石貫慎太郎さんの新作オーディオドラマ「リリナとマトカと種泥棒」に出演させて戴いた。私は300歳のウミガメの役だ。日本では古来「鶴は千年亀は万年」と言われているが、動物園での飼育例でも61年生きた鶴、175年生きた亀も居たらしいので実際に300年くらいは生きるのかも知れない。

そして亀なのに台詞があるのは、主人公が動物と会話ができる特殊能力の持ち主だからである。さらに今回の主人公は多重人格者で、全く異なる人格の少女と少年が入れ替わり立ち替わり登場するのだが、これを1人で演じ分ける月宮はるさんのプロ技にもご注目である。

さらに、モノではなく心の中から何らかの感情を盗って種に変えるダンディーな泥棒に優しく逞しい海女さんという個性豊かな面々が時代も場所も分からない舞台で活躍する。まさに石貫ファンタジーの真骨頂ともいえる大作で、聴き終わった後に心温まる余韻が残る点もKoto☆Hana作品らしい。

「リリナとマトカと種泥棒」【約53分間】クリック!

■スタッフ

原作/脚本/音楽/編集:石貫慎太郎

エンディング・テーマ:「別れの秋

ヴァイオリン&ピアノ演奏:Au Bonheur(オーボヌール)

作曲/編曲:石貫慎太郎

■キャスト

ナレーション:​中田真由美
リリナとマトカ:月宮はる
泥棒のクラスティ:能登洋宇
海女のアスミ:山木梨花

ウミガメ:Saigottimo (開始から約20分後に登場)

Saigottimo

2024年8月9日(金)、渋谷・SEABIRD第二金曜(2金)ライブ。今回のテーマは「C'est Si bon いいねいいね(感動とは何か) 」これはパリ五輪に因めているのだろう。パリは日本とは時差-7時間だから日本選手団の活躍によって連日TVで五輪観戦をして寝不足という人も多いのではないだろうか。


【中川さとし(Pf)、小島幸三(Ds)、岩井千尋バンマス(Tp)、榎本任弘(B)、加藤求実(Ts)】

そしてこの日は宮崎勝央(as)プロも遊びに来てくれた!
PROGRAM(各曲名⇒けいちゃん限定公開動画にリンク)
1st.set
1 C'est si bon (千尋&求実)
2 You’re My Everything (山内恵英&求実)

3 Slow Hot Wind (出雲井裕実&宮崎勝央)

4 It’s Like Reaching for the Moon (裕実&勝央)
5 Estate-1 (裕美&勝央)
ここで動画が2つに分かれているのは、まさにこの曲の演奏中に神奈川県西部で大きな地震(震度5弱)が発生し、店中のスマホが一斉にブーブー鳴り、この動画を撮影中の恵英ちゃんのスマホも緊急地震速報を受信して録画が一旦停止したからだ。店も揺れたが演奏者は気が付かなかったようだ。
5 Estate-2 (裕美&勝央)
6 Pretty Eyes (千尋&求実)

7 Voyage (千尋&勝央&求実)

2nd. set
1 Bouncing with Bud (恵英&勝央&杉山尚子)

2 No Problem (千尋&尚子)

3 Beyond the Sea (Saigottimo&千尋)

私はボビー・ダーリンが1960年に全米6位にした「Beyond the Sea」この曲はシャルル・トレネの「ラ・メール (La Mer)」の英詞版だからフランス由来(*1)。バンマスのソロを挟んで仏語と英語で歌った。イントロとエンディングは榎本さんのベース・ソロをフィーチャーしたのだが…。
4 Lotus Blossom (裕美&求実)

5 My Little Suede Shoes (裕実&勝央&尚子)

6 Sister Cheryl (千尋&求実)
7 Blue Monk (全ブラス陣)

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*1:この楽曲については下記ブログご参照。
「ラ・メール」は“母なる海”か | Saigottimoのブログ

Saigottimo

2024年8月2日(金)、渋谷SEABIRD第一金曜(1金)ライブ&セッション。先月は回文砲を警戒しながらのライブだったが(*1)、今月はレギュラーフロントなので大丈夫。1st.setは「Little Niles」「Con Alma」、Berkshire Blues」を挟んでLitttle Susan」とランディ・ウェストン (pf)特集

【十河さん(pf)、岩渕さん(ds)、本多バンマス(tp)、萬造寺さん(b)、御子柴さん(ts)】
私はジャス屋ではないので知らなかったが彼はアフリカ系アメリカ人で曲調もアフリカ色が強いらしい。1金は「ライブ&セッション」と謳っており2nd.setからセッション(*2)に突入。上代一宏さん(ds)が入り、ノブ高橋さん(as)が持参した「Samba Cantina」を演奏してヴォーカルタイムに。

  【上代さん(ds)とノブ高橋さん(as)】
ヴォーカルトップはマッキーこと牧かおるさんの「Emotional Dance」。若い世代は“夏といえばボサノヴァ“なんだね。続く中村美津子さんはアップテンポの「Just In Time」、さすがのグルーヴ感で2コ―ラス目もスキャットでドラムとの4バース(*3)をこなしスインギーで楽しい。

益田伸子さんは「How Long Has This Been Going On」をバラッドでたっぷり聴かせる。続く私はハワイアンの「I’ll Remember You」。そして私が“MCの師匠”と仰ぐ大津晃子さんは今の世界が必要としているのはまさに愛だと「What The World Needs Now Is Love」というバカラックの曲。

♪I’ll Remember You … 2024年8月2日、渋谷・SEABIRD1金ライブにて♪(*4)

ヴォーカルのトリは“お祭り男”の柳田勝史さんが「Can’t Take My Eyes Off You (君の瞳に恋してる)」を本多バンマスのブラスアンサンブルでブチかますと、客席は立ち上がってトゥールッ、トゥールッ、トゥールッ、トゥットゥットゥ「フォーッ!」と呼応する。店内はもう“夏フェス”状態だ。

そしてインストゥルメンタル(楽器演奏)で「Tenor Madness」を挟んで、最後はランディ・ウェストンの曲で最も有名だという「HiーFly」でバンドの面々も弾ける。下記の動画を観ると御子柴さんだけがおどけているように見えるが、店の後ろではお客さんも立って一緒に踊っている。



いやはや、1金って、こんなバカ盛上りするようなライブだったっけ?ママがお店の照明を明滅させたり岩渕さんのエネルギッシュなドラムソロに鼓舞されたりという事もあるだろうが、やはり記録的な猛暑で誰もが鬱々とした日々を過ごしているものの、本当はみな夏には弾けたかったのだろう
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*1:先月のライブは下記ブログご参照。
一瞬の隙を突く恐怖の回文砲! | Saigottimoのブログ
*2:ライブとセッションの違いは下記ブログご参照。
ライブ/セッション/シットイン | Saigottimoのブログ
*3:フロントプレイヤー(管楽器奏者など)とドラマーが4小節ずつソロ演奏すること。1セット8小節になるので1コーラス32小節なら4セット繰り返す。2小節ずつの場合は2バース、8小節の場合は8バースという。
*4:この楽曲については下記ブログご参照。
エンドレスサマー・イズ・ゴーン | Saigottimoのブログ

Saigottimo
2年前に公開された石貫慎太郎さんのオーディオドラマ「旅立ちの灯」(*1)のリメイク版が今晩公開された。脚本の一部や効果音等がリメイクされているらしい。「らしい」というのは私は台詞変更がなく再録してない事と、恥ずかしながら聴き直しても私には変更点が分からなかったからである。

しかし原作から脚本、音楽、映像に至るまでの全スタッフワークを担っている石貫さんにとっては公開後も気になる点があったようだ。その結果、一部の台詞変更や効果音(カエルや鳥の声等)の再集録、設定季節の変更、音楽の編曲修正や映像の変更、編集まで、とことん拘り抜いてリメイクされた。

そして“違いが分からない男”の私でも明らかに分かる点は、歌子を演じていた南春奈さんが育休に入ったため、本作では月宮はるさんが歌子を演じている点である。はるさんは本作がKoto☆Hana初登場で春奈ちゃんとはまた違った歌子像が聴ける。いやぁそれにしてもプロの声優さんって、凄い!

「旅立ちの灯」【約28分間】←クリック!
■スタッフ
脚本/制作/音楽/ギター演奏:石貫慎太郎
篠笛:笛吹かな
ホーメイと打楽器:Sabmarine
ヴァイオリン&ピアノ演奏:Au bonheur(オーボヌール)

■キャスト
ナレーション:中田真由美
歌子:月宮はる
八朔:能登洋宇
詩織:山木梨花
勝山先生:Saigottimo (開始1分過ぎから登場)
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*1:2年前に公開した際のブログは下記ご参照。
今度は窯元(陶芸家)なんですよ | Saigottimoのブログ

Saigottimo
2024年7月12日(金)、渋谷・SEABIRD第二金曜(2金)ライブ。今回のテーマは「夏の思ひ出」。♪夏が来れば思い出す~♪と歌いたいところだが、この日は大雨だし、そもそもまだ梅雨明け前なんだよねー。今年も昨年のような猛暑になるという予報もあるから夏本番はこれからだ。

【中川さとし(Pf)、小島幸三(Ds)、岩井千尋バンマス(Tp)、榎本任弘(B)、加藤求実(Ts)】
PROGRAM(各曲名⇒なおちゃん限定公開動画にリンク)
1st.set
1 So What (千尋&求実)

2 Remember (杉山尚子&求実)

1st.setの出雲井さんは1930年代のスタンダードなどをサラリと披露してくれる。どの曲も私は聴いたことはないが、とても良い曲ばかりで、こういう曲こそ、まさに“Oldies but Goodies“ということなのだろう。

3 A Ghost of a Chance (出雲井裕実&千尋)
4 Acaso (裕実&千尋)
5 Summer Night (裕美&求実)

そして次の曲は岩井バンマスの言葉で語ると「我々が(昨夏)しでかしたこと」。一体何をしでかしたのか分からないが本日のテーマでもある思いをバンマスがソロで奏でる

6 Things We Did Last Summer (千尋)
7 Pretty Eyes (千尋&求実)
Intermission(Sit-in time)
途中からお店に入って来たカップルのお客様の女性が歌える人だということが分かり、急遽、休憩時間に歌ってもらうことに。「Summertime」を英語で歌ったところでバンマスが母国を尋ねると日本で働くフランス人との事。「じゃあ『枯葉』を歌ってよ!」と無茶振りの2曲目。

Summertime (お客様)
Les Feuilles Mortes 枯葉 (お客様)
持ち歌じゃなかったらしくスマホで歌詞を検索して歌ってくれた。私が知っているフランス語は「アザブジューバン、ドジョーマンジュウ、サンカンシホーン(麻布十番泥鰌饅頭三寒四温)」くらいだが(それフランス語じゃないって?)、う~ん、さすが本場モンのフランス語は違うのぉ。
2nd. set
2nd.setの冒頭はいつもなら杉山尚子&山内恵英のナオケイコンビによる(相対的)若手フロントコーナーだが今日はケイちゃんが欠場なので岩井バンマス&尚ちゃんコンビで。

1 Hush a Bye (千尋&尚子)

先月欠場したマッキーこと牧かおるさんは、このところの快晴日にひっかけて「On a Clear Day」だったのだが、この日はあいにくの大雨。でも彼女の歌唱は実にクリアだ。

2 On a Clear Day (マッキー&千尋)

私は七夕にひっかけて「Stardust (星屑)」(*1)を“なんちゃって和訳詞“の朗読から歌わせてもらった。作曲者のホーギー・カーマイケルが役者として米国TVドラマ「ララミー牧場」にレギュラー出演していたらしいという話をしたら、お店のママが彼の出演シーンを覚えていた。凄い!

3 Stardust (Saigottimo&千尋)
下記はヴォーカリストの位置から撮ったバンドメンバーの写真。みな良い顔して演奏してますねー!


出雲井さんの2nd.setは、私のStardustにひっかけて「貴方に星を買ってあげる」という歌だという。この曲も私は初めて聴いたが戦前の古い歌らしい。さすが出雲井さんは様々な引出しを持ってるなぁと改めて敬服するしかない。

4 I’ll Buy You a Star (裕美&求実)

5 Come Rain or Come Shine (全ブラス陣)
ライブの最後はいつものように全ブラス陣で賑やかに。この曲の邦題は「降っても晴れても」だが、バンマス曰く「矢でも鉄砲でも持って来いという歌」との事。なるほどね!
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*1:この楽曲については下記ブログご参照。
スターダストに何故ヴァース? | Saigottimoのブログ

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2024年7月5日(金)、渋谷・SEABIRD第一金曜(1金)ライブ。今日は本多バンマス(tp)と御子柴さん(ts)が欠席でバンマスの弟、健二さん(tp)と“回文王“こと横地さん(ts)というフロント陣。横地さんが話し始めるとつい身構えてしまう私を見て「ちょっとぉ、回文じゃないですから・・・」。


いやいや、横地さんは隙あらば回文を作って飛ばしてくるのでとても油断は出来ない。御子柴さんのダジャレなら聴いてからでも「あはは」と笑ってゆる~く流せるが回文が飛んでくると左脳が勝手にフル回転させられメッチャ消耗するので、つい防護姿勢で身構えてしまう。ところが…

【十河さん(pf)、岩渕さん(ds)、横地さん(ts)、萬造寺さん(b)、本多さん(tp)】
インスト(歌無し)で「Off Season」「Everybody’s Song But My Own」「Wabash」と3曲演奏したところで「ではここでヴォーカル行きましょう『It Don't Mean a Thing』は誰ですか?」「え、ここで? あ、はい!」すっかり2nd.setだと思って油断していて不意を突かれた。いかん!

私は先月に続きマッキーとDuetで「スイングしなけりゃ意味ないよ (It Don’t Mean a Thing)」を初演するのだが回文に気を取られて急に出番となり慌てて録音を忘れてしまった。だから「上出来だった」と書いても分からないが、正直言うとマッキーは磐石だったものの私はう~んだった。

      【パニクる私と余裕のマッキー】
私はここ1か月この曲だけを練習し、さらにトニー・ベネットとレディ・ガガのDuet分担を歌詞カードにして見ているのにちゃんと歌えない。でもマッキーはこの曲以外にも数曲の新曲を抱えていて「歌詞も全く頭に入っておらず雰囲気だけで歌った」と言うから、やっぱり実力がレべチなんだネ。

続く大津晃子さんは「Stars Feld on Alabama (アラバマに星堕ちて)」。この曲はメロディが美しく、正に古き佳き時代の名曲で私も大好きだ。私が“MCの師匠”と仰ぐ彼女は、1930年代にアラバマ州に“しし座流星群“が降り注いだことがこの曲の由来になっているとMCで教えてくれた。

ここで突然、回文砲が炸裂した「夜アラバマまばら有るよ(よるあらばままばらあるよ)」うわーっ、直撃弾喰らったー!!1金ライブはスケジュールに「セッション」とも謳っているので、この日はピアニストにトランペッターも参加して「I Hear a Rhapsody」「Billie’s Bounce」で1st.set終了。

すると休憩時に回文王が「(ステージの)奥には何故か風が来るんだよねー」と言うが早いか「風流れ誰が何故か(かぜながれだれがなぜか)」とまたもや回文砲が飛んできた。でも何とか事前に空気の流れ(コンテキスト)を読んで身構えていたので不意の直撃被弾は免れた。フーッ、危ねぇ~怖ぇ~

そして2nd.setはヴォーカルタイムからスタート。トップは中村美津子さん「Lullaby of Birdland (バードランドの子守唄)。2番手は今度はソロでマッキーが「On a Clear Day。そしてトリは“1金の美空ひばり”こと益田伸子さん登場…とその時、中村美津子さんから声がかかった。

♪Happy Birthday to You!♪の歌声と共に中村さんからバースデーケーキとお客様から花束が渡され「うわぁ、嬉しいー!」と喜ぶ翌日が誕生日の益田伸子さんは「When You Wish Upon a Star (星に願いを)」を歌う。ここでまた回文砲炸裂!「伸子は祝い運ぶの(のぶこはいわいはこぶの)」

横地さん「で、どんな願いを星にかけたの?」益田さん「えーと、いろいろと...」すかさず「願い多いがね(ねがいおおいがね)」今度は何故か名古屋弁で回文砲。怒涛の連射だ。


いやあ、油断も隙もありゃしない。なんて気の抜けないライブだ。ラストはセッションの定番曲でもある「Stella by Starlight(星影のステラ)」をインストで演奏して賑やかに終演。この日は相当警戒していたのに、結局、回文砲の直撃を何発も浴びてしまった。ああ、回文王、恐るべし!


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石貫慎太郎さんの新作オーディオドラマ「縄文からの贈り物」に出演させて戴いた。本編は、あのイタコ探偵の第3弾であり私はイタコ探偵こと夏目卵朗。今回もマネージャーのナナオとの迷コンビで“宝の地図“を巡る事件?に巻き込まれる。果たして地図は本物か、お宝は見つかるのか・・・。

“宝の地図“といえばスティーブンソンの小説「宝島」や「徳川埋蔵金」「ナチスの財宝」などフィクション、ノンフィクションを問わず古今東西で多くの人々を魅了し、繰り返し新聞やテレビ等で話題にもなってきた。また今どきのコンピュータゲームにおいても重要なアイテムとして登場している。

古代より難破船や遺跡の中から宝物を見つけ出すことに生涯をかけたトレジャーハンター達は今も世界中に存在しているし、彼等は私財の全てを投じて、まさに人生をかけて真剣に宝探しをしている。“宝の地図“というものは、ある意味で“歴史ロマン“の一種なのかも知れない

「縄文からの贈り物」【約45分間】クリック!

■スタッフ

原作/脚本/制作/作曲/ギター:石貫慎太郎

エンディング・テーマ:

「かごそとのぴーぽっぽのワルツ」

 ヴァイオリン:鈴木淳一郎

 作曲/編曲/ギター:石貫慎太郎

■キャスト

ナナオ:南春奈

青年:能登洋宇
姉:山木梨花
由奈:​中田真由美

タマさん:Saigottimo (ほぼ冒頭から登場)


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最近はニュースのスポーツコーナーでも「まずはメジャーリーグから・・・」と大谷翔平のホームランを報じるし、NHKのMLB中継を見る人も増えただろう。そこで気になるのが画面表記だ。選手の名前をカタカナに訳すのはともかく、その日の打撃成績などは現地表記のまま楽しみたいものである。


しかし問題は野球用語における和製英語の氾濫だ。例えば前の打席が四球なら表記は「BB」。これは「四球はフォア・ボール(Four Ball)ではなくBase on Balls (つまりBB)」だからだが殆どの日本人は理解できないだろう。また「死球はデッド・ボール(Dead Ball)ではなくHit by Pitch」だ。


英語がダメで工学部に行った私が言うのもなんだが、これは一種の専門用語なので、英語の達人でも野球のプロでもダメで“野球英語“を知らなければ分からない。そして英語や野球の本は山ほどあるのに“野球英語の本“は、私が知る限り半世紀も前の1975年に発行された「野球英語教室」しか無い


   【この本は既に廃刊で改訂版も無い模様】
フォア・ボールもデッド・ボールも四球や死球の英訳であり和製英語だ。他にもツーベースヒットやスリーベースヒット、ランニングホームランなども和製英語であり本場では通じない(*1)。そして日本で(ほぼ唯一)和製英語と認識されている「ナイター」は、逆に和製英語ではないとの事である。


同書の「ナイター (NIGHTER)」の項にはこう書かれている。「(前略)プレス・クラブで米人記者がいい始め、読売新聞社会部記者が記事に使って普及するようになった(後略)」。つまりスポーツ記者の略語なのでアメリカでは知らない人も多く日本の方が普及度が高いらしいが、和製英語ではない

この本の著者は元セ・リーグ企画部長の故・八木一郎氏で、彼は“パンチョ”こと元パ・リーグ広報部長の故・伊東一雄氏と並ぶ大リーグ通だった。彼等のように野球にも英語にも明るい人にしか著せない本だが、彼等が両リーグの広報担当時代にもっと本場の野球英語を普及させて欲しかったと思う。


そしてこの和製英語問題は野球に限った事ではないようだ。現在、日常的によく使われている「ベビー・カー」や「キャリー・バッグ」「インバウンド(訪日外国人の意で)」なども和製英語で英語圏の人々には全く通じないらしい(*2)。誰が作るのか知らないが、和製英語の問題は何とかならないものか?
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*1:本件については下記ブログご参照。
英語とジャズと野球の共通点は | Saigottimoのブログ
・スリーベース・ヒット⇒triple、ランニング・ホームラン⇒inside the park homerun
*2:ベビー・カー⇒stroller、キャリー・バッグ⇒roller bag, trolley case、インバウンド(訪日外国人の意で)⇒foreign tourist, visitor

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前回1/700モデルの海洋ジオラマが出来た(*1)ので、いよいよ仕上げだ。まず1/350モデル用のケースも百均で見つけて買ってきた。斜めにしてギリギリ入る大きさだし400円(税込440円)するが、これより大きいとビニール製でも千円以上するから有難い。暖色系の色画用紙で台紙も作った。


残るは、キットにはない①甲板周囲の手すり&②マスト等に張る電線、だが①は諦めた。支柱と鎖を別々に作るのは骨だし「艦船モデル用共通エッジ(金属)パーツ」を買って塗装し瞬間接着剤で取り付ければ楽だが高価なので。②は「空中線」とも呼ばれ釣糸でも代用できるが手元には無い

元イラストレータでモデラーでもある岩渕泰冶さん(ds)に相談し、お金がかからない「延ばしランナー」を使うことにした。これはロウソク等で熱したランナー(プラモデルキットの枠)を両手で一気に伸ばして何本も作った。薄灰色なので黒く塗れば電線、塗らねば旗索(信号旗掲揚ロープ)になる(*2)。

  【左:延ばしランナー、中:空中線&碍子、右:旗索】

空中線は(艦船モデル自体も)初めてなので何度も切れては張り直した。箱絵を見ると電線の本数は多いが、ここは最低限の本数にした。また電線同士が接続する部分は碍子を模して接着剤を玉にして白く塗った。実際の旗索はマストから滑車でループ状のロープを吊るが2つ折りでそのまま接着した。


やはり線を貼るだけで艦船モデルは俄然リアリティが増すものだ。最後にウェザリング(風化)手法を駆使して「船体のサビ」と「艦底の潮汚れ」を付けて老朽感を出した。艦船モデルの権威チョートク氏は「ウェザリングというとつい黒くしがちだが艦船はむしろ潮水の影響で白っぽくなる」との事。

とはいえ少し白くし過ぎたが、溶剤で拭くと全部消え白を塗ると真白になって丁度良く白く汚すのは難しい。しかも船体のグレイはラッカー系塗膜で船底の赤茶はアクリル系塗膜なのでウェザリングで使える塗料はエナメル系しかない。あぁ、ケチらずに船底もラッカーにしておけば・・・後の祭りだ。

ともあれ私が構想した駆逐艦“雪風”のイメージはこれで完成した。1/350モデルは「幾多の戦いの末に老朽化して勇退し記念館に展示されている姿」をフルハウで表現し、1/700モデルは「戦時中に大海原を疾駆する雄姿」を海洋ジオラマで表現した。例の写真を動かすアプリ(*3)での動画は下記。


【↑スクリューが攪拌した水泡も動かした】
今回の製作を通じ、昨年プラモデル講座で習ったイマドキの道具の使い方やウェザリング手法など数々の技法が実際に役立った。そしてそれ以上にオオゴシ講師の「プラモデルに正解はない」「観察力と想像力が大切」「失敗しても必ずリカバリ可能」等のアドバイスは大いにためになった(*4)。

また軍艦製作に際しては海軍や艦船の歴史を勉強する機会となった。“奇跡の強運艦“と呼ばれる雪風は大戦を唯一生き残ったが言い換えれば殆どの僚艦を看取ったのだ。史実を知れば知るほど“雪風”は軍国主義に走った“日本の悲劇のシンボル“でありこの模型はそのモニュメントともいえるだろう
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*1:海洋ジオラマの製作については下記ブログご参照。
駆逐艦“雪風”海洋ジオラマ製作 | Saigottimoのブログ
またこれまでの経緯は下記ブログをご参照。
奇跡ノ駆逐艦雪風構想二着手ス | Saigottimoのブログ
駆逐艦“雪風”ノ製作構想決定ス | Saigottimoのブログ
駆逐艦“雪風”組立塗装ヲ完了ス | Saigottimoのブログ
*2:海軍旗(旭日旗)は停泊中は艦首か艦尾に、戦闘中はマストに掲揚するとのこと。
*3無料で利用可能なstoryzというスマホアプリ。SE(効果音)を付けた動画はこちら(容量制限により外部リンク)
*4:プラモデル講座とオオゴシ講師については下記ご参照。
シニア向プラモデル講座発表会 | Saigottimoのブログ
オオゴシトモエ「今日もHOBBY日和」

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駆逐艦“雪風”の製作も1/700モデルの海洋ジオラマを残すのみ(*1)。このモデルでもウォーターライン(喫水線迄製作)とフルハウ(艦底も製作)を選べる。海洋ジオラマだから最終的にはウォーターラインにするのだが、一応フルハウで艦底まで作って台座に載せ、百均で買ったケースに飾ってみた。

    【1/700のフルハウはさすがに小さい】
海洋ジオラマはレジン(透明の液体で紫外線照射でガラス状に硬化)やジェルメディウム(アクリル樹脂)等を彩色するのが一般的だが高価で本格的だからNG。そこでYoutubeを検索しアルミホイルをクシャクシャにして海面に見立てアクリル絵具で彩色するという、安価で非本格的な方法を採用した。

でもアクリル絵具が無いので次男が子供の頃に使ってたポスターカラーで代用、白波は木工用ボンドに混ぜる重曹が無いので漂白剤の粉で代用。海面の濡れた感じは百均のラッカーを吹く事に。“何事も本格的にやらない”がモットーとはいえ、代用品だけでどこまで出来るか不安だった。

もはや半分以上固まっている古いポスターカラーの緑や青を絞り出してはホイルの上に塗り重ね、漂白剤の白粒だけをボンドに混ぜた。航走波(船が作る波)の特徴をYoutube で観察し、ピンセットで摘んで作った凸部に塗って白波も作った。ふぅ、手間暇かければここまではできるということだ。

早速ホイルをカットし薄手の段ボールに貼り、喫水線より上の船体を載せてみると「おぉ、結構イイネー!」ケース内で段ボールごと入れ替えて船体上部も付け換えればフルハウとジオラマどちらも楽しめる。さらにいま話題の“写真を動かすアプリ“(*2)で動画を作ると下記のように海が動くのだ。


早速、長男に見せたところ「う~ん、これだけでも充分凄いけどさ、でも折角フルハウも作ったんなら海面下まで作れば両方見せられるんじゃね?つまり上から見れば海面とウォーターライン上の艦船で、下を覗くと艦底まで見えるよね?ケースの高さは充分余裕あるしさ」う~ん、そう来たか・・・。

おーし、やったろーじゃねーか!百均でカラークリアホルダーを購入。材質的に接着剤が効かないので両面テープを使い、青と緑で海面下(に見立てた空間)を作った。底面にアルミホイルを敷きスクリューからは水泡が噴出しているように見せるために脱脂綿を千切ってスティック糊で貼り付けた

さすがにこれで長男も海洋ジオラマについては納得したが、「あとさ、大きい方(1/350モデル)のマストからの電線とか甲板周囲の手すりは付けないの?」えぇ~っ?それらはキットには含まれてないぞ。まあベランダ上の補修用角材もキットには無かったナ。う~ん、じゃ、あともう一息頑張るか

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*1:これまでの経緯は下記ブログをご参照。
奇跡ノ駆逐艦雪風構想二着手ス | Saigottimoのブログ
駆逐艦“雪風”ノ製作構想決定ス | Saigottimoのブログ
駆逐艦“雪風”組立塗装ヲ完了ス | Saigottimoのブログ
*2:storyzというスマホアプリ。無料でダウンロード出来て簡単に使える

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