再教育/DEZERT
1. 再教育
2. インビジブルビリーヴァー
3. ミスターショットガンガール
初回生産限定盤には、2021年のライブ映像を7曲収録したDVDが付属するDEZERTのシングル。
「TODAY」をリリースして以降の彼らは、常に先見性を持ちながらも、あるべき姿を模索していた印象だったのですが、2021年に「RAINBOW」を放ち、ひとつ答えを見つけたのかな、と。
テーマをはっきり示し、ストレートに展開する部分と、斜め上から世界を見つめ、捻くれたスタンスからアウトプットする部分。
どちらも持っているのが現在のDEZERTで、過去を否定するでも肯定するでもなく、リアルタイムで格好良ければやる、格好悪ければやらない、というシンプルなスタイルが、上手くハマったと言えるでしょう。
表題曲である「再教育」は、まさにそのフリーダムが機能したアッパーチューン。
人を食ったような掛け合いからスタートするのが象徴的ですね。
ずっしり重いラウドな激しさの中に、ポップな軽さが作り出されていて、妙に耳に残る仕掛けに。
あっちに行ったり、こっちに振れたり、展開としては忙しいのだけれど、聴きやすさの中に無理やり攻撃性やらマニアックさやらを詰め込んでいる強引さこそ、ハイブリッドを生み出し続ける彼ららしいのです。
カップリングとなる「インビジブルビリーヴァー」や「ミスターショットガンガール」も、ヘヴィーなラウドサウンドをキャッチーなポップロックの文脈にぶち込んだ癖のあるロックチューン。
サウンドとしては色々なアプローチに挑戦しつつも、向いている方向が同じであることを意識づけており、今の彼らの立ち位置を明確にする強靭なシングル作品となりました。
落ち着いたかな、と思わせて、次の作品では2歩も3歩も進んでいる。
DEZERTの代表曲と言えば、を更新しそうな1枚です。
<過去のDEZERTに関するレビュー>
「最高の食卓」
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ぼくの死骸と君のチョコレート