告別/LAID BACK OCEAN
1. Mr. Good Morning
2. 左右の夢
3. 透明人間
遂にLAID BACK OCEANから、RE:SOUZOU PROJECT 2の最終章が届けられた。
CDジャケットには"Farewell"との記載されていますが、パッケージとしてのタイトルは「告別」ということでよいのでしょうか。
前作で届けられた" PIANO ROCK IS DEAD. "は、こういう意味だったのか。
本作で描かれたのは、"志半ばでこの世界から去らなければなかった者たちが、もし一度だけ戻ることができたなら"という世界。
自分がそうなった場合、どのような意識で、どのような生き方をするのだろうか、ということを表現したかったのだとか。
それを突き詰めるあまり、パッケージが送付される前に、Vo.YAFUMIさんが永眠した旨のハガキが郵送されるという演出まで。
これには色々な意味で反響が大きかったようですが、パッケージを購入している人には企画の一環であることは一目瞭然。
不謹慎と言われようとやってしまう心意気は、彼ららしいな、と。
ピアノが高らかと響く、疾走感のあるパンクチューン「Mr. Good Morning」は、今後の彼らのアンセムとなっていきそうなパワーを秘めたナンバー。
死んでいるわりには元気だな、といったところなのですが、復活した死人というのは、漫然と生きている人間よりも我武者羅に生きるのかもしれないな、と思ったり。
「左右の夢」は、疾走感はそのままに、切なさを駆り立てて。
間奏の掛け合いで、"捨ててしまったほうの夢"と思われる女性の名前を連呼していくのは、なんていうか、ロックである。
最後の「透明人間」が、本作での肝となるのかな。
ピアノの美しい旋律とミディアム調のロックサウンドが融合していく中、語りかけるように歌われるお得意のスタイル。
プロジェクトを締めくくるのにふさわしい、メッセージ性の詰まった1曲です。
さて、RE:SOUZOU PROJECTシリーズで気になるのは、そのパッケージの特殊性。
本作では、CDが土に埋まっていました。
同封されていたのは、"RE:SOUZOUの種"。
この土で、新たな"RE:SOUZOU"を育てていこうということなのかな。
実際、何の種なのだろう。
咲いた花の花言葉を調べたら、また深みのあるメッセージになっていたりして。
単純に楽曲をドロップして、それを解説するのではなく、楽曲の背景を綿密にセッティングして、リスナーに世界観を想像させるという企画。
1か月遅れての完成とはなったものの、この第二弾も、シーンに大きな爪痕を残したのでは。
またもCDを買う楽しさを思い出させてもらいましたよ。
<過去のLAID BACK OCEANに関するレビュー>
RE:SOUZOU PROJECT 2「零度」/PUNK BACK OCEAN
RE:SOUZOU PROJECT「想像」
RE:SOUZOU PROJECT「童貞」
RE:SOUZOU PROJECT「奇跡」
Bifrost