RE:SOUZOU PROJECT FINAL「希望」 / LAID BACK OCEAN | 安眠妨害水族館

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RE:SOUZOU PROJECT FINAL「希望」/LAID BACK OCEAN

 

1. ROCK STEADY & PHANTOM BOY

2. 花声

3. 夜明け 嘘、その後

 

"解散"をテーマにしたアート作品であることが発表された、LAID BACK OCEANによるRE:SOUZOU PROJECT FINALの2ndパッケージ。

 

1stパッケージで解散を発表し、リスナーをある種の絶望を与えた彼ら。

続く作品で表現したのは、「希望」でした。

これまでに聴いたことがないほどにポップなメロディが意外性をもたらした「ROCK STEADY & PHANTOM BOY」。

ピアノの美しい旋律によって切なさを織り込みつつも、やはりキャッチーに展開する「花声」。

そして、解放感が心地良い、パンキッシュな「夜明け 嘘、その後」。

いずれも、悲壮感などは見せずに、前向きに進む選択であることを示唆するようなナンバーに仕上がっています。

 

トリッキーなアプローチ、ピアノロック、パンクチューン。

3曲ともタイプは異なりますが、それぞれがLBOの音楽であることを主張しており、良い意味での"いつも通り"ですね。

もちろん、解散という背景を知っているからこそ、読み取れる行間も多く、歌詞に書いてある以上にメッセージ性は強まった印象。

なお、その歌詞については、少し大きい紙ジャケットの内側に記載される形になっており、わざと読みにくい仕様にしているのかと。

文字で読むのではなく、耳で、発せられる言葉で歌詞を聞かせることによって、想像力が働くように仕組んだのかな、なんて推測してみると、よく考え抜かれた設計だと感心せずにはいられません。

 

さて、音楽だけではなく、五感をフルに使ってアートを表現するのがRE:SOUZOU PROJECT。

本作では、嗅覚に焦点が当てられており、フレグランスが付属しています。

面白いのは、記憶と嗅覚は結びつきやすいという説に基づき、ラストライブの指定のシーンで、このフレグランスを嗅ぐことによって、匂いを嗅ぐたびに彼らのライブの臨場感を思い出してほしい、という企画になっていること。

確かに、"解散"をテーマにしていないと思いつかない発想。

いつでも想い出せる、というのは「希望」だろう。

こういうアイディアを見せつけられると、ラストライブに足を運びたくなるものだな。

 

<過去のLAID BACK OCEANに関するレビュー>

RE:SOUZOU PROJECT FINAL「音楽」

RE:SOUZOU PROJECT 3「記憶」

RE:SOUZOU PROJECT 3「距離」

RE:SOUZOU PROJECT 3「情熱」

RE:SOUZOU PROJECT 2「告別」

RE:SOUZOU PROJECT 2「無名」

RE:SOUZOU PROJECT 2「零度」/PUNK BACK OCEAN
RE:SOUZOU PROJECT「想像」
RE:SOUZOU PROJECT「童貞」
RE:SOUZOU PROJECT「奇跡」
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