さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 竹本咲寿太夫





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 夏休み公演









6月から8月まで、文楽は大阪で公演をしています。


6月は学生さんや団体の方向けの「鑑賞教室」、そして若手会。





そして、7月の後半から8月の前半にかけて、夏休み公演です。


「夏休み」というくらいなので、夏休みのお子さま連れの皆さまにご覧いただきやすい「親子劇場」を毎年上演しています。



第一部が親子劇場で、昭和の終わりから令和にかけて作られた新作を上演。


第二部は名作劇場、文楽や歌舞伎など、古典芸能を深く愛してくださっているお客さまに楽しんでいただける演目。


そして、第三部はこれまでサマーレイトショーと題して、女殺油地獄や夏祭浪花鑑など、夏の夜にぴったりな演目を上演していましたが、今年は少し趣向が違うようで・・・?











今年、私は第一部の「親子劇場」に出演いたします。


今年の演目は「雪狐々姿湖」というお芝居で、狐のお姫様が人間に恋をする物語。


私はそのお姫様狐の許嫁狐の役をさせていただきます。


コンコン言います。



第一部は

お子さまが2000円!

大人も5000円。


他の部よりも破格に安いお値段になっています。



ぜひお越しください。


咲寿太夫メンバーズチケットもございます。


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さて!


今年のビッグトピックスの夏休み公演第三部。


チャップリンの「街の灯」が文楽になります。




日本チャップリン協会会長で劇作家の大野裕之さんが脚本、若太夫兄さんがそれを補綴される、完全新作で、しかも大阪の街が舞台になります。



ぼくも客席で観たい。笑




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夏は文楽を楽しんでください!









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 四月公演千秋楽








本日、無事に四月公演が千秋楽をむかえました。


大阪は約3週間。


一部と二部の菅原伝授手習鑑ではコンスタンスにしっかりとお客さまがいらっしゃっていて、やはり三大名作は人気が高いのだな、と認識しました。


お越しいただいた皆さまありがとうございました!


完全な通しではなく、三つ子に焦点を絞った半通しでしたので、菅丞相が出てくる件りはありませんでした。


なので、出演させていただいた道行詞の甘替は唐突に始まった感じがあったかと思います。

第一部は桜丸切腹に至る経緯を描くということで、桜丸が自責の念を深く感じるきっかけとなった、斉世親王と苅屋姫を連れ出すこの道行をご覧いただきたい、というのが今回の意図だそうです。




義経千本桜や妹背山婦女庭訓の道行と違い、あまり上演することのない道行なので、馴染みのない方が多かったかと思います。


少し歌舞伎的な趣向の道行ですので、冒頭はセリフで始まったりと、珍しい演出盛りだくさんで進みました。






ホワイトボードは毎日裏方さんが千秋楽までのカウントダウンをしていました。


毎日変わるプチイラストが可愛くて好き。












第三部では外国人のお客さまが毎日一定数いらっしゃり、観光終わりからの観劇というルートを好む観光客の方々はかなり多いのだなと感じました。


大阪の定番観光ルートとして、観光からの文楽観劇、そして難波近辺でのお食事という選択肢がもっともっと外国の方に広まるといいなと思っております。





さて!5月は東京公演!


毎年の北千住での公演です!

関東の皆さまお待ちいたしております。








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 新富士→埼玉→府中



前回の地方公演回顧録で写真をたくさん載せたら、文字数の限界がきてしまって載せることができなかったのがこちら。





太宰府天満宮の参道にある「梅園」さん。

文楽にお越しくださっていて、勘次郎さんと懇意にされているので、お菓子を求めて立ち寄らせていただきました。


梅園さんのホームページはこちら


宝満山というお菓子を買って帰りました。

卵の旨みがぎゅうっと凝縮されていて、甘みもしっかりあるのですが、口当たりが軽やかで唯一無二の食べ心地です。


プレーンとラムレーズン入りを。

ラムレーズン入りがお酒に合うんですよ!最高!


太宰府へ観光に行かれる方はぜひ!







さてさて、今年の地方公演は「曽根崎心中」を上演するからか、開催地が多く、久しぶりに「地方巡業」といった満足感がありました。


福岡県から大移動して、次に訪れたのは新富士。

曇り空で富士山はお預けでした。








楽屋ケータリングに届いていた信玄餅!

地方公演ではその土地その土地の銘菓に出会える喜びがあります。










ここから関東をしばらくまわります。


次は所沢。



航空公園がそばにあり、駅を降りると大きな飛行機に出迎えられます。







時間があればムーミンバレーパークに行きたかった。笑


また次の機会に行きます。

スヌーピーミュージアムも行きたいしね。








そして、府中。





府中は毎年呼んでくださるありがたい場所。


ここまで、すべての場所で大入り満席状態。

ぼくが出演していたのは曽根崎心中の部ではないので、「国宝」からの曽根崎心中の流れではなく、純粋に文楽へ来てくださるお客さまの多さに、毎日が感動です。





そして、府中の翌日の移動日。



予約が埋まっていたモネ展のキャンセルが出たので、即座にゲット!!!



アーティゾン美術館へ行ってきました。



肖像画の時代から、生活感のある絵画へと変わっていく時代の絵が好きで、そこから進化した印象派の絵柄や肌触りが好きです。


現代への架け橋になっている印象派の時代は、あらゆる構造に挑戦するべき課題が多かっただろうと思います。






自分の絵の「曽根崎心中」は顔彩で日本画を意識して描きましたが、水溜りにうつる逆さの朝陽と月は、印象派を意識して描きました。





曽根崎心中の絵画はポストカードになっています





美術館へ行くとトートバッグを買いがち。





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 北九州→太宰府



3月の地方公演を回顧していきます。



さて!地方公演こと文楽の全国ツアーのスケジュール。


北九州戸畑公演の次は新富士に飛んでの公演。

間1日は移動日でした。




北九州戸畑では玉男兄さんの「吉田玉男襲名」の時の「転女成男」の文字からずっと筆を取られている、大庭三紀先生に書をいただきました。




「藝」の字、カッコいい。。。!


ぼくは「歩」の書をいただきました。

嬉しい!これからも一歩一歩大切に歩いていきます。












4月公演は菅原伝授手習鑑。




ということで、せっかくなので太宰府天満宮へお参りに行ってきました。





もうすぐ本殿の修理が終わるそうで、来年また訪れることができたらいいな!と思っております。







今年の太宰府の梅はもう満開のシーズンは少し過ぎていました。

けれど!

やっぱり梅は綺麗!









写真が捗ります。


今年は体力に余裕があったので、ここから少し足を伸ばして徒歩片道30分のところにある竈門神社にも行きました。





太宰府天満宮の奥、お稲荷さんと竈門神社に分かれる道があります。

お稲荷さんはそのまま少し登るとすぐに着きます。


竈門神社に行くにはこのトンネルを越えねばなりません。

千と千尋か。





てくてく登り道を歩いていきます。


道はまっすぐなので迷いません。











山登り、とまではいきませんが、少し高いところにあります。


すっきり快晴で、気持ちの良い1日でした。




今回の地方公演は福岡の戸畑を始め、各所全てで大入り!

満員売り切れも続出の公演でした。




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 祈りの声、語りの声





3/29、日曜日。


国立文楽劇場から徒歩5分の下寺町。

上町台地からこの下寺町にかけて、非常に多くの寺院があります。

豊臣秀吉の時代ころからこのあたりに寺院が集まりはじめたと言われています。


この中のひとつ、大蓮寺さん。

こちらは曽根崎心中の原文「観音巡りの段」(現在は杉本博司版曽根崎心中のみでの上演)に登場するお寺で、大阪三十三所観音巡りの寺院のひとつです。






そもそも「西国三十三所観音巡り」があり、その大阪版となるのが大阪三十三所観音巡りです。


その西国三十三所観音巡りが物語の舞台となっている「傾城阿波鳴門」順礼歌の段をつとめさせていただきました。







場内の予定キャパをオーバーする売り切れ満員。


舞台を限界まで後ろに下げての設営となりました。





当日の番付はこちら




去年6月の「枝咲」は幼なじみの桂小留との二人会でしたので、ひとりで何か自主公演をさせていただくのは初めてのこと。




ロビーには所有している見台や肩衣・袴、自分の絵の原画などを展示させていただきました。


ミニギャラリーくらいのボリュームになったので、チラシに書いておいてもよかったなと後から思ったりも。



見台や肩衣、袴などの舞台用品


自筆の床本や、今回の上演に際して描いた「傾城阿波鳴門」



母が好きだった曽根崎心中


顔彩シリーズ


そのほか、デジタルで描いたものも。




枝咲の時にも用意したのですが、今回も自分の床本の複製床本を用意しました。


取り込んだ床本を、影などを綺麗に処理した後、義太夫文字の上部には活字をいれてあります。





内容は床本がメインですが、床本だけではありません。

台本のページもあり、また、現代語訳を付けました。

この現代語訳は、勉強的な直訳ではなく、ぼく自身が舞台を通して実感している登場人物の気持ちを乗せた、小説調の意訳になっています。



複製床本はホームページで販売中!




数多くの小説家さんが文楽の芝居の原文を現代語の小説にされている、あのような没入感を目指して書きました。


いつかぼくも小説で文楽の芝居をお届けしたいですね。





小説調「傾城阿波鳴門」順礼歌の段 全文はこちら



盛り盛りの万全の状態で、舞台に臨みました。




はじめに、太夫と三味線の解説。

清志郎兄さんにお願いして、三味線のお話もたくさんしていただきました。


お客さまよりぼくのほうが楽しんでいたかもしれません。笑



そして、大蓮寺ご住職の秋田光軌さんにお話をいただきました。

文楽と仏教の繋がりを紐解いてくださいました。


このお話を聴きたいから、とチケットをご購入くださったお客さまもいらっしゃるほどです。



休憩時間をはさみ、いよいよ素浄瑠璃。



この日までに、山口県徳地にて素浄瑠璃でさせていただき、高槻と泉南にて簑紫郎兄さんのお弓での舞台を経験させていただきました。




高槻・泉南はひとつの公演と数えて、三度目の順礼歌の段。


亡くなった師匠が、舞台(公演)で三度経験して、ようやく肚にはいるとよく言っておりました。


その、三度目となる舞台。






感情の波がうねるように押し寄せてきて、舞台というのは何度経験しても怖いものです。


感情に呑み込まれてしまうと、緻密に組み立てなければならない浄瑠璃が破綻してしまいますので、舞台の上でこころがけるのは欲を出さないこと。


それまでお稽古していただいたことに忠実に、冷静につとめること。


「リサイタル」にならないことを心がけました。

「私」を聴きにきていただいているのではなく、順礼歌の段という物語を聴きにきていただいているのだという感覚を大事にしました。


全て、清志郎兄さんからの教えで、その通りだなとすっと身体に馴染んだ考え方です。




祈りの声は届いたのだと、この語りの声は届いたのだと、そう信じたく思います。



さて、技芸の面ではまだまだ拙いのですが、こうして大きな役をさせていただけることは、自分の芸を見直し、底上げするよい鍛錬となります。


時間に追われる本公演ではなかなかできないことかもしれません。


この鍛錬が、また本公演に返ってくることを目指して、これからも取り組んでまいります。



次の大きな挑戦は6/20・21の若手会。

「摂州合邦辻」の切場にあたります「合邦庵室の段・前」をつとめさせていただきます。




また大勢のお越しをお待ちいたしております。




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