RE:SOUZOU PROJECT 3「情熱」 / LAID BACK OCEAN | 安眠妨害水族館

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RE:SOUZOU PROJECT 3「情熱」/LAID BACK OCEAN

 

1. Embark

2. The Fever

 

CDのパッケージにはおさまらない、形のないものを届ける"RE:SOUZOU PROJECT"。

本作は、プロジェクト第3弾の1stパッケージとして発表された作品です。

 

3ヶ月連続で趣向を凝らした作品が届けられるLAID BACK OCEANならではのパッケージセット。
これまで、氷漬けのCDがクール便で届いたり、スライムや土にCDが包まれていたりと、常に驚きと楽しみを提供してきたプロジェクトが、約3年ぶりに帰ってきました。

第3弾は、2020年4月、5月、6月での配送が予定されていましたが、新型コロナウイルス対応により、2nd、3rdパッケージは遅延する見込みとのこと。

Vo.YAFUMIさんの星回りの悪さがここでも出てしまった形ですが、この1stパッケージも、影響を免れたわけではありません。

 

というのも、本作における最大の肝が、"UBER eats"ならぬ、"LBER beats"として、メンバーが直接CDを宅配するというものだったから。

接触を避ける配慮から、早期購入者を除き、この企画が中止となってしまったのですよね。

ピザ風のパッケージに、伝票の裏に書かれた歌詞など、十分に面白いギミックではあるのですが、「情熱」と題された企画の狙いからして、片手落ちになってしまった感は否めませんでした。

 

ただし、CDに込められた「情熱」が消えていないのは言うまでもなく。

「Embark」は、軽快に疾走するロックチューン。

サビで開けていく展開の青臭さが、強いメッセージ性とシンクロしていくようで、爽やかな曲調とは裏腹に切なさを駆り立てるのです。

ワンコーラス目はストレートに、その次は凝ったアレンジで、という癖の作り方もさすが。

瑞々しさを歌いつつ、楽曲構成には老獪さも見せていて、このバランス感覚はキャリアのたまものだな、と。

 

「The Fever」は、ファンキーなサウンドに特化した飛び道具的な1曲。

歌メロだけを拾えば、ワンフレーズのゴリ押しということになるのですが、演奏は目まぐるしくアンサンブルを奏でており、注目する部分によって味わいが変わると言えるでしょう。

もっとピアノロックの側面を押し出しても良かったか、とも思うものの、このような変化球が入ってくるのも、何が飛び出すかわからないRE:SOUZOU PROJECTっぽさだったりして。

 

各パッケージの曲数は必ずしも定められていないのだが、2曲入りというのは、過去の作品群の中でもボリュームは最小。

はやく次も聴きたい、となっているところでお預けを喰らうのは、どうしたってやきもきしますな。

 

なお、本来は5月31日までの受付期間であったRE:SOUZOU PROJECT 3ですが、発送遅延等の影響を考慮して、6月15日まで期間を延長するようです。

後のバラ売りはしないとのことで、これを逃せば、今後手に入らないパッケージセット。

なんだか興味が沸いてきた、というリスナーは、手遅れになる前に、是非とも購入手続きを。

 

<過去のLAID BACK OCEANに関するレビュー>

RE:SOUZOU PROJECT 2「告別」

RE:SOUZOU PROJECT 2「無名」

RE:SOUZOU PROJECT 2「零度」/PUNK BACK OCEAN
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