同時通訳が一瞬でやる英訳術リプロセシング???? | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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”同時通訳が頭の中で一瞬でやっている英訳術リプロセシング”と言う本があります。次のような説明があります。



ひたすら英語力を磨いても、英訳は楽になりません。言語構造、思考パターン、価値観のギャップの調整が必要です。同時通訳者養成クラスで行われている方法で、英訳コンプレックスを克服しよう。



1 日本人同士でないと通じない日本語の英訳100問
2 日本語の再加工リプロセシング(分かりやすい日本語にする;英訳できる日本語にする ほか)
3 英訳100問の解答前半(お知恵を拝借させてください。;少しだけお時間よろしいでしょうか?)
4 英訳100問の解答後半(つまらないものですが、どうぞお納めください。)
5 アテンド通訳の疑似体験(見送りの駅で;自販機の缶コーヒー ほか)



本書で紹介する「リプロセシング」メソッドは、日本語を英訳しやすい日本語に加工する方法。最終的に作り上げる英文に限りなく近い日本文をいったん用意してから、英文に置き換えてアウトプットするという同時通訳者のための訓練法”



私はビジネス通訳をやっていたのでこの辺は良く分かります。



この本は英訳し難い日本語表現をリライトして、それを英語にしろと言う提言です。少なくともほとんどの通訳はこれをやっていないでしょう。



日本語の「ありがとう。」は「Thank you.」です。どうすれば「Thank you.」になる日本語がでてくるのでしょうか。「Thank you.」と言う英語を知っていればそれに対応する日本語は分かります。日本語はあくまでも後付けでしかありません。



翻訳モデルでは中間言語と言うモデルがあります。何かを訳すときに言いたい事を中間的な言語で表現してターゲットの言語で探すと言うモデルです。



「ありがとう。」と「Thank you.」の関係では中間言語では何かをしてもらい感謝をする時に使われる表現として説明できます。それに対応するターゲットの英語表現が「Thank you.」となります。



「ありがとう。」を分かりやすい日本語にするのは無理な事です。会話や商談中に分かり難い日本語であったとしてもそれをリライトして、その日本語を訳す暇はありません。



ほとんどの人は直訳にする暇さえないのです。それを日本語をリライトしてそれを英訳するのは無理な事です。



では通訳はどうやって対応するのでしょうか。それは事前に準備するだけの事です。つまり覚えておくのです。



ビジネス通訳で最も困ったのは商談後の「よろしくお願いします。」です。実はそれを言った人も主語や述語をほとんど意識せず、慣用的に言っています。通訳が「何をどうするのですか。」と聞けたらほとんどの人が困惑するでしょう。



だから事前にいくつかの英語作って、主語や述語のある英文にします。それらは通訳にお任せと言う事です。だから言っている人の意志に沿わない英文の場合もあるかも知れません。



通訳はそれが同時通訳でも事前に練習して覚えており、その表現数が普通の人より圧倒的に多いだけの事です。



通訳になったからと言って脳の動きが変わるのでなく、先に覚えておいて、それをタイムリーに思い出す能力に長けているだけの事です。量と速度だけの問題です。



通訳だからリプロセシングができるのではありません。それを習おうとするのはまったく意味がありません。



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