クトゥルフ神話TRPGのGMをやるようになってもう5年近くたつんだけど、そのブラッシュアップであるインセインもだけど、戦闘がクソつまんないんだよな


どっちも探索メインのTRPGだから戦闘はおまけじゃねーか。そりゃそうなんだけど、そのおまけが時間を食うほどには楽しくない


理由ははっきりしてて、1つはドラクエコマンド式戦闘は工夫の余地がほとんどないので敵の強さ= 攻略確率になること、そしてシナリオのラスト戦闘は難易度がほぼ固定になってしまうことだ


敵の強さのバランス調整はかなり難しいから、結局は強すぎるか弱すぎるかになる。いわば「無理ゲー」「ぬるゲー」「運ゲー」の3択にしかならない。工夫の余地のない、ステータスの殴り合いをするとどうしてもこうなる


だけど長時間の探索の末に無理ゲーの敵を出すのは理不尽すぎる、徒労感がたまる。だから結局は探索のご褒美としてぬるゲーの敵を出すか、無理ゲーだけど明確な逃げ道を用意する、ということになる。無理ゲーにして途中で逃げないのが悪い、と強弁することはできるけど、それをやるとじゃあはじめから探索しないのが最適解、となってゲームが成立しなくなる


これは大きな問題で、勝ち負けがほぼ確定している(だいたいはPLの勝ち)戦闘イベントをラストに持ってくると、それってただ時間を浪費してエピローグを先延ばしにしてるだけじゃない?という話になる。つまり、ボス戦ってやらんほうがいいよな?という結論になる


で、戦闘なしのシナリオを組んでもいいんだが、これもまた難しい話で、戦闘用のキャラメイクは無駄になるし、シナリオメイクもまた大変になる


そんで戦闘なし、謎解き探索メインというならもうマーダーミステリーとかでいいじゃんという話なんだよな


と、言ってしまうと身もふたもないから戦闘を面白くする方向で考えると、1つは戦闘システムそのものに大幅なテコ入れ、要するにプラグインを突っ込んでしまうこと。GMの負担は跳ね上がるけどまぁそれはしゃーない。個人的にプラグイン作成中。もう1つはシナリオ分岐でぬるゲー無理ゲーが切り替わるようにすること。ただしこっちはシナリオメイクが大変なのと、結局戦闘開始時点でオチが決まってるのは変わらない


やはり理想は戦闘に工夫の余地をいれて、考えなしに突っ込んだら負けるけど頭使えば勝ち目が出てくる、という幅を持たせることだろうか。プレイヤーとしてはそのほうが楽しめるだろ


みたいな話を知り合いのKPとしたところ、意外な反応が返ってきた。彼の言い分を単純化すると「それってルルブに書いてる?」


TRPGの型はGMの数だけある、千差万別とは理解しているけど、やはり普段野良メインで回してる人にとってはルルブという共通言語を絶対化しないとまともにセッションが成り立たないわけだよな


意図的に野良を避けてる人間からするとハウスルール入れてなんぼ、なんならルルブなんて無視する前提で案を拾うためだけに読む、くらいで丁度いいだろうとすら思ってる


クトゥルフの100分率処理は自由度の高いTRPGの雛形として非常に優秀で、いくらでも応用が効く。個人的に知っているのだとFalloutの世界観でSAN値の代わりにRAD値を使う、みたいな1mmもクトゥルフじゃないものもクトゥルフベースで自作できるし、プラグインもその手前にあるものだろうから、それでいいのだと素朴に考えていた


だけど世の中にはそれではダメで、ルルブにきっちり従うことが前提、という人もいれば、そのTRPGのシステムに沿ったプレイをすることそのものが楽しみに直結している(個々の処理の面白さは関係ないとする)というプレイヤーもいる。それもなにもおかしな話ではない。パラノイアのzapスタイルみたいにお決まりパターンの型をなぞること自体に楽しさを見出すような場合も普通にあるわけだし、計算式の穴をついてマーシャルアーツのキック1発で神話生物を倒すのが楽しい、という人もいる


TRPGの自由度の高さは当然にいろんな思想いろんなプレイヤーをごった煮にするわけだ。マンチもそれが楽しいと思ってるプレイヤーがいるから発生するんだしな


そういうことを踏まえると、自分が面白い・面白くないと感じることも独りよがりな部分が多々あるんだろうなとか、それGMしか面白くねーよなとか、色々出てくんだよな


そんなことを悶々と考えながら、よりベターなマスタリングについて考えている