みんなのうた / 3470.mon | 安眠妨害水族館

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みんなのうた/3470.mon

 

1. 肉片くん

2. 九尾さん

3. 純潔さん

4. 酸欠さん

5. 月夜見さん

6. 殭屍さん

7. 幻覚さん

8. 8G

9. スピード違反さん

10. 龍神さま

11. グルグルさん

12. 背景さん

13. 泣き虫さん

14. みんなのうた

 

発売延期の後、満を持して7月にリリースされた3470.monの1stフルアルバム。

 

納得できる作品を、との理由から当初の発売日を遅らせてじっくり制作。

リスナーとしては待たされた形にはなりましたが、出来上がった「みんなのうた」を耳にしたら、納得せずにはいられなかったのではないでしょうか。

先行して販売された体験版の楽曲も含めると、およそ2/3は発表済の楽曲。

新曲は5曲だけと、ボリュームはあれど新鮮味に欠ける気もしてくるのですが、いやいや、それは先入観。

既存曲こそ化けていて、全曲が新曲というレベルでバシバシ刺さってきます。

 

Key.SYUTO さんがメインコンポーザーというのは変わらず、その意味では、お洒落で大人びた音楽性を踏襲。

しかしながら、楽曲を細切れに聴いていたときよりも、個々の楽曲に躍動感を感じることができるのですよ。

「みんなのうた」とはよく言ったもので、いくら個性が強くても、ひとりぼっちであれば、それが当たり前になってしまう。

アルバムとして集合体になったことで、個性が個性として輝き出していて、"お洒落"という漠然としたイメージの中で言語化できていなかった激しさだったり、優しさだったりと、その楽曲の聴きどころが明確になっていました。

 

アルバム曲として熱かったのは、「殭屍さん」。

Vo.平一洋さんが"てんてん"と名乗るようになった背景には、香港映画「霊幻道士」からの影響があるようで、その平さんが遂にキョンシーをテーマにした楽曲を歌うのか、と。

Ba.RENAさんが作曲を手掛けたせいか、パンキッシュなイメージも色濃く出ており、その勢いに飲み込まれそう。

迸るパッションを感じるなら、この楽曲しかないのでは。

MVが制作された「グルグルさん」もアッパーなピアノロックで、これまたキラーチューンですね。

ひとりで輪唱するようなコーラスワークも面白く、盛り上がりのピークを担っていました。

 

先着で、セルフライナーノーツ的な"脚本"が付属。

歌詞の世界の解像度が高まり、強いメッセージ性に、奥深さが加わった印象です。

それもあってかオフィシャル通販は即日完売。

阿鼻叫喚を巻き起こしていましたが、通販分の発送を待ってストリーミング/ダウンロードでの配信も開始。

晴れてみんなが聴けるようになりました。

期待値の高さを、圧巻の作り込みで飛び越えた1枚。

 

 

 

<過去の3470.mon(凄い人達(仮))に関するレビュー>

「みんなのうた」体験版

不確かさん

VHS

夜更かしさん

幻覚さん

スピード違反さん

純潔さん