バイバイ / シェルミィ | 安眠妨害水族館

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バイバイ/シェルミィ

 

1. バイバイ

 

2021年サブスク配信第5弾となる、シェルミィのデジタルシングル。

 

シェルミィ5周年企画として実施している隔月での楽曲も配信も、これで5曲目。

Vo.豹さんが作詞、Ba.凌央さんが作曲を手掛けたミディアムナンバーに仕上がっています。
喪失感が漂うサウンドに、心にぽっかりと穴が開いた感覚。

気怠さを残して歌われる部分にアンニュイな空気が滲んで、曲調ともマッチ。

アートワークも、心模様を端的に表現していて絶妙でした。

 

本作においての聴きどころは、やはり歌詞となるのでしょう。

"知りすぎた二人だから、知らないことが嫌だった。"

この一文だけで、ふたりの置かれている状況が理解できるため、たった3分半の楽曲であるにも関わらず、瞬時に世界観に入り込むことが可能。

このフレーズを歌詞に置いた時点で、この楽曲が名曲となることは決定づけられた、と言っても良いのかと。

 

また、すれ違う二人の心理描写の表現も然ることながら、"バイバイ"と"売買"を掛けてサビのフックに持ってくる言葉遊びの巧みさにも驚かされます。

アイディア優先で強引な展開になっているわけでもなく、素直に感情を揺さぶる歌詞の中で、こういうテクニカルな一面も織り込んでくるので、とにかく作詞のクオリティが高いなと感心するほかないのですよ。

 

なお、前作同様、完全受注生産となるグッズ付きのCDも期間限定で販売中。

本作に付属するのは、トートバッグとのこと。

ここにきてベタなラインナップではありますが、使い勝手が良いグッズは食指が伸びやすいですからね。

いや、まさかこれも"売買"と掛けて、ショッピングバッグとして使うように、というメッセージだったりするのだろうか。

そんな深読みをしたくなるほど、歌詞の上手さに舌を巻いた1曲でした。

 

<過去のシェルミィに関するレビュー>

ラブレットピアス

偏頭痛

如月駅

ハッピーオーヴァードーズ

平成32年へ。

失楽園

うずまき

少女地獄

ぼくらの残酷激情

平成メンヘラセオリー