じ種類です。

 

実は、いろいろな問題行動の原因になっているようですね。

イヤミをいったり、人の邪魔をするような行動はこれが関係していることが多いようです。

 

また、赤ちゃんが夜泣きをしたりするのも、母親からの注目を得ることから癖になっている例が「行動を変える本 (行動分析の本)」で紹介した本にでてきます。

 

特に社会性の強い人間は、「注目される」「存在を認められる」というのには敏感なのかもしれません。

 

個体では弱い人間は社会を持つことで自然の中で生き残ってきました。逆に言えば、太古の自然に暮らしていた時代では、社会から見放された個体(つまりは、他者からの注目に鈍感な個体)は淘汰されてきたはずですから。

 

 

内部の感覚

 

これもわかりづらいかもしれませんね。

 

頭をかくクセがあったり、貧乏ゆすりがクセになっているのは、これかもしれません。

 

また、ギャンブルにはまる人の要因に 「興奮」が好子になっていることが考えられますが、これも内部の感覚に関するものです。

 

 

その他にも、遊びやスポーツ、芸術活動などのその行為そのものが楽しい場合、その「楽しい」という感覚が好子になっています。

 

 

直後のものしか効果がない

 

さて、好子の種類のほかにも、重要な性質があります。

 

直後に現れた好子しか、行動の増減には影響しません。

60秒以内という目安があるようです。

 

 

でも、そうすると「試験に合格する」「ダイエットに成功する」というのは好子ではないの?という疑問が浮かぶかもしれません。

 

はい、直接影響する好子にはなりません。

勉強する行動を直接強化しません。

食事をするを直接弱化しません。

 

 

「え?でも、試験に合格することを目標に、勉強にがんばっている人いるじゃん!」という疑問が浮かんできます。

 

 

このような行動を、行動分析では「ルール支配行動」という考え方で説明しています。

これは、ほとんどの動物にはない人間だけの性質です。

人が言葉を持ったことと関係します。

 

 

さてさて、それらが引き寄せやホメ日記に繋がってきますが…

 

それについてのお話は、また今度てへぺろ