Bifrost / LAID BACK OCEAN | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

Bifrost (初回限定盤)(DVD付)/LAID BACK OCEAN
¥2,600
Amazon.co.jp

1. せんたくの自由

2. BEAUTIFUL

3. フライデー ナイト アイデア

4. 揺れる

5. サーチライト

6. i+kill


デビュー直後ながら、赤坂BLITZや野音での公演を成功させたLAID BACK OCEANの2ndミニアルバム。

ヴィジュアル系のフィールドで活動しているわけでもない彼らを採り上げるのは、ex-JELLY→のメンバーを中心に結成されたバンドだからということで。


しかしながら、もはやex-JELLY→の肩書は不要ですね。

世間一般的には、清春プロデュースでデビューした、見た目も楽曲も、悪ガキパンクど真ん中!という印象が強すぎるので、それを引き摺って、どうも手を出しあぐねているという人がいるなら、実にもったいない。

若いころの無骨なイメージは、綺麗さっぱりと払拭されていて、随分と洗練された音楽を奏でているのですよ。


そのお洒落な音楽のポイントは、ズバリ、ピアノを取り入れたアプローチ。

音楽性としては、所謂ロキノン系のギターロックに倣っているものの、メンバーにピアニストを擁し、スタイリッシュなサウンドの中に、旋律の美しさをそっと溶け込ませる手法。

一見、ミスマッチながら、その柔軟なフレーズが、渋めのロックチューンにも、ダンスロック調のナンバーにも、とてもハマっています。

楽曲のひとつひとつに、鮮やかな色彩と広がりをもたらしている。


勢いを重視して聴くのであれば、1stの方が勝っているのですが、ピアノを押し出したアレンジという意味では、本作のほうがバンドの目指す方向性と、楽曲のポテンシャルが馴染んできたといったところ。

大人びた、落ち着いた音楽に、力強いYAFUMIさんのボーカルという組み合わせも、お互いが歩み寄りを見せており、違和感がなく仕上がっていますね。

聴き始めは、とっつきやすいダンスロック、「フライデー ナイト アイデア」、「サーチライト」などに耳を奪われていたのですが、繊細なフレーズが映える「揺れる」が、じわじわとお気に入りになってきた。


最後に収録された「i+kill」では、意外性のある優しい歌声を聴かせてくれます。

トップバッターの「せんたくのじゆう」が象徴するように、全体的に穏やかな雰囲気があるアルバムではあるのですが、その中でも一段とあたたかみのある歌い方。

この1曲だけでも、前バンドからの成長を確信できます。

メロディも印象的で、聴けば聴くほど深みが出てくるなぁ。


あえて課題を出すなら、若干、展開が一辺倒かな。

ミディアムテンポのナンバーが多いため、ピアノ以外のパートについては、もっとバリエーションがあっても良かったでしょうか。


一回聴いて、ガツン!と来るインパクトがあるわけではありませんが、渋みのある格好良さが滲み出ている。

じっくりと聴き込みたい一枚です。