アーモンド入りチョコレートのワルツ | 小学校での読み聞かせ活動記録

アーモンド入りチョコレートのワルツ

ピアノの小品をテーマにした短編3作です。


第一章 子どもは眠る ロベルト=シューマン 子どもの情景より

夏の別荘に集まる従兄弟5人の話。

別荘は、章くんのお父さんの持ち物だから、

僕らは、章くんの言う事を絶対的に聞かなきゃならないんだ。

でも今年の夏、ぼくはその理不尽さに気づいてしまった。

中学二年のぼく(恭)と、智明。一つ下のナス(義彦)。

三人は、別荘での時間を大切にしたいと思いつつ

章くんの我がままや理不尽さをこそこそと、言い合った。

それは、気持ちのよい事ではなかった。

そんな三人の様子を不審に思った

ナスの弟の小学校4年生のじゃがまるが、投じた一石で

五人の関係が終わりを告げる日がやってくる。



ガキ大将って、今でもいるんだなぁと思ったのが第一印象。

でも、このガキ大将、クラシックのLPが好きだったりする。

みんなが、気づかないところで、ちゃんと大将の責任を

果たしていたりする。

結構、いい子じゃない?って思ってしまった。


第二章 彼女のアリア J=S=バッハ ゴドルベルグ変奏曲より

不眠症になって辟易としていた僕は、

同じく不眠症で悩んでいるという藤田にえり子出会う。

彼女の弾くピアノと彼女の絶妙な話に惹きつけられてゆく僕。


くすぐったいようなはつ恋物語。


第三章 アーモンド入りチョコレートのワルツ エリック=サティ 童話音楽の献立表より

不思議な雰囲気のピアノ教師の絹子先生。

そんな先生のところで、ピアノを習うのが大好きだった。

友人の君絵と絹子先生と私(奈緒)。

そんな日常に、フランスからやってきたのが

サティ似のステファンというおじさん。

元々、ちょっと変わった個性の先生だっけど

サティのおじさんが増えてピアノ教室は、

もっと不思議空間になってしまった。

危うい均衡の中で踊るワルツは格別楽しかったけれど

そんな時間は長くは続かない・・・。


ちょっとセンチメンタルで、

なさそうでありそうな日常を描く作品。


久しぶりに、森絵都の作品を読んだ。

あい変わらず、

思春期の揺れ動く自我や友情を描くのが上手だな。

と思いました。

自分が思春期に戻った気がします。

心に瑞々しさが戻って、

繊細さや傷つきやすさを

思い出させてくれるような

そんな作品です。


そして、ミーハーな私は、

題材になっているピアノの小品を聴いてみたくなりました。

図書館で、CDを探したら

三作中、二作が資料として揃えられていました。

でも、二作とも貸し出し中でした。

ピアノ小品集ですよ?

クラシックですよ?

第一作の主人公が

「眠くなる」音楽ですよ?



同じ本を読んで

同じ気持ちになった人が

同じ時期にこの本を読んで

同じようにCDを聴きたくなったに違いありません。

自分のミーハー振りがバレそうで

リクエスト(予約)する勇気は出ませんでした。