誰かの妄想 -4ページ目

嫌韓サイトの旅・在日認定?

嫌韓サイトの旅、今回は嫌韓ブログから在日認定の怪を眺めます(BGMは「世界の車窓から」っぽく)。

嫌韓バカが嫌韓である根拠として挙げる理由のひとつに、韓国人は有名人をすぐに「実は在日(韓国人)だ」と言う、という話を挙げます。

ちょっと古い話ですが、以下に実例を挙げてみましょう。



http://blog.goo.ne.jp/topgun04087488/e/dd79a5935bda953d8af4ef785fead52d
【バ韓国②】  安藤美姫を在日認定!
・久しぶりの在日認定です。彼女は、韓国人三世、アン・ミフィらしいです。

▼2月13日 デイリー・アン(韓国語)
【〔フィギュアスケート〕 安藤美姫に対する大誤解「在日韓国人三世、アン・ミフィ?」】
 URL:
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1202910038/-100 (引用元:2NN)
◆補足・要点◆
・「安藤美姫の父親が韓国人の親の間に生まれた在日韓国人2世だという。一方では安藤美姫という名前自体が珍しい、韓国の姓の「アン」、名前の「ミフィ」を「安藤美姫」に改名したのではないか、と言う主張を広げた。美姫が日本で在日韓国人が経験する差別をよく知っているため、幼い時に日本式の名前に変えたというのだ。」
◆ひとこと◆
・昨日の四大陸選手権の男子SPのニュースを見たが、高橋大輔への声援は異常で、気持ち悪かった。ここはどこが会場?と思ったら、韓国だった。


これが韓国人一般の考えなら、ちょっと問題ですが果たしてそうでしょうか?

元記事は韓国語記事ですが、デイリーアンのスポーツ記事です。
http://sports.media.daum.net/nms/general/news/common/view.do?cate=23793&newsid=291520&cp=dailian

以下に日本語訳がありました。
http://news24.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1200008494/
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[デイリーアン]高い鼻筋と可愛いほお骨、小さくて鋭い目つき、角ばった顔型、大きな口など…日本のセクシーフィギュア・スター安藤美姫(21)の顔の特徴だ。安藤美姫は現代の美人(卵型の顔・小さいほお骨・大きな瞳など)にはかなわないが、彼女だけの妙な香りがある。特に可愛いほお骨が東洋女性だけの魅力をいかしている。

安藤美姫(21)は韓国ネチズンたちの間でも認知度が高い。フィギュア・ニンフ、キム・ヨナが世界の舞台で活躍してフィギュア種目の選手に対する幅広い関心が作用したようだ。このために根拠のない風説も横行している。代表的な風説が世界フィギュア選手権チャンピオン安藤美姫が在日韓国人3世という説だ。

安藤美姫の父親が韓国人の親の間に生まれた在日韓国人2世だという。一方では安藤美姫という名前自体が珍しい、韓国の姓の「アン」、名前の「ミフィ」を「安藤美姫」に改名したのではないか、と言う主張を広げた。美姫が日本で在日韓国人が経験する差別をよく知っているため、幼い時に日本式の名前に変えたというのだ。

一部のネチズンたちは、さらに日本現地メディアでも安藤美姫より浅田真央を持ち上げるのは、在日韓国人と地元日本人の差だ、と主張した。しかし、安藤美姫が在日韓国人3世という説は、途方もない噂だという反駁もある。パワフルなスケーティングで頑張る安藤美姫より緻密で可愛らしい技術で勝負する浅田真央が日本人たちの纎細な情緒にかなうからだ。したがって、美姫より真央が日本メディアによく上がるのは当然の事だ、という指摘だ。

安藤美姫と浅田真央は13日、直接対決する。場所は韓国だ。京畿道高陽(コヤン)市で開かれる世界4大陸フィギュアスケート大会で宿命のライバル戦を広げる。二人は「フィギュア女王」キム・ヨナが負傷で今回の大会に出場せず、さらに退くことができない立場だ。一応、浅田真央の方がちょっと優勢だ。真央は去年、グランプリ・ファイナル・フィギュア2位で、日本大会非公式世界新記録優勝で上昇ムードに乗っている。

しかし、安藤美姫には必殺の武器がある。男性選手でも難しい空中四回転がそれだ。また跳躍力が高くて迫力あふれるジャンプ力が長所の選手で、韓国人には纎細な真央より迫力満点のラフプレーの安藤が気に入るだろう。

安藤美姫が地元日本人なのか、在日韓国人3世か、と言うのは当事者だけが知っている。しかし、韓国フィギュアファンは、日本でよく使われる安藤美姫という名前が親しく聞こえる。「アンミフィ」安藤美姫が浅田真央より情感を込められる点は否定できない。

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木を見て森を見ず、というか、3行以上の文は理解できていない、というか・・・


「安藤美姫(21)は韓国ネチズンたちの間でも認知度が高い。フィギュア・ニンフ、キム・ヨナが世界の舞台で活躍してフィギュア種目の選手に対する幅広い関心が作用したようだ。このために根拠のない風説も横行している。代表的な風説が世界フィギュア選手権チャンピオン安藤美姫が在日韓国人3世という説だ。 」


ここだけ読んでも、”安藤美姫=在日韓国人”説は「根拠のない風説」と評されているわけで、「韓国ネチズンたちの間」の都市伝説レベルだという認識であることがわかるだろう。

他にも「安藤美姫が在日韓国人3世という説は、途方もない噂だという反駁もある。」などと記載されており、記事全体として「安藤美姫を在日認定」するような論調ではない。



これを読んだ上で、

「【バ韓国②】  安藤美姫を在日認定!
・久しぶりの在日認定です。彼女は、韓国人三世、アン・ミフィらしいです。」

と書いたなら、この嫌韓ブログ主は天性のバカか、あるいは確信犯的差別主義者かのどちらかでしょう。

それにしても、「◆補足・要点◆ 」と書きながら、単なるトリミング抽出とは、嫌韓の頭の中にはおがくずでもつまっているんでしょうか?

ところで、嫌韓ネトウヨらはよく「日本の国旗を焼いたりするような国は民度が低い」などと言ってますが、国名をもじって「【バ韓国②】」などと書くような人はどうなんでしょうかね?



嫌韓の手法。

韓国内でも一般人には問題にもされていない一部のネチズンによるトンデモが、韓国人全員の認識であるかのように偽装した上で、鼓吹し、韓国人に対する差別感情を煽る。



かつての家賃0円や通りすがりの三国人、tasponなどの嫌韓バカがやっている手法そのままです。


みんな芸がないね。




バカにバカと指摘しても無駄か・・・

久しぶりにsinesayoku(通名:通りすがりの三国人)のブログを見てみたけど、相変わらずの電波っぷり。


で、私のコメントにつっこめると喜んでエントリを書いた様子が目に浮かぶようです。

対象となったコメントはこれ


■無名さん 3

>サ条約にあたり、第一案に存在した竹島の名が最終的に外れていますし、

非調印国の韓国には関係のない話です。


>韓国政府の竹島領有に対し米国はラスク書簡という外交文書で明確に否定しています。

米国の当時の情報に基く、非公式の文書であって何等拘束力を持ちませんね。

>それにSCAPIN2160号では、竹島を空爆演習の目標にする際、韓国ではなく日本政府に通達していますね。この段階で竹島は日本政府の管轄になっていることを示しています。

単に実効支配している側に通達しただけの認識であって、それこそ領土決定ではないと思いますが?

scopedog 2008-09-04 02:49:29


これに対して・・・


http://ameblo.jp/sinesayoku/entry-10136869337.html

サンフランシスコ条約非調印国の韓国には関係のない話です。などと

なーどとまたカンコックの責任逃れ発言をたれていますが、
たいますが、日韓基本条約はサンフランシスコ条約の内容に基づいて結ばれている条約だという
基本知識が欠落していた模様です。
無知なネットキムチにご教授してあげましょう。


で、日韓基本条約
「サン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約の関係規定及び一九四八年一二月一二日に国際連合総会で採択された決議第一九五号(III)を想起し、」
を赤字で示してます。


うーん、俺が日韓基本条約を確認していないと思われているとは、なめられたものだなあ・・・。

しかし、同じエントリの山木さん宛のコメントでこう書いているのだが・・・。


日韓基本条約でサンフランシスコ講和条約を想起している点をどう判断すべきか、について確信がもてませんが、講和条約本文に何等言及されていない点から(講和条約交渉過程で何が語られていようと)、日韓基本条約経由で、韓国が竹島の取り扱いについていかなる制約を受けることはないと考えてます。
scopedog 2008-09-04 01:15:06


通りすがりの三国人はこのコメントを読んでいないのか、読んだ上でそれを隠して誹謗中傷のエントリを挙げたのか、どっちでしょうかね?


ひょっとすると、私のコメント(2008-09-04 01:15:06)を読むまで「日韓基本条約でサンフランシスコ講和条約を想起している」ことを知らなかったりしてwww。

奴ならありうるからなあ・・・。バカだし。


そもそも、

>サ条約にあたり、第一案に存在した竹島の名が最終的に外れていますし、
非調印国の韓国には関係のない話です。


のやりとりを素直に読めば、「韓国には関係のない話」なのは、講和条約そのものではなく、「竹島の名が最終的に外れ」たという交渉過程であることくらいわかりそうなものですがねぇ。日本語できないのかな?


それにしても嫌韓バカって、どうしてこうトリミングが好きなんだろう?

そっか、楽して相手を罵倒できるからか!




>ramrunner さん

韓国嫌いが増えるのは嫌韓やネトウヨだけの責任ではない、というのはわからなくはないですが、私が嫌韓バカを嫌うのはこういう通りすがりの三国人のようなバカがいるからです。
思い込みだけで(下手すりゃ捏造までして)相手を罵倒して、指摘されても恥じることなく、同じことを繰り返す。
こういうのを好きになれますか?
私はそこまで心が広くないですよ。


但し、嫌韓と言っても事実関係をちゃんと踏まえているような人がいることは理解してます。

例えば、獄長日記(http://ameblo.jp/dreamtale/ )のブログ主は(嫌韓と言ってよいと思いますが)、資料解釈には色々疑問符が付く点がありますが、少なくとも自分でちゃんと資料にあたった上でものを言ってます。
この点については評価しますし、彼が引用している資料については私も少なからず参考にしています。


先のグレブスト関連のエントリでも指摘してますが、通りすがりの三国人のような嫌韓バカの場合は、自分では全く資料にあたった形跡がありません。
彼のエントリ(http://ameblo.jp/sinesayoku/entry-10114922687.html )では、冒頭にグレブストの「悲劇の朝鮮」から、「日本軍将校による悪口」を、そうと書かずに引用しています。

そして
「馬鹿につける薬は無い」
と暴言を吐いているわけです。


当該引用部分は(http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115664265.html )でも書きましたが、「グレブストの発言ではなく、旅中一緒になった日本軍将校の発言にすぎ」ないわけです。

これはちゃんと「悲劇の朝鮮」を読んでいれば、絶対に間違えようのない箇所です。しかし、彼はそれを認識していません。つまり、実際に「悲劇の朝鮮」を読むことなく、ネットに流布されている嫌韓引用をそのままコピペしたわけです。

こういう嫌韓バカが、「正しい歴史認識」と称して韓国朝鮮人に対する差別感情を煽るのは、見ていて吐き気がします。

私はこういうバカが嫌いなんですよ。



竹島問題に関する考察・その2

さてさて、嫌韓ニートと違って、勤め人の私としては、仕事が忙しくなるとネットの接続時間が減ってしまうわけですが、嫌韓ニートはそれを「引きこもり」と表現します。

ま、まともな仕事をしたことがないのだから、社会についてよくわかっていないのでしょう。
あるいは、彼らにとっての世界はネット上にしか存在しないのかも知れません。


それはさておき、

1.竹島(独島)関連の資料を精査すれば、どちらの主張に正当性或いは説得力があるか
2.竹島問題の解決法

のうち「2」の「竹島問題の解決法」を考えてみます。



コメント欄でも答えてますが、私は竹島問題については、話し合いで解決するのが一番だと思っています。

この場合の「解決」というのは、双方ともにその状況を無理なく受けいれられることを指します。一方の要求を優先することによって、他方の要求を排除すれば、排除された方は、国民レベルでの不満が残り、後日の火種となり得るからです。なので、戦争とか経済封鎖とかは問題外です。

この意味での「解決」を認めないのであれば、「竹島問題の解決法」の私的見解を受けいれることはできないので、以下読んでも無駄です。

つまり、(自分は参加するつもりがないくせに)「戦争を辞さない」とか言っているようなバカはお呼びじゃないということです。


さて、話し合いでの解決ですが、大きく三通りの方法があります。


1.日韓二国間交渉
2.第三国による調停
3.国際司法裁判所による調停


「1」はひとまず置いて、「2」「3」について考えます。


「2」について。
第三国と言っても、日韓ともにその調停案に対して同意せしめるためにはそれなりの影響国を持った国でなければならず、現状で考えられるのはアメリカくらいしかないでしょう。
で、そのアメリカにしてもわざわざ同盟国間の領土紛争に介入するとは考えにくく、実際静観の構えを見せています。アメリカが調停役に立つとなった場合、日韓共にアメリカ国内でのロビー活動を活発化させるでしょうから、それによる混乱を抱えるのはアメリカにとっては得策とは言えません。まして、アメリカの調停案をないがしろにされれば、アメリカの面子が潰れますし。
そういうわけで、おそらく今後もアメリカが調停に立つことはないでしょうね(よほど事態が急変すればありえるかも?)。

さて、仮にアメリカが調停に出た場合を考えてみても、韓国が竹島を実効支配している点を考慮すれば、竹島を日本領にするという案はまず出さないでしょうし、実際にアメリカが本腰を入れて歴史上での正当性を検証した場合、韓国勅令41号が有効とされるかも知れません。日本がラスク書簡などを持ち出したところで、1950年代当時の見解に過ぎない、と回答されたらそれまでです。
一方の韓国にしても、1952年のやり方をアメリカが是とするとは考えにくいですから、竹島返還には至らずとも対日賠償などを課せられる可能性はあるでしょう。


「3」について。
嫌韓ネトウヨを中心にそれ以外の立場の人もよく言及する国際司法裁判所での判断ですが、日韓双方が望む場合のみ成立しますが、解決策としてはあまり良いとは言えません。当然のことながら、国際司法裁判所の判断を望むと言う事は、双方とも自国に有利な解決が得られるであろうという期待があり、しかもそれは日韓直接交渉では得られないレベルのものである、ということです。この辺は「2」でも同じことが言えますが、どのような解決案であっても日韓それぞれの国内の不満分子が騒ぎ立てるでしょうね。

ちなみに、「日本は国際司法裁判所に出ることを望んでおり、韓国が出てくるのを待っている(出てこない韓国は卑怯だ)」みたいな主張がありますが、日本が国際司法裁判所への付託を提案したのは、1954年9月と1962年3月の2回のみで、いずれも日韓基本条約成立以前です(日韓交渉は1962年11月の金・大平メモで山場を迎えますから、1962年3月の日本の提案は日韓交渉上の取り引き材料とみるのが自然でしょう。実際、韓国は金・大平メモで、賠償額について大幅な譲歩を承認してます。)。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/g_teiso.html

つまり、日韓国交成立以後は、40年にわたって日本は国際司法裁判所への付託を提案していないわけで、上記の主張はかなり弱いと言えるでしょう。



「2」「3」ともに。
実際問題として、日韓二国間交渉ではなく、第三国や国際機関の調停を受けるということは、日韓双方の近隣外交能力が不足していることを露呈するわけで、国威の観点から望ましいとは言えないでしょう。
(例えば、今後アフリカなどでの紛争の調停などを行った場合、隣国との領土紛争すら自国で解決できないような国の調停案を当事国の国民が心理的に受け入れられるでしょうか?)
日韓基本条約以降、日本が国際司法裁判所への付託を提案していないのは、そういった懸念があるからだと思います(外務省の真意はどうだかわかりませんけど)。


デメリットとしては、もう一点あります。
第三国や国際機関の調停を受ける場合、日韓それぞれの主張、それも交渉戦術上、最大の利益を求める主張がそれぞれの国民の目に晒されます。お互いの国民が自分達にとって最も都合のいい解決案を夢に抱くことになるわけです(当然ながら両国のマスコミもそれを煽るでしょうね)。勝ち負けの基準が高いレベルに明確に設定されてしまうと、もうお話になりません。最上の解決策はwin-winの関係を作ることにありますが、こうされてしまうとwin-loseの関係が確定し歪を伴う解決しか選択肢がなくなってしまいます。
また、外交交渉の基本は、give and takeであって、双方ある一定の譲歩は必要なわけですが、こういうお祭騒ぎになると、譲歩案を口に出す論者は非国民扱いされがちです。
その結果、どのような結果になっても、二国間交渉で同様の結果を出した時以上に火種を抱えることになります。これが大きなデメリットです。



そんなわけで、可能な限り「1」の二国間交渉で解決するのがベストだと考えます。


具体的な解決方法として、現時点で最も現実的(と言っても、両国が政府肝いりで大騒ぎを始めた現状では、どちらかと言えば、非現実的な分類に入ってしまうだろうが)なのは、現状の実効支配領域(若干の変更可)を持って境界とする案、でしょうね。


つまり、竹島は韓国領とし、それを日本の韓国に対する面子上の譲歩とした上で領海設定では日本に有利なように韓国が譲歩する形での決着。可能ならば、漁船などの日本船舶が竹島・鬱陵島を給油・修理で利用できる条件をつけるとか、これまでの韓国による竹島支配は認めないが、日韓友好の証として日本が竹島主権を韓国側に譲渡し、韓国側はそれに対する感謝を表明する、という体面上での条件をつけるとか。ま、いろいろ考えられます。

(繰り返しになるが、1952年の韓国は日本が連合軍占領下であることを利用して竹島の領有を宣言したわけだが、1905年に日本が占領下韓国に対して領有宣言したことを考えればとりたてて韓国のやり方が酷いとも思わない。また、韓国成立が、日本からの分離独立であることを考慮すれば、大西洋憲章における領土不拡大の原則にも抵触しない。)


この解決法は、嫌韓バカのみならず竹島問題に興味を持っている日本人の半数ほどからは批判を受けると思ってます。

曰く、領土問題は一歩も引くべきではない、という主張ですね。


ですが、最初に言ったように、「解決」=「双方ともにその状況を無理なく受けいれられること」です。そして、外交交渉というのは、互いに譲歩する必要があります。
基本的に、双方同じものにこだわっていたら解決はできません。なので、交渉ではそれぞれの要求の性質・優先順を考慮して解決法を探るわけです。


韓国にとって竹島は、日本帝国主義による併合の起点という精神的な価値があります。もちろん竹島に伴う海域での漁業権の問題もありますが、韓国人一般にとっては漁業権よりも自国領土という精神的な価値のほうが高いでしょう。

一方の日本にとって竹島は、右翼以外は精神的な価値は低いと言えます。もともとが無人島であり、漁業関係者にしか価値のない島なのでそれも当然なのですが。つまり、竹島の価値に最も関与するのは、日本の漁業関係者です。


そう考えれば、日韓それぞれが考える竹島の価値は、その性質が異なることがわかります。


つまり、こういうことです。

韓国にとっての価値:「精神的な価値」>「漁業上の価値」
日本にとっての価値:「漁業上の価値」>「精神的な価値」


だったら、こうしようと言うのが、先に述べた解決案なわけです。

韓国:竹島そのものの取得
日本:漁業利権の取得


(追記)

実際、竹島そのもの韓国主権を認めれば、領海設定では相当日本に有利にできると思うのだがなあ・・・。


(ここまで)


問題は、竹島の日の制定とか教科書に載せるとかなどで、日本国内における「精神的な価値」を高めようとする動きです。これが「漁業上の価値」を上回ってしまうと解決は困難です。この点に関して、小泉・安倍・福田とろくなことをやってないのが問題ですね。
ま、こういう韓国与党の反応もアホかと思う。

「対馬も韓国領」ハンナラ党で強硬発言が続出(7月16日17時26分配信 YONHAP NEWS)
「許泰烈(ホ・テヨル)最高委員は16日、汝矣島の党本部で開かれた最高委員会議で、常に独島は韓国領だと主張しながら同じ対応をしているのは残念だとし「対馬も韓国領だと対応していくことが歴史の流れから見て意味のあることだ」と主張した。」


本気で解決する気があるなら、こんなこじらせるような真似はわざわざしないと思うのだがなあ・・・。
どうも、日韓両国の保守勢力にとって、竹島問題は”問題のまま”であって欲しいのではないかと思えるんだよね・・・。

両国の世論が煽られている状況では実現困難だけど、それでも一番現実的な解決策は、先に述べた”竹島そのものは韓国領、領海は日本に有利に設定”とするのが妥当だと思う。


しかも、この解決案はなるべく早めに実行したほうがよい。
というのも、領海にある資源は漁業資源だけとは限らないからです。

もし、今後、竹島に関連する海域で、開発可能な海底資源が見つかった場合、先の解決案に韓国側が賛同する可能性が著しく減るでしょう。

そうなった場合、竹島問題は本当に解決不能の日韓外交の足かせになります。


嫌韓バカは人語を解さないのでともかく、普通に領土問題に関心を持っている人には是非これらの点を今一度考慮してもらいたいと思います。


そろそろ

8月がまるまる公私ともども忙しかったので、ろくに管理してませんでしたが、ようやくコメントの確認をしています。


まあ、9月末決算で、10月末には決算をまたいで締め切りがあるので、まだしばらくは忙しいのですが、暇を見てコメントの承認と返答を書いていこうかと思います。


あと、新規エントリも。



で、ざっくり1か月分のコメントを見たのですが、相変わらず嫌韓ウヨからのコメントも来てますが、思ったほどではないですね。

的外れながらも一応質問の形式になっているようなので、嫌韓ウヨも含めて、ほとんど全てのコメントは承認するつもりです。


そんなこんなで近況報告でした。


キジを殺したデモを行ったことで、日本の嫌韓ネトウヨから絶大な支持を集めた韓国右翼団体

元記事は、韓国語のマネートゥデイしか見当たらない。
http://www.moneytoday.co.kr/view/mtview.php?type=1&no=2008071718190781431

この過激なデモをやったのは、HID(特殊任務遂行者会) という団体。韓国版WIKIを自動翻訳で読んだところ、
http://ko.wikipedia.org/wiki/%ED%8A%B9%EC%88%98%EC%9E%84%EB%AC%B4%EC%88%98%ED%96%89%EC%9E%90%ED%9A%8C


元々は、冷戦構造での南北朝鮮のスパイ合戦の一翼を担っていた存在で、その性質上、長く公にされることがなかった工作員たちで、こういった工作員の犠牲者に対しても補償するべきという観点から2007年に公認団体として特殊任務遂行者会が成立したようだ。


略称がHIDで、なぜか韓国陸軍諜報部隊と同じ略称なのだが、特に関係はないと思う。


http://hid081.co.kr/hid/index.asp
HID(陸軍諜報部隊)

http://www.khuman.org/
HID(特殊任務遂行者会)


この団体の資金源として、治安請負(警備会社みたいなものか?)を行っており、現在の韓国与党・ハンナラ党議員が、このような団体の収益事業を認める法律改正を進めている。元が公的身分を持たない工作員組織であったことから、愛国心が異常に強い傾向にあることは容易に想像でき、かつ現在の李明博政権との関係も深いことが推測される。


実際、ロウソクデモでは、特殊任務遂行者会がロウソクデモ参加者に因縁をつけ暴力行為を行っている(戦死者の慰霊祭をデモ予定地で行い(当初は板橋で行う予定だったのを変更した)、抗議したデモ参加者に暴行を加えた)。これには、政府の指示があったのでは、という噂さえある。


つまり、現在のHID(特殊任務遂行者会)は、かなり痛い右翼団体(韓国においてこういう言い方が正しいのかどうかよく知らないが)と判断してよいと思う。


ハンナラ党政権とHID(特殊任務遂行者会)の関係は、日本で例えるなら、
自民党政権と大日本同胞社(加藤紘一宅を放火した犯人の所属している右翼団体)の関係になるのかもしれない。あるいは、自民党政権と維新政党新風(関連組織が慰安婦問題でのアメリカ政府に抗議するために星条旗に鉤十字をつけたりしたイタイ団体)とか。


さてさて、日本の嫌韓ネトウヨ連中は、このキジ殺しの記事がいたく気に入った様子で、ウヨサイトのあちこちにコピーが貼られている。


例えば、こういうバカがいる↓


http://ameblo.jp/sinesayoku/entry-10117233844.html
いいぞキチガイ! 韓国人はこうでなくっちゃ!!


すっごい大喜びしてますな(赤字の特大フォントまで使って)。

人間の器の小ささを物語っていて大変興味深い。器のサイズは、お猪口の35分の1モデルくらいでしょうか。水を注げるような器ではなく、表面張力で水滴がくっつく程度しか水を保持できない器のようです。

人間性としては、キジ殺しの韓国右翼と同レベルですね。鏡に映った自分を罵倒しているようなものです。


しかし、一部の痛い韓国右翼の行動でもって、韓国人全体を決め付けるってことは、つまり、一部の痛いネトウヨ日本人の行動でもって、日本人全体を決め付けられても構わないってことかな。
それじゃ、毎日の英語サイトに文句言えないよ。

あと、そうだな、上記のような嫌韓バカには、是非こういう奴らの責任も負ってもらいたいものだ。
http://sankei.jp.msn.com/topics/affairs/8181/afr8181-t.htm


どうも、隣国のことをよく知らないせいか、ロウソクデモも、キジ殺しデモも、同じとみなしているかのように感じるのだが、それって、沖縄での教科書検定抗議デモと、(ネトウヨらによる)毎日新聞の英語サイト抗議デモを同一視するようなものじゃないかなあ・・・。


参照:毎日新聞社屋前でのネトウヨ(1/2)
http://blog.goo.ne.jp/ngc2497/e/11dba2b12581abd1e0cf19ceef62c894

竹島問題に関する考察・その1

さて、やたら「竹島(独島)関連の資料を精査すれば、どちらの主張に正当性或いは説得力があるか」だの「竹島問題の解決法」だのと質問を受けているわけだが。

「竹島は日韓で係争中の島」くらいの認識で、特に興味を持っていたわけでもなく、いちいち資料を調べる必要があるので、勤め人には結構大変な作業だ・・・。

まあ、おおかた家賃0円あたりは、竹島(煩雑なので基本的に以下「竹島」表記のみ)を持ち出せば嫌韓に対する批判をかわせるとでも考えていたのだろう。



で、竹島問題。


質問は二つ。

1.竹島(独島)関連の資料を精査すれば、どちらの主張に正当性或いは説得力があるか

2.竹島問題の解決法


(※最初に断っておくが、別に日本政府の代弁も韓国政府の代弁もするつもりはないので、両者の公式見解とは必ずしも一致しない個人的な見解を述べる。その辺誤解なきよう。自己と国家を同一視する傾向の強いネトウヨには理解できないだろうけど。)

あと、長くなったんで「2」は、別のエントリで挙げることにして、今回は「1」のみ。


「1」は歴史上での占有根拠をもって、日韓どっちに正当性があるかということかと解するのだが・・・
(「竹島(独島)関連の資料」って、主に歴史資料を指すとみなします)


でね、主張そのものの内容は、日本:「竹島は日本領」、韓国:「竹島は韓国領」の一点のみで、その他にその主張の根拠などがあると思うのだが、根拠の正当性まで言及すると玉石混交でどうにも面倒なので、そこには踏み込まない。


簡単に・・・

日本の「竹島は日本領」という主張、韓国の「竹島は韓国領」という主張、についてそれぞれ正当性があるかどうかを考えることにする。


といってもまあ、江戸時代以前の資料はあまり意味がないと思うので1905年以降で考える。


で、このころの状況を簡単に述べておこう。


まず、1904年2月8日には、日露戦争が勃発している。開戦前に韓国政府は中立宣言していた(1904/1/21)にも関わらず、日本は韓国ソウルを軍事占領し、日韓議定書(1904/2/23)を締結した

日韓議定書の第4条
「(略)大日本帝国政府は前項の目的を達する為め軍略上必要の地点を臨機収用することを得る事」

これを根拠に日本は韓国の道路、港湾各所を軍事占領していく。

この韓国の軍事占領を担当したのが、韓国駐箚軍(1904/3/11-1910/10/1)である。


韓国に上陸した日本軍第一軍は1904年5月に鴨緑江を渡り、清国領土に入り1904年8月末には遼東半島に上陸した日本軍第二軍、第四軍と合流して遼陽を攻撃・占領している。この1904年8月には、旅順近海で黄海海戦(1904/8/10)があり、日韓海上交通線の脅威であったウラジオ艦隊の撃破(蔚山沖海戦1904/8/16)があり、日本にとって優位に展開している。

この1904年8月に日本は韓国に対する内政干渉を強化する第一次日韓協約(1904/8/22)を結んでいる。

さらに直後の1904年9月、韓国駐箚軍の司令官は原口少将から長谷川大将に代わっている。原口少将は駐箚軍司令官拝命前は休職中であったが、長谷川大将は近衛師団長である。この点や、司令官を少将級から大将級に変えた事を見ても韓国駐箚軍の政治力が強化されたことがわかる。


さて、日露戦争について言えば、その後満洲の戦線は徐々に北上し1905年1月には第三軍が旅順を陥落させ戦争における日本の優位(と言っても日本が大負けはしないだろうという程度だが)が知れ渡るようになる。


まさに、この1905年1月28日に日本は竹島の領有宣言をする。と言っても韓国政府に対して宣言したわけではなく、2月22日付の島根県告示第40号に載せた程度らしい。これに韓国政府が気づくのは、1906年のことになるのだが、それまでに何があったか。


1905年3月の奉天会戦、5月の日本海海戦で、日本の勝利はほぼ確定し局面は講和交渉を主体としたものに移り、1905年9月のポーツマス条約によって戦争は終結した。


さて、日韓議定書によれば、日本が韓国に軍隊を駐留できるのは「第三国の侵害に依り若くは内乱の為め大韓帝国の皇室の安寧或は領土の保全に危険ある場合」という条件付である。


ロシア軍の脅威が去った時点で、日本軍は韓国から引き揚げるべきなのだが、日本軍は韓国に居座ってしまう。まるで、日露戦争前の満洲に居座ったロシア軍と同じである。


そしてこの状況下で、日本は第二次日韓協約(韓国の保護国化)(1905/11/17)を韓国側に強いるわけだ。
この時点をもって、韓国の外交権は日本に奪われ、日韓間に問題が起きても韓国には諸外国に訴え出る法的根拠が失われることになる。


こうした日本による韓国保護国化が進んだ状況下の1906年3月28日、島根県の竹島調査団が鬱陵島に訪れ、竹島が日本の領土になったことを伝えたのである。
これに驚いた韓国側の鬱陵島郡守が、韓国政府に本郡所属の独島に日本官員一行が訪ねて来て、独島が日本領土になったので視察がてら来たと述べていた」と報告したとされる。
http://www.pref.shimane.lg.jp/soumu/web-takeshima/takeshima06/takeshima06_05.html
http://www.chosunonline.com/article/20050308000070


これが事実であれば当時、韓国側は竹島を自国領と認識していたが、既に保護国化され国際社会に対する訴えなど出来ない状況であったことになる。


したがって、1905年1月28日の竹島領有宣言に対し異議が出なかった、と日本が主張しても正当とは断言できない。ただし、当時の帝国主義的国際法秩序に従うなら正当化できる。


一方で、1952年1月18日の韓国による竹島領有宣言も半世紀前の日本による領有主張に対する異議として解釈する限り正当性はあると言える。


(当時の)国際法では日本の領有権主張は合法なのだから、韓国が戦後に武力を背景に領有権主張するのは違法だ、という意見もあろうが、そう単純ではない。


そもそも、1905年の日本による領有権主張も1952年の韓国による領有権主張も、”武力を背景にし、かつ、相手国が占領下にある状況での一方的な主張”であることには変わりはない。


この辺については、日韓いずれも肝に銘ずるべきだろう。


その上でなお「1905年当時はそういう時代だったが、1952年当時はそうではない」と主張する人もいるだろう。しかし、これもそうとはいえない。


つまり、1950年代と言うのは、帝国主義時代に植民地化された第三世界が独立闘争を激しく行っていた時期であることに留意しなければならない。


例えば、エジプトにあるスエズ運河は、19世紀にエジプトがイギリスに対し株を売り渡すことによって”正当に”イギリスの物となったわけだが、1956年にエジプトは一方的にスエズ運河の国有化を宣言している。これによって第二次中東戦争が勃発したわけだが、国連はエジプトの正当性を認め、最終的にイギリスは国際的な非難を浴びて撤退している。


要するに、”1905年当時はそういう時代(帝国主義的植民地化が正当化された時代)”と言うのなら、”1952年当時もそういう時代(帝国主義的に奪われた利権の回収が正当化された時代)”と言うこともできるわけだ。


というわけで、「1」の回答は、領有権主張は日韓ともに正当だ、というのがscopedogの見解。

竹島問題は植民地時代の残滓を引きずった領土紛争である、という認識です。





(以下、蛇足)

えー、もちろん、これは日本政府の見解とも韓国政府の見解とも異なります。

どうにも嫌韓バカは、”日本=オレ”的思考でしか考えられない程度の知能しか持たないため、”嫌韓を批判する=反日=韓国”レベルの解釈しか出来ません。

なので、私に対して、在日だのなんだの、とネット上で判断できるわけもない民族属性を勝手に妄想して決め付けてきます。私は、そういう奴らをアホと認識しているので肯定も否定もしません(大体、したところでネット上では証明できないし)。



ちなみに、平和条約交渉時の米国非公式見解を日韓ともによく自説の根拠に使おうとしているようだけど・・・


1.日韓基本条約で想起している平和条約には竹島領有権の所在は明示的に示されていない(韓国は平和条約そのものの調印国ではない)。

2.米国の非公式見解の如何は、いずれの領有権主張の正当性も損なわない。


ので、あまり意味はないと思いますよ。

先のスエズ運河の例では、当時の西側諸国の見解はエジプトに不利でしたが、結局はエジプトの正当性は認められました。1950年代に米国の見解がどうだったにせよ、なんら確約を伴わない、まして非公式の見解が現在の米国の態度まで束縛するわけではありません。

竹島問題は、現在の政治問題であって歴史研究ではありません。解決のために考えるべきなのは、歴史研究の成果が政治問題にどの程度資するか、そしてそれが、歴史研究以外の現在の国際情勢の影響に対してどの程度の影響力を持ちうるか、と言う点です。

それについては、また別のエントリで書く予定。







怪文書が好きなネトウヨ(アーソン・グレブスト編・その7)

嫌韓ネトウヨの「悲劇の朝鮮」からの恣意的引用・第7回目です。


第1回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114681424.html
第2回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114684316.html
第3回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115001444.html
第4回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115100646.html
第5回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115592625.html
第6回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115636803.html


前回と若干かぶりますが、韓国人、特に両班の性質に対する誹謗です。
これも引用している嫌韓ネトウヨが非常に多いです。


工作員のごとく、一人であちこちのコメント欄に貼りまくっているmugiとかいうコメンタもいます。

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http://specificasia.seesaa.net/article/93680608.html
http://specialnotes.blog77.fc2.com/blog-entry-353.html
http://ameblo.jp/worldwalker2/entry-10007246737.html
http://banmakoto.air-nifty.com/blues/2005/11/post_699b.html
投稿 mugi | 2005/11/13 15:15
「悲劇の朝鮮」アーソン・グレブスト
『嘘っぽい理論で結論を下す論法ときたらまったく驚くべきほどです。自分が正しい場合がほとんどないにもかかわらず、悪び
れる様子がほとんどない。』
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ここは上記と同じ引用。
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http://yhn8.iza.ne.jp/blog/day/20070727/
http://nida.seesaa.net/article/93765757.html
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こっちはもう少し長く引用しています。
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http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2463/rekisi2.htm
http://www.geocities.com/deepredpigment2/dnchon7_012.html
http://d.hatena.ne.jp/nay/20050905
http://blog.goo.ne.jp/azeria0087/e/25e7015836a049c93057a5cdb30da33e
http://www.tamanegiya.com/gaikokujinnno.html
http://pinoccio.at.webry.info/200602/article_13.html
http://ameblo.jp/sinesayoku/entry-10114922687.html
「 悲劇の朝鮮 」 アーソン・グレブスト 1912年( 高演義・河在龍訳 1989年 白帝社 )
( 学者である両班は )礼節上、天地の間に起こることならすべからく知っていなければならないし、質問されたことにはこと
ごとく答えられなければならないわけですが、ただ、わざと騙そうとするのではありませんが、その嘘っぽい理論で結論を下す論法ときたらまったく驚くべきほどです。自分が正しい場合がほとんどないにもかかわらず悪びれる様子がほとんどない。もし誰かが彼の言うことを受け入れないで別の論理で反駁を加えたりすると、彼は礼を守り抜くために必死の努力をするんです。なかなか信じようとしない人を説得したり、または自分の正しさを納得させたと自分自身思えるまでは、決して投げ出したりはしません。

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おや、通りすがりの三国人(sinesayoku)も引用してますねwww
アーソン・グレブストについて、ネットで検索でもしたんでしょうか?この餌に簡単に食いついているところから見ても、実際に本にあたったわけではなさそうです。

理由は以下の通り。

この記述は「悲劇の朝鮮」P32~P37に確かにありますが、結論から言うと、これも前回同様グレブストの発言ではなく、旅中一緒になった日本軍将校の発言にすぎません。
グレブストと日本軍将校は、P32~P37にかけて、世間話をしており、グレブストは日本軍将校の話を「悪口」と表現しています。


ちゃんと「悲劇の朝鮮」を読めば、この内容をグレブストの発言などと勘違いすることはありえません

このような性質の悪い引用は、知った上で悪意を持って行ったか、ろくに調べもせずに軽率にコピペしたかのどちらかによるとしか考えられません。


この方↓はどっちでしょうかねえ?後者かな?
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http://pinoccio.at.webry.info/200602/article_13.html
理由の無い反日はもうやめないか ピーノの独り言/ウェブリブログ
興味深い事に、この様な「両班的」思考法は戦前から外国人に指摘されていたみたいですね。
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引用内容が、グレブストの発言ではなく、日本軍将校であることは既述の通り。
まあ、韓国人にとって日本軍将校は外国人と言えば外国人だが・・・


通りすがりの三国人は、どっちかな?悪意はありそうだけど、知能はなさそうだから後者でしょうか。


全く、嫌韓ネトウヨの、”嘘っぽい理論で結論を下す論法ときたらまったく驚くべきほどです。自分が正しい場合がほとんどないにもかかわらず、悪びれる様子がほとんどない。”


やれやれだぜ。




引用箇所の前後は以下の通り、少し長いですが、1904年当時、朝鮮半島を軍事占領していた日本軍の将校が韓国についてどう考えていたか、を知る上で興味深い部分なので、第6回の引用からの続きで引用します。


 大尉は朝鮮人が勤労を軽んじているなどと、悪口を言いつづけた。
 (日本軍大尉)「われわれ日本人は楽しく働いて、その結果について自負心をもちます。ところが朝鮮人とくると、生存の余地がなくなるという局面に至らないかぎり働こうとしません。
 <仕事>という言葉は朝鮮語ではいろんな意味を含んでいて、たとえば損害、損失、不幸、悲しみなどの意味があります。
(註:朝鮮語に詳しくないので断言できないが、”イル”という語には、普通に”仕事”や”人間の活動”くらいの意味しか見つけられなかった。)仕事をしなければならないということ自体を悲しく思い、当然何もしないで楽に過ごすべき時間に働かなければならないというのは、時間的な損失を意味するわけです。不必要な労働は健康を害し、何もせずに過ごすゆとりがないというのはそもそも吹こうであると考えるのでしょう」
 あれこれ話しあううちに話題が今走っているこの新鉄道に移った。人一倍軽率で口数の多い日本人大尉によれば、この鉄道が東洋で持つ意味は大変大きいとのこと。彼はこう語った。
 (日本軍大尉)「この鉄道は中国、ヨーロッパにつながる新しい起点となるでしょう。これが完成すれば、ベルリンやパリ、ローマからまっすぐ釜山まで来れるようになります。釜山と日本を連絡する蒸気船路をすでに計画中で、これに要する費用もさして難題ではありません。
 戦略的な面から見るときこの鉄道の価値は莫大なもので、管理権も完全にわれわれの手中にあります。全域にわが軍隊が散っており、わが警察が治安を守っております。かつては兵力を国境線まで輸送するのに何週間も掛かったが、今ではほぼ一日ですむんです。この輸送路が国内産業にいかなる影響を与えるかについては、いまさら長々と説明する必要もないでしょう。
 朝鮮人は旅が好きです。これまで彼らは自分なりのやり方で、夢見るようにゆっくりと旅を楽しんできたが、いまや鉄道がそんな旅のしかたを新しく変えてしまうことでしょう。国土を歩いて往き来する時代は、ようやく大団円の幕を降ろしたということですよ。
 朝鮮人はよく歩く民族だから一日に軽く一九キロ歩けるし、必要なら四〇キロでもこなします。金をかけずに旅するわけですよ。日に三度の飯と時々履きかえる草履さえあれば、それ以上もう何もほしがらない人たちなんです。」
 (グレブスト)「それにしても皆が皆、徒歩で旅行するわけじゃないでしょう」
 (日本軍大尉)「もちろんです。たとえば公職にある者は面子を考えて駕籠に乗る。肩にかつぐ日本の長い棒のうえに箱を載せたようなその駕籠の中で、座布団に足を組んで座ったまま一日一〇時間以上もじっと辛抱し通すんです。じっさい移動するには大変楽な方法です。駕籠かきたちの歩調が乱れて起きる不祥事の際の衝撃を少なくしてくれます。ふつう一人用の駕籠ひとつに駕籠かきが二人つきますが、位の高い官吏はその体面を重んじて四人も従えます。公職に身を置く人や学者にとって、自分が貧しく見えることほど恥ずかしいことはありません。隙を見せてはならず、必ず格式を整えなければなりません
。(註:この辺は、江戸時代の参勤交代でも似たような状況。薩摩藩士は格式を整えた大名行列を維持するため食費を削り、芋ばかり食べており、「芋侍」と揶揄されている)
 絶対忘れられずいつも頭から消えない単語がひとつありますが、それは<礼>です。礼に従うためならほかのことは違反してもいい。ところが礼を失した人間は、親戚や他人の目には烙印を押された者と映るわけです。労働が礼でないことは規制の事実となっていて、これが怠慢にたいする口実として使われているのです。(註:日本の江戸時代でも、士農工商の身分を越えて婚姻・妾をもつことは体面上できなかったが、貧乏武士の養女にして妾にするなどの裏道はあった。)
 朝鮮の学者は、誰かうるさい人の目に労働と映りうることなら、できる限りそれから遠ざかろうとします。衣服を自分の手で着てはいけないし、タバコの火も自分で点けてはいけません。そばに手伝ってくれる者がいない場合は別にして馬の鞍に自力でのぼるべきでなく、また荒馬から落ちたとしても、誰かがやってきて抱き起こすまでは地面にそのままたおれていなければならないのです。
 学者は個人的な商売はやらないのですが、その訳は商売というものがまさに労働であり礼に反するからです
(註:日本の武士にも商売を嫌う傾向があった)。こんなわけで両班はただのチゲ人夫からいとも簡単にだまされてしまうのです。紳士を指して朝鮮語で両班といいます。それでいて彼らは日常生活についての自らの無知を、決して認めようとはしません。
 礼節上、天地の間に起こることならすべからく知っていなければならないし、質問されたことにはことごとく答えられなければならないわけですが、ただ、わざとだまそうとするのではありませんが、その嘘っぽい理論で結論を下す論法ときたらまったく驚くべきほどです。自分が正しい場合がほとんどないにもかかわらず悪びれる様子がない。もし誰かが彼のいうことを受けいれないで別の論理で反駁を加えたりすると、彼は礼を守り抜くために必死の努力をするんです。なかなか信じようとしない人を説得したり、または自分の正しさを納得させたと自分自身思えるまでは、決して投げだしたりしません。
(略)」


以上、グレブスト本人ではなく”人一倍軽率で口数の多い日本人大尉”の”悪口”でした。


怪文書が好きなネトウヨ(アーソン・グレブスト編・その6)

嫌韓ネトウヨの「悲劇の朝鮮」からの恣意的引用・第6回目です。


第1回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114681424.html
第2回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114684316.html
第3回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115001444.html
第4回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115100646.html
第5回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115592625.html


第6回目ですが、ページ的には戻ります。
実は今回と次回の内容は少しかぶり、かつ、あまりにも酷いトリミング引用なので、最後に持ってきました。

内容は、韓国人の民族性に対する言及です。引用しているサイト、ブログも数多くあります。


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http://enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=ttalk&nid=1104081
http://sora1975.blog88.fc2.com/blog-entry-50.html
http://blog.livedoor.jp/enkori/archives/50406128.html
http://kk2005xxx.iza.ne.jp/blog/entry/157854/
http://ameblo.jp/campanera/entry-10065190461.html
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=tcosmetic&nid=313387&tab=ten
■スウェーデン人の記者アーソン・グレブスト「悲劇の朝鮮」より抜粋
将来性がなく、中国人以上に酷い民族である。
一千年前に眠った場所に留まり続けている。
更に良くないのは、その眠りから覚めようとしない事だ。
韓国人は独立が嫌なのだ。
できれば他者に依存して責任回避をしたいのだ。
彼らの望むことは、何の心配もなく平和に暮らす事だけだ。
「独立」と言う言葉は、彼らにとって恐怖を意味し、不信や無法と同じである。
仕事、悲しみ、喜びは分け合うが、収入は独占しようとする。
自分の判断で動かなければならない状況では混乱し、結局、一番愚かな行動を選択する。
日本人は楽しく働いて、その結果について自負心を持つ。
ところが韓国人は、生存の危機に陥らない限り働かない。

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まるで、グレブストが韓国人の民族性について、辛らつな批評をしたかのような引用ですが、嫌韓ネトウヨはここで重大なトリミングを行っています。
記述自体は、上記とは若干異なりますが、「悲劇の朝鮮」P33に確かにありますが・・・


この発言は、グレブスト本人が言った内容じゃありません。

グレブストが旅中知り合った”日本軍将校”の発言です。

つまり、この韓国人の民族性に対する辛らつな誹謗は、1904年当時の日本軍将校の持っていた見解に過ぎないのです。

実際の引用を見てみると以下の通りです。


日本軍大尉の語る朝鮮と朝鮮人
(略)
 大尉は鴨緑江渡河のとき負った傷のため日本に送りかえされて治療を受け、そして今旅順にある本隊に戻るところだという。彼は何のためらいもなくロシア軍人の勇猛さには感嘆を示したが、その戦争発祥の舞台であり、今私たちが縦断している国の民族については別段いい言葉は吐かなかった。
 「亡国の運命に瀕した民族ですよ」
 と彼が言う。
 「将来性がなく、中国人以上に散々な民族です。一千年前に眠ったその場所にいまだにとどまっているんです。いっそうよくないので、その眠りからさめようとしないということです。自分の足で立ちあがろうとしないし、独立を望んでおりません。
 朝鮮人は独立がいやなんです。できればいろんな人に依存して責任回避したいんですよ。彼らの望むことといえば、ただなんの心配もなく平和に暮らすことなんです。独立という言葉は彼らにとっては恐怖を意味し、不信や無法と同じことです。
 仕事、悲しみ、喜びは分けあおうとしながらも収入は独り占めしようとする。自分の判断で動かざるをえなくなると、たぶんあわてふためいてどうしていいやら判らず、結局いちばん愚かな行動を取ってしまうでしょう」
 大尉は朝鮮人が勤労を軽んじているなどと、悪口を言いつづけた。
 「われわれ日本人は楽しく働いて、その結果について自負心をもちます。ところが朝鮮人とくると、生存の余地がなくなると
いう局面に至らないかぎり働こうとしません。
(略)

「悲劇の朝鮮」P33


嫌韓引用では、「大尉は朝鮮人が勤労を軽んじているなどと、悪口を言いつづけた。」の部分を削除し、まるでグレブスト本人の見解であるかのように偽装していることがわかります。単なる要約や不要部分の割愛ではなく、明らかに意図的なトリミングです。

正直、ここまで酷いトリミングは滅多に見れないと思いますが、ネトウヨはそこかしこでやっているかも知れません。

こんなトリミング引用を平気で載せてしまい、それを第三国の外国人の論評だと捏造するのが嫌韓ネトウヨのやり方です。こんなやり方をする奴らの示す資料を、そのまま信じることは危険という他ないですね。

そのくせ、こんなコメントまでつけたりもしてます。もうお話になりません・・・

http://ameblo.jp/campanera/entry-10065190461.html
朝鮮歴史館
ソウルへの修学旅行誘致活動は洗脳しやすい高校生への情報工作の一環です


どっちが情報工作してんだよ!てな話です。
ま、ブログ主自身、嫌韓ネトウヨに洗脳された被害者なのかも知れませんけどね・・・。




怪文書が好きなネトウヨ(アーソン・グレブスト編・その5)

嫌韓ネトウヨの「悲劇の朝鮮」からの恣意的引用・第5回目です。


第1回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114681424.html
第2回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114684316.html
第3回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115001444.html
第4回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115100646.html


「併合前の韓国の刑罰はこんなにひどかった!日本が併合してやったおかげでそれが改善された」
と嫌韓ネトウヨが主張する際に引用される箇所です。


「悲劇の朝鮮」P233-239の部分からの引用ですが、この部分にはグレブストを案内した韓国人通訳、尹が刑罰の見学を残酷で見ていられず逃げるシーンがあります。ほぼ全文引用しているサイトでは登場するが(それでも最後はトリミングしている)、ほとんどの引用サイトでは登場しない。

韓国人が喜んでそのような刑罰を受け入れていたわけではないことの傍証になるためか、とかく嫌韓ネトウヨには無視されるようですね(というより、最初にテキスト化した嫌韓以外は、本を読んでもいないのだろうが・・・)。


短い引用パターンは以下の通り
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http://yuuki9999.k-server.org/tyousen/rekisi.htm
http://ameblo.jp/campanera/entry-10052606079.html
http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/5626262.html (一部引用)
李氏朝鮮の残酷な死刑や拷問に対して、
「こんな状況がまだこの地球の片隅に残されていることは、人間存在そのものへの挑戦である。とりわけ、私たちキリスト教徒がいっそう恥じるべきは、異教徒の日本人が朝鮮を手中にすれば真っ先にこのような拷問を廃止するだろうということだ」
『悲劇の朝鮮』スウェーデン人 アーソン・グレブスト
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「悲劇の朝鮮」P239の記載です。
グレブストは、韓国の刑場での笞刑と死刑の執行をそれぞれ見学し、最後の感想として上記の記述をしています。

嫌韓ネトウヨがこれをよく引用する理由は、おそらく、”当時の韓国の刑罰は残酷であったこと”、”日本はその残酷な刑罰をやめさせたこと”の2点を強調するためでしょうが、これはグレブストの意図とは異なっていると思われます。

グレブストの意図は、”当時の韓国の刑罰は残酷であったこと”の他に、”キリスト教宣教師達は布教よりもこういったことの改善に力を入れるべきだった”という宣教師に対する不満と見る方が自然です。


そして、何より、”残酷な刑罰”のひとつである笞刑については、日本は韓国併合後も朝鮮人の犯罪者に対してのみ残しています(1920年に廃止)。死刑についても、後の話になりますが、治安維持法による死刑判決を植民地朝鮮では何度も出していますね(日本国内では治安維持法そのものによる死刑判決はなかった)。


残酷さについて言うなら、1933年の特高警察による作家・小林多喜二に対する拷問などは無視できないでしょう(警察関係者は何のお咎めもなしなので、事実上の即決死刑)。
→参照:http://ssstorage.jugem.jp/?eid=29


「李氏朝鮮時代の拷問は酷かったが、1905年に日本の保護国となり、統監統治が始まると朝鮮においても日本と同じようにすぐに拷問は廃止された。」
とか言ってるバカもいますけど、法令上廃止しただけ(笞刑は存置した)で、実際には日本でも拷問をやっていたわけですね。


ちなみに、日本では鋸挽きは1868年、獄門は1879年、斬首は1882年に廃止するまで、合法的な死刑の方法とされてました。


要するに、この引用によって示されるのは、せいぜい近代と近世の差に過ぎず、韓国のみが特異であったことを示すことはできないということです。



さて、この刑罰の引用はP223からの第11章「さまざまな刑罰-朝鮮の監獄」からですが、その前の章「朝鮮と日本、その憎しみの二千年」の最後には、日本軍による三人の朝鮮人農夫の処刑について記載されています。


(ドイツ領事)「(前略)
 白い十字架の立っているまさにこの場所は、三人の朝鮮人農夫が日本人に土地を強制没収され、その復讐として最近完成した鉄道の破壊を計画し、それが発覚し無残にも銃殺に処せられた場所です。
 この十字架三本に体を縛られた三人の哀れな<罪人>がここに立ち、でこぼこ道の向こうに日本の軍人と彼らの指揮官が整列していたのです。時間となって射撃命令が出され、軍人たちは五七発の銃弾を浴びせました。朝鮮人たちの体は蜂の巣のようになって死んでいきました。
 死体はここに六日間放っておかれました。死体の運搬は禁じられていたからです。やっと埋葬のため死体を移そうとしたときには、禿鷲と肉食鳥類に顔をついばまれてしまっていて、身元すら確認できないありさまでしたよ」
 私たちはしばし無言でつっ立ったまま、この悲劇の場所を眺めた。いろんな想念が頭を駆けめぐった。朝鮮で見る日本人の印象は、本国でのそれとあまりにもかけはなれていた。本国ではあらゆる物の外面が魅惑的な美しさをもっていて、その裏面を考えさせるような隙がなかった。ところがここではついに、その本当の姿があらわれたのだ。日本の残忍と冷酷を赤裸々にうかがい知ることができた。
 世の人びとが日本は西欧のように開化した国だと思っているとするなら、それはまちがいである。たしかに日本人は早い頭の回転と知恵を生かして大きな力をふるってはいるが、私たち西洋人の見るところ、彼らが西欧文明の到達地点にまでやってくるには、まだ数千マイルも走らねばならないだろう。



その他「悲劇の朝鮮」P233-P240の引用をしているサイトは以下の通り(見つけた限り)。
よく見たら、かの通りすがりの三国人も引用してますな、さすが嫌韓バカ、同じ餌に簡単に食いつく見境のなさをよく示しています。

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http://konrot.at.infoseek.co.jp/rekisi43.htm (小部分ずつ多数引用)
http://mirror.jijisama.org/higeki.htm (ほぼ全文引用)
http://konrot.at.infoseek.co.jp/rekisi43.htm
http://ameblo.jp/sinesayoku/entry-10114922687.html
李朝末期の閔妃などによる、政治的経済的混乱は過去に述べてきたとおりであるが、何よりも、李朝末期の残忍非道な社会環境を今日は論じてみたい。
その残忍ぶりを示す書籍としてスウェーデンのアーソン・グレブストの書いた「悲劇の朝鮮」から抜粋してみよう。
一人の盗賊が処刑される現場に立ち会った、グレブストの目撃録である。

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(長いので、ここでは一部引用及び要約のみ)


山賊の頭目の死刑を最後まで見る

(前略)

囚人は笞刑(ちけい)の宣告を受けたのであるが、刑の執行命令を待つ間に、執行人らは縛られた囚人の後頭部のすぐ上の虚空を鞭で切りながら嬉々としている。鞭が囚人の耳元を過ぎるときのその音はぞっとするものであろう。囚人は怯えた視線でこの残忍な遊戯を追い、すでに鞭が肉に食い込む痛みを感じているかのように全身をけいれんさせる。

刑の執行はすぐに始まった。看守長が命令を下すと、二人の執行人がそれぞれ配置についた、彼らは最後にもう一度鞭を空中で鳴らしてみてから笞刑を開始した。最初のひと打ちは鋭い音で、銅色の尻は真っ赤な痕跡を鮮やかに残した。哀れな囚人はびくっとして全身を縮めたので、縛ってある板が倒れんばかりであった。二度目の鞭で、彼は骨にしみるような悲鳴をあげた。その体が13回も繰り返しめった打ちにあうや、悲鳴をあげていた囚人も結局気を失ってしまった。

すると、刑の執行が一時中断となり、囚人の頭の上に冷水がぶっかけられる。囚人はひとしきり体をぶるっと震わせてけいれんを続けたが、意識を取り戻した。

彼は呻きながら許してくれと哀願した。しかし法の執行にはいささかの情の挟まれることも不可能で、彼にはまだ笞刑12回分が残っていた。こうして刑の執行が終わってみると、囚人の体はもはや人間のそれでなく、ただの血だらけの肉塊にすぎなかった。


(ここまでが、笞刑の部分です。日本は韓国併合後も10年間、朝鮮人に対しては笞刑を廃止することなく継続させています。つまり、「私たちキリスト教徒がいっそう恥じるべきは、異教徒の日本人が朝鮮を手中にすれば真っ先にこのような拷問を廃止するだろうという点だ。」というグレブストの予想は裏切られたわけです。もちろん、そういう事実について嫌韓ネトウヨは無視します。)


(中略)

こんどは小さな建物から別の囚人が引き出された。40歳台に見える男で顎のひげをぼうぼうに生やしており、体はというとすっかりや痩せさらばえている。悪臭が漂い、その目にはすでにあきらめの光がさしている。痩せ細った体を包むぼろ服は、彼がそれまでいた監獄がいかに汚く不潔なものであるかを物悲しく語って余りあった。

彼は朝鮮でもっともひどいといわれるヤカ(場所不明)という監獄からたった今護送されてきたのである。数年間、山賊の頭目としてヤカ地方を恐怖の渦に巻き込んだという。噂によると、最後の一年間だけでも彼の手によって奪われた命は20人を越えるという。官軍との血戦の末彼はついに捕らえられ、死刑宣告を受け、今日まさに私たちの目前でその一生を終えることになったのである。

(中略)

※20人以上殺した山賊ですが、昨今の日本の死刑存置論者の中には「死刑でも生ぬるい」とか言っているバカもいますので、そういう人たちには20世紀初頭以前の韓国は理想の社会かも知れませんね。


(要約)笞刑の次に死刑の執行が準備されます。死刑方法は、太い棒で手足・肋骨の骨を折った後に、絞殺する、というものです。


気絶した囚人は、ややあって意識をとりもどした。カなく首を左右にゆすりながら呻き声を出し、その場に身を横たえている。執行人らは、囚人の腕の骨と肋骨を次々と折ってから、最後に絹紐を使って首を絞めて殺し、その死体をどこへやら引きずっていった。

(中略)

所が私には疑問がひとつ湧いてきた。この国にキリスト教が布教されてもうだいぶ経ったし、西洋の文化大国がこの国の行政の各部門を助けてからも一日二日でないのに、なぜ今だのこのような野卑きまわりない拷問が続いているのか。エンバリーの言うように、獄内の出来事に関する生きた証拠が整っていないという、それだけの理由だろうか。それともほかの理由がまだあるというのか。

理由がなんであれ、こんな状況がまだこの地球の片隅に残されていることは、人間存在そのものへの挑戦である。とりわけ、私たちキリスト教徒がいっそう恥じるべきは、異教徒の日本人が朝鮮を手中にすれば真っ先にこのような拷問を廃止するだろうという点だ。異教徒の改宗に汲々とするあまり、そのまま見過ごしてはならない実状には盲目となってしまう私たちキリスト教徒の態度は、私たちに残された大きな課題のひとつである。


※嫌韓ネトウヨは、この部分をやたらを嬉しそうに引用しますが、既述の通り、笞刑は日本による併合後も朝鮮人に対してのみ残していますし(朝鮮笞刑令・第13条「本令は朝鮮人に限り之を適用す」)、土地を没収されて復習を計画した朝鮮人農夫を未遂にも関わらず、日本軍が銃殺している例もあるわけで、日本人賛美とみなせる内容ではありません。よほど羞恥心というものを持ち合わせていない恥知らずなら、喜ぶかも知れませんが・・・。
※むしろ、この部分はキリスト教徒全体に対する自戒と捕えるべき箇所ですね。
※さて、嫌韓ネトウヨには削除されてますが、この後に以下の文が続きます。


 私は尹山葛(註:グレブストの通訳をした韓国人)が監獄の外で待っているものとばかり思っていたが、彼の姿はどこにも見受けられない。あの怯えきった青年はそのまま宣教学堂に走っていったのだろう。そして彼と彼の先生たちはもはや私のことを快くは思わないだろう。
 しかし探究心とはもともと生来の本能であり、また義務でもある。ある者はこの世の明るい面だけを見ようとして片方の目を閉じたまま人生を送っていくかもしれないが、そんな人たちの抱く人生の理解は明るく美しいものであっても、けっして正しいものではありえない。

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※ここまで読むと、前段から続く一連の文章が「キリスト教徒全体に対する自戒」であることがわかるでしょう。「この世の明るい面だけを見よう」とするのではなく、暗い面にも目を向け、そして改善すべきだ、という文意を捉えることが出来ます。ま、嫌韓ネトウヨにはわからないでしょうけど。



わかっていない嫌韓ネトウヨの事例

「「 悲劇の朝鮮 」 のアーソン・グレブストも日本の統治による人権回復を期待していました事が良くわかります!」
通りすがりの三国人:http://ameblo.jp/sinesayoku/entry-10114922687.html


いやあ、ほんとにバカだなあwww
多分、「悲劇の朝鮮」を本で読んだことはなく、ネット上の嫌韓引用のみで読んだ気になっているのでしょう。痛すぎです。


そういう嫌韓ネトウヨに送る言葉。

「ある者は”戦前日本”の明るい面だけを見ようとして片方の目を閉じたまま人生を送っていくかもしれないが、そんな人たちの抱く人生の理解は明るく美しいものであっても、けっして正しいものではありえない。」



怪文書が好きなネトウヨ(アーソン・グレブスト編・その4)

嫌韓ネトウヨの「悲劇の朝鮮」からの恣意的引用・第4回目です。


第1回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114681424.html
第2回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10114684316.html
第3回:http://ameblo.jp/scopedog/entry-10115001444.html


必ずしも嫌韓の主張というわけでもないですが、日露戦争当時の日本軍の規律を褒め称えるための引用箇所です。
暗に、日本による韓国支配は善政だったとも言いたいようですが・・・


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http://resistance333.web.fc2.com/html/japanese_army_and_misunderstanding.htm
朝鮮に駐留する日本軍の姿を目撃したスウェーデン人ジャーナリスト
アーソン・グレブスト著書 
「悲劇の朝鮮」高演義・河在龍訳 白帝社 1989年

ソウルだけでも、現在数千の日本軍兵士が城内と郭外に駐屯していますが、彼らへの抗議があったためしがありません。彼らの規律は他の範となるべきものです。
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この部分も確かに記載されています。グレブストと韓国駐在のドイツ領事との会話です。実際、当時の日本軍の規律は良かったようですが、この一文の前後ももう少し引用してみましょう。



(ドイツ領事)「(前略)戦争が始ってからというもの、領事館の間の往来もなくなりました。そのうえ、どの領事館も自国の人びとが受ける不当な仕打ちをなんとかしようと忙しくて、それ以外のことにかまけている時間がないのです」


(グレブスト)「でも、日本の軍隊は規律正しく、思慮深いと聞いていたんですが」

(ドイツ領事)「そのとおりですが、軍隊についてくる烏合の衆が問題なんです。ソウルだけでも現在数千の日本軍兵士が城内と外郭に駐屯していますが、彼らへの抗議はあったためしがありません。彼らの規律は他の範となるべきものです。しかし日本の商店街区域に住む日本人の振るまいときたら、軍人らとはまるっきり違います

(グレブスト)「日本の当局はこの不満にどう対処していますか」

(ドイツ領事)「もし、現在の日本軍司令長官長谷川男爵に抗議が伝えられると、即時徹底的な調査が行われます。しかし日本の警察は自分の国の人間の非行には、いつも目を瞑ってしまいます。私たちも何度かそんな目にあいました。でも沈黙を守るのが最も賢明なやり方でしょう。人間、公職にあるときには口出しはしない方がいいではありませんか」


「悲劇の朝鮮」P111



つまり、韓国で一山あてようとやってきた民間の日本人達の乱暴狼藉が酷かったわけですね。
そして、日本当局もそれを厳しく取締るつもりはなかったと。


日本による韓国侵略が、こういった民間人による草の根侵略によるところが大きいというのは、高崎宗司氏が「植民地朝鮮の日本人」の中で指摘していることである。例えば以下。


「東京帝国大学教授の山田三郎も、次のように述べている。「千三百万人の[朝鮮]民衆を同化することは独り政府の力だけでは出来ない。即ち我が三十万の[在朝]内地人の双肩に懸って居る責任[である]」」(「植民地朝鮮の日本人」、高崎宗司、2002/6/20、岩波新書、はじめに,Pii)


さらに、グレブストも、上記とは別の箇所で、朝鮮にやってくる日本の民間人についてこう言及している。


 日本人が憎悪の的になった理由としては土地の占領だけでなく、日本当局の移民政策の誤りもあった。この政策は戦争が終ってから実施してこそ、反発を最小限にくいとめられる性質のものだった。そのときなら当局にも日本移民を監督できる余裕ができ、規制を加えることも可能になるだろう。
 周知の事実として、移民はおもに社会の下層階級の冒険家と一攫千金を夢みる者から成っていて、彼らは皆恐いもの知らずだ。日本軍は厳しい規律と、前もって計画された注意深さで朝鮮人の反発をかわしたが、軍隊の後からやって来た多数の開拓民の場合は、それとは正反対だった。彼らは他に例が見られぬほどの好戦性をもって傍若無人に振るまい、朝鮮の人民はわずかの救済の可能性すらなく日本人の思いのままに扱われた。日本の軍当局には平民たちの不満をなだめるより前にやるべきことがあり、そして朝鮮の法廷にはなんの権力もなかった。強大国間の戦争にまきこまれ、その舞台と化してしまった弱小国の人民が苦しみを被るのはよくあることだとはいえ、日本移民の犯した過ちにたいする日本当局の弛んだ姿勢は非難を受けても余りがある。
 朝鮮王妃の弑逆(一八九五年の閔妃殺害)をその罪目の初めとして、朝鮮にたいし責任を取るべき蛮行はそのほとんどが天罰を受けてしかるべきものである。朝鮮は弾劾絶壁に立たされた。商業が受けた打撃は決定的で、回復の可能性はないありさまだった。


「悲劇の朝鮮」P58-59


こういった草の根侵略を示す記述をことごとく無視して、「(日露戦時の)日本軍の規律はよかった」とだけ主張するのが、ネトウヨです。
都合の悪いことは見なかったことにする本能を備えているようです。


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