2月15日、予算の質疑の2日目は議会費・総務費について質問できる日で、私は男女共同参画について質問しました。

男女共同参画計画は、女性差別をなくし、女性も男性も生きやすい社会を作っていくための計画で、特徴的なところとしては、暴力の被害者支援(DVなど)や、若い女性への支援、また第4次計画からはセクシュアルマイノリティの人への相談など支援ということも入ってきています。

そうしたこの計画ならではの特徴的な目標だけではなく、子育て支援、介護、健康など、他の施策と重複するものも盛り込まれています。

せっかく男女共同参画計画に取り上げるからには、単に他の施策と重複掲載するだけではなく、男女共同参画の視点を積極的に取り入れた視点から施策を見ていく必要があるのではないかと思います。そこで今回は、男女共同参画の視点からの健康施策について質問しました。

 

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〈かとうぎ桜子〉

男女共同参画施策経費について伺います。

来年度、第5次男女共同参画計画の策定を進めるということで、今年度は男女共同参画推進懇談会で計画策定に向けた提言をするため、準備されているかと思います。

まず、現在の進捗状況をお聞きしたいのと、委員から出ているご意見で、今回特徴的と思われるものがあればお聞かせください。

 

〈人権・男女共同参画課長〉

今年度、公募区民、関係団体、学識経験者などから成ります男女共同参画推進懇談会では、来年度、第5次計画に向けて提言の作成をしていただいている状況です。

提言は、委員の皆様、四つの部会で検討を行ってきておりまして、11月に第3回目の懇談会で提言についてご議論、ご意見の交換を行ったところです。

 

その中で、大きく三つの項目についてご意見をまとめて申し上げたいと思います。

大きな枠組みについてというところでは、地域活動での男女共同参画の促進というところと、家庭・学校・地域の場における男女平等教育の推進のところが、中の部分でも重なっている部分があるので、こちらをまとめていこうということ。

それから、暴力根絶の部分の暴力は差別という形で表現もされているので、この表現にして、暴力の部分を別に独立させるのがよろしいのではないかというところ。

次に、個別事項についてもいくつかご意見がございまして、障害を通じた心と体の健康を支援するというところに、スポーツ分野における男女共同参画の推進を入れたいというところ。

それから、パートナーシップ制度の部分で、これについては、今、同性間のというところが先行しているけれども、異性間でも婚姻関係にないから不利益を被っているということも含めて説明を入れた方がいいのではないかというところがございました。

また内容については、細かいところで、表現のところ、「男女が」ですとか、父親、母親、恋人という表現については、多様性という観点から表現について再考したほうが良いのではないかというところがございました。特徴としてそういったところと考えているところです。

 

〈かとうぎ桜子〉

次に、第4次の計画以降の事業の実施状況について伺いたいのですが、男女共同参画の観点からの健康の施策の取り組みについて伺いたいと思います。

健康については、女性に関しては妊娠、出産にまつわることや婦人家系の病気のこと、ホルモンの変化による健康への影響などの観点から、啓発や検診の推進などがされてきていると思います。

ただ、男女の身体的な違いや社会的な状況による健康への影響、またセクシュアルマイノリティの人に向けた健康支援など、より幅広い観点で健康への取り組みもする必要があるのではないかと思います。

例えば先日、議会で、特定検診等のデータ提供による学術研究の結果報告がありましたが、その研究結果に、糖尿病を発症しやすい要因の一つに男性であるということが挙げられていました。これは身体的な差異によるものなのか生活環境によるものなのか、検証が必要かもしれませんが、ほかにも例えば自殺者数の現状を見たときに男性の方が多い傾向にあるのは、労働環境の問題や、悩んでも弱音を吐いてはいけないと抱え込んでしまっているなど、男性を取り巻く社会的状況が背景にあるのではないかということも推察できるところでもあります。

あと、依存症の治療をしているクリニックの精神保健福祉士さんが書いた「万引き依存症」という本によると、常習的に万引きをしている人の中でも、特に女性は家計の節約のためという理由で万引きをしてしまっていることがあるということで、女性として家のことを頑張らなければというストレスが影響しているということも考えられるかと思います。

こうした依存症であるとか、そういう精神的なもの、身体的な疾患、自殺の問題といった健康面に、男性らしく、女性らしくということが影響してしまっている部分もあるということも考えていく必要があるかと思います。

また、身体的な性の違いによっての必要な健康支援や、セクシュアルマイノリティの人への健康支援など、さらに一歩踏み込んだ取り組みが必要なのではないかと考えてますが、お考えをお聞きします。

 

〈人権・男女共同参画課長〉

健康面については、大きくは今年度、個別計画として健康部でも計画策定が進められているところでございますので、そういったところとの連携ですとか調整を今後図って、来年度、男女共同参画計画についてもどういった位置づけにするかというところを整理していきたいと考えております。