「新世界」「頷く、その一呼吸」 / 慎一郎&杏太 | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

新世界/慎一郎&杏太

 

1. 新世界

2. 白銀のページェント

3. 温かい記憶

4. 2023年忘年会トーク

 

頷く、その一呼吸/慎一郎&杏太

 

1. 頷く、その一呼吸

 

慎一郎&杏太による会場限定シングル。

 

「新世界」は2023年12月10日、「頷く、その一呼吸」は2024年1月8日に開催されたライブにて販売。

その後、期間限定ではありましたが、セット商品として通販での取り扱いとなりました。

いずれも白地のCD-Rに、歌詞が掲載されたポストカードが付属する仕様となっています。

 

「新世界」は、表題曲に加えて、慎一郎さん、杏太さんがそれぞれ制作したクリスマスソングを収録。

加えて、ラジオトーク風のコメントが収録されています。

まず、「新世界」は、序盤はシンプルなアコースティックサウンドでスタート。

徐々にストリングス系の音が重なり出し、最終的には壮大なコーラスワークが展開されるスケールの大きいナンバーですね。

慎一郎さんらしい生死観を表現していて、穏やかなメロディの中にも強いメッセージ性が。

歌詞に出てくる"イノチの衝動"というフレーズは、端的に歌っている昔ながらのファンであればドキッとしたことでしょう。

 

カップリングの2曲は、それぞれのソロ曲ということになるのかな。

慎一郎さんの「白銀のページェント」は、冷たく澄んだ空気と、ロマンティックな夜景が浮かぶメロディアスなナンバー。

杏太さんの「温かい記憶」は、ストーブの温かみを感じられるハートウォーミングな楽曲に仕上げられていて、同じ弾き語りスタイルでも、アプローチが異なっているのが面白いなと。

コメントはクリスマスを通り越して年末感が出ていますが、YouTubeラジオが休止中なので嬉しいおまけ。

ただし、20分弱という時間が、慎一郎&杏太にしては短すぎると思ってしまうのは僕だけでしょうか。

 

「頷く、その一呼吸」については、杏太さんのバースデーライブに寄せて、慎一郎さんが書き下ろした楽曲。

慎一郎さんに対して杏太さんが贈った「言葉写し」のお返しと呼べるかもしれません。

弾き語りがベースですが、勢いや疾走感のあるアッパーチューン。

歌詞については、いつもの慎一郎節とは変化をつけて、意図的に杏太さんの作風に寄せているのかな、と思わせる叙事的なストレートさがあり、それがまたグッとくる。

形だけを見ればソロ音源ではあるものの、間違いなくユニットだからこその楽曲なのですよ。

 

もはや、Vo.慎一郎、Gt.杏太という役割分担では語れない自由度を手に入れた慎一郎&杏太。

それが音源制作におけるフットワークの軽さにも繋がっているようで、良い刺激になっているのでは。

作品がコンスタントにリリースされていく一方、通販期間が終了してしまうと入手困難になってしまうのがもったいないので、そろそろ恒常的に過去作品が購入できるような通販サイトが出来てくれれば良いのだけれど。

 

<過去の慎一郎&杏太に関するレビュー>

言葉写し

アンサー/軌跡

いつか死ぬ僕らの死なない歌

茜さす部屋で/細胞

今、光を/向日葵

二重想