*いらすとやさんに頼りっぱなしだ……
公務員に採算を求めるな!
以上!!
と言いたいとこだけど、日本の社会科教育はその仕組みを全く教えずに、くだらない歴史の暗記に終始してるからクソの役にも立たない
世の中には公務員給与の引き下げを求める声が根強くある。そんなことをしてもデフレが悪化するだけだからやめろというのだが、彼らいわく「民間企業なら赤字を出せば減給なのに、行政が赤字でも賃上げなんておかしい」ということらしい
この考え方自体がおかしい上に、実は非常に危険な意味を持ってしまうんだけど、それを解説してみたい
というわけで今回は「行政の基本原理について」のお話
・行政の存在意義とは?
そもそも行政はなんのために存在するのか?これは政府でも地方行政でも一緒なんだけど、国民生活に必要だから存在してるんだよね
役所ってのは要するに国民が生活していく上で必要なものを提供して、国民が困らずに生きていけるようにするのが存在目的になる
たとえば道路整備。道路がなかったらみんなどうやって移動するの?って話だよね。上下水道網がなければまともに生きていけないよね。警察や消防がなければ犯罪だらけになるよね?自衛隊や外交システムがなければ日本の独立は保てないよね?年金は?医療保険は?生活保護は?全部同じ。国民に必要だから提供してる
国民にとって必要なこれらの行政サービスを提供することが行政の役割なわけだ
@行政サービスには採算性がない
一番大事なのはここだから、いきなり結論を言ってしまうような感じなんだけど、道路をいくら敷設しても、警察をいくら配置しても、金にはならない。それはビジネスとして成立してないからだけど、これってつまり民間企業はほっといてもやらないということになる。だって儲けがでないから
自由経済で提供されないけど、国民には必要なんだよね。だからそれを提供するのが行政の役割。言い換えれば行政は採算性がなく、民間が提供しない行政サービスを提供するために存在しているとも言える
でも採算性がないってことは赤字前提ってことなんだよね
@行政は赤字前提、そして黒字はやらない
行政は採算性のないことをしなければいけない立場だから赤字前提の業務をやる。一方で黒字の業務はやらない。なぜかというと、黒字の業務を行政がやってしまうと「絶対潰れない企業」のできあがりになるからだ
そんなことしたら不当競争でしょ?たとえば市役所が土木建築部署を持って、重機を担いで入札に参加してきたらどうなるよ?税金で給与払うからバカみたいに安く入札しまーす、倒産することもありませーん、ってそんなことしたら民間の土木建築業者みんな潰れるじゃない
だから行政は採算性のある仕事はしちゃいけない。それは民間の稼ぎを奪うことと同義だからね。でもそうなると、行政がやることは基本すべて赤字ってことになるよね
・行政に採算を求めると国民は詰む
正確には生活がままならなくなる
行政は存在意義として赤字事業しかやらない。もしこれを問題視するなら、行政はほとんどの事業をやらないという選択肢を取るのが一番正しいことになる
民間企業がそうであるように、不採算部門を切り捨てるわけだ、するとどうなるか?
・道路を作らない
・水道を配備しない
・役所業務をしない
・警察を置かない
・消防を置かない
・軍隊を置かない
・外交をやらない
とまぁ、こういうことになってしまうわけだ。こうすれば確かに行政の赤字は無くなっていくよ?でも、それで困るのは国民自身でしょ?
それで国民はどうやって生活するわけ?
行政に採算を求めるということは、行政の存在意義そのものを否定するのと同じ。民間企業がカバーしない部分をカバーするのが行政の仕事だからだよ。言い換えれば行政は民間企業とは逆の論理で動いている。それが行政の基本原理になる
公務員憎しで叩くのは勝手だけど、民間と同列にしてしまったら話にならない。行政の基本原理は赤字前提で、別にそれでなんら問題はない。行政が財政黒字だったら、それは「集めた税金を還元せずに懐にしまいこんでいる」ということになるし、国民からみてなんら利益はない