幻覚さん / 凄い人達(仮) | 安眠妨害水族館

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幻覚さん/凄い人達(仮)

 

1. 幻覚さん

 

 

平一洋が主催する新感覚エンターテインメント集団、凄い人達(仮)による3rdミュージックカード。

 

歌詞の記載されたポストカードと、ダウンロードコード付きのプラスティックカードがセットになった仕様は、前作までと同一。

表題曲の音源データ、MVおよび漫才が収録された動画データをダウンロードすることが可能です。

楽曲については、引き続き、LAID BACK OCEANのPf.SYUTOさんがコンポーズ。

漫才も、とんとん拍子とのトリオ化が継続され、いよいよ凄い人達(仮)のフォーマットが出来上がりつつありますね。

 

さて、本作で公開された「幻覚さん」は、小気味よいリズムと、流れるようなメロディラインが特徴のナンバー。

BLAIVEのDr.愁さんによる軽快なグルーヴに重ねられたお洒落なピアノロックサウンドと、キャッチー性を無視して、セオリーを一蹴するシンプルな構成は、これまでに彼らが提示してきた音楽性の延長線上にあると言えるでしょう。

次々と言葉を投げかけ詰め込むスタイルは、言語感覚に個性を持つ平さんとの相性も抜群で、2分半に満たないショートチューンであっても、印象的に耳に残るのですよ。

平さんにしか表現できない音楽を、というテーマで楽曲制作を行っているとのことですが、この路線がハマることを見抜いたSYUTOさんの心眼には、頭が下がる想い。

感情で歌う表現者であった彼が、まさかこういう音楽性で旨味が出てくるなんて、この音を聴くまで信じられなかったのだもの。

 

本作も期間限定販売となり、現時点ではソールドアウト扱い。

購入できなかったリスナーは、正式音源化による救済を待つしかないのかな。

案外、将来的にレアとなるのは漫才のほうだったりして。

前作までのキャラクターや設定を前提としている節があり、本作から購入したリスナーにとっては、多少置いてきぼり感はあったのかもしれませんけれど、無観客漫才で滑り芸をぶち込んでくるメンタルの強さに感心してしまった。

平さんも、ネタ作りに噛み込んでいたりするのだろうか。

そのうち、TVサイズではなく、本格的な長編漫才にも挑戦してほしいものです。

 

<過去の凄い人達(仮)に関するレビュー>

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