RE:SOUZOU PROJECT 3「距離」 / LAID BACK OCEAN | 安眠妨害水族館

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RE:SOUZOU PROJECT 3「距離」/LAID BACK OCEAN

 

1. PATIENT CITY

 

形のないものを届けるRE:SOUZOU PROJECT 3の第二弾。

 

期間限定での受注生産となっていたパッケージ商品。

既にすべて送達されている前提で、ネタバレを含むレビューとなりますが、万が一、パッケージは届いたけれど未開封だという場合は楽しみが半減するためご注意を。

まずは、CDに収録された「PATIENT CITY」。

シリアスな雰囲気を持つミディアムロックで、サビでは女声ヴォーカルがメインとなって、お洒落に展開していきます。

どこか緊張感に溢れているのは、コロナ禍によるピリピリ感が、リアルタイムに作風へ反映されたと取れるでしょうか。

 

さて、本作の醍醐味である仕掛けの部分ですが、届けられたCDのほかに、レインコートと謎のカードが封入されています。

指示通りに、CDを聞いてから指定のURLにアクセスすると、メンバーのリモート会議のオフショットが再生される仕様。

よくある特典映像だな、と最初は思ってしまうのですが、その動画を見ているうちに、本作の設定が見えてきます。

ここは、コロナ禍が収束せず、外出自粛が続いたままの数年後の世界。

その中で、"雨の日だけはウイルスの影響が弱まる"ということが証明され、外出が認められるという設定だと判明するのですよ。

 

それを踏まえて、今度はリスナー側の実行フェーズ。

映像内のヒントに従って雨の日にレインコートを着て、カードを持って外に出ると、カードが濡れて、とある楽曲の歌詞が浮かび上がってくる。

最後のピースが揃ったところで、スマホの操作を続けると、本作の設定を前提に描かれた未発表曲、「Blue Flames 19」が再生されるという、謎解き要素満載のワクワクする展開が待っていました。

コロナの影響が強まったのは、RE:SOUZOU PROJECT 3の企画発表後だということを踏まえれば、リアルタイムで社会情勢を作品に落とし込み、閉塞感を希望に変えてしまった企画力と行動力には頭が下がる。

準備期間を考えれば、曲数の少なさは仕方ないのですが、補って余りあるドキドキにこそ、このプロジェクトの価値はあるのだよな。

音楽に触れる楽しみを、体験として思い出させてくれた1枚。

 

<過去のLAID BACK OCEANに関するレビュー>

RE:SOUZOU PROJECT 3「情熱」

RE:SOUZOU PROJECT 2「告別」

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RE:SOUZOU PROJECT 2「零度」/PUNK BACK OCEAN
RE:SOUZOU PROJECT「想像」
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