RE:SOUZOU PROJECT FINAL「消滅」/LAID BACK OCEAN
1. l l l l l
2021年10月8日のライブをもって消滅となったLAID BACK OCEANから届けられた最後の楽曲。
ラストライブの余韻の中、図ったようなタイミングで送達。
"RE:SOUZOU PROJECT"、正真正銘の最後のパッケージは、一曲入魂と言わんばかりの内容でした。
「l l l l l」というタイトルは、メンバーの5人を示しているのか、別の意味も込められているのか。
どう読むのかも気になりますが、あれこれ考えるのは無粋。
きっと、感覚的にメッセージを受け取るのが正しいのでしょう。
覚悟を決めてCDを再生すると、流れてきたのは、作詞・作曲をVo.YAFUMIさんが手掛けた穏やかなミディアムナンバー。
LAID BACK OCEANから支えてくれたファンへ、という意味合いを隠そうともせず、今、伝えるべきことをストレートに歌っている印象ですね。
新たな旅へ。
道は違えど、川が海に繋がっているように、どこかでまた出会えるはず。
感傷的なバラードに仕上げるのではなく、途中で応援歌的なパートを挿入し、出航に向けて士気を高めていくのが、最後まで凛として前を見つめる彼ららしいと言えるのでは。
さて、これは"RE:SOUZOU PROJECT"であることを忘れてはいけません。
ジャケットには曲名までしか書かれておらず、歌詞は、パッケージに同梱された蝋燭に記載されているという仕様。
最後の楽曲を聴きながら、この蝋燭に火をつけて、自らの手でLAID BACK OCEANを消滅させる。
モノより記憶。
解散ですら自らの体験に焼き付けてしまおうとする、彼らのアート、彼らの美学には感服するしかありません。
逆に言えば、この蝋燭を大事にとっておけば、永遠にLAID BACK OCEANは消滅しないのかな、なんて思ってしまって、なかなか実行には踏み切れないでいるのだけれど。
なお、パッケージにはもう1枚カードが入っており、彼らからの最後のメッセージへのヒントとなっています。
ハードルは高いけれど、仲間で集まってここに辿り着ければ、ますます記憶にLBOが刻まれることになるのだろうな。
最後の最後まで、らしさを貫いた1枚でした。
<過去のLAID BACK OCEANに関するレビュー>
RE:SOUZOU PROJECT 2「零度」/PUNK BACK OCEAN
RE:SOUZOU PROJECT「想像」
RE:SOUZOU PROJECT「童貞」
RE:SOUZOU PROJECT「奇跡」
Bifrost