支配人の嘘/絶望サアカス
1. 支配人の嘘
2. 彼岸花
ex-エスケープのメンバーを中心に結成された、絶望サアカスのデモシングル。
2017年、継続セッションバンドとして九州を拠点に活動を開始。
2018年には、大阪に拠点を移して、マゼルナキケン。として正式始動となった彼ら。
残念ながら、短命で解散してしまいましたが、独特なセンスを放っていました。
なお、Vo.颯さんは、エスケープ時代はベーシストとして在籍していましたが、その後結成した寄生サイリスタにてヴォーカリストに転向。
その影響か、エスケープからはVo.Hakuさんのみが不参加となっています。
本作は、3枚目のデモ音源として、会場限定で発表された作品。
2曲入りでワンコイン、歌詞カードやジャケットはなく、CDRのみという仕様でした。
表題曲は、ひたすらリフレインする和風のフレーズが特徴的なナンバー。
ハードには仕立てているのですが、あえてサビで盛り上げるような構成にせず、抑揚なく平坦に進行していくため、中毒性が高いですね。
カップリングの「彼岸花」は、ザクザクとしたギターの主張が強まった印象。
掛け合いで勢いを出すAメロであったり、シャウトによる激しさの創出であったり、メロディアスに疾走するサビであったりと、展開はベタ寄りになったのですが、ここでも強いインパクトを残している和のリフレインによって、メリハリが慣らされたイメージを与えているのが面白いのではないかと。
狙って抑揚をつけないように工夫しているのか、ミックスのバランスが悪くてそうなっているのかは判断しかねるものの、個性であったのは間違いなく。
さらっと聴くと、サビでの盛り上がりに欠け、キャッチーさが不足していると受け取ってしまうきらいはあるのですが、フレーズのゴリ押しとも言える徹底っぷりは、一度ハマれば抜け出せなくなるギャンブル性を持っていたとも言えるでしょう。
結果論ではあるものの、短期的にブレイクを果たすだけの土台を持っておらず、勢いに繋げられなかったのが惜しまれます。
<過去の絶望サアカスに関するレビュー>