シ・ン・デ・レ・ル・ラ POP/IZAM
1. 水玉サーフライダー
2. シ・ン・デ・レ・ル・ラ SUMMER
3. PePeRoN-Tea-No!
4. 嘘をついた夏の風鈴
5. ロマンスの世界線
6. JAPANESEMAN IN TOKIO
7. 拝啓…拗らせ女子様。
8. アマヤドリ
9. 12月24日
10. ZUTTO
ソロデビュー25周年記念となるIZAMによるフルアルバム。
MusicChampで独占販売となった本作。
単独作品としてのリリースは、2004年の「Heavenly Fighter」以来、実に19年ぶりとなります。
SHAZNAを通じて音楽活動も展開していたものの、ソロとしては俳優業が中心だったIZAMさん。
アルバム制作が発表されていたものの、事実上の凍結状態が続いていたSHAZNAを差し置いて、まさかソロアルバムがドロップされるとは、サプライズと言っても良いでしょう。
バンド編成にこだわらず、ポップスを追求するスタイル。
ミーハー的なサウンドですら嫌味なく受け入れてしまうのがIZAMさんのキャラクターの持つ強みといったところで、意固地に当時の音楽に固執するのではなく、流動的に今っぽさを取り入れるほうが、むしろ彼らしい。
変わることで不変を示す、正当な意味で期待通りの音楽を届けています。
リードトラックである「シ・ン・デ・レ・ル・ラ SUMMER」は、近時のポップスのお作法に則り、メロディの歌謡性よりもダンサブルなリズム感を重視。
それでいて、存在感が薄まらないように、歌詞の面で印象に残りやすいフレーズをたくさん配置していました。
感覚的なオノマトペの使い方や、多言語を並べるカオティックさに加えて、「1/3の純情な感情」を意識した歌詞をIZAMさんが歌ってしまう背徳感。
瑞々しさのある「水玉サーフライダー」に続いて、という曲順の妙も手伝って、インパクトは十分ですね。
一方で、歌詞のテーマは、やはり恋愛観。
年齢を重ね、ライフステージが変化するとともに、自身にとっての関心事のトップが、必ずしも恋愛ではなくなっていくというのは自然の摂理。
実際、子供がいて、後進を育成する立場でもあって、というIZAMさんにとって、それ以外のメッセージだって多く生まれているはずなのですよ。
それでもなお恋愛を歌うところに、彼のこだわりがうかがえます。
ダークバンドが中心のヴィジュアルシーンのアンチテーゼとして恋愛を歌い続けた真髄は、それが等身大ではなくなった今でも、正々堂々とリアルタイム勢にファイティングポーズがとれるところにあるのでは。
なお、Special Thanx欄にて、"NIY & A.O.I with ASUKA are SHAZNA"というクレジットが。
なんとなく想定していたけれど、RAISE A SUILEN組は離脱してしまったのでしょうか。
願わくば、SHAZNAのアルバムの方も完成させていただきたいところなのだけれど。
<過去のIZAM(IZAM with ASTRAL LOVE)に関するレビュー>
美意識過剰
瞳閉じて