不確かさん/3470.mon
1. 不確かさん
シングルとしては初となる、3470.monの配信限定作品。
Vo.平一洋、Pf.SYUTO、Ba.RENAの3人に加え、ex-アンドゥーのGt.カイさんがレコーディングに参加。
シーンにおける汎用的なギターロックとは一線を画す彼らですので、ギターレスでも成立できそうなトラックメークにはなっているのですが、ピンポイントで色付けしていくかのような気の利いたフレーズは、間違いなく楽曲に奥行きを与えていました。
強く主張するインパクトを放っているわけでも、全編的に弾き倒しているわけでもないのに、存在感が強いのですよね。
ピアノとの駆け引きも絶妙で、メランコリックな喪失感を演出。
3470.monの世界観に、綺麗に溶け込んでいます。
さて、ライブで成長させてきた楽曲の待望の音源化。
過去の楽曲と比較してもキャッチーさを増している印象で、特にサビのメロディは耳に残りやすいのでは。
淡々と進行する曲調に、こだわり抜いた平さんのヴォーカリゼーション。
声を張り上げる部分での表現力に飽き足らず、力を抜くところでの感情表現にも磨きがかかり、そのクオリティの高さは鳥肌が立つほどです。
ひとつひとつの言葉に感情が丁寧に添えられていて、耳にすれば確実に心を揺さぶられる。
セオリーとしてはシングル向きとはならない曲調だとしても、3470.monのフィルターを通せばキラーチューンとして成立してしまうのは、彼の歌声が連れてくる心象情景によるところが大きいのかと。
バンドとなって、アンサンブルのコンビネーションは日増しに高まっている状態。
まだまだ成長を続けていく楽曲なのだと思うと末恐ろしいのですが、ひとまず、いつでも聴けるパッケージが出来上がったのは喜ばしい限りです。
なんとなく、人恋しくなる1曲。
ぽっかりと空いた穴は、ライブに足を運んで埋めてもらうと良いのでしょう。
<過去の3470.mon(凄い人達(仮))に関するレビュー>