- 精神科医(拒食症)のスナッフフィルム集 <通常盤＞/DEZERT
- ￥2,415
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1.Toy-Karte（SE）
2.ケミカル・ドリップ・チェリーパイ
3.リリィさんの整形美容術
4.「告白」
5.肋骨少女
6.「遺書。」
初回盤はDVD付、通常盤は「肋骨少女」が追加収録されています。
初回盤に付属しているMVが、CDには未収録の「秘密」ということで、どちらを購入するか、あるいはどちらも手に入れるか、悩ましいところ。
デジタルサウンドでダークさを表現したようなSEから、「ケミカル・ドリップ・チェリーパイ」に繋がって本編はスタート。
このイントロが、古の名古屋系を彷彿とさせる息苦しさがあり、思わずニヤリとしてしまう。
Vo.千秋さんが、癖のある中性的な声質であるため、歌に入ると、現代的なカラーに。
このバランスこそが、DEZERTの売りなのでしょう。
ラフというか、軽く流すように歌われるメロディには、初期のガゼットを連想させますが、ずっしりと湿り気のあるサウンドは、独特の世界観を作り出しています。
「リリィさんの整形美容術」では、更にダークなテイストを強めて。
こちらは、楽曲のテーマだったり、音楽性だったり、ぽつぽつと見え始めていた蜉蝣のフォロワー的な側面が出ているかと。
変態チックなリズムや歌詞が、ドロドロとしたメロディに不気味さを添えていますな。
サビの部分だけ、ツタツタと疾走感を出して、キャッチーになっていくのも気持ち良い。
「告白」は、アクセントとなるミディアムバラード。
歌詞はやはりダークで鬱々としているのですが、皮肉なほどにメロディやギターのリフが美しく繊細で、そのギャップが面白い。
サビへの導入部分が強引なのは、わざとだろうね。
楽曲に隙を作って、印象を強める手法を、しれっと織り交ぜてくるので、このバンドは策士だと感心させられます。
通常盤にのみ追加収録されたのは、「肋骨少女」。
タイトルから既にエログロ・ナンセンスの香りが漂ってくるのですが、期待に違わず、キャッチーなようで、マニアックなようで、現代風のコテオササウンドを堪能させてもらいました。
掛け合い部分での迫力が出れば、もっと格好良くなると思うのだが。
エログロの流れからか、「遺書。」はMERRYのそれに近づいたような。
というか、序盤の流れが「ジャパニーズ・モダニスト」っぽいのか。
暴れ曲で締めるのは、意外と言えば意外。
しかし、歌モノパートは、確かにラストシーンっぽい突き抜け方をしていて、個性の強い楽曲ばかりを集めたわりには、落ち着くべきところにまとまったという雰囲気もあるのですよ。
前作と比較して、ややボリューム的には物足りなさはあるものの、さすが、勢いを感じる内容に仕上がっています。
どの曲にも、しっかりマニアックなエッセンスと、ポップなメロディを組み込んであって、バンドのスタイルに対して、激しさ一辺倒の楽曲に頼らなかったのも好印象。
本作については、先輩バンドからの影響が強く出すぎてしまっている部分はあるので、その辺を、どうオリジナリティに昇華させるかが課題かな。
90年代のコテコテバンドを現代に昇華させようとする動きは、最近のシーンで活発に見られるアプローチですが、コテオサが全盛期だったころの御三家世代を昇華させようとするのは、現時点においてはニッチ。
噛みごたえのあるナンバーばかりで、リピートボタンに手が伸びてしまいます。
どうかこのまま、エログロ路線を突き進んでいってほしいものですな。
＜過去のDEZERTに関するレビュー＞
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