決算特別委員会の最後に、各会派が賛否を表明して意見を述べます。

私が述べた意見を以下に報告します。

 

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(2017年10月11日 決算特別委員会にて)

市民ふくしフォーラムとして、2016年度一般会計、国民健康保険事業会計、介護保険会計および後期高齢者医療会計の決算の認定に反対し、意見を表明します。

 

「地域で支え合う」ということは、一見とても素敵なことのようですが、難しい課題も多くあります。どんな立場にある人も自分らしく、地域で安心して暮らしていくためには、その人の権利が守られるしくみがしっかりしていなければなりません。そのために区が果たさなければならない役割は大きいものです。

しかし、介護予防・日常生活支援総合事業の中の介護従事者に対する研修体制や、こどもに関わるボランティア育成に対する区の姿勢を見ると、あまりにも関わってくださる区民の善意に依存しています。もっと厳しく、地域において支援する人・される人・それを取り巻く人みんなの権利擁護という観点からの区の役割と責任を自覚すべきです。地域のエネルギーについても同様で、ビジョンとして理想を描くだけでは区民は取り組みづらいものです。自立分散型エネルギー社会を実現するために区民ができることを、区としてどうバックアップできるのか、新しい発想を持って具体的に動く必要がありますが、現状十分ではありません。

 

以下、各款について意見を述べます。

 

男女共同参画センターの相談窓口は、相談したいと考える区民にとって安心して利用できるものになるような情報発信の工夫をすること。

・男女共同参画センターにおける若い女性への支援については、参加した人が継続してつながりを持てる工夫をすること。

避難拠点における福祉避難所との連携について、すでに始まっている取り組みを紹介しながら多くの拠点で取り組むことができるよう、区として情報提供や支援に努めること。

・防災カレッジにおける要援護者対応の研修については、より多様な障害への理解を促す工夫をするとともに、当事者が参画できる工夫もすること。

死亡届を出しに来た区民に対し、遺族のケアに関する情報も含め、死亡にかかる手続きについて分かりやすい情報提供の工夫をすること。

自立分散型社会を目指すため、区民が取り組みやすい新たな手法の開発に努めること。

障害のある人が得意なことを活かしやりがいを持って日中活動を行なうなど、充実した地域生活を送るための施策づくりに努めること。

・介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスA従事者研修は、研修時間が14時間と短く、当事者の権利擁護・家族支援という観点から介護従事者の資質向上や従事者が安心して働ける環境という意味で課題がある。スキルアップのしくみを充実させること。

・災害時を想定した介護・障害福祉サービス事業者との連携は、実効性のあるものとなるよう引き続き協議を行なうこと。

ユニバーサルデザインは、区立施設のみならず、民間の福祉施設や地域の拠点にも応用できるよう、区民が楽しみながらユニバーサルデザインに取り組むことのできる情報支援も行うこと。

・26億5千万円にも及ぶ学校給食費が私費会計であることは問題である。公会計化を目指したシステム作りを行なうこと。

・こどもが傷つけられる経験をしないために、こどもに関わるボランティアがこどもを取り巻く課題を学び、こどもの権利を守る視点からの活動ができるような研修の実施を区として行なうこと。

・児童館の中高生の居場所づくりで、こどもの相談を受けられる体制を取るために、外部の専門家との連携など、体制を整えること。

・国民健康保険における出産育児一時金の流産・死産の際の受け取り方法について、本人の負担軽減ができる方法の情報提供のしかたを工夫するとともに、国保の広域化にあたっても配慮できる仕組み作りに取り組むこと。