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第二十八話










ずっとずっと、そばで見守ってきたのに


どうして・・・・・・俺じゃないんだ―――――?




もう一度君に恋をする   第二十九話




<尚side>



キョーコからあの日、言われた言葉が

耳にこびりついて、離れない。


”ずっと、敦賀さんが好き。

今まで、ずっと――――――――”


それは、アイツが居ない間、キョーコと一緒に居た4年間を

全く、無にした言葉だった。



俺の想いはもう、キョーコには伝わらないのか?

ずっとそばで見守ってきたのに・・・・・・


あの日、キョーコは俺たちのマンションに、アイツを連れてきていた。

何故か、は聞かなかったけど

キョーコのマネージャーの社さんから電話をもらい

急いで部屋へと戻っていると

キョーコとアイツは・・・・・抱き合っていた。

二人の雰囲気からすると、まるで恋人同士のようだった。


思い出すだけで、胸が苦しくなる。


お前の恋人は、俺なんだろう??

なのに、どうして―――――――??


狂おしい嫉妬の炎に抱かれて、俺はこのまま闇へと落ちてしまうのか??


でも、今日はこれから歌番組の収録がある。


ラブバラードを歌うのに、こんな気持ちのままでは歌えない。


深呼吸をして、気持ちを切り替えようとしたそのとき・・・・・・




TRRRRR TRRRRR TRRRRR・・・・・



「・・・・もしもし?」



「あっ、不破君。今良かったかな?」



携帯のディスプレイを確認せずに電話に出ると

相手の声の主は、社さんだった。


「少しだけならいいですけど・・・・どうしたんですか?」



彼からはあまり用がないと電話がかかってこないから

少しギクリとする。


何か、悪い用じゃないかと、直感的に思った。

すると―――――



「じゃあ、急いで用件を伝えるけど・・・・

伝言を預かったんだ。」



「・・・・伝言?」



もしかして、キョーコからか?


・・・・・部屋を出てくって言ってたし・・・・

なんて考えていると



「蓮から・・・・・・話があるから、○×ホテルに来て欲しいって」



っ!!!!!!!



「や・・・・・社さん・・・・・・それって・・・・・・」



「不破君の想像通り、だよ。

ただ、このことは誰にも言わないでくれるかな?

いつでも来てくれて構わないそうだから、

不破君の都合のいいときに、一回行ってやってくれるかな?

・・・・・よろしくね??」



「・・・・・・わかりました。」



俺は電話を切ると、大きく息を吐き出した。


アイツが俺に話があるということは、

きっとアイツは”敦賀蓮”の記憶を取り戻したんだろう。

記憶の無いまま、キョーコを好きになったとしても

アイツは俺にまで話をしようとは思わないだろう。



きっとキョーコは・・・・・

アイツの記憶が戻ったのなら、間違いなく、アイツへの想いを強くして

アイツの元へ行こうと考えるだろう。


そしてアイツも・・・・・

キョーコへの気持ちを隠すわけが無い。



・・・・・・・・・・・・くそっ!!!!!!!


でも俺だって・・・・・・・

キョーコは、誰にも渡さないっ!!!!!


キョーコは、俺のものだ。





*




俺はその日、全ての仕事を終わらせると、一人で○×ホテルへと向かった。

祥子さんには適当に理由をつけておいた。


フロントに訪ねるとまだ帰ってきてないようで

俺はそのままロビーで待たせてもらうことにした。



一人、静かに座って待ちながら、柄にもなく緊張していた。


俺は、負けるわけにはいかないんだから・・・・・・




待つこと数十分。



ずっと下を向いたまま座り込んでいた俺の視界に、足が入り込んできた。



「・・・・・・早速、来たか・・・・・・」



頭上から聞こえてきた声は、数日前キョーコと一緒に居たときとは

あまりにも違う、声色だった。


顔を上げると、金髪でサングラス越しでも、かなり視線が鋭いのがわかる。


――――――――ゾクリッ


俺も負けじと睨みつけながら



「・・・・・話って、何だ?」



「・・・・・ここじゃなんだから、部屋まで案内するよ。」



そういって、俺は敵のアジトへと案内された。





第三十話へ、つづく・・・・・






今回も短くなり、申し訳ありません。

話的にも切りやすかった、というのもあるのですが

何よりも・・・・これ実はリライトなんです。


保存する前に消しちゃいました!!!!


はぁ~~~・・・・・

いけませんね。


でも、そろそろ年末ですので、この話もキリをつけたいんですけど、ね・・・・。