さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫





千秋楽





1/3から上演してまいりました、初春文楽公演。




演者、関係者双方に新型コロナ陽性者の出ることなく千秋楽を迎えることができました。



なにより公演が止まることのなかったことが嬉しく、まずはほっと致しております。






 

どうして感染者がでなかったのだろう?





実際、文楽公演でもこの約3年近くでコロナ感染者が出て、公演の中止を決断したことがございました。


今回、このオミクロン株の急速な感染拡大に対し、どう対処していたかを振り返ってみたいと思います。









公演ごとにこまめに変更した対策



何といっても、未だ決定的なお薬などのないこのパンデミック。


その状況によって、対策を変更・追加していくことは必然だと思います。


また、公演に関わるキャスト全員、起床時の体温測定、建物に入る際の体温測定並びに消毒、エレベーターは4人まで、楽屋口での体温測定並びに消毒を徹底しております。


廊下には一定間隔ごとに消毒のスプレーの設置、楽屋内の消毒スプレーの設置、物品衣類用の消毒のスプレー等、視界には必ずどこかに消毒液があります。


また、演者の客席並びにロビーへの出入りの禁止、小ホールで他のイベントがなされている場合の相互の出入りの禁止、職員と演者との接触もなるべく必要最低限で済むように、各部の部屋の入り口にはパーテーションや仕切り、など細かいところまで徐々に改善されていったように感じます。



他の劇団さんや、劇場さん、会社の方々はどのような対処をされていますか?


参考にしたい気持ちもあります。




私たちは生の舞台を生業にしているため、画面の向こうでのお仕事というわけにはいきません。





 

やり過ぎくらいがちょうどいいのはなぜ?










やり過ぎじゃない?



と言われたことがありました。



現在、会食も禁止となっております。

これはそれぞれ皆を信じるしかありませんが、少なくとも私自身はまだお断りさせていただいております。



心の余暇を楽しみに来てくださっている皆さまを、危険にさらすことは絶対にあってはならないと考えているからです。


また、1人発症した場合、他にも感染している可能性があります。


そうすると、舞台を止めざるを得ない状況が生まれます。



何と言っても全員で80人程度、替えがきかない状況にすぐ陥るのです。



すると、その月は仕事がなくなるのです。


自分が感染した場合、他の諸先輩後輩の仕事を結果的に無くしてしまうことになるのです。



 

そんなこと耐えられません














本当に無事でよかった



今月に入っての急激な感染者数の増加を目にして、はたして無事に千秋楽を迎えることができるのだろうかと、不安ではちきれそうでした。


今日この日を迎えられたことは、お客さま皆さまのご協力もあってのことです。



上でご紹介したのは我々の中のことでしたが、客席側でも非常に細かく体温測定から消毒、マスクの着用、客席での静寂にご協力いただいていたとのことです。



実際、舞台前に客席から大きな話し声などが幕の内にまで聞こえてくることはありませんでした。



大向こうが無くなって久しい舞台。



早く、開演前はお連れの方とお喋りをして、お気に入りの演者の方に大向こうをしていただけるような、そんな世の中になってほしいとより感じた初春公演でした。





 

お越しいただきました皆様、誠にありがとうございました。























文楽四月公演キャスト




人形浄瑠璃文楽の公演は、基本的に毎月大阪の長期公演と東京の長期公演を行き来しています。



公演と公演の間は約1週間。



そして、毎回基本的に、オールキャストで朝から晩まで、コロナ禍の現在は1日3公演です。


オールキャストということは座内オーディションなどはなく、それまでの舞台経験などに基づいて配役が行われます。


朝から晩まで上演という姿勢は江戸時代から変わらない我々。


新作やその他のレクチャーやテレビや雑誌の取材、海外公演(コロナ前)などはその合間を縫って行います。







さて、今回の四月大阪公演は、文楽劇場で上演の3週間に渡る長期公演。



主要キャストをご紹介します。

敬称略で失礼いたします。






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第1部



義経千本桜

11:00〜


豊竹咲太夫「河連判官館の段」


竹本錣太夫「道行初音旅」


桐竹勘十郎「忠信実は源九郎狐」






サムネイル
 

第二部




摂州合邦辻

14:15〜



豊竹呂太夫「合邦住家の段」


鶴澤清治「合邦住家の段・前」


吉田和生「玉手御前」





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第三部



嬢景清八嶋日記

蝶の道行

17:30〜



竹本千歳太夫「日向嶋の段」嬢景清八嶋日記


吉田玉男「景清」嬢景清八嶋日記




詳しい配役はこちら(文楽劇場のサイトにとびます)













サムネイル
 

ちなみに自分は



第二部

摂州合邦辻


「万代池の段」


におきまして、ヒロイン玉手御前の義理の息子次郎丸をつとめさせていただきます。




写真は玉手御前


大勢のお客さまのお越しをお待ちいたしております。


今月の公演もあと少し。

オミクロンを寄せ付けることなくここまできました。

あと数日頑張ります!


四月公演には波も落ち着いていますように。
















マヌカ蜂蜜MG100+(クリームタイプ)




マフラーおしゃれ巻き🧣


寒いので、皆さまお気をつけて。


本日も初春公演にお越しくださりまことにありがとうございました。













切り場語り



本日、大発表がありました!


新しく、

  • 呂太夫兄さん


文春オンラインより


  • 錣太夫兄さん


毎日新聞より


  • 千歳太夫兄さん


グランシップより


のお三方が、切り場語りとなられました!!!






これまで実際に切り場を語ってこられたお三方。


切り場というのは、物語のいちばんメインになる場面のことです。






この、「切」という文字が番付の名前の上についている方が「切り場語り」という名称を名乗れます。







遡ること江戸時代。


当時は大きな芝居小屋で演劇をする際に、幕府公認の「櫓」がついた芝居小屋で、遊芸許可証というものを所持していないといけませんでした。



そして、その「櫓」のついた芝居の下、人形浄瑠璃で最高峰の演者が名乗ることを許されたのが「櫓下」という地位です。




幕府がなくなり、封建制度も廃止され、誰でも自由に演劇をすることができるようになり、櫓の劇場という制度もなくなります。



ともなって、櫓下という名称も使われなくなりました。


演劇や工芸の方々などが宮家から位をいただく制度はその後しばらく残っていたのですが、そちらも太夫は山城少掾師匠を最後に昭和でなくなりました。




そうして現代、「切り場語り」という名称をもって、太夫の最高位を指すことになったのです。









今回の切り場のお三方の認定で、切り場語りは四人となりました。


ちょうど越路太夫師匠から住太夫師匠にいたる昭和後期から平成中期の頃のようです。




芸事のことですから、お客さまに楽しんでいただくことが一番。



位、位とはいいますが、何にしてもコロナ前おそらく歴史上もっとも多くのお客さまに来ていただいていた頃の賑わいを、コロナが落ち着いたころにも同様に皆さまに楽しんでいただくことを目標に、どの地位の演者も精進してまいります。




これからも人形浄瑠璃文楽をよろしくお願いいたします。










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