中東の地政学的リスクの増大によるリスクオフで株価は大きく値下がりしました。
あの売り信号は正解でしたね。2回目の売り信号は「ダメ押し」でした。
<図1 銘柄1321 4月19日>
「なんだか、三溝モデル通りに相場が動いているな。」と友人から言われましたが、きっと、私に似たモデルを持つ大手投資家グループが動かしているのでしょう。かな?
さて、
前回のブログは、セブン・サムライ-ディスコ社と銘柄1570の株価推移を比較して、その動きが似ているということで終わっています(図2)。
似ている、というのは細かい動きの方向性のことであって、株価そのものではありません。
そして、待てよ?
と思ったのは、兄弟銘柄である1321と1570の関係です。当然ながらよく似ていますね。
私の運用銘柄は1570(レバレッジ)ですが、判定プログラムのチューニングは銘柄1321で行っています(S式運用ということにしました)。
その理由は、銘柄1321の方がデータ保有期間が銘柄1570の約2倍と長く、チューニング精度を高めるためには、当然ながらそうなるのです。
事実、銘柄1321の方が勝率が高いのです。両銘柄は非常によく似ていますが、なぜか?全く同じではありません。
また銘柄1321には、かのリーマンショックや、それに先立つクウォンツショック等の貴重なデータも含まれています。
まずは、S式運用の有用性について、です。
銘柄1570の売買に際して、
1)直接的に、銘柄1570の分析データを使う
2)間接的に、銘柄1321の分析データを使う(S式運用)
の比較を示します。運用期間は過去10年としたシミュレーションになります(図3)。
比較のためには下2桁めまでの数字は必要ないかもしれませんが、混乱しないように下2桁までの数字で説明します。
<図3 銘柄1570運用における信号採用銘柄
上段が、銘柄1570の分析データを使う場合です。
まず、10年間でB&H(バイ・アンド・ホールド)の資産倍率は5.36倍となっています。10年前にこの銘柄を買い、直近になって売却し、売却益に掛かる税金を納めて残った手元資金が当初購入した金額の5.36倍になったということです。
10年間で
・売買回数 27回(3回弱/年)
・勝率 78%(21勝6敗)
・利益率 最大 61.2%、最小 -6.3%
・複利での運用資産倍率 12.53倍
B&Hの2倍以上のパフォーマンスなので満足できますが、勝率がやや低く、その点は不満ですね(勝率9割を標榜していますから)。
中段は銘柄1321の分析結果です。
10年間で
・売買回数 23回(2回強/年)
・勝率 96%(22勝1敗)
・利益率 最大 27.6%、最小 -0.5%
・複利での運用資産倍率 4.36倍
となっており、B&Hの2倍弱のパフォーマンスです。銘柄1570の分析と比較すると、負けが大きく減って勝率は9割を超え、負けた時の利益率が-0.5%なので、この負けは気になりませんね。
こうありたい!
下段は、銘柄1321の売買信号で銘柄1570の売買を行ったS式運用の場合です。
10年間で
・売買回数 23回(2回強/年)
・勝率 96%(22勝1敗)
・利益率 最大 61.2%、最小 -1.1%
・複利での運用資産倍率 19.32倍
よく似たパターンの銘柄の場合、S式運用は効果があることが分かりますね。
ここで、日経平均株価と動きが近いディスコ株をS式で運用して見たら?というアイディアが浮かんだのです。
前回のブログで、ひょっとして?というのがこれです。
銘柄ディスコは銘柄1321にパターンが似ているので、S式運用の効果があるかもしれません!
そこでまず、ディスコ株を通常運用(ディスコ株価の分析)で売買した場合のシミュレーション(10年)を行ってみました。
<図4 ディスコ株通常運用>
残念ながらパフォーマンスが芳しくありません。いや、ひどいパフォーマンスです。B&Hが21.12倍に対し、わが運用は4.59倍にしかなっていません。
はっきり言って、使えない。 ですよね!
私のプログラムは銘柄1321でチューニングされているので、個別銘柄になるとこういう問題が露呈してしまいます。個別銘柄のパフォーマンス改善のために補正機能(変動係数)を導入していますが、効果は十分ではありません。
では、S式運用をすれば?
なんと、パフォーマンスがグッと上がるではありませんか!
<図5 ディスコ株のS式運用>
まだB&Hの半分のパフォーマンスでしかないので、不満ではありますが・・。
もっと銘柄1321に近い動きをする個別株はないのか?というのが次のアプローチになります。
あった、あった!SCREENホールディングスです。もっと似ている!
<図6 株価比較 銘柄1321 vs SCREENホールディングス株>
これをS式運用してみたシミュレーションが図7です。
<図7 SCREENホールディングス株のS式運用>
・・・・・・
衝撃の結果!?
通常運用は「使えない」と酷評ですが、S式運用すればなんとなんと! B&Hをはるかに凌駕するパフォーマンスになりました。
・・・・・・・・・・・・・?!?!
ディスコ株とSCREENホールディングス株のS式運用結果が示唆することは、
個別株も、
個別株の分析ではなく、
日経平均の分析で売買したほうが良い。
ということ?
SCREENホールディングス株の運用方式別を時系列で比較してみました(図8)。
<図8 SCREENホールディングス株の運用方式 時系列比較>
目隠しをして売買をしたような割には、S式運用はB&Hに比べて
・コロナショックでの損失は無く
・コロナショック以降は、ほぼ常にB&Hの2倍のパフォーマンス
です。
・・・・・・・・・??
続きは次回。