The Heart Tree / DEZERT | 安眠妨害水族館

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The Heart Tree/DEZERT

 

1. Hopeless

2. 君の脊髄が踊る頃に(Album Mix)

3. 羊は死刑台で笑えるか?

4. 楽園

5. 僕等の夜について

6. モンテーニュの黒い朝食(Album Mix)

7. 生活

8. 延命ピエロ

9. 「誰にも渡しちゃいけない場所を心と名づけ」(Album Mix)

10. The Heart Tree

11. The Walker(Album Mix)

12. 匿名の神様

13. 再教育(Album Mix)

14. ともだちの詩

 

2024年のスタートダッシュを切ったDEZERTのメジャー1stフルアルバム。

 

満を持して、となるのでしょうか。

デビューを果たしたDEZERTの通算6枚目のオリジナルアルバムが、2タイプ同時リリースで届けられました。

豪華盤には、「DEZERT SPECIAL LIVE 2023 -DEZERT- 2023.09.23 LINE CUBE SHIBUYA」のライブ映像が収録されたBlu-rayが付属。

値は張るものの、ご祝儀替わりに、というリスナーも多かったのでは。

 

メジャーデビューシングルを設けずにリリースされた本作。

前作「RAINBOW」以降にリリースされたシングルは押さえた形で、来場者特典の配布CDだった「誰にも渡しちゃいけない場所を心と名づけ」や、会場限定シングル「僕等の脊髄とブリキの夜に」に収録された2曲も網羅しています。

インディーズ時代の6曲と、メジャーとして発表する8曲という絶妙なバランスとなっており、アルバム構成としても、懐かしいから新しいまでバラエティに富んだ作風。

初々しさよりも、ふてぶてしさを感じさせるのが、さすがDEZERTといったところでしょう。

 

ベースとしては、壁を壊した「TODAY」以降の流れを汲む、正当進化的なサウンド。

あえて変えていない部分もあるのかな。

メジャーデビューとなれば、良くも悪くもファンは構えてしまうところ。

リードトラックの「Hopeless」や表題曲の「The Heart Tree」をはじめ、継続性の中から生まれた佳曲を目立つところに据えて、ダウナーで重苦しい「生活」や、ノリの良さに振り切った「匿名の神様」など、新機軸となりそうな楽曲は陽も陰もごちゃまぜに、固め打ちはしないスタイル。

決して足踏みではなく、新たなチャレンジも見せているというのも込みで、"メジャーに行っても変わらないDEZERT"を表現していました。

 

初期を彷彿とさせる「羊は死刑台で笑えるか?」や、ヴィジュアル系の王道を彼ら流に突き詰めた「延命ピエロ」など、全方位的な良曲を生み出しつつ、ラストの「ともだちの詩」で醸し出す、別の文脈での名曲感。

曲調だけをもって日和り目だと切り捨ててしまうことなかれ。

アルバムを通して聴いた中での存在感の大きさは確かで、変わらないだけでなく、メジャーでも戦えるぞという逆説的なファイティングポーズであると受け取りたいですね。

もう少し道を踏み外しても彼ららしいとは思いますが、いよいよ羽化を遂げたDEZERTの現在地を正確に示した1枚です。

 

 

 

<過去のDEZERTに関するレビュー>

The Walker

再教育

RAINBOW

Your Song

black hole

血液がない! /Call of Rescue

「TODAY」

「おはよう」

「最高の食卓」
タイトルなし
精神科医(拒食症)のスナッフフィルム集
特製・脳味噌絶倫スープ~生クリーム仕立て~
~包丁の正しい使い方~
ぼくの死骸と君のチョコレート

「眩暈に死んだ部屋」