やぶかのはなし
- 栗原 毅, 長 新太
- やぶかのはなし -どきどき☆自然
27P/26cm/福音館-かがくのとも傑作集/1994/読み聞かせにかかる時間-約6分/季節-やぶ蚊の出てくる夏
標題の通り、やぶ蚊の生態を描いた作品です。血を吸うのはメスだけで、オスは甘い果物の汁が大好きだとか、蚊の卵を産む場所は水のあるところだとか、やぶ蚊にも色々な天敵がいるのだとか、色々と豆知識が増えて面白い絵本です。読んでいるうちに、自分がむずかゆくなってくるし、この絵本を読んだからていって、やぶ蚊か好きになる人はいないと思います。
季節感のある科学絵本というのは稀少な上、中学年以上の子ども達は、興味津々で真剣に聴いてくれるので、毎年、この時期に読み聞かせをしているのですが、年々アレルギー傾向の強くなってきている私は、年々苦手な絵本になっています。
ぐりとぐらのかいすいよく
- なかがわ りえこ, やまわき ゆりこ
- ぐりとぐらのかいすいよく
32P/20×27/福音館/1978/読み聞かせにかかる時間-5分程度/季節-海水浴の出来る時期
ぐりとぐらにはたくさんのシリーズ本が出ています。福音館書店のぐりとぐらのページ に、色々なぐりとぐらが紹介されています。一番よく読まれているのは、もちろん『ぐりとぐら』でしょう。あのおいしそうなホットケーキは、多くの人の子ども心を今でも魅了し続けています。次に読まれているのは、『ぐりとぐらのおきゃくさま』でしょうか。誰だろうと思っていたらお客様が、サンタクロースだったなんて、うれしいに決まっています。
さて、今回紹介した、『ぐりとぐらのかいすいよく』もよく出来ています。季節性が強すぎて、なかなか読み聞かせなどでお目にかかることができないのが欠点かも知れません。図書館に借りに行っても7月はほとんど貸し出し中ですからね。春が過ぎ若葉の頃を過ぎると梅雨になって、梅雨明けと同時くらいに夏休みになってしまうので、手にとることができた人はラッキーかも知れません。
ところで、この作品に出てくる「うみぼうず」は、人間の姿をしています。ぐりとぐらという野ねずみが主体になると、自分達と異種なる生き物=人間になってしまうって事でしょうか。そういえば、サンタクロースも完璧に人間のおじいさんでした。森の動物が友達なのに、ぐりとぐらにイルカ泳ぎを教えてくれる「うみぼうず」が人間って、大人の私には、ちょっと理解の範囲を超えています。
うしろにいるのはだあれ
- まつい のりこ
- うしろにいるのはだあれ
26P/19×19/童心社-よんでよんでの絵本シリーズ/読み聞かせにかかる時間-1分/季節-なし
「大きな木 うしろにいるはだあれ?」と左半分に文章。右半分は、大きな木ときに隠れたけど、羽がちょっと見えている小鳥の絵。次のページは、もちろん「鳥!ぴぴぴぴぴ」と書いてあって、小鳥が空を飛んでいる絵になっている。
子ども達は、絵本の中に隠れているキャラクターを探すのが大好きだ。難しすぎず、簡単すぎず、意外な隠れキャラに大喜びする。
- きもと ももこ
- うずらちゃんのかくれんぼ
- 五味 太郎, ミア・リン・ペリー
- きんぎょがにげた―英語版
『うずらちゃんのかくれんぼ』や『きんぎょがにげた』も、同じ傾向の絵本だろう。基本は同じなんだけど、絵が美しかったり、可愛らしかったり、少しずつ違ったところに工夫がされている。結末が判っているから、覚えるのも簡単である。文字が読めなくても読むことの出来る絵本ということができるかな。
こんなお子様絵本だけど、1・2年生は意外にも真剣に聴いてくれます。予測が出来るから、安心できるのかも知れないですね。そして、エネルギーが余っているから、「かたつむりだぁ。」「違うよ、アリ!」と会話も弾みます。
夏休みの課題図書-③
またまた、第52回青少年読書感想文全国コンクール
で、取り上げられている作品の紹介。
今回は、高校生の課題図書。40代の主婦には「これを読みなさい」と指導してくれる先生もいないから、最近は、気に入った作品を手にとって読むばかり。最初の数ペーシを読んで気に入らなければ、続きをよまなければ良いことなので、本当に我侭な読書三昧の日々を重ねていた訳です。
ミステリーは、頭を使うから嫌い。時刻表や観光地を舞台にした作品も苦手だし、恋愛小説もドロドロして嫌い。強いて言えば、ハッピーエンドで終わる冒険物語が好きで、意外とハウ・トウー本なんかも嫌いじゃない分野かも知れない。ベストセラーも出来るだけチェックするようにしているので、『電車男』や『生協の白石さん』も『博士の愛した数式』も楽しませてもらったものです。
この偏り方のお陰で、読み聞かせボランティアにまつわるハウ・トウー本も何冊も読めたし(ちゃんと理解して実践しているかどうかは別ですが)、絵本や昔話に児童書を読むことも楽しめているのですが、さすがにここ数年の偏り方は、尋常じゃないかも・・・と危機感を抱くようになってきました。
リハビリ半分、最近の子ども達が呼んだほうが良いと世間で言っている作品がどんなものかを知りたいという興味半分で、課題図書に手を染めたというのが、本音かも知れません。
- ケヴィン ヘンクス, Kevin Henkes, 代田 亜香子
- オリーブの海
主人公は、12歳の思春期に入りかけた少女。いきなり同級生が交通事故で死んでしまって、そこから「死」というものを大人の視線で見るようになる。奇しくも、夏休みに入り、父親の実家に遊びに行くことになり、祖母との交流や幼馴染との淡い恋を経験し、生きていることの苦しさや成長することの意味を探りつつ、少しだけ少女が大人へと成長する過程を描いている。
気に入った作品を読んでいると、つい自分が過去に読んだ作品の中に、似たような作品を思い出しダブらせて、読むという癖がある。この作品も、結構気に入ったという事なのだけど、ここで思い出したのは
- 梨木 香歩
- 西の魔女が死んだ
である。多感で母親がちょっと持て余す少女。別世界に住んでいるような祖母の存在と交流。この二点が非常に似ているのである。私はといえば、ちょうど少女達の母親という年齢なのだけど、若返ることが不可能である現実感からか、年をとったら、ここに出てくるおばあさんたちになりたいと思うことが多くなってきた。そうそう、.カニグズバーグの『クローディアの秘密』に出てくるフランクワイラー夫人というお金持ちのおばあさんも魅力的だったなぁ。
- E.L.カニグズバーグ, 松永 ふみ子, E.L. Konigsburg
- クローディアの秘密
不思議なことに、この三人のおばあさん達は、いつ、神様に召されてもおかしにない位の年齢なのに、時として思春期の女の子たちよりも、みずみずしい感性を持っていて、生きることの素晴らしさを知っているのだ。子供達の何倍も年をとっているのに、「知らない事が山ほどあり」「好奇心は子供達以上に旺盛」で「年寄りの癖にいやに柔軟な思え」を持っている。児童書に出てくる賢者のようなイメージに近いのかも知れない。
ともかく、こんな人がそばにいれば、どんな困難もするりと通り抜けることが出来てしまうかもしれないという期待を抱かせてくれるのがいい。実際は、おばあちゃん達は手取り足取り指導してくれる訳ではなく、おばあちゃん達と接した少女達は少しだけ成長して自分の家庭に戻って、日常生活を営むことになるのだけど、おばあちゃん達と接する前の日常生活とは、明らかに何かが違う感じの日常に希望が見えるようになる。
結論を言ってしまえば、自分が何にでもなれる可能性のある素晴らしい人間になるのも、どこにでもいる平凡な大人になるのも考え方一つだよって事なんだけど、それを、悩んだりする過程や、克服してポジティブシンキングに転換する過程を見るのが好きなんだろうな。私の中では、この作品はハッピーエンドであり、楽しめる作品だったことは確かかな。ただ、主人公が思春期の女の子っていうことを考えると、男の子には向いていないかもしれないな。
夏休みの課題図書-その②
今日の記事も第52回青少年読書感想文全国コンクール から何冊か紹介します。
- 中山 千夏, 和田 誠
- どんなかんじかなあ
31P/27cm/自由国民社/小学校低学年対象の読書感想文用の絵本
目の見えないまりちゃんになったつもりで、目をつぶってみた。どんなかんじかなあ。たくさんの音が見えた。
今度は耳のきこえないさのくんの真似をして、耳栓をしてみた。どんなかんじかなあ。母さんのほくろの数まで見えるようになった。
きみちゃんの両親は、神戸の大地震で死んでしまった。自分の両親がいないことを想像してみた。て゜も判らなかった。そして、どんなかんじか、きみちゃんに聞いてみた。そしたら、きみちゃんが僕に「動けないってどんなかんじ?」って聞くんだ。車椅子で過ごしている僕、色々なことを考えているみたいだ。ついでに、動けるってどんな感じか考えてみよう。
障害者の立場に立ったらどんな感じなんだろうということを絵本にまとめているようです。ごめんなさい。この絵本、嫌いです。色々な立場になることを考えている主人公の男の子が、最後に車椅子に乗っている絵で終わるのですよ。健全な子どもが障害者に対して想いを馳せるならともかく、ちょっと救いようがない感じがするところが、苦手です。
- 後藤 竜二, 高田 三郎
- 紅玉
31P/25cm/新日本出版社/小学校中学年対象の読書感想文用絵本
りんごの季節になると話す父の思い出話です。1945年秋。終戦直後のりんご畑には、たくさんの実が生った。これで家族の生活も少しは楽になると思っていたら、川向こうの炭鉱で働かされていた緒朝鮮と中国の人々の群れが押し寄せ、りんごを強奪し始めたのだ。朝鮮人も中国人も死に物狂いである。しかし、父も家族のためにりんご畑を守らなければならない。
片言の中国語で、りんごを盗らないでくれ。家族が養えなくなる。と必死の思いで訴えた。すると、その言葉を耳にしたからだの大きな男が、仲間を引き上げさせてくれた。「りんごはすべて置いていけ!」男は言った。人々は、ふところに詰め込んでいた紅玉をもそもと取り出し、父の足元に置いて、静かにりんご畑から出て行った。
りんごの山と人々の群れを父は、見つめながらいつまでも立ち尽くしていた。りんごの季節が終わり、あの人々が祖国へ帰れたかどうかも定かではない。「あの人たち、どうしてるべな。」父は、りんごの季節になると毎年、この話をする。
人はなぜ戦争をしてしまう生き物なのでしょう。こんな悲しい人しか、生まない愚かな行為を私たちは、決して許しては繰り返してはならないと思います。この絵本の父、という人は昨年の終戦記念日には89歳で、お元気だったそうです。ただ、戦争は良くない!やめるべきだ!と叫ぶよりも、繰り返し繰り返し、若い頃の過ちや取り返しのつかない時間を悔いながら、精一杯生きている人の記憶の中に、本当の戦争の悲惨さが詰まっているような気がします。
同じ人であるのに、労働力として奴隷のようにつれて来られた朝鮮人や中国人に対しする言葉に出来ない懺悔の気持ちと自分たちが生きてゆくために切り捨てなければならない厳しい現実。生きてゆく上では、正しいことと間違ったことが錯綜してしまうせつな的な瞬間もあるでしょう。それを糧として乗り越えるのか、懺悔し続けながら生きてゆくのか、押しつぶされしまうのか、人それぞれなのでしょうね。考えさせられることの多い絵本です。さらりと読み流す小学生よりも、きちんと歴史を学んだ感性豊かな中学生や高校生に読んでもらいたい一冊のような気がします。
- 高楼 方子, 出久根 育
- わたしたちの帽子
- 216P/21×16/フレーベル館/2005/-小学校中学年を対象とした物語
小学校5年生になる直前の春休みの間、サキは不思議な体験をした。仮の住まいとして両親が選んだ古いビル。仮住まいの部屋のタンスの中にひっそりとかけてあった帽子とその帽子を作った育ちゃんという女の子と不思議な体験を重ねながら、友情を育む物語。
この作品を読みこなせる最近の小学校中学年って、どれくらいいるんだろう。時間を扱う作品として真っ先に思いついたのが、ミヒャエル・エンデの『モモ』であるが、正直、『モモ』のほうが単純明快である。読書が大好きなごく一部の小学生が読む作品であり、この作品がよみこなせる小学生なら、模範的な読書感想文も書けるだろうと想像してしまった。
主人公もその友達も小学校5年生程度の女の子なので、読書好きの中高生なら、楽しんで読める気がする。古いビルやおばあちゃんたちの子ども時代と錯綜するストーリー展開は、不思議でノスタルジックではあるが、中途半端に現実的でいま一つという印象であった。『まあちゃんのながいかみ』のたかどのほうこが作者で、挿絵が出久根育という組み合わせなら、この作品よりも優れた絵本を生み出すことができるかも知れないな。といけない想像をしてしまった。
- 梨屋 アリエ
- 空色の地図
237P/20cm/金の星社/2005/中学生の読書感想文を対象とした作品
中学3年生の初音に、ある日突然、8歳のときの私から手紙が来た。この手紙をきっかけに、その手紙を書いた頃に過ごした千塚という場所と美凪という同じ年の少女を思い出し、マンネリになった日常を打破すべく、行動を起こした。
高校受験が間近に迫りつつあるのが14歳。なんとなく、未来が見えているようで見えないのが14歳。大人になったつもりでも、どこかに子どもの心をまだ持ち続けているのが14歳。そんな不安定な時期の少女が、自分らしさを探すために、一歩を踏み出すという、そんな作品です。
少し前に読んだ『少年は戦場に行った』という作品も、15歳の少年が主人公でした。戦地に赴いた少年も、豊かな日本で思春期のけだるさを味わうのも同じ人間かと思うと、人生の不思議さや運命の残酷さを実感しないではいられません。読書感想文を書く・書かないに関係なく、感性の鋭い思春期の少年少女にたくさん読んでもらいたいと思いました。そして、生き抜くことの厳しさについて、とことんまで考えて欲しいと思いました。
ドオン!
- 山下 洋輔, 長 新太
- ドオン!
32P/27×22/福音館/1995/読み聞かせにかかる時間-4分程度/季節-なし。強いて言えば雷様の元気な季節ということで夏かな?
オニの子ドンはいたずら者。いたずらが過ぎて、家から追い出されました。
人間の子項ちゃんもいたずら者。同じく追い出されました。
そんな二人が出会ったものですから、二人は、太鼓をドコドコ叩いて喧嘩を始めてしまいました。その喧嘩に、こうちゃんのおとうさんやおかあさん、ドンちゃんの両親、こうちゃん家のペットにドンちゃんの味方の動物たちが応援にかけつけました。
ドンドコ ドンドコ ドカシャバ ドカシャバ
ドンドコ ドンドコ ドカシャバ ドカシャバ
大騒ぎです。ところが突然、みんなの太鼓の音がピタリと合ってしまったのです。
ドオン!それでみんなは、われに帰って、にっこり仲直り。ああ面白かった。またやろうね。と言って帰ってゆきました。
というお話です。この絵本の作者の山下洋輔は、ジャズピアニストです。山下のストーリーに、力強い長新太の絵が圧巻です。同じ作者で、絵が違うのが下に紹介した『つきよのおんがくかい』です。
- 山下 洋輔, 柚木 沙弥郎, 秦 好史郎
- つきよのおんがくかい
こちらは、お月見の季節にもってこいの絵本です。音読の楽しさを堪能できる一冊です。
くさる-かがくのとも-特製版
- なかの ひろたか
- くさる
26P/25㎝/福音館/1996/読み聞かせにかかる時間-4分/季節-食べ物の腐りやすい時期
暑い時期に食べ物を出しっ放しにしておくと、嫌なにおいがして食べられなくなりますね。この臭いは「食べたら毒だよ。」と危険信号を出しているのです。という説明から始まり、お母さんが家の裏庭に穴を掘って、生ごみを埋め、ゴミが土に還る話しを解説します。
教育的な絵本に分類されますが、環境問題などをとりあげることの多い学校教育の場での読み聞かせの場合、こういう話題は身近なものとしてとらえられるのでしょう。子ども達も興味津々で食い入るように絵本に集中してくれます。最後の方には、食物連鎖についても言及していて、恐竜まで出てくる盛りだくさんな絵本です。
小学校の朝読書の時間という場合、内容によっての好き嫌いなどがありますから、「長生きをしている大人の絵本」とか「読み聞かせに適していると言われている絵本」だけでなく、色々な分野の絵本を紹介したいと考えています。ただ、絵本の嫌いな子には、ちょっとつらい時間かも知れませんね。
だいず えだまめ もやし-かがくのとも 特製版
- こうや すすむ, なかじま むつこ
- だいず えだまめ まめもやし
28P/26×23/福音館/1992/読み聞かせにかかる時間-5分程度/季節-春~秋
ある春の日、三人兄弟のいちろう、はなこ、じろうは、お隣のおじいさんから、大豆を10粒ずつ分けてもらいました。そして、畑にまいて育てました。たった30粒の大豆から、たくさんの大豆が収穫できました。翌年は、各々が大豆を蒔いて管理することにしました。
忘れんぼうのいちろうは、水に浸しただけで種を蒔くのを忘れていました。気づいたら、豆もやしができていました。まめもやしは、もやしラーメンにして皆でおいしく頂きました。
青々と実った実をみて、「枝豆そっくり」と思ったじろうは、種が熟す前に収穫してしまいました。確かに、青いうちに収穫して、塩茹でするとおいしい枝豆ができたのです。あっという間に、三人で食べ終わってしまいました。
しっかりもののはなこは、大豆を収穫しました。この大豆は煮豆にして食べました。残りの大豆は、三人で分けて、来年、蒔くことにしました。
動植物を育てる絵本は、読んだ直後にやってみたくなるから、ちょっぴり季節を先取りして読むのがいいと思っています。ただ、あまりにも季節にこだわりすぎると、「じゃあ、一年に一回しか読めないの?」っていうことになってしまいますよね。大体、私の一番の仕事は読み聞かせボランティア団体用のお当番表作成のための「選書」ですから、図書館からは、ともかく手当たりしだい、面白そうな絵本を借りてくる訳です。
長すぎて、朝読書の時間には読み終えそうもなかったり、面白い絵本だと思ったら、蔵書数が少なかったり、人気がありすぎて、貸し出し中だったり、季節はずれだったり・・・。なかなか読み聞かせに適した絵本に出会うことは少なかったりしています。
我が家の次女は、私が読み聞かせに使おうと思って手当たり次第に借りてきた絵本を手当たり次第に拾い読みをしていますから、子どもって案外、季節を問わず面白いと思った絵本を読んじゃったりするんですよね。そして、ちゃんと心の中に蓄積していて、必要な場面でしっかり思い出したりするんですよね。
なにをたべてきたの?
- 岸田 衿子, 長野 博一
- なにをたべてきたの?
31P/25cm/佼成社/1978/読み聞かせにかかる時間-3分/季節-なし
主人公のしろぶたくん、のんごを食べるとおなかの中心が「ポッ」ときれいなりんご色に染まります。次にレモンを食べたら、また「ポッ」今度はレモン色が加わりました。メロンを食べ、ぶどうを食べ、カラフルになったしろぶたくん。
もっときれいになりたいと思って口にしたのは、せっけんでした。ブクブク、ぐるぐる、ストーン。体の中のきれいな色は、混ざり合ってプクーっと泡になってから゛から全部出て行ってしまいました。
残念。しろぶたくん。元に戻っちゃった。でも、そんなしろぶたくんをみて、みんなが一言。「前より大きくなったみたい。」だって。良かったね。
不思議な透明感を感じる絵です。おいしい果物にやさしい色合いのくらにカラフルな色彩。いろいろな種類のしろぶたくんの友達。こういう絵本は、小さい子も大好きです。いつも利用している図書館で調べたら、この絵本には、「大型絵本」が出版されていることが判明しました。
最近、いろいろな絵本の大型版が出されています。福音館ならば「こどものとも劇場」と副題がついていますし、「よみきかせ大型絵本」という副題で検索してもいろいろと出てきます。私たちの小学校でも、複式学級ではよく利用しています。
この『なにをたべてきたの?』は普通の絵本が21cmなのに対して、大型絵本は50cmもあります。大迫力です。大勢の子どもを対象にした時は、大型絵本が大活躍します。子どもたちが喜ぶので、蔵書がある場合は、積極的に大型絵本を利用するようにしています。
ところが、昨今はこの大型絵本の功徳も取り沙汰されるようになってきました。あまりの迫力に、大型絵本を見てしまうと普通の絵本が、ちいさくてつまらなく思えてしまうというのです。図書館側としては、高額な上にこんな副作用があるということを知って、蔵書を増やすことには躊躇しているんだそうです。ふ~ん。そうなんだぁって思いましたね。
ここからは個人的見解ですが、小学校での読み聞かせは、大人数で読んでもらう特別なイベントみたいなものだから、特別な絵本。家で読んでもらったり、普段の授業中に読んでもらったり自分で読むような日常には、普通の絵本。って使い分ければいいことなんじゃないのかなぁ。大体、副作用が出るほどの種類の大型絵本は出版されていないし、大きすぎて家庭で読むのには、適してもいないし、そんなに心配しなくても良いと思っています。
うずらちゃんのかくれんぼ
- きもと ももこ
- うずらちゃんのかくれんぼ
32P/22×20/福音館/1994/読み聞かせにかかる時間-2分/季節-うららかな春~秋
皇太子様のお子様である愛子様がこの絵本を読んでいる姿が放映されて、一躍有名になった絵本です。
ひよこちゃんとうずらちゃんが順番にかくれんぼをするのですが、上手に隠れたつもりでも、ハチが飛んできたり、強い風が吹いてきたりして、二匹ともすぐに見つかってしまいます。そのうち雨が降ってきて、心細くなってきた二匹の元にやってきたのは、ひよこちゃんとうずらちゃんのお母さんたちでした。みんな仲良く安心して、家に帰りました。という内容です。
鮮やかな色彩で描かれていて、ひよこちやんとうずらちゃんが隠れているページは、小さい子でも簡単に見つけられる隠し絵になっていたりします。こんなに可愛いかくれんぼなら、やってみたいなと思わせる絵本です。