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前回の続きです。
ソユーズとアポロのカプセルドッキング後、母船へ向かいます。
第３１回会見 １９７５年７月１７日 木曜日
どうぞ～
セム ・・・ セムヤーゼ
（そこで、私は二つのカプセルを詳しく観察した。
両者はゆっくりと互いに近付いてきた。
アポロ・カプセルはソユーズ・カプセルよりも、ずい分大きかった。
セムヤーゼはそれについてこう説明した。
アポロが大きい理由は両カプセルを結ぶ連結部分、これはドッキング終了後、一方から他方へ通路として役立つが、この連結部分がアポロに装備されているからである。
又、この連結部分は、連結の全ての実験を遂行した後に、アポロから切り離され、宇宙に「捨てられる」のである。
私は自分のカメラを忙しく動かして多くの写真を撮った。
彼女も私のそばで、彼女のカメラで多くの写真を撮った。
セムヤーゼが予告したように連結実験は短時間に、しかも正確に行われた。
撮影が終わった後、セムヤーゼは自分の機械を操作し始めた。
今度は私は二つのカプセル、連結部分、宇宙飛行士をはっきり見ることが出来た。
アポロの体積の割はソユーズと比較して、そんなに大きくないし、金属製のオンボロ飛行物体といった感じで原始的な印象を与えた。
しかし、アポロはソユーズに比較して室内設備が非常に豊富であった。
このオンボロ船の窮屈な部屋を心配していた私に、吹き出すような面白い様子が見えた。
アメリカの飛行士の一人が体が浮かんでいる最中、頭から突進して相手の頭とぶつかったからだ。
彼は無重力状態に慣れていなかったのだろう。
ぶつけた人間が誰だったか残念だが知らない。
というのはカプセルの居住人の名前と顔写真も知らなかったからだ。
セムヤーゼが機械のスイッチを切ったので、ドッキングしたカプセルの内部の映像が消えて、普通のカプセルの外部の映像に戻った。）
セム いよいよ、私達の母船と落ち合うために出発する時間です。
（それからセムヤーゼは一言も発せずに、発光宇宙船を再び始動させた。
数分後に地球は小さくなって大きな星の形になり、空間で青く輝いていた。
私は以前この光景を何度も見たことがある。
それにも興味を失ったので、私はセムヤーゼの方を向いた。
彼女は独特の体形にぴったり合う安楽椅子に腰かけて、暗黒の空間の中で発光宇宙船を操縦していた。
そこには何十億という星が大小様々の形でキラキラと輝いていた。
その明るさと鮮明度は地球上で観察するよりも何千倍もあった。
それは一生忘れる事の出来ない、正に幻想的世界の一台絵巻であった。
絵で描く理想的な天国がそこに出現しているようだった。
大小の星の間に数多くの星群が見えた。
計り知れない美しさと大きさを持つ巨大な星団、渦状星雲、巨大な銀河の帯、その他何千という星が輝いていた。
全てが全く幻想的で、私は生まれて初めて大宇宙の無限の大きさと壮麗さを感じた。
私は最初の宇宙旅行のときも、そして、つい数時間前までは、他の多くのことに気をとられていたために、宇宙についてはほんのわずかしか観察していなかった。
しかし、今は違う。
私は今、冷静さと澄み切った眼で全てを観察出来る。
私は眼前に広がっている宇宙の無限の広さ、大きさ、壮麗さ、美しさを表現することが出来ない。言葉が見付からない。
ただ、見て理解するだけである。
私は突然自由と身軽さを感じ、地球の毎日の悪戦苦闘から超然となった。
地球では私は場違いの異邦人であるかのように感じていた。
そういう感情はここでは全く無く、全くの別世界であった。
ここにいると、快い気分になり、我が家にいるように心が和むのだった。
何故そうなるのかわからないが、事実そうだった。
私は地球の全ての利害関係、憂慮問題から解放され、自由だった。
突然セムヤーゼが私の沈黙思考を妨げた。）
FIGU（www.figu.org）
以上、「セムヤーゼ（３）セムヤーゼ（４）」より引用
私もたまに地球では場違いの異邦人であるかのように感じます
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