3月6日の予算特別委員会の最終日は、今までの質疑をふまえて予算に対する賛否を出し、意見を述べる「意見表明」を行いました。以下はその内容です。

リンクを貼ってあるのは、それぞれの項目について詳細の質疑を載せたブログ記事を見られるようにしてあります。

 

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市民ふくしフォーラムとして、2019年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計、後期高齢者医療会計予算、一般会計補正予算に反対の立場で意見を表明します。

 

子育て、介護、障害のある人の生活…人生の中では、自分一人でがんばるのは困難なとき、誰かのサポートを受けたい時があります。どんな困難が生じた時にも、社会からの支えを得て、住み慣れた地域で心穏やかに暮らしていくためのしくみづくりが必要であり、それは今後ますます求められるようになると考えられます。

 

そこで果たすべき行政の役割は、対人援助の高いスキルと数値では測りづらい専門性です。しかし、昨年問題になった図書館の委託を進める経緯を見ると、現場の職員が積み重ねてきた専門性やノウハウを大切にしているのだろうかという疑問を持たざるを得ません。今、区の様々な業務の委託化が進められる中で、今回の予算でも物件費の上昇が見られました。区民の生活にしっかり向き合う体制を作るためには、関わる職員が誇りを持って働き続けられる労働環境づくりが重要です。改めて、委託している事業も含め、現場の実態を把握し、区民に向き合う体制の検証をすべきです。

 

また、学校徴収金については、公会計化に消極的な区教育委員会の姿勢には疑問を感じます。区民からお預かりしたお金の会計の透明性を最大限追求するのは当然の責務であるはずです。それを、徴収率や食材の調達の事情を理由にして区の会計として明確化せず、校長名義で預かることを辞めようとしないのは不誠実です。結局、区や教育委員会が責任を持って会計を管理することが手間だからという理由でしかないのではないかと思えるのです。改めて再考を求めます。

 

 

以下、各款について意見を述べます。

 

森林環境税、環境譲与税については課税のしくみや使い道など、区民に分かりやすい周知を行なうこと。また2014年から2023年まで行なわれている防災対策のための課税も、今まだ続いているので引き続き区民への周知をすること。

男女共同参画の視点に立った健康施策をより一層充実させること。

・暴力の被害に遭った人への支援をするための人材育成など体制整備をさらに充実させること。

区内農業の農薬・化学肥料を減らす取り組みについて、区民と情報共有する機会を充実させること。

ビジネスサポートセンターにおける生活福祉関連事業への支援は、まだ必要な人に情報が届いていないと思われるため、周知のしかたを工夫すること。

ごみの分別に関する啓発をさらに進めること。

高齢期になり介護の状態が重くなっても、医療・介護・障害者制度などあらゆる制度を活用し在宅生活のサポートができるよう関係機関との情報共有を進めること。また、在宅生活について分かりやすい周知をさらに進めること。

障害のある人が高齢化し、障害が重度化しても、通いなれた場に通い続け、地域で生活していくための支援体制の充実を図ること。そのために、区立施設の多機能化などを検討すること。

住宅セーフティネット制度は、居住者の住まいの福祉の向上の観点から、区内セーフティネット住宅の底上げを図る体制を作ること。

リフト付きの車で障害のある人が乗降する駅前のスペースが不十分な現状がある。可能な限り、安全に乗降できるスペースの確保と分かりやすい表示の工夫をすること。

・学校給食費・教材費は私費会計をやめ、公会計化すること。

・教職員の労働環境の改善については、業務の整理、タイムマネジメントだけではなく、人材不足への対応をさらに図り、モチベーションを向上させられる支援体制を充実させること。

児童相談所との連携のもと、児童虐待への対策をさらに進め、また障害のある子への支援体制についても練馬区の役割を充実させること。

学童クラブでのおやつの実態を検証し、栄養バランス、食の安全、食育の観点からこどもの成長に必要なおやつの体制を検討すること。