十年近く前から北側の窓際に大きなワイングラスにエアプランツと黄色い砂やカンガルー等が入ったミニジオラマ風のお洒落な観葉植物キットが置いてある。これは以前に朗読仲間から誕生祝いとして戴いたものだ。人は生物を見ていると何故か心が癒されるので私も窓辺に置いて毎日眺めていた。


エアプランツは根は張っていないが植物なので頻繁に霧吹きで水やりをしたり20日に1度程度たっぷり水に浸してやる必要があるがそれでも寿命はある。先日、何代目かを求めに行ったら、もうブームが過ぎてしまったのか、いつもの店にエアプランツが一つも置いてなかった

ただ小さなポットに入った観葉植物はいくつか置いてあり、ミニサボテン等が並ぶ中、異彩を放つ緑の小樹(*1)がちょこんと一つだけ売れ残っていて今にも捨てられそうな気がしてついつい買ってきてしまった。結果として元の窓辺には唐突な小樹と空虚なワイングラスのミニジオラマが残った。

やはりグリーン(植物)のないワイングラスは違和感があるし全くお洒落ではない。その後、別の店で幸いにもエアプランツを見つけたので小ぶりなものを2個買ってきてグラスに入れてみた。う~ん、ま、グラスは良くなったが、今度は緑の小樹状のミニプランツが不自然で浮いてしまった

そりゃそうだ、エアプランツの代わりの植物として導入したのに、そこにエアプランツを追加されたら、そもそも存在意義が揺らぎ、何故ここに小樹状のプラントまであるの?となってしまうのは必定だろう。やはりここはワイングラスの中で完結する小宇宙をミニジオラマとすべきではないか。

誰も頼んでないのに勝手に問題を作っては悩み、散々熟慮を重ねた結果、全てをワイングラスの中に作り込むことにした。でも小樹の生育環境は確保したいのでポットごと入れるとすると嵩上げした分は手持ちの黄色い砂では足りない。近くのホームセンターにはカラーの砂が無かった。

結局、白い石を買ってきてポットの周りに敷き詰めた上で黄色い砂を蒔きカンガルーさんを配置してエアプラントも入れた。なーんか詰め込み過ぎてお洒落ではなくなり、土が見えなくなったので「土の表面が乾いたら水をやる」という小樹の生育環境も守れるか怪しくなってしまった

よく犬や猫を飼うと可愛くて癒されるが旅行に行けないとか四六時中エアコンをかけなければならないから大変だと聞く。私は動物は飼ってないが先日来の瓦盆景(*2)の苔にも定期的に水やりをする。植物を愛でるのもそれなりに手がかかるが、それ故に愛おしいと思うのかも知れない
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*1:撮影してAIに訊いたところ、この小樹は「キングバンブー」という名だが竹ではなくドラセナ科の観葉植物と判明。
*2:本件については下記のブログご参照。
瓦盆景を始めることにしました | Saigottimoのブログ

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2026年1月14日(水)、久しぶりに豊島園「庭の湯」で開演時間の朝10時から夜8時まで終日過ごしてみた。午前中は水着着用のバーデゾーンで過ごした。ここには屋内にプール、桶シャワー、水タブ、スチームサウナ、屋外に温泉と軟水の2つのジャクージにドライサウナ棟と日本庭園がある。


   【以下写真は庭の湯ウェブサイトより】

水着で男女一緒に過ごせるスペースを設けている温浴施設もあるが、このバーデゾーンの充実ぶりは「庭の湯」の独壇場だろう。名称の由来でもある美しい庭園は散策も出来るしサウナ棟の大きな窓からも見える。また2つのジャクージからは大空と庭園の眺めによる解放感が格別である。


屋内のバーデプールのアクアシャワーや浮く仕掛けで遊んで11時から20分間のアクアエクササイズを受け屋外のジャクージに浸かり、屋外別棟のドライサウナ⇒シャワー⇒水タブ⇒温泉ジャクージというループを巡る。途中、サウナ室内でサウナストレッチエクササイズも受けて昼まで過ごした。


ランチはカツカレーを選択、なかなか本格的でスパイシーなカレーだった。夕食は御魚の煮付け定食にした。私以上に本格的なサウナ―である長男は「庭の湯の弱点は食事だね」という。確かにありきたりな品揃えかも知れないが石焼メニューなどは千円前後だしコスパは決して悪くないと思う。

食後は座敷休み処に行ったが、この日は何故か女性専用部屋しか設えてなくて仕方なく寝椅子式のお休み処で寛いだ。畳敷の休憩処も「庭の湯」のウリだと思うのだが...。以前にも壺湯が調整中で利用不可だった。こういう状況は予めネットに記載しておいて欲しいとスタッフに要望しておいた。


日頃は専ら銭湯サウナの私(*1)もこの日は自分へのご褒美で午後はタイ古式マッサージ“テワラン”をたっぷり時間をかけて全身やってもらった。お蔭で辛かった脹脛や臀部の奥も楽になったし、途中は気持ち良くて寝そうだった。ここで知って以来、私はもうマッサージはタイ古式一択である(*2)。

そして夕飯迄は露天の岩風呂や陶器の壺湯、内湯のドライサウナ⇒桶シャワー⇒アバント(頭まで浸かれる水槽)⇒水風呂のループと内湯のスチームサウナをまじえて過ごした。改装後の内湯には座って休む椅子もあり、また長男が高く評価するラバー製の黒い寝椅子もあってこれは確かに心地良い。

夕食後はライトアップの庭が綺麗なバーデゾーンのドライサウナで19時から20分間のアウフグース(熱風イベント)を受け、最後に身体を洗い、内湯の人工炭酸泉と強塩温泉で温まって夜8時過ぎに退館。結論!私にとって都内の温浴施設では豊島園「庭の湯」がやっぱりNo.1だ。

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*1:本件については下記ブログご参照。
東中野・松本湯は凄い銭湯サウナ | Saigottimoのブログ
*2:テワランについては下記ブログご参照。
タイ古式マッサージは痛くない | Saigottimoのブログ

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2025年1月9日(金)、渋谷・SEBIRD第一金曜(1金)ライブ&セッション。今日は「Ellington & Strayhorn」特集。1曲目はイランの都市名「Isfahan」次はロンドンで「Chelsea Bridge」そして有名な「In A Mellotone」「Prelude To a Kiss」とインスト(歌無し)で続けて1st.set終了。

と、ここでバースデータ~イム!柳田さんの指揮下お店の皆で♪Happy Birthday to you♪を歌う。1/2が誕生日のママさん、そしてこの日1/9が誕生日の本多バンマスにそれぞれホールケーキとロウソク、これらはレギュラーメンバーも会費で参加したが、柳田さんが手配してくれたのだ。


2nd.setはセッション参加者ノブ高橋さん(as)の「The Good Life」でスタートし、ヴォーカルコーナーに突入。1番手マッキーこと牧かおるさんはお得意のボサノヴァで「Vivo Sonhand」、2番手の益田伸子さんはいつものように律義にバース(前歌)からI Got Rythm」を歌う。


続いて私は「La Violetera (すみれ売り)」を今年の歌い初めにした。この曲は1914年(大正3年)にスペインのホセ・パディージャが作曲したタンゴ(*1)で、チャップリンの「街の灯」でもBGM的に使われている。今年はラテンで攻めようかな

♪La Violetera…2025年1月9日、渋谷・SEABIRD一金ライブ&セッションにて♪

そして「But Beautiful」。大津晃子さんが全巻保有しているジャズ・スタンダードのバイブル「ジャズ詩大全」によれば、この曲名を「されど美しい」と訳すのは間違いで、それこそ“美しき誤解”らしい。では一体どういう意味なんだろう?

ヴォーカルのトリは柳田さん。いつもの本多バンマスの2管アンサンブルアレンジで「Save The Last Dance For Me (ラストダンスは私に)」。この曲は日本では越路吹雪盤が有名だが、元々は男性が歌う曲(*2)。柳田さんはマイケル・ブーブレ盤を意識した堂々たる歌唱で聴かせてくれる。

【十河さん(pf)、岩渕さんのトラで上代さん(ds)、本多バンマス(tp)、萬造寺さん(b)、御子柴さん(ts)】
そして最後はインストで「I Let A Song Go Out Of My Heart」を演奏して御被楽喜となった。
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*1:原曲のリズムはハバネラ(唐辛子じゃないよ。ビゼーの「カルメン」のテーマのようなリズム)らしい。私のお勧めはギリシャの歌姫ナナ・ムスクーリ盤
*2:この曲は1960年に米国の黒人コーラスグループのザ・ドリフターズ盤(日本のドリフじゃないよ)が全米No.1ヒットに(メインヴォーカルは後に独立するベン・E・キング)。

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2025年1月3日(土)、年始ルーチンとして正月三が日の最終日に地元の氷川神社に初詣に行った。年末は12月の月末でもあるので月例ルーチンとして大晦日の朝に明治神宮に月末参拝に行く。そして初詣は地元の氷川神社で、しかも元旦や2日は混むので3日以降の午前中と決めている。


私は月末参拝もそうだが「今日ここに来れたこと」を神様に感謝するだけで「願い事」はしない。「神仏は敬えども頼らず」という宮本武蔵を気取る訳ではないが、「感謝する」か、自分が「誓う」以外は全て神が為すことであって、世界平和や家内安全を願う事さえおこがましいと思うからだ。

この神社の自動販売機で毎年おみくじを引き、それをお守りのように1年間財布の中に居れて持ち歩く。そして新年のおみくじを引いたあとに前年のおみくじを読み直し、細長く畳んで神社の針金に結び付ける。前年のおみくじは「大吉」だったが、新年のおみくじは「末吉」だった。


おみくじは良い順から、大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶>大凶という順だ。末吉は凶の手前ということになるが、逆に大吉は良過ぎるので小吉や末吉の方が良いと言う人もいる。内容を読むと「慌てずにゆっくり事を運べばよろしい」とのこと。ま、今年の私は大殺界のド真ん中だしね。

初詣にはカミさんに加えて正月に我が家で年越しをした次男、義妹2人と小6の甥とその愛犬も同行した。次男は「大吉」だったが内容的には戒めの言葉も多い。おみくじはよく読めば当たり前のことが書かれているのだが、それで良いのだろう。今年はおみくじ通り末吉の1年を送りたい。


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2025年12月31日(水)、地球は公転し気が付けば今年も大晦日を迎えた。今朝もガラガラな明治神宮への月末お礼参りを済ませ今年を振り返った。日本国内は“女性初の総理誕生”と“各地でクマ被害”で明け暮れた今年2025年、さて私の10大ニュースは…?下記のようなラインナップだろうか。

   【今朝(大晦日)も明治神宮はガッラガラ

《1月~3月》
①口笛練習が“石の上にも3年”、ステージへ。
口笛を毎朝3年間練習した結果 | Saigottimoのブログ
TheNAOKAYライブin渋谷⑦ | Saigottimoのブログ
②山野楽器のアコースティックパラダイス出場。
アコパラ2025ライブの参加報告 | Saigottimoのブログ
《4月~6月》
③渋谷ズンチャカ連続出場、今回はアカペラ。
渋谷ズンチャカ2025に6/8出演 | Saigottimoのブログ
渋谷ズンチャカ2025参加報告 | Saigottimoのブログ
④“ミスタープロ野球”長嶋茂雄氏が永眠(6/3)。
ミスタープロ野球長嶋茂雄逝く | Saigottimoのブログ
⑤43年間勤務した会社の創業者ご逝去(6/24)。
 自らIT会社を興し東証1部上場企業にした希代の経営者。
 私のキャリア後半(企画、広報、人事業務等)においては、
 特に直々に多くのご指導を賜った。感謝!享年91歳。
《7月~9月》
⑥終戦から満80年、太平洋戦争に思いを馳せる。
対米開戦は国家規模アビリーン | Saigottimoのブログ
米国は何故2種類の原爆を投下? | Saigottimoのブログ
映画「雪風YUKIKAZE」鑑賞報告 | Saigottimoのブログ
零戦に見る日米設計思想の違い | Saigottimoのブログ
黒い紫電改プラモ完成し出展へ | Saigottimoのブログ
⑦SEASBIRD2金ライブ30周年を花道に卒業。
祝!第二金曜ライブ30周年到達 | Saigottimoのブログ
《10月~12月》
⑧多摩中央図書館で朗読&音楽イベントに出演
多摩中央図書館で絵本イベント | Saigottimoのブログ
⑨オーディオドラマで主演のシリーズが7作目!

おっさんは女子高生になれるか | Saigottimoのブログ
⑩ヴォーカルデビュー25年記念アカペラLive
アカペラだけでライブしてみた | Saigottimoのブログ

《その他1年間を通して》
◆野球…大谷翔平を中心に楽しませてもらった。
ストライクの定義知ってます? | Saigottimoのブログ」
大谷翔平にも大殺界はあるか? | Saigottimoのブログ
MLB球場のオルガン演奏に注目 | Saigottimoのブログ
神宮球場で阪神の消化試合観る | Saigottimoのブログ
大谷を超えた日本人選手が居た | Saigottimoのブログ
ビッグマウスヤマモロに大笑い | Saigottimoのブログ
◆料理…珈琲やお菓子についても作っては楽しんだ。
珈琲は何で飲むかが9割なのか? | Saigottimoのブログ
本当に美味しい珈琲を飲むには | Saigottimoのブログ
マグでレンチン簡単激旨プリン | Saigottimoのブログ
バスクチーズ風ケーキ製作顛末 | Saigottimoのブログ
◆その他…下記のブログも何故か地味に注目を集めた。
知ってビックリ、国歌「君が代」 | Saigottimoのブログ
瓦盆景を始めることにしました | Saigottimoのブログ
昨年開設の豊洲万葉の湯を体験 | Saigottimoのブログ

2021年のTOPニュースは「サラリーマンを卒業」、2022年は「共著出版」、2023年は「声優出演ラジオドラマのグランプリ受賞」、昨年は「ロスに大谷詣で」、そして大殺界に入った今年2025年最大のトピックスは...やはり「ヴォーカル・デビュー25周年記念ア・カペラLiveコンサート」だろうか

さて私の大殺界は再来年まで続くが、来年以降も日々健康に留意して馬齢を重ねたいと思う。今日までこのブログを読んで下さった全ての皆様に改めて感謝を申し上げたい。今年もたいへんお世話になりました。そして、どうぞ皆様も良いお年をお迎え下さい

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2025年12月21日(日)12時~14時、渋谷・SEABIRD、浅野・大槻セッション。私は浅野さん(b)とは昔一緒にバンドを組んでいた関係(*1)で、毎月1回開催されるこのランチセッションには可能な限り参加していたが、大槻美歩さん(pf)が2人目の出産準備に入るので今月で暫くお休みとなる。

この日のセッションには私の他にピアノ1名、ギター2名、ドラム2名が参加した。私は12月に入って間もなく鼻風邪をこじらせて発熱し、ほぼ一週間程床に伏していた。子供の頃から鼻が悪く手術もしたが余り良くならず現役時代も毎年ワクチンを打ってもインフルエンザには罹っていた。

今月は第一金曜(1金)ライブ&セッションを欠場してしまいクリスマス・ソングを歌えなかったので、この日は自分がレパートリーにしているクリスマスソングを一気に歌うことにした。日本ではお正月があるためこの時期しか歌えないので一種の虫干しみたいなものである。

♪White Christmas…2025年12月21日、渋谷・SEABIRD浅野・大槻セッションにて♪
1曲目「ホワイト・クリスマス」は誰でも知っているであろうクリスマス・ソングの王道中の王道、というか、全世界で最もレコードが売れた曲である(*2)。もともとはアーヴィング・バーリンが1941年の映画「ホリデイ・イン」のために作った曲でビング・クロスビーの名唱が最も有名である。

♪The Christmas Song…2025年12月21日、渋谷・SEABIRD浅野・大槻セッションにて♪
2曲目「ザ・クリスマス・ソング」は、白人男性ジャズシンガーの最高峰と言われるメル・トーメが作ったジャズの世界では最も定番のクリスマス・ソングだ。この曲は1944年、まだ彼が若く貧しい頃、真夏でエアコンの無い部屋で友人ボブ・ウェルズと暑さしのぎに冬の風物詩を述べ合って作ったとされる。

♪Blue Christmas…2025年12月21日、渋谷・SEABIRD浅野・大槻セッションにて♪
3曲目「ブルー・クリスマス」は1948年のカントリー歌手アーネスト・タブが作った曲だが、1957年にエルビス・プレスリーがビング・クロスビーの「ホワイト・クリスマス」に対抗してリリースし大ヒットした。プレスリーはハワイアンを手掛けたり、以前からビング・クロスビーを意識していたという。

日本では今日12月24日の夜がクリスマスの前夜祭とされているが本当はそうではないし、そもそもクリスマス自体イエス・キリストの誕生日とは関係ないという事も以前ブログに書かせて戴いた(*3)。でもやはりヴォーカリストとしてはこの時期しか歌えないクリスマス・ソングを歌いたいのである。
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*1:このセッションおよび私が以前組んでいたバンドについては下記ブログご参照。
カエンペッパーとオレガノ再会 | Saigottimoのブログ
出会いに再開、セッション三連荘 | Saigottimoのブログ
西川姉御と20年ぶりの共演成る | Saigottimoのブログ
*2:レコード・セールスとしてはエルトン・ジョンのダイアナ妃追悼歌「キャンドル・オブ・ザ・ウィンド」がTOPとされているが、ビング・クロスビー盤に限らなければ「ホワイト・クリスマス」が最多とされている(一説には5千万枚とも)。
*3:本件については下記ブログご参照。
12/24はX'masイブではない | Saigottimoのブログ

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2025年12月14日、NHK大河ドラマ「べらぼう」が最終回を迎えた。カミさんが出勤時間が早まって朝ドラが観られなくなって以来、大河ドラマは我が家で唯一夫婦揃って観る貴重な番組枠だが、今回は脚本も演出も秀逸で、主演の横浜流星はじめキャスト陣も皆好演していて非常に面白かった。


        【NHKのWebより】

大河ドラマといえば主人公は歴史上の英雄等が多いが、今回は江戸時代に繁盛した蔦屋耕書堂という書店主の蔦屋重三郎(以下、蔦重)が主人公と、極めて地味である。放映前は、恐らく今風に言うところのコンテンツビジネスで成功したマーケターとしての商才が描かれるのだろうと私は思っていた

しかし実際に描かれたのは、蔦重の商才よりも、喜多川歌麿、恋川春町、十返舎一九、大田南畝、滝沢馬琴、葛飾北斎といった当代の天才達と交流し、彼等に無茶振りをしつつ才能を引き出し人気コンテンツに仕立てて世の中を変えていく、プロデューサーとしての手腕の方だったように思う。

象徴的な場面がある。蔦重を兄のように慕って頼り、彼を支えた喜多川歌麿が念願叶って“当代一の絵師”となり晩年の蔦重と袂を分かった。しかし歌麿は後に蔦重にこう漏らすのだ。「他の本屋(蔦重以外)は優しいんだ。『そのままでいい』と言うんだ。でも俺はそれじゃつまらないんだよ」と。


このシーンを見て私はアップルの共同創業者スティーブ・ジョブスを思い出した。彼はプログラムも作らずデザインもせず経営者としても自らにダメ出しを(してプロの経営者をスカウト)したくらいだが(*1)、Macintoshやiphoneを生み出して“世界を変えた”のは、紛れもなく彼の手腕だった(*2)。

  【Steve Jobs (写真は中西氏のサイトから)】

ある時、彼は半導体の回路を眺めて「このゴチャゴチャしたところ設計し直して」と言った。技術者が「は?機能的に問題ないし半導体は外から見えないだろう」と反論したが「僕はイヤなんだ」と彼は譲らない。仕方なく回路設計をし直したら何と演算性能や電力消費性能が向上したという。

かつての優秀な部下達が集まると「俺は奴に何度もクビになった」「俺も奴に何度も酷い眼に遭った」と“ジョブス被害者の会”状態で盛り上がるが最後は「また奴と一緒に仕事がしたい」という結論で終わるという。結局、彼の無茶振りが自分達の才能を引き上げる事を身を以て知っているからだろう。

つまり蔦重は“江戸時代のジョブス”だったのだ。この2人に共通しているのは、確かに大衆の求める商品を企画する優れたプランナーでありマーケターでもあるが、同時に天才達の才能を見抜く力とその才能を開花成長させ商品価値に結び付ける卓越したプロデューサーとしての能力だったのだろう。
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*1:ジョブスは、史上初めてコカ・コーラを抜き業界トップとなったペプシ・コーラの経営者ジョン・スカリーを「砂糖水を売って一生過ごすより世界を変えてみないか」という有名な口説き文句でアップル社にスカウトした(そのスカリーにアップル社を追放されるジョブスだが後年カムバックする)。
*2:感情的に怒鳴り散らす、他人のアイデアを無断でパクる、恋人に産ませた子供を認知せず養育費も払わずなど、ジョブスは才能を生かして仕事では大成功したが人格的には悪評も高かった。2011年に膵臓ガンで没(享年56歳)。

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石貫慎太郎さんの新作オーディオドラマ「魔女の不思議な海底バス」に出演させて戴いた。これはスクラット少年と飼い猫ペグリッチのシリーズ最新作(*1)。従ってペグリッチ役の図書委員こんざぶろうさんが久々に登場し(*2)、今回新たにスクラット役となる月宮はるさんとの初共演が楽しめる。


そしてこれまで快活な女子大生から貞淑な寡婦まで幅広い役柄をこなし八面六臂の活躍を見せている山木梨花さんが今回は魔女役!箒に跨り、黒いマントを纏って鼻がひん曲がったおどろおどろしい魔女は、果たして性格までひん曲がっているのだろうか。ここは注目ポイントだ。

私はガゼット爺さんという老描の役で、人間の眼には見えないであろう猫用列車の中でペグリッチ達と出会うという設定だ。今回もkoto☆hana作品らしく幻想的でファンタジーな展開だが、スクラット少年の冒険活劇シリーズでもあり、さらに我々の人生を省みたくなる深~い示唆も含んでいる。

●「魔女の不思議な海底バス」【約47分間】クリック!
■スタッフ
脚本/制作/音楽:石貫慎太郎
エンディングテーマ:ciel
 演奏:Au bonheur
 作曲/編曲:石貫慎太郎
■キャスト
ナレーション:​中田真由美
ペグリッチ:図書委員こんざぶろう
スクラット:月宮はる
魔女:山木梨花
パパ、車掌:能登洋宇
ガゼット爺さん:Saigottimo (開始から10分過ぎに登場)
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*1:これまでの本シリーズは下記ブログご参照。
「煙突の上のコンペイトウ」に出演 | Saigottimoのブログ
今度はドラキュラになりました | Saigottimoのブログ
灰色のオオカミになりました | Saigottimoのブログ
*2:上記以外のこんざぶろうさん出演作は下記ご参照。
生まれ出づる悩みとは何か? | Saigottimoのブログ
リアル爺ぃが老人を演じたら? | Saigottimoのブログ

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2025年11月29日(土)、一般公開前の「赤坂ストリングスホール雪華」にて「Saigottimo Mackey デビュー25周年記念 ア・カペラ コンサート」を開催した。楽器どころかマイク、アンプ、スピーカー等のPA(音響効果)機器も一切使わない、アカペラ(無伴奏)&アコースティック(生音)ライブである。

アカペラのライブを構想したのは5年前(*1)だが、歌や朗読の際に「マイクを使わす自然な生声で届けたい」という思いはいつもあった。しかしアコースティックで拡声もエコー(残響)も使えないとなるとオペラ歌手でもない限り(*2)生声が届く範囲となるが、このホールはそれを解決してくれた(*3)。

通常ライブでは歌モノとインスト(器楽曲)を混ぜて目先を変える。 流石に私一人のアカペラだけでライブを構成するのは無理があるので女声ヴォーカルのマッキーこと牧かおるさんを巻き込んだ。若くしてデビューした彼女も私と丁度同じ25年経ったというので今回の記念イベントとしたのだ。

当初は彼女もこの企画には難色を示していた。でも「私はアカペラがベストだとは思ってないよ。むしろ聴き終わったお客様が『楽器の音を聴きたい』と思ったら成功だと思う」と言ったらようやく納得してくれて「成程!要するにイヤなものを聴かせるんですね!」…う~ん、ま、そうかもねぇ。

構成は、前半はソロを男女5曲ずつ10曲、後半はDuetを5曲と男女ソロ1曲ずつにアンコールとしてDuet1曲の8曲。途中休憩10分を挟んで16時~18時の2時間で全18曲。楽器もPA機器も一切無しで、まあ、お客様がよく我慢して聴いて下さったと思う。この場をお借りして改めて感謝申し上げたい。

1st.set (青字:男声ソロ 赤字:女声ソロ)
①上を向いて歩こう/②私はイエスが分からない/③この素晴らしき世界④ファースト・ラブ/⑤マスカレード/⑥リメンバー・マイ・ラブ⑦千の風になって/⑧唄う風⑨蘇州夜曲/⑩ヒーロー(マライア・キャリー)
2nd.set (黒字:Duet)
①ラブ・ミー・テンダー/②星に願いを/③この世の果てまで/④グッド・ライフ/⑤ほほ寄せて/⑥ローズ⑦スマイル/en.聖夜

アカペラと言っても、楽器の伴奏があるかのように完璧な音程とリズムを保つコーラスのコンサートなどはあるものの、鼻歌のようにゆるいソロやデュオだけのライブは恐らく古今東西無かっただろう。この企画だって、たまたま理想的なホールと理解ある?共演者を得てようやく実現したのだから。

聴いて下った方々のアンケートや感想メールでも「初めての機会でした」「新鮮だった」など、有難いお言葉を頂戴した。え?当日の録音などをブログで聴かせないのかって?いやいや、それこそその場で生の音を聴いて戴いてナンボですから、それを録音で聴かせるのは野暮ってもんでしょう。
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*1:アカペラライブ企画の原点は下記ブログご参照。
アカペラで歌えるなんて凄い? | Saigottimoのブログ
*2:オペラ歌手は身体を楽器の様に使って囁く様な歌でもオペラハウスの奥まで生声で届けることが求められる。
*3:このホールについては下記ブログご参照。
25周年記念Liveは赤坂で11月 | Saigottimoのブログ

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2025年11月24日(祝)、渋谷・SEABIRD。通算8回目(*1)の「なおけいバンドライブ」が15時から開催された。同店で第二金曜日に定例ライブをしているバンドメンバーの(相対的)若手フロント2人組、杉山尚子(ts)と山内恵英(tp)が主役となる“スピンオフLive”も毎年2回×満4年続いたことになる。


【けいちゃん山内恵英(tp)、なおちゃん杉山尚子(ts)】
PROGRAM(各曲名⇒なおちゃん限定公開動画にリンク)
1st set
1 Dat Dere (恵英&尚子)

2金の岩井バンマス(tp)登場。てっきりなおちゃん(ts)とのアンサンブルかと思ったら、けいちゃん(tp)とのラッパ競演とは珍しい!ダブルミュート(消音器)演奏でスタートし、ソロを回して再びミュートで終わるというお洒落な展開だ。

2 All Blues (恵英&岩井千尋)

出雲井さんは「思い出のタネ」という邦題が付いている大人のスタンダードをバースからしっとりと聴かせる。この曲は珍しく歌詞が4番くらいまである。「これらの些細な物が私をして貴方を思い出させる」という歌だから、それこそいくらでも歌詞のネタが作れるのだろう。

3 These Foolish Things (出雲井裕実&尚子)

マッキーは、毎年数回都内某所で公演している“なおけい&マッキー”ライブで定番としている「まるで恋の気分」という曲を杉山尚子アレンジの2管アンサンブルで軽快に聴かせる。

4 Almost Like Being in Love (マッキー&尚子&恵英)

フランスのギタリスト兼ヴォーカリスト、サッシャ・ディステルが器楽曲として作曲した「La Belle Vie (美しき人生)」をトニー・ベネットが英語の歌詞で歌って「The Good Life」としてヒットさせたのでディステルがその英詞を逆輸入して仏訳した曲。私とマッキーが仏英詞で交互に歌ってみた

5 La Belle Vie (Saigottimo&マッキー&恵英)

ヴォーカル3曲の後、再びなおけい2トップに戻ってインスト(器楽演奏)を2曲演奏して前半終了、休憩に入る。ピアノソロにベースソロ、そしてドラムも4バース(4小節ずつフロントプレイヤーとドラムの掛け合い)と、リズムセクションも活躍して2人を盛り立てる

【上:けいちゃん&なおちゃん】
【下:リズムセクションの中川さん(pf)、小島さん(ds)、榎本さん(b)】

6 Beatrice (恵英&尚子)
7 Sack of Woe (恵英&尚子)

2nd set
冒頭のお客様コーナーはケ二ーさん(g)登場。岩井さん(tp)と「So What」。「だからどうした」とでも訳すのかな。

1 So What (ケニーさん&千尋)

ここは本来“ベテランコーナー”として岩井さん&加藤さんの“古狸チーム”枠(2金では逆に“ヤングコーナー”としてなおけい枠)なのだが本日は加藤さんが欠場なのでなおちゃんが一緒に1959年の映画「黒いオルフェ」の主題歌を。

2 Black Orpheus (千尋&尚子)

私は1983年の映画「アウトサイダー」でスティービー・ワンダーが作った主題歌を“ナンチャッテ和訳”の朗読をしてから歌った。この曲は全編4/4拍子のスロー8ビートなのだが、何故だかイントロの2小節目だけが5/4と5拍子になっている。

3 Stay Gold (Saigottimo&尚子)

出雲井さんの2曲目はボサノヴァ。ブラジル在住経験で培ったネイティブ・ポルトギーのボサノヴァは本場モノの香りだ。

4 Outra Vez (裕実&恵英&尚子)

マッキーは2曲目も“なおけい&マッキー”の定番曲。杉山尚子アレンジの2管アンサンブルとのマッチングもカッコいい!

5 Just Friends (マッキー&恵英&尚子)

最後は楽器陣総出で賑やかに締め括った、が、この曲の途中から入って来た外国人のお客様が「encore!」と叫ぶ。どうやら1st.setから居らしている外国人男女のお客様のお連れらしい。なんでもニューヨークでこのお店の情報を得て来て下さったというからSNSの威力は凄いねー

6 St. Thomas (全楽器陣)
岩井さん(tp)が外国人のお客様のアンコールの要望にお応えして「オッケー、オッケー、じゃあオータムソング!」。さて何を演るのかと思えばこの季節にピッタリの「枯葉」が始まった。全楽器陣がこのジャズの超定番曲をたっぷりと演奏して終演となったのでありました。メデタシメデタシ!

En. Autumn Leaves (全楽器陣)

そして次回「TheNAOKAYライブin渋谷⑨」も半年後の5/6(GW最終日)と早々に決定!但し外資系企業で役員秘書のなおちゃんがアラブの王子に見初められてドバイに行っちゃわないか心配だ。私は大谷翔平結婚!と聴いて真っ先に「もしかして、なおちゃん?」とメールしたくらいだからねー

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*1:以前のTheNAOKAYライブin渋谷は下記ご参照。
ライブにおけるスピンオフ作品 | Saigottimoのブログ
お客様のシット・イン演奏凄っ! | Saigottimoのブログ
TheNAOKAYライブin渋谷③ | Saigottimoのブログ
TheNAOKAYライブin渋谷④ | Saigottimoのブログ
TheNAOKAYライブin渋谷⑤ | Saigottimoのブログ
TheNAOKAYライブin渋谷⑥ | Saigottimoのブログ
TheNAOKAYライブin渋谷⑦ | Saigottimoのブログ

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