バーティミアス-プトレマイオスの門
- ジョナサン・ストラウド, 金原 瑞人, 松山 美保
- バーティミアス 3 プトレマイオスの門
ゴーレムの眼事件から、3年。
ジョン・マンドレイク(幼名ナサニエル)は
17歳の立派な青年になり、
帝国政府の高官の地位についていました。
しかし、その性格は以前にも増して
傲慢で他人を信用せず、自分の出世だけを考える
典型的な魔術師となっていました。
マンドレイクの弱みである本名を知っている
バーティミアスは、マンドレイクに隷属していて
異世界に還ることができず
風前の灯でした。
一方、レジスタンスに所属していたキティは
バーティミアスとの別れの会話が
頭から離れず、バーティミアスに関する
様々な文献を読み、研究をしていました。
そんな三者の暮らすイギリスは、
アメリカ侵攻だ苦戦を強いられ、
ヨーロッパ諸国からは孤立し、
国内の一般市民の反乱など、
内外に多くの問題を抱えていました。
帝国政府高官であるマンドレイクは、
同僚とのかけひきと出世競争、
市民に対する情報操作などに
奔走する毎日です。
この混乱した社会に秩序を取り戻すためには
グラッドストーンの杖を使うしか手段がないと
訴えたものの、この杖を使いこなすには
相当の力量を要求されるため、
マンドレイクは窮地に陥ってしまいます。
そんな折、
またしても帝国政府和転覆し
権力を握ろうとする人物が
出てきました。
その方法は諸刃の剣であり
政府の機能を麻痺させ
新たな権力者が台頭したかに見えましたが、
一瞬のうちに形勢がが逆転し
大量殺戮が始まってしまいました。
バーティミアス・キティ・ナサニエル(マンドレイク)は
どうなってしまうのでしょう。
この先は、ぜひ作品をお読みください。
この巻に出てくる主な登場人物は
①出世欲と自信過剰の塊のマンドレイク(ナサニエル)
②魔術に生まれつき免疫のある一般人のキティ
③主人公(?)のバーティミアス(悪魔・魔人・ジン)
④バーティミアスの最も信頼する過去の人物
の4人です。
面白い事に、四人が四人とも少しずつ
性格に欠点があったり経歴に瑕があったりします。
完全無欠ではない登場人物たちが
お互いを信頼しあう事で
完全無欠のパワーを得るという事なのでしょう。
だからこそ、物語りに引き込まれてしまうのでしょう。
どの人物にも共感できるし
好感が持てました。
完璧なハッピーエンドが大好きな私でさえ
この結末は、納得のゆくものでした。
不思議と読後感のすっきりした作品です。
装丁が立派で、分厚い作品なので
しり込みしてしまいそうですが
『指輪物語』や『ゲド戦記』よりは平易な内容です。
『デルトラ・クエスト』『精霊の守人』と同程度です。
『ナルニア国物語や』『床下の小人達』よりは難解です。
つまり、小学校高学年~中学生にオススメのファンタジーです。
少なくとも、『デス・ノート』よりは読む価値があると思います。