郷の住人 -114ページ目

いくぞ !!

       い く ぞ

ここは彼らの玄関だ しっかりチェックして万全の張りぐあい

明日は驚くぞー

このときを待っていたのだ ビデオでも置きたい気分


下見をしてあるから 張り方さえ慣れれば 順調に進む

それにしても なんと鼻堀クレーターの多いことか 

これが1家族とは・・・     

彼らも必死だなぁ 驚かすのに気が引ける

いいや 同情はいらない 彼らに人間愛護の精神はない


五百メートル張り終わった

残りは 難関の林道だ 門作り班が汗をかいてる

しかし この門を通る人たちは 閉めてくれるかなぁ

不安が残る とりあえずやってみるしかない

昼には何とか終わりそう


午後にもう一度チェックに歩く

他の班も 片がついたみたい

ところどころ直しながら 全長二キロの


       電気柵 万里の長城 完成




電気柵 万里の長城作戦実施

     電気柵 万里の長城作戦実施

朝8時 公民館に集合 区長さんと市職員Nさんがあいさつ

決まってしまえば 村じゅうみんな協力的

和やかな雰囲気の中 設置の仕方を業者の人が説明

各班に分かれて 設置に向かう 


郷の住人の班は 隣の町内との境にある畑からスタート 

地主の協力ですでに除草剤が撒いてある 安心できる

支柱を立てていく人 支柱にクリップをつける人

電線を張っていく人 スムーズに進む

五十メートル進んだところへ 業者の人が見に来てくれた

早いですねぇ 慣れてるんですか さすがですねぇ 

先週行った所は大変でした クリップに挟み方が逆でして・・・

あっー

     これも逆ですよー

説明の時 一番多い間違いだと 何度もしつこく言ったのに


えー そうやったかなー

            やりなおしー

先生に叱られたみたいで みんな しょんぼり 下を向く

あーぁ ふーん しょうがない 後戻り

いっきに気力がなくなる こうなると作業の手は遅くなる


さらに追い討ち 地面と電線の隙間があきすぎ

これではイノシシが通り抜けてしまう 絶対確認しないとだめ


そうなのだ 瓜坊は地面から二十センチ 親は四十センチ

この高さに彼らの鼻先がある

そこへ 9,000ボルトの電流が 一秒おきに流れる

鼻先以外は 蚊に刺された位にしか感じないらしい

毛皮にもされないわけが解るような気がする


あーぁ うーん


一番大事なところ 落ち込みも大きい

駄目だしされて しょんぼりしている所へ 市職員のNさん

他の所でも みんな間違ってましたよ と慰めてくれる

みんなと同じなら安心する 気を取り戻して

もたもたしてると終わらんで

              い く ぞ



ここで意見が分かれた

     ここで意見が分かれた

墓地の手前でまっすぐ行けば 二十メートル

墓地を囲うと 二百メートル どっちにするか

檀家さんは 囲いたい 他の人は距離が長くなるだけ

奥の墓地は囲っていないから ここも同じにしないと・・・・

しょうがない 檀家さんが折れてくれた


次はまた ふもと道と急傾斜の金網柵 三百メートル通過

金網柵の続きは 畑があるが この谷は問題があった

畑の先の尾根は 道路まで続いていて まともに張れない

どうしよう ・・・・・山を横切るしかないか

それしかない

杉林の中へ入ると 案外草は生えていない 落ち葉の影響か

意外と 林の中にも草の生えていない所が多いのは 

        お ど ろ き !!

ここに 道ができれば案外心配しなくても良さそうだ

これを続けていこう 二百メートル安心した


残りも ふもと道と杉林の中で 五百メートル余裕で歩いた


隣の町内との境に出てきたら

みんなにこにこ

        これならいける

案ずるより生むがやすし 見てみればよく解る

なんとかなる 確信の笑顔


さっそく お上に連絡 反対はない 至急準備してほしい


二週間後 いよいよ念願の 

        電気柵 万里の長城作戦実施

結論はそれから

      結論はそれから

次の日曜日

隣の町内との境からスタート

いきなり草の脅威を目の当たり 昔の田んぼのあぜ道だ

今は 畑になっている どうしたものか百メートルはある

地主と相談 ・・・・ すると意外な答え

「除草剤があるから撒いとくざ・・・ ! 」

そうだ 文明の利器 科学の武器 除草剤

早くも 5分で百メートル解決

次は  

    少し気が楽な 用水路

先人が田畑に水を引くために山のふもと伝いに作ったものだ

ふもと伝いなので曲がりくねってはいるが 

道としての使用頻度はいまだにある 郷の住人もよく通る 

しかも草は わずかしか生えていない 根こそぎ抜けば

当分生えてこない これが二百メートルはある

次は ラッキー 

       急傾斜の金網柵だ

ここからは熊でも出てこないだろう 途中に出入り口の階段

これは厄介だが 階段周りに張っていくしかないだろう

百メートル解決 金網柵の隣は住居跡 コンクリートの土間だ

コンクリは 通電率が悪いから イノシシが驚かないらしい
草はあるが土のところを進めていくしかない

いよいよ難関 

       林道のアスファルト道路

これは塞ぎようが無い 諦めるか そんなわけにはいかない

しようがないけど 門を作ろう 工事のトラックが通るけど

夜閉めて朝明ける 通る人の常識に任せよう

林道の横 深い大川は上がってこれないから大丈夫

橋を渡る 鼻堀クレーターが異常なほど沢山ある場所だ

地主は諦めて何も作っていない 除草剤で対応しよう


次は問題だ 幅三メートルの小川 しかも三面張りのコンクリ

堰の勾配はゆるい イノシシは簡単に渡る・・・・  後で考えよう 

川を渡って ふもと道 昔から 郷と山の間には 

作業するための道がある ここも草は少ない

百メートル行くと 集合墓地がある 谷を整地してできている

ここで みんなの

        意見が分かれた




電気柵で村を囲ってしまおう

     電気柵で村を囲ってしまおう


彼らの攻撃は日に日に兵力が増すのか とどまる気配は無い

次々と 郷のファミレスを廃業させる

耕作放棄地は増えるばかりだ・・・・


お上へは 何とかしてほしいと三年前から何度も言ってあるが

被害の状況を掴んで対策を検討中とのこと


電気柵の一日も早い設置が必要だ

といっても 費用は誰が持つ・・・

田畑の無い人の賛同は得られない

しかし このままだと彼らの陣地は広がるばかり

次に狙われるのは 屋敷の周り 

だいじな庭に 鼻堀クレーターができるのは時間の問題だ

被害にあわないと解らない人ばかり それは世の常


朗報が入る お上の補助金が決まった

さっそく 作戦会議

すぐにでも 村じゅう総出で設置しよう と気勢を上げる

が すかさず冷静な意見

             維持管理はどうするの !?

うー・・・む

そうなのだ 電気柵には草による漏電が最大の欠点だ

常に伸びる雑草を 電線に触れないように

草刈に出てもらわないといけないのだ・・・・

おこない(厄払)・側溝の泥上げ・林道の草刈・社会奉仕と

みんなに出てもらうことは他にも沢山ある

さらに 電気柵の設置ぐらいなら理解してもらえるが

頻繁に草刈となると 区民の理解は難しい

諦めざるを得ないのか・・・・・


しないと言う 理由はよく解った

では するとしたら どういうやり方がいいのか

・・・・・全体で考えてもよく解らない 各班に任せてみては

いくつかの村の行事は 各班に任せてるんだから

それぞれのやり方は違っても 結果的に囲えればいいんだ


ここの郷には 60軒 班に分ければ15軒位で四班ある

班は最も小さくて 最も強いつながりのコミュニティ

みんなが隣近所の付き合いで 助け合って生きてきた

他の班との 対抗意識まで生まれるほどじゃないか


そうだ 班で考えてもらおう
我々の役割は 班をつなぐ事だけ考えればいいと思う

前向きに進めることが大事な事ではないか

とにかく 囲うということで

一度 現場を見て歩こう

            結論はそれから


イノシシ被害対策委員会召集

     イノシシ対策 委員会招集

イノシシ退治するぞー

強い気持ちで 協議委員会に望みました

が 動物愛護の精神から 退治できないのが現在の仕組み

郷に住む人達には 町に住む人達が決めたとしか思えない

共存共栄とは・・・・ 彼らには人間愛護の精神は無い

人は 町にだけ住めとでも言うのか・・・・・

ともに同じところでは生きられないのか

古代から共に生きてきたはずなのに

お互いに食料を提供しあって

まっ・・・彼らは身を売ってきたけど

人は 彼らが命がけで売る身を必要としなくなった

需要と供給のバランスは 郷でも崩れてしまったのだ


ならば 郷と山の間に

           万里の長城 を作ろう

誰の賛同も無い


他の郷が どんな対策をしているのか 調べる

トタン板・板塀・網かけ柵・金網柵・電気柵・シシ避けテープ

どれも費用はかかるから 個々の対策しか無い

どれもそれなりに効果はあるらしいが

自分の田畑は自分で守るだけか・・・・・


あった 

みんなが使っている電気柵をつないで 村を囲っている郷が


これだ

これしかない

     電気柵で村を囲ってしまおう 長音記号2 うり坊


12月(師走)というのに 何故 !?

12月(師走)というのに

ブログを始めてしまいました 

四月ごろから知り合いの方が始めていたので

いつも見るのは見ていたんですが

よく解らないし 誰も誘ってくれないから・・・・

まぁ 見てるだけでも 面白いし

来年には始めてもいいかなぁ の感じでした


ところが先日忘年会で 知り合いが

見てるならコメントぐらい入れてよ と言われて

入れるよ と 言ってしまいました


ところが これが登録しないと入れられない事に

初めて気がつきました


それならいっそ始めてしまえ


熱くなり易く冷め易い私にはいいかもしれない


解らないことばかり 

親切に教えていただける方 色々教えてください


12月になって言うことではないですが お願いします


飛んでいるのか!!

      飛んでいるのか

二日後 夜中に

       バ リ ・・・ バ リ

何か音がしたと 朝起きたら 母親が言う

郷の高台にある我が家は 風が吹くといろんな所で音がする

郷の住処には きゅうりのたな竹や杭、トタン板に杉板と

さまざま物が立掛けてあったりする

多少の音がしてもそれほど気にしない

一応 屋敷の周りを見て歩くが なにも倒れていない


畑を眺めても トタン板の防護柵は飛んで行ってはいない

トタン板でも外れて バタバタしてるのかと思って近づいたら

    あっ や ら れ たー

三つの 鼻堀クレーター

いったいどこから入ったんだ

周りを見ても トタン板はめくれていない

太い杭に 何本も釘を打って止めてある 入れる隙間は無い

なのに なぜ・・・・ 考えられるのは

                  飛んだのか

・・・・・・・・本当に飛び越えたのか 

石垣を飛び降りるのは解るけど 

前も見えないトタン塀を 飛び越えるとは

超臆病者とは思えない 我が家のファミレスから

おいしいジャガイモの匂いが 風に乗って 確信したのか


・・・・・・・・二、三日後に掘る予定だったのに


幸いおやじイノシシしか来なかったみたいか 半分は助かった

だけど明日は 家族を連れてやってくる 必ず彼らはやってくる

仕方が無い 今日のうちに掘ってしまおう


調べてみる なんと彼らの跳躍力は 一メートルを超えるらしい

しかも助走も無く その場で飛び越える

防ぐには 回りに網をかけて 短い足に絡むのを嫌がって 

塀に近づかないようにするしか方法は無い

よくわかった 彼らは人間の匂いで怖がるより

ジャガイモの匂いによって 臆病な性格は消えて

超強気の性格に変身するのだ

さっそく

     イノシシ被害対策委員会召集

立小便の置手紙

         立小便の置手紙

手紙呼んでくれたかなぁ・・・

やったぁ

今日は来ていない 郷の住人の気持ちを解ってくれた 

なぁんだ 話せば解るじゃないか

そういうことなら 今度はこちらから訪問します 


イノシシの玄関の横 山の上り口から五十メートル登ったら

お宮さんの境内の脇に出た ここにもあるある 鼻堀クレーター

境内は瓜坊の運動場か 足跡だらけだ

狛犬様は君たちの天敵ではないか 石のように固まっているが

あんまり荒らすとバチが当たるよ 

                一応 諌めておく

本殿の脇に山奥に向かって 足跡が集中している  

彼らの参道は下り坂なんだ

毎日参拝するのも解るような気がする 


イノシシの参道を 郷の住人は登っていく 

樹齢五十年の杉林の中を 尾根づたいにつづいている

百メートルも登ったか 息が切れてきた と 

前に見えるのは

三叉路・・・四  いや 五叉路だ

もしかして ここから先が 彼らの本通り

気のせいか 道幅も広く見える 並んで歩いているのか?


少し怖くなってきた 

なんといっても

        猪 突 猛 進

ばったり出会ったら・・・・・


勇気を振り絞って行ってみようか

いや カマひとつでは・・・・・ 今日はやめておこう

他の玄関も見ておかないと彼らの行動パターンはまだ解らない


少し急だけど水の流れる谷へ降りる

なんだここは 鼻堀クレーターに水が溜まっている もしかして

       イノシシ風呂だぁ

彼らは 寄生虫が多いから 頻繁に体を擦り付ける

泥水は気持ちがいいのか フゥーン?


とりあえず玄関から出よう


あれ 石垣がある ここは昔 誰かの家があった所だ

今は引っ越して 杉林になっている

石垣を飛び降りて・・・


もしかして !? 彼らもここを

            飛んでいるのか ぶーぶー ぶーぶー DASH!










イノシシとの戦いは始まった

       イノシシとの戦いは始まった

翌朝、気になる畑に行くと

             痕 跡 発 見

隣の畑と我が家の畑の間にある 側溝の法面が掘られてる

ミミズかクズの根っこを食べて ススキをかきわけ

我が家のファミレスに・・・

鼻堀クレーターが ある ある ある


ジャガイモはトタン板防衛柵に守られて 助かった

とりあえず 跡を追う 


草わらのなかに続いてる わかりやすい・・・

しかしすぐ傍には 人の歩く近道があるのにわざわざ草わらに

なるほど 彼らの性格は

            超 臆 病

夜の暗闇の中でも 隠れ隠れて行動しているのか・・・

さらに追う

山のほうへ向かってる


見つけた 藪の中への出入り口 

ここから先へは 鉈と鋸を持っての重装備でないと入れない

これがイノシシの玄関だ


しかし 二十メートル横に行けば 山への登り口

やはり 

彼らは鼻が利く 人の匂いがあるところは避けるのだ


ならば イノシシの玄関に

             立小便の置手紙