さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫


4月文楽公演 



第1部 午前11時開演
花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)
 万才・海女・関寺小町・鷺娘

恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)
 道中双六の段
 重の井子別れの段




第2部 
午後2時開演

国性爺合戦(こくせんやかっせん)
 平戸浜伝いより唐土船の段
 千里が竹虎狩りの段
 楼門の段
 甘輝館の段
 紅流しより獅子が城の段



第3部 
午後6時開演
傾城阿波の鳴門(けいせいあわのなると) 
 十郎兵衛住家の段 


小鍛冶(こかじ)







2月文楽東京公演のタイムスケジュール







第1部

開演時間
11時▶︎10時半

終演時間
13時半▶︎13時05分



第2部

開演時間
14時半▶︎13時50分

終演時間
17時25分▶︎16時45分




第3部

開演時間
18時半▶︎17時半

終演時間
21時07分▶︎19時53分





緊急事態宣言の発令により、大幅に開演時間が変更となっております。

ご注意くださいませ。

また、感染が拡大している状況ですので「皆さまのお越しを心待ちにいたしております」と申したいところでございますが、この演劇分野における危機を乗り越えることに文楽を含め多くの芸能に携わる人々は奮闘いたしております。

必ず繋げてまいります。


今はみなさまの安全を第一にわたしたちも舞台を勤めてまいります。


よろしくお願いいたします。





◆千秋楽をむかえました




こんばんは。

咲寿太夫です。
さきじゅ、と呼んでください。







本日、文楽錦秋公演の千秋楽をむかえることができました。




自分自身のことで反省点や問題点は多々あり、考え直す機会になった公演でした。





公演自体は休演になることなく無事に終えることができました。



お客さま皆さまのご協力に心から感謝いたします。

また、こうして苦境の中でありながら数々の感染対策を用いて公演を本拠地大阪で実現していただいた文楽劇場の皆さまにも感謝いたします。




次回の大阪はお正月でございます。



お正月公演も感染対策を徹底し、座席数も減らしたまま間隔を空けての上演となります。
少しでもお客さまの不安を減らし、ご観劇いただけるよう努力いたします。



来月は東京公演です。






よろしくお願いいたします。












平家の家来「斉藤実盛」は源氏だった!?





咲寿太夫です。
さきじゅだゆう、と読みます。


人形浄瑠璃文楽の「太夫」という、声優と俳優とミュージカル俳優を掛け合わせたような舞台俳優をしています。







今月、大阪の難波・日本橋エリアにある文楽劇場で上演中の源平布引滝では、源平の戦いの中の平家側の家臣斉藤実盛が主人公です。





この実盛さんは、源義賢の妻「葵御前」の命を絶つよう命令を受けて探しています。




葵御前のお腹には子どもが宿っているので、源氏の血筋を少しでも見逃すわけにはいかないのです。




所は滋賀県。



葵御前は源氏側の一家に匿われています。


一家のあるじは六十歳ほどの九郎助。

娘の小まんは二十三歳ほどで、源氏の白旗を源義賢に託されて平家から逃げていました。



家には九郎助夫婦と小まんの子どもの七歳の太郎吉が葵御前とともに過ごしています。




葵御前には懸賞金がかけられていて、九郎助の甥の仁惣太が平家に居場所を吐いていたのでした。




九郎助の家へ実盛と平家側の瀬尾が乗り込んできました。



瀬尾は葵御前の腹を切り裂いて、中の子供が男の子ならば殺せと迫りました。



その窮地を、九郎助は頓知のような知恵で切り抜けることができたのですが(次回に詳しく書きます)、かなり無理のあるところを実盛が肩を貸したのでした。





瀬尾は不審がりながらも、九郎助の家を出ていきました。




なぜ、実盛が葵御前の窮地を救ったのかというと、


  • 実は元々、実盛は源氏側の人だった

からなのです。












実では、実盛が葵御前の子を救った時、実盛はまだ源氏側にいたのですが、義賢を危険視する源義朝・義平の家臣でした。


ただし、一時、実盛は義賢の家臣としてつかえていたこともあったのです。


その恩があり、葵御前の子を助けたと言われています。



その後、実盛は平家の家臣となります。




そのあたりが脚色化されて、源平布引滝となったのです。


平家なのに源氏の血を引く子を助けた!となったらドラマチックです。






源氏と平家の間を行き来し、数奇な運命を辿った斉藤実盛


そんな彼の物語をぜひお楽しみください。