2月20日の予算特別委員会、保健福祉費の質疑の際には、地域包括ケアについて質問しました。医療的なケアが必要など、介護の状態が重い人が地域で暮らすためのサポートについてです。

 

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〈かとうぎ桜子〉

高齢者生活支援経費の中の、ひとり暮らし高齢者等訪問支援事業経費について伺います。

現在のひとり暮らし高齢者等支援事業の実施状況と、そこから見えてきた課題があればお聞かせください。

 

〈高齢者支援課長〉

昨年4月、すべての地域包括支援センターに社会福祉士などの専門職を新たに2名ずつ配置して、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯への訪問支援事業を開始いたしました。これまで約1万3000人に訪問しまして、1700人を介護保険サービスや区の福祉サービスにつなげたほか、傾聴ボランティアなど地域活動と連携した取り組みも実施しております。

課題としては、実際に訪問したところ、健康で自立しており、訪問そのものを必要としない方や、訪問を嫌う方が多かったことから、支援が必要な高齢者の把握方法の見直しが課題であると考えています。

 

〈かとうぎ桜子〉

客観的に見て支援が必要な方と、ご本人が希望されるかどうかが食い違っているケースはあることだと思いますので、またやり方を工夫して行っていただきたいと思います。

それで、地域包括ケアを進めていくことが言われているわけですけれども、現状では高齢者の生活を制度で支え切れない部分は家族が支えることが前提になっている部分があると思います。

ひとり暮らしのご高齢の方や、あるいは同居家族もご高齢という場合も安心して地域で暮らし続けられるようにするため、またお子さんなどのご家族がいても極力そのつながりは精神的な支えであって、物理的な介護負担を軽減することを考えて、長く地域で心豊かに生きられることが地域包括ケアの目指すべきところではないかと思います。

伺いたいのは、例えば脳血管疾患や肺炎、転倒など高齢者に起こりやすい病気やけがで胃ろうやたんの吸引など医療的なケアも含めて必要になった方が在宅で生活する場合のことです。

若い世代で障害があって、常時介助が必要な場合は重度訪問介護を利用するなどの方法が考えられると思いますが、高齢者になって常時介護が必要で、定期巡回サービスでは不足するという場合、医療や障害者支援など、他のサービスの併用も含めてどのような体制で在宅生活を続けることができるのでしょうか。説明いただけますでしょうか。

 

〈高齢者支援課長〉

本人の疾病や必要な医療的ケアの内容などの条件に応じまして、介護保険サービスに加えて医療保険や介護保険にはない障害福祉サービスを組み合わせで利用することが可能です。

実際、末期がんの方や、ALSなどの神経難病、人口呼吸器を使用している方などの中には、サービスを組み合わせながら在宅療養を行っている方もいらっしゃいます。

このように、さまざまなサービスを組み合わせた支援体制を構築するに当たっては、地域包括支援センターに配置している医療・介護連携推進員や地域のケアマネジャー、医療機関などが連携して取り組んでいます。

 

〈かとうぎ桜子〉

制度がいろいろとまたがると活用できるものを見落としてしまったりということも懸念されるので、十分に活用できるものを活用しながら、選択肢が広がるようにしていっていただきたいと思います。

介護の状態が重くなって、入院や入所をされている方やそのご家族の中には、在宅で暮らすということが選択肢にあるということ自体、考えつかないという方もたくさんいらっしゃると思います。どのように区として発信されているかを伺います。

 

〈地域医療課長〉

長期で入院・入所されている方の在宅の関係でございますけれども、その周知についてでございます。入院されている方で、在宅医療を知らないという人ももちろんいるかとは思います。また、さまざまな事情で入院されている方もいらっしゃるかと思います。

われわれが直接入院患者にお知らせすることはできませんけれども、主治医や看護師、それから医療連携室の方から、また介護を受けている方であれば、ケアマネジャーの方、それからご家族の方、その方々からお話していただく、在宅医療というものを説明していただくことになるかと思います。

区では、本人およびその家族の方々を対象といたしまして、在宅療養講演会、それから医療介護従事者を対象とした事例検討会、交流会、また病院の看護師が在宅で訪問看護の状況を知るための訪問看護同行研修など、さまざまな事業も行なっております。これらを通じまして、在宅療養についての周知啓発を行っています。

また、在宅療養のガイドブック、「わが家で生きる」も配布し、広く周知しています。今後も引き続き、周知啓発に努めてまいります。

 

〈かとうぎ桜子〉

特に入院や入所の施設などのスタッフの方の中に、在宅の選択肢ということがより共有されるように工夫して、広報、また情報共有などしていっていただければと思います。

時間がなくなってしまったので、これで終わります。