誰かの妄想 -3ページ目

珍説5・化学兵器は人道的

これはネット上の珍説ではないが、面白いので。


【珍説】

兵器の目的は、敵の戦闘能力を減殺することである。このためには強いて敵兵を殺す必要がなく、むしろ多くの障害者を出し、なるべく第一線の参加兵員を減らすことがよいのである。何となれば一人の死者は敵戦闘員一名を失うに過ぎないが一名の傷者は、これを看護するため数名の敵兵が必要だからである。以上に述べた目的は、化学兵器では他の火器あるいは白兵の場合に比べはるかに有効に達せられるものであり、ガスは拡散して広い範囲に多数の負傷者を出す特性をもっている。そして、その傷害は致死的でないという点で戦闘に有効でもあり、人道的である一つの根拠である。更に、化学兵器が他の兵器に比べ人道的であるとする著名な事実としては、ガス中毒の死者の割合は、他の一般の負傷者の割合に比べ、甚だ小さく一二分の一に過ぎないという点である。


中村隆寿 陸軍大佐(1936年12月15日発行「化学兵器の理論と実際」)
http://homepage3.nifty.com/dokugasu/dengon/dengon091.html



【事実】
70年前のトンデモ化学兵器擁護論です。現代において、このトンデモを支持する論者はまず皆無でしょう。
中村大佐の論拠としては、「ガス中毒の死者の割合は、他の一般の負傷者の割合に比べ、甚だ小さく一二分の一に過ぎない」というもので、これをもって「化学兵器が他の兵器に比べ人道的である」と主張しています。

ある兵器をもって、非人道的であるか否かを判断するには様々な指標があり、かつそれらも時代によって一般大衆の人道観の変遷とともに変化しています。死亡率の高さというのもその指標の一つではあるでしょうが、全てではありません。
兵士と民間人を区別しない無差別性や、負傷後のQOLを考慮した後遺障害の程度、不発弾・残留毒物などによる戦闘後も残る危険性、死亡や負傷の際の苦痛の度合い、見た目の悲惨さなどなど。現在、化学兵器を非人道的とみなす論者は、こういった様々な指標を総合的に判断して非人道的であると主張していると思います。


70年前の戯言か、と思うかもしれませんが、現在でも似たような比較をする論者がいるので頭が痛くなります。


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白燐弾が通常榴弾より殺傷力が劣る理由 : 週刊オブイェクト
タイトルにある通り結論は「白燐弾は通常榴弾より殺傷力が劣る」のですが、これは3年前のファルージャの時にも何回か書い ... ですから、人に向けて煙幕弾として設計された白燐弾を撃ち込む意味はありません。対人兵器としては通常榴弾を使った方が確実 ...
obiekt.seesaa.net/article/112720265.html - 218k
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珍説4・(追記あり)白燐弾は昔からあったが2005年の報道でいきなり非人道兵器として捏造された

【珍説】
白燐弾は問題化したのがつい最近の話

JSF
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,必要部分を引用しています)
http://obiekt.seesaa.net/category/909880-1.html



【事実】
おそらく、2005年のイタリアのTV番組が白燐弾非難の嚆矢だと言いたいのでしょうが、それは嘘です。

白燐弾を問題視する意見はそれ以前からあります。ベトナム戦争時には、ナパーム弾と並んで黄燐(爆)弾の使用が非難されています。


(1965年5月12日 衆議院外務委員会)
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また、さらにアメリカ軍は、大臣も御承知のとおり、ナパーム弾を使っている。しかも、そのナパーム弾は大半が日本においてつくられておる。一発の爆弾でもって二キロ四方にあるところのものが一切焼けただれてしまうというような日本製の爆弾を無差別に南ベトナムの農村地帯にたたき込んでおる。黄燐爆弾あり、毒ガス弾あり、これらの化学兵器を使って、そうして無辜の住民を殺戮しておる。また、大量バーベキュー作戦といいますか、実に一個大隊規模の部隊を焼き殺してしまうというようなことまでやっている。
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(1967年4月27日 衆議院予算委員会)
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ベトナム戦争の爆撃で、御承知のとおり、罪もとがもない、がんぜない子供がたいへんな被害者になっておりますね。これはもう、むざんな事実については天下周知の事実だ、私もそう思っております。これの被害を与えるについては、そう言ってはなんですが、世界で一番優秀な兵器、世界で一番精鋭な人物、頑強な人物、そういう人が精巧な飛行機に乗って爆撃をしておる。そのために子供はナパーム弾、黄燐弾、こういうものでたいへんな被害を受けておることはあなたも知っておられると思う。
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これらの惨状を踏まえて、
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1972年、赤十字国際委員会主催の「武力紛争の際に適用される国際人道法の再確認と発展のための政府専門家会議」において、エジプト、フィンランド、メキシコ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、ユーゴスラビアの七国共同で、「ナパーム又は燐を含む焼夷兵器は、禁止される」旨の提案がなされている。
http://d.hatena.ne.jp/higeta/20090203/p1
(参考:http://d.hatena.ne.jp/higeta/20090218
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こういった白燐弾を問題視する議論を経て1980年、特定通常兵器使用禁止条約(焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III))が成立する。しかし、禁止対象をナパーム弾のみに限定したいと考える米ソの抵抗によって、「焼夷効果を第一義的目的にしていないとの理由」で白燐弾は発煙弾という名目で生き残ることになった。


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もっとも、かかる除外規定が恣意的に運用されるのを防ぐため国連会議では、同規定は誠実に解釈されるべきであって、議定書の意図を変更し、歪めて適用してはならない旨の共通理解を成立させている。
(櫻川明巧「特定通常兵器の法的規制」『立法と調査』109、1982.4、P20)
http://d.hatena.ne.jp/higeta/20090208/p1
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つまり、条約成立の1980年当時から、発煙弾名目で実態は焼夷弾として白燐弾を使用する危険性が懸念されていたわけだ。2004年のファルージャでも2009年のガザでも白燐弾使用地域が人口密集地であったことから「除外規定が恣意的に運用」された疑いがそもそも強い。そして2005年のイタリアのテレビ報道は、元米軍兵士による白燐弾使用証言とファルージャでの民間人犠牲者のショッキングな映像の相乗効果により、白燐弾が改めて強く非難されたのである。
「白燐弾は問題化したのがつい最近」などというのは無知のたわごと。


scopedog


(追記2009/5/18)
JSFは「白燐弾が騒がれだす2005年11月8日(RAIの白燐弾特集放送)以前」(http://obiekt.seesaa.net/article/115525087.html )と書いているので、明らかに”2005年のイタリアのTV番組が白燐弾非難の嚆矢だ”と主張しているわけですね。無知ですな。


珍説3・白燐弾はそもそも発煙弾

【珍説】
 ・白燐弾は報道されているような強力な攻撃力は一切無く、昔から当たり前の様に使われる発煙弾です。

 ・白燐弾はそもそも攻撃的兵器ではありませんよ。

 ・白燐弾(日本では普通「黄燐」という)は、他のかたの回答にあるように、本来発煙弾です。


(考察上の必要性に鑑み,必要範囲内で引用しています)
http://www.gigantea.info/~hawk/imacoco/w.php?s=%E7%99%BD%E7%87%90%E5%BC%BE



【事実】
日本で白燐弾(黄燐弾)と言えば通常は焼夷弾を指します。白燐そのものは発煙弾にも照明弾にも使われますが、文脈上明白な場合や用途に言及する必要のない場合を除けば白燐発煙弾、白燐照明弾などと言うのが普通です。
例えば、自衛隊は発煙用の白燐弾しか持ってませんが、調達品目などでは、「発煙黄りん手りゅう弾」「120mmM、JM2WP発煙弾」などと発煙弾であることを明記しています。(”黄りん”も”WP”も、白燐と同じ意味です。)

白燐(黄燐)発煙弾にしても焼夷弾の一種とされることがあります。

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黄りん発煙弾 焼夷(しょうい)弾の一種黄りんは空気に触れると燃える性質がある。迫撃砲などで発射され、爆発すると中に入っている黄りんが飛び散って燃える。大きな殺傷力はないが、焼夷効果と発煙効果がある。沖縄戦では壕などに黄りん弾が撃ち込まれた。

(琉球新報2001年6月19日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-111363-storytopic-86.html
---------


また、白燐弾を「昔から当たり前の様に使われる発煙弾」と呼ぶのは無茶苦茶です。船舶用の信号弾などでは白燐が使われることもあるようですが(例えばタイタニックが救難信号用に打ち上げていた信号弾は白燐弾らしいですね)、一般的には焼夷弾として知られています。
東京大空襲でもドレスデン爆撃でも、黄燐(焼夷)弾が使用されたことは有名です。また、ベトナム戦争でも使用され、反戦団体はナパーム弾と並んで、黄燐(爆)弾の使用を非人道的と非難しました。
世代交代が進み風化しつつあるとは言え、空襲体験を持つ日本人を捕まえて「白燐弾はそもそも攻撃的兵器ではありません」とは、珍説以外の何者でもありません。


scopedog



珍説2・白燐煙は無害

【珍説】
白燐煙に有毒性があるのなら、ガザは白燐弾の煙だらけだったので数百人から数千人が死亡しているはず。
tori 

白燐弾で発生する煙の五酸化二燐には毒性が無いです
hare

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20090119/1232387507
(コメント欄より)



【事実】
有毒性がある=致死性である、ではないことは毒物を扱う上での基本。


2001年に出された「遺棄化学兵器の安全な廃棄技術に向けて」という報告書で、日本政府は、非致死性の催涙剤、嘔吐剤(くしゃみ剤)、無能力化剤なども化学兵器禁止条約上の毒性化学物質としてみなしている。

白燐煙に含まれる酸化りん(五酸化二燐)が有毒であることは、各MSDSなどから容易に知ることが出来る。
また、自衛隊も黄燐発煙弾から発する白煙が有毒ガスであるとして注意を喚起している。

致死性ではなくとも、有毒とされる化学物質は多々あり、かつ、非致死性とされていても濃度や被曝者の状態によっては死にいたることがあることは常識であり、「数百人から数千人が死亡していないので、白燐煙は有毒ではない」などという馬鹿げた理屈は成り立たない。

scopedog

参照
http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/18youshi/1862.html
http://junsei.ehost.jp/productsearch/msds/30075jis.pdf











【珍説】
白燐弾で発生する煙の毒性についてはほとんど無いと言う方が良いかと。
完全に無毒とは言えないが、人を害するほどの濃度にはなりようがないってことですね。
1科学者として
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20090119/1232387507
(コメント欄より)



【事実】
有毒性がある=致死性である、ではないことは毒物を扱う上での基本。

------------------------
吸入した場合…
◇粉塵を吸入すると鼻腔、口腔、のど及び気管支に極度の刺激作用を起こす。

皮膚に触れた場合…
◇強い刺激、やけど、粘膜を腐食する。
◇発赤、皮膚熱傷、痛み。
http://junsei.ehost.jp/productsearch/msds/30075jis.pdf
------------------------

こういう物質は通常、毒性がある、人を害する、と表現される。

また、酸化りん(五酸化二燐)の急性吸入による最低危険レベルは0.02mg/m3であり、これは20mgの酸化りん(五酸化二燐)で1辺10mの立方体の空間を最低危険レベルに達せさせることができることを意味する。20mgの酸化りん(五酸化二燐)を生成するのに必要な燐は、わずか9mgにすぎない。

M825白燐弾(155mm砲弾)に含まれる白燐は5kg、M34白燐手りゅう弾に含まれる白燐は420g。発煙させる環境、燃焼速度などに多少は左右されるだろうが、住宅地などで使用すれば人に害を与える濃度には簡単に達すると考えるのが自然だろう。

scopedog

参照
http://www.globalsecurity.org/military/library/policy/army/fm/3-23-30/appe.htm
http://www.globalsecurity.org/military/systems/munitions/m825.htm


珍説1・白燐は化学兵器禁止条約の表に載ってないから化学兵器ではない

【珍説】
 白燐は化学兵器禁止条約の表に含まれていないから化学兵器ではない。

JSF
(考察上の必要性に鑑み,要約しています)
http://obiekt.seesaa.net/article/9465205.html  




【事実】
化学兵器禁止条約には、表が化学兵器の定義を構成するものではないと明記されている。
-------------------------
B 化学物質の表
次の表には、毒性化学物質及びその前駆物質を掲げる。この条約の実施上、これらの表は、検証附属書に従って検証措置を実施するために化学物質を特定する。これらの表は、第二条1(a)に規定する化学兵器の定義を構成するものではない。
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19930113.T2J.html
-------------------------

表に含まれないことが化学兵器ではないことの根拠にはならない。実際、日本政府は、表に含まれていない化学物質であるくしゃみ剤を用いた兵器も条約上の化学兵器とみなして処理している。

scopedog


参照

白燐弾は化学兵器ではないと断言している人はちゃんと条約を読んでいないようだ。
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20090119/1232387507

表になくても化学兵器たり得る例
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20090313/1236953371

あ、何か使えるようになってた・・・

うーん、しばらくアメブロにログインできなかったんだよなあ・・・。


なぜか復活している。


よくわからん。


ちなみに今は、下記で書いてます。

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/


こっち(アメーバ)は気が向いたら更新します。


嫌韓厨が示す朝鮮の人口推移データを考察する


韓国併合(日韓併合)を正当化するどころか善政だったと嘯くバカが用いる根拠として、植民地朝鮮の人口増データがあります。

嫌韓厨らが良く用いるデータを下記に示します。


http://www.geocities.jp/kankokuchousen/kankoku-003.html
1753年  730万人  -
1850年  750万人  -
1906年  980万人 朝鮮は日本の保護国へ
1910年 1312万人 日韓併合条約
1920年 1691万人  -
1930年 1968万人  -
1940年 2295万人  -
1945年 2512万人 日本の敗戦
2004年 7130万人 韓国・48,598,175、朝鮮・22,697,553


このうち、1906年までの統計は正確さに大きな疑問があるので、本来ならそのまま使えません。


大体、1906年に980万人だった人口が、たった4年で1312万人になったということをそのまま信じるほうがおかしいわけですが、嫌韓バカにはそれがわかりません。

ありえない想定ですが、仮に4年間に誰も死ななかったとしましょう。すると、4年間に生まれた子供の数は332万人ということになります。


980万人全てが出産可能な年代の男女だったとして、490万組の夫婦がいたと仮定すれば、4年間に332万人の新生児が生まれることはありえるかもしれませんが・・・。
そんな人口構成はまずありえませんね。


もう少し現実的な想定をすれば、980万人の半数が女性として(490万人)とした場合、4年間で330万人の子供を生むためには、たとえば、以下の条件が必要です。


・女性1人が生涯に出産する人数=5人
・女性の平均寿命=30歳


(むちゃくちゃ簡単な計算でシミュレートしてみると、

4年間に生まれる子供の数=490万人×(5人÷30年)×4年=327万人

となり、大体330万人と一致します。)


しかし、この場合、朝鮮の成人女性のほとんど(1/3~1/2)は妊娠中であることになりますから、やはり無理がありますねえ・・・。
どんだけベビーブームだったんだか・・・・。
ちなみに、この仮定では4年間に1人も死者がいないことになってますが、これも無理がありますね。


自然増加以外に考えられる可能性としては、国外からの流入ですが、わずか4年で数十万人規模の流入があったというのも無理があります(この時期(1906年~1910年)最も増えた外国人は日本人ですが、4年間でわずか8万人程度にすぎません)。



まあ、ここまで回りくどい記述になりましたが、要するに言いたいのは、

「1906年の韓国人口980万人は、信頼できる数字ではない」

ということです。

すると、
1753年 730万人
1850年 750万人

も人口統計としては信頼できないことが予測できますね。



ところで、「朝鮮の歴史」(朝鮮史研究会編、三省堂、1995)によると、1717年の政府統計では、全国人口は682万9771口(154万7709戸)であるとされています(P184)。
ここから、上記の1753年、1850年データは、政府統計によるものであろうと想像できますが、そもそもこの政府統計は全人口を知るのに適しているのかどうか疑問です。
というのも、政府の人口統計は徴税を目的としているため、幼児や老人、白丁などの被差別民が含まれていない可能性があるからです。
実際、ネットで調べてみると以下の論文を見つけました。

「韓国の統計制度史」黄 仁相
http://www.ier.hit-u.ac.jp/COE/Japanese/Newsletter/No.13.japanese/Hwang.htm

「これらの調査は申告式であり、身分と収穫率にしたがって軍役と無関係な女子、賎・奴などの疎外層は調査対象から除外されたり漏らされたりした。 」
これによると、女子の人口はまるで加味されていないようですね(妻の記載欄はあるらしいが、上記論文の表現から判断すると「口」としてカウントされてはいないように思う。)。


また(参考として)、1721年に江戸幕府は全国人口を行ってますが(2600万人)、武士・公家は含まれてませんし、被差別民も除かれていたと言われています(「人口で見る日本史」鬼頭宏、PHP研究所、2007、P89)。実人口は、速水融の推定法によると、幕府調査人口に20%を加算したものではないかと言われています。

近代以前の人口統計では、人口調査結果をそのまま用いる事はできず、どうしてもこのような補正が必要となるわけです。


★1717年の朝鮮全人口を推定してみる


基本データ:朝鮮政府統計(1717年):154万7709戸 682万9771人


参考データ1:「軍役と無関係な女子、賎・奴などの疎外層は調査対象から除外」(「韓国の統計制度史」)
参考データ2:「(日本の)実人口は、速水融の推定法によると、幕府調査人口に20%を加算」して武士・公家・被差別民を加味する
参考データ3:朝鮮出兵時(1592年)に日本が予測した全朝鮮の石高:1191万6088石(「朝鮮の役」旧参謀本部、徳間書店、1995、P348)


参考データ1より、682万9771人は賎・奴などを除いた男子であるとして、賎・奴などを除いた女子を加味すると、

682万9771人×2=1365万9542人=1370万人

となる(男女比は1:1と想定)。

これから、賎・奴を加味した人口を推定するにあたって、速水融の推定法を援用する。
ただし、武士・公家にあたる人口については今回の統計においては考慮の必要がないため、20%ではなく7~10%として推定する。

1370万人×1.07~1.1=1470万人~1510万人

となる。
したがって、1717年当時の朝鮮人口は約1500万人と推定できる。


この1717年から125年前の予測石高1200万石(参考データ3:約1200万人と推定)から考えても、妥当な推定ではなかろうかと思う。


さて、以上の手法を用いて以下の2時点の人口を推定してみるとこのようになる。

1753年 730万人→1560万人~1610万人
1850年 750万人→1600万人~1650万人


ちなみに、日本右翼のロビー活動を行う崔基鎬は、「日韓併合 歴史再検証」(崔基鎬、祥伝社、2004)に、韓国国定教科書からの引用として、1777年1804万人、1877年1689万人という数字を出している(で、人口が減っているのは李氏朝鮮が悪政だったからと主張しているわけだが)。


並べてみるとこうなる。

1717年 1500万人(朝鮮政府統計683万口からの推計)
1753年 1600万人(嫌韓提示資料(朝鮮政府統計?)730万人からの推計)
1777年 1804万人(崔基鎬による韓国教科書からの引用)
1850年 1650万人(嫌韓提示資料(朝鮮政府統計?)750万人からの推計)
1877年 1689万人(崔基鎬による韓国教科書からの引用)


さて、1906年の980万人ですが、山木さんが調べたところ、元ネタは日本人の警務顧問によるよる調査人数ということで、これまでの朝鮮政府統計とは、統計の取り方が違います。
http://d.hatena.ne.jp/yamaki622/20060423/p1

このため、1906年の980万人は男女込みの人数になってます(ただし男女比が不自然であり、統計の不完全さを物語っている)。
実際、「日本側は朝鮮人人口を1700万人くらいと予想していた」そうです。
(水野直樹「Q10 日本支配下で朝鮮の人口は急増したのか?」『日本の植民地支配』p30)

そもそも1906年と言えば、既に後期義兵闘争が始まっている時期です。この時期に日本の警察が戸口調査をしても、正確な統計が得られないのは当然でしょうね。
この980万人から、実際の人数を直接推計するのは困難ですので、その後のデータを参照してみましょう。
なお、(水野直樹「Q10 日本支配下で朝鮮の人口は急増したのか?」『日本の植民地支配』p31)の引用として山木さんが載せている推計を用います。


1910年 1631万人(警察調査1313万人からの推計)
1915年 1703万人(警察調査1596万人からの推計)
1920年 1763万人(警察調査1692万人からの推計)
1925年 1902万人(警察調査1854万人からの推計)
1930年 2044万人(警察調査1969万人からの推計)
1935年 2221万人(警察調査2125万人からの推計)
1940年 2355万人(警察調査2295万人からの推計)



では改めて、1906年の980万人を考えます。
並べてみるとこうなります。

1717年 1500万人(朝鮮政府統計683万口からの推計)
1753年 1600万人(嫌韓提示資料(朝鮮政府統計?)730万人からの推計)
1777年 1804万人(崔基鎬による韓国教科書からの引用)
1850年 1650万人(嫌韓提示資料(朝鮮政府統計?)750万人からの推計)
1877年 1689万人(崔基鎬による韓国教科書からの引用)
1906年  980万人(警察調査まま)
1910年 1631万人(警察調査1313万人からの推計)
1915年 1703万人(警察調査1596万人からの推計)
1920年 1763万人(警察調査1692万人からの推計)
1925年 1902万人(警察調査1854万人からの推計)
1930年 2044万人(警察調査1969万人からの推計)
1935年 2221万人(警察調査2125万人からの推計)
1940年 2355万人(警察調査2295万人からの推計)


明らかに1906年のデータがヘンとしか言いようがありませんね。


1877年と1910年の人口から判断すれば、1906年の人口もおそらくは1600万人程度であったと考えられますね。


では、実際に1600万人もいたにも関わらず、警察が調査できたのは980万人に過ぎなかったのはなぜでしょうか?


まず、考えられるのは日清戦争・日露戦争や日本軍による韓国占領・軍律支配、義兵闘争などの影響です(開国前後の1877年以降なので、李朝政府単独の問題ではありえない)。

特に日露戦争で日本は、緒戦で韓国内からロシア軍を撃退した後、韓国駐箚軍による占領支配を実行します。この支配にあたっては日本軍は軍律を定めて、軍の行動に対する妨害行為には死刑の適用まで行ってます(「悲劇の朝鮮」(アーソン・グレブスト)にも、日本兵による朝鮮人の射殺をドイツ領事の言として紹介されている)。こういった状況下で、日本に対して直接的な抵抗をした者、消極的な抵抗をした者が、警察による戸口調査から外れたことは十分ありえるでしょうね。

また、日露戦争の際には、戦火を避けようと土地を二束三文で手放した韓国人も多かったそうです(「植民地朝鮮の日本人」高崎宗司、岩波新書、2002、P90)。利にさとい日本人の中にはこういった土地を買いあさって戦後、巨万の富を築いた者もいたそうです。さらに、韓国駐箚軍も200万坪近い土地を軍用地として接収してますので(「軍用地と都市・民衆」荒川章二、山川出版社、2007、P39)、このようにして土地を手放し、大した金も得られなかった韓国人の中には、難民化した者も少なくなかったでしょうね。


こういったことの積み重ねが、結果として600万人もの調査漏れを生じた原因ではないでしょうか。(でなければ、よほど日本の警察が無能だったことになりますしね。)


要するに、この調査人口と実人口の乖離は、日本軍による苛烈な支配とそれに対する韓国人たちの対日感情を暗示している、といえそうです。



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頭の悪い話・前回の続き、というか少しの補足

前回、仮に相関関係が示されても、因果関係があるとは限らない、という、統計上のかなり初歩的な原則について説明した。

http://ameblo.jp/scopedog/entry-10146244721.html


で、実際に文科省のサイトから学力テストのデータを見てみたのだが、相関とか因果とか言う以前に、そもそも都道府県の順位って意味あるのか、という点に気がついた。

http://www.nier.go.jp/08chousakekka/08chuu_data/zenkoku/02_chuu_kyouka_chousakekkagaikyou/m04_chuu_kyouka_chousakekkagaikyou.pdf


順位というのは、都道府県別の平均点数の順番なわけだが、言うまでもなく各都道府県には、平均値以上の点を取った生徒、平均以下の生徒が混在している。


で、都道府県ごとに、点数の分布があるわけですよ。都道府県別に、つまり所属都道府県別に、分けられた集団には、平均点数という一つの値しかないわけではなく、個々人の点数を初め、中央値や最頻値、信頼区間など、色んな評価基準があるわけです。

統計学にうるさくない分野では、平均値を代表値として使うことが多いわけですが(例えば、平均年収とかね)・・・。


ここで重要な点。


平均値を代表値として選んでも良いのは、その母集団が正規分布に従っている場合。


正規分布というのは、多分高校くらいの確立統計で出てきたと思うんですが、まあ確率分布関数のグラフが釣鐘型になる分布で、最も基本的な分布です。


この場合、平均値・中央値・最頻値は、同じ値となり、最も理想的なんですが、実際多くのデータでは、そこまできれいな釣鐘型になったりしません。


例えば、平均年収ですが、これを分布にすると、高額側にすそを引いた、少し歪んだ釣鐘型になります。

参照:http://nensyu-labo.com/heikin_kaisou.htm


このような形状の場合、


最頻値<中央値<平均値


となります。

上記http://nensyu-labo.com/heikin_kaisou.htm にはサラリーマンの年収データがありますが、ここから男性を例にとって説明すると、


最頻値は、300万円台

中央値は、400万円台

です。

簡単に言うと、300万円台の年収の人が最も多く、400万台の年収を貰っている人は、自分より年収の多い人・少ない人がほぼ同数いる、という状況です。


一方、平均年収は、542万円です。

http://nensyu-labo.com/2nd_salary.htm


平均年収だけを見ると、400万円台の人は、「俺は周りの人たちよりも年収が少ない」と思うでしょうが、実際には自分より年収の多い人・少ない人がほぼ同数であって、特に少ないわけじゃありませんね。

300万円台の人は、「俺ほど年収の少ない奴はほとんどいない」とか思うかもしれませんが、300万円台の人は分布中最も多いわけですね。


つまり、自分の年収と比較して考える上では、平均値を参照するのは適切じゃないわけですね。


母集団が正規分布から外れた場合に、平均値を用いるのが適切とは限らない理由がこれなんですね。



で、実際に文科省サイトのデータを見ると、点数の分布(サイトのPDFファイルにあるのは正答数分布)が正規分布じゃないことがわかります。


中学生の国語A、国語B、数学Aは、点数の低い方向にすそをひいた分布になっており、数学Bはどうも山が二つある特殊な分布になっているようです。


このような分布の代表値として平均値を使ってもあまり意味はありません(特に数学B)。


したがって、平均値の大小で決めた順位についても大した意味はないわけです。


このような分布について一つの数値で代表値を決めるなら、中央値を用いるべきでしょう(生徒にとっては、自分が集団内の上位にいるのか下位にいるのかよくわかる。低得点者に引っ張られた平均値だと、集団内の下位にいても平均値以上の点数であることがあり自分がどの程度なのか把握できない)。


が、実際には一つの数値で決めるべきではなく、分布の形状に留意しつつ、平均値・標準偏差・信頼区間や中央値・四分位値などを使うべきであって、軽々に順位をつけるべきではないでしょう。

特にそれを使って、政策立案などを行うような人にとってはね。



さて、まあそれでも正規分布とみなして考えてみるとしましょう。

で、文科省の実データを見ると、以下のようになってます。


中学生国語A:平均正答率:25.2/34、標準偏差:5.8

中学生国語B:平均正答率:6.2/10、標準偏差:2.5

中学生数学A:平均正答率:23.0/36、標準偏差:9.1

中学生数学B:平均正答率:7.5/15、標準偏差:3.7


ぱっと見で判ると思いますが、どれもこれも標準偏差が大きいんですよ。


ちなみに、平均点が高かった福井県と平均点が低かった沖縄県で比べると、こうなります。


中学生国語A:福井県:26.6/34、沖縄県:23.1/34、平均値の差:3.5

中学生国語B:福井県:6.7/10、沖縄県:5.4/10、平均値の差:1.3

中学生数学A:福井県:26.0/36、沖縄県:17.8/36、平均値の差:8.2

中学生数学B:福井県:8.8/15、沖縄県:5.7/15、平均値の差:2.1


いずれの平均値の差も、標準偏差よりも小さいですね。

これ、どういうことかと言うと、福井県の平均点より高い点数を取った沖縄県の生徒や沖縄県の平均点より低い点数を取った福井県の生徒が少なからずいるってことです(大体、2~3割程度)。


そういう状況を捨象して、単純な都道府県別の順位をつけることにどんな意味があるのか、さっぱりわかりません。


(教え方などの問題などについて調べたいのなら、都道府県別ではなく、学校別とか、教え方別でやるべきですからねぇ)









頭の悪い話・相関と因果


日教組の強いところは成績が悪い、という馬鹿げた妄言を信じ込んで論証したつもりの痛いブログ
http://iwaiwa.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_e934.html


既に法華狼さんが指摘済みですが・・・
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080930/1222747184

数字が小さいほうが順位が高いわけですが、先のブログ主はそれに気づかなかったようだ


で、元データだがこうなっているらしい(実際どうだか知らんので引用)。

・北海道(組織率5割超)  小学校46位  中学校44位
・岩手県(同   4割超)  同   10位  同   39位
・秋田県(同   5割超)  同    1位  同    3位
・神奈川県(同  6割超)  同   27位  同   34位
・新潟県(同  7割近く)  同   17位  同   22位
・山梨県(同   8割超)  同   29位  同   20位
・静岡県(同   6割超)  同   14位  同    7位
・愛知県(同   約6割)  同   22位  同    9位
・三重県(同   約8割)  同   42位  同   29位
・大阪府(同   3割弱)  同   45位  同   45位
・兵庫県(同  6割近く)  同    23位  同   27位
・岡山県(同   約6割)  同   39位  同   38位
・福岡県(同   約3割)  同   38位  同   40位
・大分県(同  約65%)  同   44位  同   32位
・沖縄県(同  約35%)  同   47位  同   47位
 

まあ、相関係数を出して、定量的に調べるのも重要とは思うけど、まずは大体の傾向を目で見てみることですよ。


そういうわけで、組織率順に並べ替えてみると・・・


・山梨県(同   8割超)  同   29位  同   20位
・三重県(同   約8割)  同   42位  同   29位
・新潟県(同  7割近く)  同   17位  同   22位
・大分県(同  約65%)  同   44位  同   32位
・神奈川県(同  6割超)  同   27位  同   34位
・静岡県(同   6割超)  同   14位  同    7位
・愛知県(同   約6割)  同   22位  同    9位
・岡山県(同   約6割)  同   39位  同   38位
・兵庫県(同  6割近く)  同    23位  同   27位
・北海道(組織率5割超)  小学校46位  中学校44位
・秋田県(同   5割超)  同    1位  同    3位
・岩手県(同   4割超)  同   10位  同   39位
・沖縄県(同  約35%)  同   47位  同   47位
・福岡県(同   約3割)  同   38位  同   40位
・大阪府(同   3割弱)  同   45位  同   45位


小学校の順位は、とくに傾向が見受けられないけど、中学校の順位については、組織率が高い方が順位が高いこと(つまり順位を示す数値は小さい)がわかりますね。


このデータから判るのは、日教組の組織率と中学校の順位の間には、正の相関がある、ということです。


で、どの程度の相関か、を定量的に知りたいなら、相関係数を求めればよいわけです。


計算結果は、件のブログから引用しますけど、0.49らしいですね。件のブログでは-0.49として、負の相関とか言ってますけど、順位を示す数字が小さいほうが成績がいい訳なので、調査の目的からすれば、これは正の相関と表現するのが自然。

あと、細かいけど気になるのは、単に「相関」としか言ってないから、多分、ピアソンの積率相関係数を使っていると思うんだけど、この場合は、スピアマンの順位相関係数を使うべきだと思う。いや、ホントに細かいことだけどね・・・


最期に重要なこと。
暴言の根源:中山元国交相にも、当てはまる指摘だが、


「相関があるからと言って、因果関係があるとは限らない」


論理的思考が弱い人が陥りやすい点だけどね。統計データの読み方として非常に重要なんだわ、これが。



よく言われる例)
サラリーマン全体のデータをとると、

「血圧の高さ」と「給料の額」の間には非常に高い正の相関があることが知られています(事実です)。


じゃ、血圧を高くすれば、給料の額は上がりますか?上がるわけないですね。
では、給料の額を上げれば、血圧が高くなりますか?ま、昇給の知らせを受けた瞬間以外は高くならないでしょうね。

つまり、「血圧の高さ」と「給料の額」の間には何の因果関係もないわけです。

では、この相関はどう説明できるのか、というと、「年齢」という因子で説明ができるわけです。

・年齢があがると、一般的に血圧が高くなります。
・年齢があがると、一般的に給料も上がります。

このため、見かけ上「血圧の高さ」と「給料の額」には関連があるように見えるわけです。


統計のトリック(と呼べるかどうかはおいといて)のひとつです。


要するに、「日教組の組織率」と「学力テストの結果」に相関が見受けられたとしても、因果関係があることの証明にはならないわけです。


それを理解できないバカは、学力テストの結果を以て、
「日教組がガン」
とか言い出すわけです。
そういう馬鹿は、戦後教育の中でまじめに数学をやってこなかったんでしょう。
辞めてもらって大歓迎な大臣でしたね。

これからは大臣を選ぶ際に学力テストでもやってはどうでしょうか?



ところで、個人的には「学力テストの結果」は「地元就職率の高さ」と因果関係があるように思うのだがなあ・・・



こりゃもう確信犯だね


これまで、通りすがりの三国人は、思い込みの激しい単なるバカで、本人には悪気はないのかも、とか思っていたけど、間違いだったようですね。


奴の9/17のエントリタイトルです。

スーパーの牛肉売り場で人糞をぶちまける韓国人
http://ameblo.jp/sinesayoku/entry-10140295025.html

(魚拓)
http://s04.megalodon.jp/2008-0919-0059-00/ameblo.jp/sinesayoku/entry-10140295025.html


元ネタである中央日報のタイトルです。
米国産牛肉販売初日、市民団体が‘牛の糞’デモ
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=89293&servcode=400&sectcode=400

(魚拓)
http://s04.megalodon.jp/2008-0919-0118-12/japanese.joins.com/article/article.php?aid=89293&servcode=400&sectcode=400


いくら、奴がバカでも牛と人を間違えたりはしないでしょう。

つまり、韓国人を罵倒するために、確信犯的に捏造したわけですね。


ここまで明確に堂々と捏造をやられると、もう対話可能な人間じゃありませんね。

捏造も厭わない信仰的差別主義者と言うしかありません。


tasponもこいつと同レベルとみなしてよいですか?


(追記2008/10/2)

今さら、「人の物だか牛の物だかどうでも良い」とか言い訳するなら、最初から捏造しなきゃいいのにww