2024年9月23日(祝)、東京ステーションギャラリーで開催していた「空想旅行案内人ジャン=ミシェル・フォロン」展を最終日の今日観てきた。大規模な展示会としては30年ぶりとのことだったが、本当に懐かしかった。フォロンは1970年代、私が中学や高校の頃に夢中になった画家である。


私は写実的なコローの風景画やシズレーが描く空も好きなのだが、印象派のデュフィやそれ以降の現代アートが比較的好きである。シュールレアリズム(超現実主義)のマグリットや抽象画のカンディンスキーやミロやクレーやモンドリアン、ポップ・アートのアンディ・ウォーホルなどだ。

なかでも私が一番好きな画家はルネ・マグリットなのだが同じベルギー出身のフォロンやポール・デルヴォーも大好きだ。何故か不思議だが出身が同じベルギーのこの3人の画家に共通しているのは、作風が“静か”であることだ。かなり奇抜で衝撃的な画風なのに“静寂”な空気が流れている。

上の絵(ギャラリーの出口にあった壁絵)はどちらも奇妙で不気味ですらあるのに、なぜか美しく“静寂”に満ちている。これはマグリットのシュールな画風もまさにそうだし、デルヴォーの幻想的な美女達にも通じるから、やはりベルギーという国が持つ風土や空気なのだろうか?

フォロンは若くしてパリに移住したが芽が出ずアメリカの雑誌で注目されてメジャーになったらしい。かのヒロ・ヤマガタも米国の東海岸では全く振るわず気が滅入ってしまったのに西海岸に移ったら気が晴れて急に売れ出したというから、やはり風土が個人に与える影響は大きいのかも知れない。

よく“水が合う”などというが、これは画家に限らずスポーツ選手の移籍や会社員の異動、住居の移転等も同じで本人の資質や性格が生きる場所、ヒトや風土との相性というものも大きいのかも知れない。久しぶりに好きな画家の作品に触れそんな事を考えた。嗚呼、私もトシを取ったという事か?

Saigottimo