2月27日の補正予算質疑と2月28日の全款補充質疑で、障害のある人が通う場について質問した内容を書きます。

 

谷原フレンドという施設の事業形態を変えること、就労継続支援B型事業所に通う人が加齢に伴い必要なサポートが変化していくことへの対応についてです。

 

(2月27日の質疑)

〈かとうぎ桜子〉

自立支援給付費の中で、介護給付費および訓練等給付費に関連して、今年度の報酬改定の影響について伺います。今年度の報酬改定で、就労継続支援B型事業所の報酬体系が、利用者の平均工賃によって変わるようになりました。多くの事業所で報酬が減ることも懸念されるのではないかと思っています。

この1年弱、どのような状況になっているのかお聞きします。

 

〈障害者施策推進課長〉

報酬改定につきましては、原則3年に一度行われています。

今回の報酬改定は、障害者の高齢化、重度化が進んでおり、同居する親や兄弟が亡くなった後を見据えた地域生活支援サービスや拠点、そのほかに障害者就労に重点が置かれたものです。

今、お話のありました就労継続B型でございますけれども、区内には現在、33か所ございます。就労継続B型事業所につきましては、障害者が地域で自立した生活を送ることができるように、利用者に支払う工賃の水準が向上するために必要な支援を行うことが重要であることから、今回のこの改定となったと考えています。

区内の事業者におきましては、平均工賃5000円から3万円を超すところとばらつきがございます。障害状況や作業種別によって差が見られるものです。

今回の報酬改定によって、工賃が1万円以下の場合については下がる事業者はございませんでした。加算等の算定状況、高い工賃を維持していくところについては給付額が高くなる仕組みとなってございますので、作業所のサービスの向上、工賃向上をする工夫が強く求められていると考えています。

今回のこの報酬改定を受けて、事業を廃止した区内B型事業所はございません。

 

〈かとうぎ桜子〉

制度全体としては重度化の対応ということが考えられているということですけれども、一方でこのB型に通っている方に関しても、長年通所する中で利用者が高齢化して、それに伴って障害が重度化するという課題もあるかと思います。

そういう中で、長年通いなれたところに通い続けたいというニーズもあると思いますので、施設側としてはその人の状況に応じた対応をする中では、必ずしも努力だけで工賃を上げることが困難な場合もあると思います。

そういった点を踏まえて、国に意見を言うなど対応をしていっていただければと思います。

 

(2月28日の質疑)

〈かとうぎ桜子〉

障害者地域活動支援センター維持運営費について伺います。

現在、地域活動支援センターⅡ型として事業を実施している谷原フレンドを、生活介護事業に転換するため、来年度は準備していくということですが、事業の転換の経緯と、利用者への何らかの影響が考えられるのかどうかを伺います。

 

〈障害者施策推進課長〉

こちらの障害者地域活動支援センターですけれども、平成17年度(2005年度)に、当時の知的障害者福祉法の障害者デイサービスとして開所いたしました。

開所当初から、障害者の高齢化の課題は認識しておりまして、障害の重い方で、当時の福祉園より緩やかな活動ができるようにと、職員体制などは福祉園と同様に配置してきたところです。

翌年18年(2006年)に、障害者自立支援法が施行されまして、自立支援法上の一番近いサービスとして、現在の地域活動支援センターを選択したところでございます。

地域活動支援センターは、生活介護より、職員体制や施設基準が緩やかで、利用するに当たっての障害支援区分の必要がないものとなっております。

障害支援区分につきましては、ご本人の障害状況、家族の状況を知るうえで重要なものです。支援区分が必要のないこと、サービス等利用計画が必要ないことから、相談支援事業所とのつながりがない方もございます。

今後、障害者の方々の生活を組み立てるうえで、相談支援事業所によるトータル的な相談、サービスなどの利用計画が大変重要です。

家族、事業者だけでなく、相談できる場の確保、個々の状況に合ったサービスを継続的、計画的に提供できることに有効だと考えております。

また、当初から、生活介護と同様の人員体制をとってまいりましたけれども、法律上、守るべき基準になるということは、利用者の通所サービスの質を守ることにもなります。

さまざまな要素を考えまして、利用者の方が、現在と同様のサービスを受けつつ、安定し、安心して通所できるように、平成32年(2020年)4月から生活介護にするものです。

現在、通っていらっしゃる方に対しての通所の方法、それから内容についての変更はないと考えています。

 

〈かとうぎ桜子〉

相談支援などが入ってくるというところでは、また、サポートの仕方を追加していかなければいけない部分もあると思いますので、丁寧な対応が必要かと思います。

今のお話の中にもありましたけれども、補正予算の際にも述べましたが、障害のある人の高齢化、重度化に伴い、必要とする支援が変化して来ることにどう対応していくかという課題が、いろいろなサービスの中で出てきているかと思います。

長年通っていた作業所で、加齢とともに作業が十分にできなかったり、自力での通所が困難になるといった人も増えているかと思います。

一方で、長年、通いなれた場所から、変更して、例えば福祉園や高齢者のデイサービスなど、新しい通所施設に変更することは負担になる場合もあると思います。

このような、長年、通所施設に通って来られた方が持つ新たな課題については、例えば区立のB型事業所を生活介護との多機能化をするなど、対応可能な方法を検討する必要もあると思いますけれども、現在、区はその点についてはどのように捉えて対応を考えているのか伺います。

 

〈障害者施策推進課長〉

福祉作業所では、高齢化、重度化が進んでおり、家族の高齢化も同様に進んでおります。平均年齢は約39歳、最高年齢の方で70歳の方が通っておられます。

例えばですけれども、福祉作業所に18歳で通い始めたときに必要な支援と、同じ方が50歳になったときに必要になっている支援は違ってまいります。障害状況や、家族状況により違ってくるものです。

現在、行っている事業の機能が、利用者の方の現在の状況にそぐわないケースも出てまいりました。しかし、長い間、福祉作業所で働くことに生きがいとプライドを持って通所されている方々でございます。利用されている方々が安心して、継続して、現在の場所に通所していただくために、現在の機能だけではなく、ほかの機能、サービスが必要と考えています。

現在、利用者の代表としての保護者や、事業所長、それから特別支援学校、相談支援機関等で構成します区立福祉作業所等の機能の見直しに関する検討委員会を実施し、今後の福祉作業所の機能について協議しているところです。

 

〈かとうぎ桜子〉

区立の役割として、そういう新たな課題に対してどう対応できるか、モデル的に示していくという役割もあると思いますので、ぜひ、当事者や保護者の声を聞きながら進めていっていただければと思います。