小学校での読み聞かせ活動記録 -5ページ目

マジックショップシリーズ

ブルース・コウヴィル『ジェニファーと不思議なかえる』講談社、2003


ジェニファーは5年生のさえない女の子です。

ある日、友達に追いかけられて逃げ惑ううちに、

不思議な通りにたどり着きます。

その通りの中ほどに「イライヴズのマジックショップ」がありました。

店主から受け取ったのは、特別なヒキガエルでした。

店主によれば、このマジックショップは、

意味のある人にしか見つけることが出来ないし、

この店の品物は人を選ぶとの事です。


つまり、ジェニファーには、

「人間の言葉を話す特別なヒキガエル」を

飼わなければならない理由があるという訳です。

結局、ジェニファーは、家にヒキガエルを持ち帰り

大切に飼うことにするのですが、

このヒキガエルには大きな秘密があり、

そのために、ジェニファーもろとも魔女に狙われてしまうのでした。


この作品はシリーズになっています。

現在は、第4作まで出ているようです。

私はまだ、一作目を読んだだけですが、

女の子が主人公とはいえ、準主人公が「ヒキガエル」だったり、

遠い昔に読んだ昔話につながっていたり・・・。

アメリカのいじめってこんな感じなんだと思う部分もあったりして、

なかなか面白く読み進むことが出来ました。


元気で好奇心が強く、自分の容姿にコンプレックスを持っている

カエルの好きな女の子にはたまらないお話しだと思います。

読書が好きな子なら、小学校中学年あたりから一人で読めるでしょう。


ブルース・コウヴィル『ジェレミーとドラゴンの卵』講談社、2003


ブルース・コウヴィル『ラッセルとモンスターの指輪』講談社、2003


ブルース・コウヴィル『チャーリーと真実のどくろ』講談社、2004

アーモンド入りチョコレートのワルツ

ピアノの小品をテーマにした短編3作です。


第一章 子どもは眠る ロベルト=シューマン 子どもの情景より

夏の別荘に集まる従兄弟5人の話。

別荘は、章くんのお父さんの持ち物だから、

僕らは、章くんの言う事を絶対的に聞かなきゃならないんだ。

でも今年の夏、ぼくはその理不尽さに気づいてしまった。

中学二年のぼく(恭)と、智明。一つ下のナス(義彦)。

三人は、別荘での時間を大切にしたいと思いつつ

章くんの我がままや理不尽さをこそこそと、言い合った。

それは、気持ちのよい事ではなかった。

そんな三人の様子を不審に思った

ナスの弟の小学校4年生のじゃがまるが、投じた一石で

五人の関係が終わりを告げる日がやってくる。



ガキ大将って、今でもいるんだなぁと思ったのが第一印象。

でも、このガキ大将、クラシックのLPが好きだったりする。

みんなが、気づかないところで、ちゃんと大将の責任を

果たしていたりする。

結構、いい子じゃない?って思ってしまった。


第二章 彼女のアリア J=S=バッハ ゴドルベルグ変奏曲より

不眠症になって辟易としていた僕は、

同じく不眠症で悩んでいるという藤田にえり子出会う。

彼女の弾くピアノと彼女の絶妙な話に惹きつけられてゆく僕。


くすぐったいようなはつ恋物語。


第三章 アーモンド入りチョコレートのワルツ エリック=サティ 童話音楽の献立表より

不思議な雰囲気のピアノ教師の絹子先生。

そんな先生のところで、ピアノを習うのが大好きだった。

友人の君絵と絹子先生と私(奈緒)。

そんな日常に、フランスからやってきたのが

サティ似のステファンというおじさん。

元々、ちょっと変わった個性の先生だっけど

サティのおじさんが増えてピアノ教室は、

もっと不思議空間になってしまった。

危うい均衡の中で踊るワルツは格別楽しかったけれど

そんな時間は長くは続かない・・・。


ちょっとセンチメンタルで、

なさそうでありそうな日常を描く作品。


久しぶりに、森絵都の作品を読んだ。

あい変わらず、

思春期の揺れ動く自我や友情を描くのが上手だな。

と思いました。

自分が思春期に戻った気がします。

心に瑞々しさが戻って、

繊細さや傷つきやすさを

思い出させてくれるような

そんな作品です。


そして、ミーハーな私は、

題材になっているピアノの小品を聴いてみたくなりました。

図書館で、CDを探したら

三作中、二作が資料として揃えられていました。

でも、二作とも貸し出し中でした。

ピアノ小品集ですよ?

クラシックですよ?

第一作の主人公が

「眠くなる」音楽ですよ?



同じ本を読んで

同じ気持ちになった人が

同じ時期にこの本を読んで

同じようにCDを聴きたくなったに違いありません。

自分のミーハー振りがバレそうで

リクエスト(予約)する勇気は出ませんでした。




The manzai 2

あさの あつこ, 鈴木 びんこ
The MANZAI〈2〉

第一作 1999年10月出版。


第二作 2004年9月出版。


第三作 2006年7月出版。


第一作を読んだのが、昨年の7月だった。


詳しくは、The Manzai-ザ・マンザイ- [2005年07月13日(水)] を読んでね。



第二作が出ていることに気づいて慌てて読んで


感想文を書こうと色々と検索をしていたら


第三作まで出ていることを知った。


これから、図書館に予約にいかなくちゃ。




作品のあらすじは、以下の通り


中学二年生の瀬田学(せたまなぶ)は、父と姉を交通事故で亡くした転校生だ。


ちょっと可愛らしい風貌を持つ学は、なぜかクラスメイトの秋本貴史から


漫才の相方になって欲しいと申し込まれる。



何が何だかわからないうちに



文化祭での漫才「ロミオとジュリエット」のジュリエット役で出演をしてしまう。


----------ここまでか第一作。

あれから、半年以上経過した中学三年生の初夏が第二作の舞台である。



クラスは違ってしまったが、あい変わらず漫才コンビの結成を迫る秋本くん。



どんなことも真面目でストイックに考える学。



秋本を好きな元気・美・少女萩本さん。その萩本さんを好きな学くん。



学年トップの高原くんに妄想少女の森口さん。



彼らが織りなす、青春日常グラフィティーは、


悩み苦しみながらも、健全で明るい。


そういえば、この作者、『バッテリー』という作品が有名だけど


主人公たちの心理描写が多くって、野球の試合は全6巻の中で


たった1回だけだったような記憶がある。



という訳で、題は『The MANZAI』だけど、


第二作では、学と秋本の漫才は見られません。




バーティミアス-プトレマイオスの門


ジョナサン・ストラウド, 金原 瑞人, 松山 美保
バーティミアス 3 プトレマイオスの門

ゴーレムの眼事件から、3年。


ジョン・マンドレイク(幼名ナサニエル)は


17歳の立派な青年になり、


帝国政府の高官の地位についていました。


しかし、その性格は以前にも増して


傲慢で他人を信用せず、自分の出世だけを考える


典型的な魔術師となっていました。


マンドレイクの弱みである本名を知っている


バーティミアスは、マンドレイクに隷属していて


異世界に還ることができず


風前の灯でした



一方、レジスタンスに所属していたキティは


バーティミアスとの別れの会話が


頭から離れず、バーティミアスに関する


様々な文献を読み、研究をしていました。




そんな三者の暮らすイギリスは、


アメリカ侵攻だ苦戦を強いられ、


ヨーロッパ諸国からは孤立し、


国内の一般市民の反乱など、


内外に多くの問題を抱えていました。



帝国政府高官であるマンドレイクは、


同僚とのかけひきと出世競争、


市民に対する情報操作などに


奔走する毎日です。



この混乱した社会に秩序を取り戻すためには


グラッドストーンの杖を使うしか手段がないと


訴えたものの、この杖を使いこなすには


相当の力量を要求されるため、


マンドレイクは窮地に陥ってしまいます。



そんな折、


またしても帝国政府和転覆し


権力を握ろうとする人物が


出てきました。


その方法は諸刃の剣であり


政府の機能を麻痺させ


新たな権力者が台頭したかに見えましたが、


一瞬のうちに形勢がが逆転し


大量殺戮が始まってしまいました。



バーティミアス・キティ・ナサニエル(マンドレイク)は


どうなってしまうのでしょう。


この先は、ぜひ作品をお読みください。



この巻に出てくる主な登場人物は


①出世欲と自信過剰の塊のマンドレイク(ナサニエル)


②魔術に生まれつき免疫のある一般人のキティ


③主人公(?)のバーティミアス(悪魔・魔人・ジン)


④バーティミアスの最も信頼する過去の人物


の4人です。


面白い事に、四人が四人とも少しずつ


性格に欠点があったり経歴に瑕があったりします。


完全無欠ではない登場人物たちが


お互いを信頼しあう事で


完全無欠のパワーを得るという事なのでしょう。


だからこそ、物語りに引き込まれてしまうのでしょう


どの人物にも共感できるし


好感が持てました。


完璧なハッピーエンドが大好きな私でさえ


この結末は、納得のゆくものでした。


不思議と読後感のすっきりした作品です。



装丁が立派で、分厚い作品なので


しり込みしてしまいそうですが


『指輪物語』や『ゲド戦記』よりは平易な内容です。


『デルトラ・クエスト』『精霊の守人』と同程度です。


『ナルニア国物語や』『床下の小人達』よりは難解です。


つまり、小学校高学年~中学生にオススメのファンタジーです。


少なくとも、『デス・ノート』よりは読む価値があると思います。

バーティミアス-コーレムの眼

ジョナサン・ストラウド, 金原 瑞人, 松山 美保
バーティミアスII ゴーレムの眼

バーティミアスの第二巻である『ゴーレムの眼』は


サマルカンドのアミュレットを守り


クーデターを回避してから2年後の話しです。



ジョン・マンドレイク(ナサニエル)は14歳になっていました。


そして、前回の手柄が功を奏して


国家保安省の補佐官になっていました。



彼の現在の仕事は、魔術師を狙ったレジスタスンの撲滅です。


マンドレイクは、バーティミアス(悪魔・ジン)を召喚して


悪の根源を探り当て、事件の解決に乗り出すのでした。



レジスタスン集団は、魔術に対する様々な免疫を持つ


一般人の集まりなのですが


正体不明の協力者を得て政府の大切な


秘宝である「グラッドストーンの杖」を


盗む計画を立て、実行します。



今回は、このレジスタンスの仲間の一人である


キティという少女(第一巻にも登場しました)が、


バーティミアスと絡んで重要な役割を果たしてゆきます。




第一巻では、才能のある少年ナサニエルが


師匠(?)に虐げられつつも


自らの努力でバーティミアスを召喚し


自分を辱めた人々に復讐しようとして


思わぬ手柄を立てたという内容でした。



第二巻のマンドレイク(幼名:ナサニエル)は、


前回の手柄を立てたお陰で


異例の出世をしたのですが


自分の才能を過信した出世欲の強い


鼻持ちならない少年になっています。



結局、バーティミアスを酷使した上


運良く成功を手に入れて終わります。



人間であるマンドレイクに感情移入して


読んでいくと


こんな奴が、勝っていいのか?と


ちょっとムカっとしてしまいます。





多くのファンタジーや児童書の主人公は、


大きく二つのタイプに分けられているように思います。


一つめは、


大人たちに虐げられて、容姿も醜いけれど


優しい心と希望を持っている主人公。


物語の進行と同時に


読者の同情と共感と応援を得て


どんどん成長してゆきます。


『指輪物語』『ローワンシリーズ』『セブンスタワー』等が


典型的な例として挙げられるでしょう。



二つ目は、才能があってうぬぼれの強い


人の意見には耳を貸さないタイプ。


幼くして、他人に抜きん出た才能を持つ彼らは


大人顔負けの才能とゆるぎない自信を持って


わが道を突っ走り、手痛い反撃を食らいます。


この失敗こそが、主人公に才能ある者の



生き方を悟らせる大きなエピソードとなるのです。



『ゲド戦記』『バーティミアス』『バッテリー』などは


こちらに分類されるかも知れません。



どちらも、読者の心をとらえて離さない


魅力的な性格の人物設定になっています。



前者は、


共感に近い感情で違和感なく読めます。



ヒーロー・ヒロインになりたいと思っているときは


後者のような主人公に自分を置き換えて


ひと時の夢を堪能できる後者の作品がオススメです。

ごきげんならいおん

ルイーズ・ファティオ, ロジャー・デュボアザン, むらおか はなこ
ごきげんならいおん

32P/26×21cm/福音館/読み聞かせにかかる時間-10分程度/季節-なし。


ごきげんならいおんり家は、フランスの町の中にあります。人々はらいおんの家の前を通り過ぎるときに、いつも声をかけます。飼育係の息子のフランソワも、デュポン校長先生も、パンソンおばさんも、みんな声をかけてくれます。


ある日、飼育係がらいおんの家の戸を閉め忘れていました、ごきげんならいおんは、みんながいつも挨拶に来てくれるから、今日は自分がみんなのところへ行こうと決心します。町であったすずめやリスは、普通に挨拶を返してくれたのに、人間達ときたら、「ふぅぅぅぅ。」と言って倒れてしまったり、「ふわぁーーー」と言って逃げて行ってしまうのです。


がっかりしていたごきげんならいおんに、いつもと同じように声をかけてくれたのは、飼育係の息子のフランソワでした。彼は、丁度学校の帰りで「公園まで一緒に帰ろうよ。」と誘ってくれたのです。それからというもの、ごきげんならいおんは家から出ることは消してなくなりました。怖がられるよりも、みんなに声をかけられるほうがごきげんな気分になるのですもの。



読みながら、あらすじを書きながら、これって良い作品かなぁって悩んでいます。檻に閉じ込めたライオンには、友達のように声をかけるくせに、檻から出て対等の立場になったらいおんに対しては、恐怖や悲鳴や警戒心しか与えられないのですから。らいおんはどんなに孤独だったでしょう。悲しかったでしょう。唯一声をかけてくれた、フランソワをどれほど、頼もしく思ったことでしょう。ここまでなら、少しは納得できたのですが、ごきげんならいおんは、決して家からでなったという結末には、思わず涙がこぼれそうになりました。


そうまでして、皆にこびこびしないと、ごきげんでいられないなんて、悲しいよ。ごきげんならいおん。こんな思いをしてまで、人間達に挨拶をしてもらう必要はないじゃない。生まれ故郷に帰りたくはなかった?アフリカに帰れば、同じ姿をしたらいおんがたくさんいて、両親や親戚や友達がたくさんできるだろうに。。。って、思ってしまいました。


ここまで書いてしまっては、これを朝自習の読み聞かせの時間には、使えそうもありません。そうそう。読み聞かせをする場合は、自分の好きな絵本や得意分野の作品を選ぶのが良いのでした。「気に入っている」「素敵でしょ」という気持ちが以心伝心で伝わって、子ども達の心の奥深くに訴えかけやすいから。というのが理由です。つまり、自分には合わない作品だな。とか、自分の感性とは、そぐわないと思う作品を読み聞かせに使ってはいけないということですね。


しかし、「好きすぎる」作品というのも、読み聞かせに使ってはいけないそうです。思い入れが強すぎて「これでもかぁぁぁ」光線が出ちゃうらしいのですよ。絵本そのものの良さ以上に読み手の気持ちだけがクローズアップされてしまったのでは、本末転倒ですからね。


さらに、これって名作だし、面白いけど、どこか一箇所ひっかかるんだよね。って「読み聞かせに使いたいし、読んでみたい。でも、躊躇するところがあって、迷うなぁ」という作品に巡り合ったときはどうしたらよいか。答えは簡単です。「読んではいけません。」迷うこと自体に問題があるし、その迷いが聞き手に伝わってしまうからなんですね。しばらく時間をおいて、気持ちが整理できたときに、本当に読み聞かせに使えるかどうか、正しい判断が下せるときがくるでしょう。


ということで、今の私のレベルだと『ごきげんならいおん』は、まさにお蔵入りの作品です。ただ、哀し過ぎて忘れられない作品の一つでして、読み捨てるには惜しくって記事にしてしまいました。すみませんです。

なにをかこうかな

マーグレット・レイ, H.A.レイ, 中川 健蔵
なにをかこうかな

22P/26cm/文化出版局/1984/読み聞かせにかかる時間-4分/季節-なし。


うさぎのビリーが大きな画用紙に向かって「なにを書こうかな」と悩みながら絵をかきかけたとき、子犬のペニーがやってきました。ペニーは、ビリーの絵を見てアドバイスをして、絵を少し修正しました。次々と、ビリーの友達がやってきて、ビリーの絵はとんでもないものになってしまいました。ビリーは、「ぼくは、自分の絵をかきたかったのに」と泣き出してしまいました。そして、みんなも各々、自分の絵をかきたかったことに気づき、みんなで自分の絵をかきました。


というお話しです。そういえば、幼稚園や保育園の頃はお絵かきが嫌いな子っていなかったと思うのに、小学校高学年あたりから図画工作、特に絵を描くのが嫌いになる子が増えているというのは、どうしたものなのでしょう。指導要領に沿って進められる授業の中では、自分の好きなように好きなものを描く楽しみが得られないからなのでしょうか。音楽や図画工作などは、自分の心を自由に表現するための大切な道具です。上手にはならなくとも、いつまでも好きでいて、心の豊かさを失わないでもらいたいものです。


マーグレット・レイとH.A.レイの組み合わせといえば、『どうながのプレッツェル』が有名ですし、H.A.レイは『おさるのジョージ』のシリーズで有名ですね。


 
マーグレット・レイ, H・A・レイ, わたなべ しげお
どうながのプレッツェル  

H.A. レイ, 上野 和子
おさるのジョージ  

どの作品も、主人公は動物です。姿は、おさるだったり、犬だったり、うさぎだったりしていますが、その心はみんな好奇心旺盛で、自由な発想をする、子どもらしい心の持ち主です。だから今でも多くの子ども達に支持されるのでしょうね。

へびのクリクター

トミー・ウンゲラー, 中野 完二
へびのクリクター

32P/28cm/文化出版局/1978/読み聞かせにかかる時間-5分程度/季節-なし


フランスに住む、ルイーズ・ボトさんというご夫人の家に、ブラジルで爬虫類の研究をしている息子から荷物が届きました。その中身が、へびだったのです。夫人は、「きゃー!」と金切り声を上げました。それでも、息子が誕生日のお祝いに贈ってくれたものなので、ボドさんは毒がないことを確かめてから、このへびを飼うことにしました。


このべびは、ボアメコンストリクターという種類という事が判りましたので、ボドさんはこのべひを「クリクター」という名前にしました。ボドさんがクリクターを大切に育てたものですから、クリクターは、大きく優しく強い、立派なへびに成長しました。


ボドさんと一緒に学校に行って勉強をしたり、子ども達と遊んだり、時にはどろぼうを捕まえたりしたのです。勇ましい働きをしたので、クリクターは勲章をもらい、クリクターの銅像が建てられ、公園までできてしまいました。


この絵本を読む数日前、我が家では3cm~4cm程度の大きなごきぶりが出没しました。娘達と一緒に「きゃ~~~。」と叫びつつ、スプレーを散布して駆除し、事なきを得ました。毒がないと判っていても、怖いものは怖いのです。ボドさんが、箱をあけた瞬間に「きゃー!」と叫んだ気持ちが、すっっっっごくよく判りました。


同じような作品で、シリーズになっている作品に『ワニのライルがゃってきた』があります。


バーナード・ウェーバー, 小杉 佐恵子
ワニのライルがやってきた

プリムさん一家との交流が素敵な作品です。正直な話、内容はかなり似ています。ヘビがワニになり、ボドさんがプリムさん一家になっただけのお話です。ただ、『へびのクリクター』のほうが内容が簡潔です。小さい子や絵本に慣れていない子は、『へびのクリクター』のほうを喜ぶでしょう。絵本にたくさん接してきて、絵本からの卒業マジかなちよっと大きい子は『ワニのライル』のシリーズを読んでもらったり、自分で読むことを好むと思います。


どちらも、最初は相手が人間ではないことにびっくりしおびえますが、最後はとっても中のよい家族の一員になるのです。気の合う友達が家族になるっていうのは、子ども達にとってはとてもうれしいことなのでしょうね。


平成18年度 埼玉県 夏休みすいせん図書-その①

子ども達への読書の啓蒙活動の一環として、


埼玉県では、独自に平成18年度 埼玉県 夏休みすいせん図書 というのを設定している。


面白いもので、市によって取り組み方がかなり違う。


さいたま市は、各館に一冊程度だが、政令指定都市であり、


15館以上の分館を持っているので、ほとんどの書籍は


15冊以上の蔵書があった。



川口市は、本館を含め市内には図書館が6館ある。


各館一冊程度というのは、さいたま市と同じであるが


どのすいせん図書もしない合わせて6冊前後という感じである。



蕨市は、本館を含め市内の図書館は3つ。


しかし、すいせん図書には力をいれている。


すいせん図書の発表があった直後から


本館には、特別コーナーを儲け、


夏休み中の貸し出し期限を短くしたり、予約を受け付けないようにして


幅広く、多くの市民に提供としている姿勢が見られた。


自ずと蔵書も多く、どの作品も5~6冊の準備をしていた。



という訳で、私は川口市民でありながら、すいせん図書の半分以上を


蕨市立図書館から調達して読ませて頂いている。



三輪 一雄
イボイボガエルヒキガエル

前半は、アマガエルとヒキガエルの比較。圧倒的にアマガエルの可愛らしさや良い点を挙げている。


だけど、ヒキガエルにだっていい所はたくさんあるんだぞ。というのが後半。


最初のペーシが、ヒキガエルから見た子ども達の顔。


なかなか面白い視点で絵を描いている。


けれどもストーリーは、あまり面白くない。


かがくのとも的うんちくがないでもないが、それにしては


ヒキガエルの主観や意見が多すぎる。


要するにちょっと、中途半端な感じ。


これで感想文って、ムズカシイのではないだろうか・・・。


いもと ようこ
ぼくがいっぱい

忙しいときに、ぼくが一杯いたらいいのにって想像していたら


本当に生ってしまったというお話し。


最初は、なかなか役に立つと思って、ラッキーだと思っていたけど


色々な不都合が出てきて、パニックになる。


「僕だよ~。僕だけが僕なんだよ~。」と泣き叫んだとこけで


夢だったというオチ。


正直、ドラ○もんを連想してしまった。


人気作家のいもとようこさんが、こんな・・・と絶句したくなった。


作品を量産しているから、くそみそ一緒くたになってしまうのか。





教育的見地から選ぶ絵本には、なかなか良いものがみつからない気がする。


絵本でも、戦争モノや死を扱ったモノ、障害者や人種差別に貧富の差など


社会問題を主題にして、道徳的色合いの強いものもある。


商業的に成り立つからこういう分野があり、こういう分野を好む人がいるから


こういう作品が量産されているのだろう。


これにの作品は、読めば読むほど、意図的であり、


その意図するテーマ以外に語るモノは全く見つからない。


つまり、絵にしても、ストーリーにしても幅というか広がりがないのだ。


見た通り、読んだとおりしか、相手に伝えるものがないというのは、


絵本として致命的な気がする。


よほどの名作でない限り、名作として残ってゆくのは難しい分野じゃないかしらと思う。




カール・ハイアセンのYA作品

カール ハイアセン, Carl Hiaasen, 千葉 茂樹
HOOT

この作品を読んだのは、6月の下旬だったらしい。


動物愛護をテーマに、子ども達が商業主義の大人たちをやり込めるという


子ども達の活躍を前面に押し出した作品。


やんちゃで、正義感の強い男の子が好きそうな内容だ。


この作品の感想文は、何故か徒然なるラム の方に書いてしまった。


今更、書き直す気にもならないので、そちにを参考にして下さい。



今回、読んだのは、


カール・ハイアセン著『FLUSH(フラッシュ)』理論社、2006


です。人気作家のYA(ヤングアダルト、つまり少年少女対象)第二段作品です。


今回もテーマは、環境保護です。


HOOが絶滅危惧種のフクロウの保護の話しで、


FLUSHは人為的な海洋汚染の回避の話しです。


HOOでは、友情が事件を解決するキーワードでしたが、


FLUSHでは、家族が事件の解決を図る鍵になっています。




マッチョなおじいちゃんにしっかりものの妹アビー。


興奮しやすい父親ペインに、離婚暦のある母親ドナ。


主人公の少年ノアを取り囲む家族は、正義感が強い家族です。



特に、おじいちゃん-父さん-ノアという男系家族は、


夢見がちな正義感を持っていると言っても過言ではないかも・・・。


コーラル・クイーン号が汚物を海に垂れ流していることに憤慨して


船を沈没させて、留置場に入れられてしまう父親。


十年以上、音沙汰のなかったおじいちゃん。


ケンカが弱い癖に周囲に気を配りつつ、頑張っちゃう


主人公のノア。


ノアの機転と努力が周囲をうまく巻き込んで、大団円で終わる正統派作品です。


小学校高学年以上の男の子達があこがれてやまない


冒険と成功がたくさん盛り込まれている作品だと思いました。