夏休みの課題図書
第52回青少年読書感想文全国コンクール というのをご存知でしょうか。おそらく、子どもが小学生以上なら、書籍購入の申し込み用紙を学校から持って帰っていることと思います。
私が子どものころの夏休みといえば、ワークブックと絵日記・写生に読書感想文という宿題の山だったのですが、一番苦しんだのは、読書感想文だったように思います。
読むのは好きだったので、決められた作品を読むのは一日で読めてしまったのですが、感想文を書くことが嫌だったのです。それこそ、
読書→感想文→書きたくない→じゃあ読まない
という悪循環にハマってしまったように思えてなりません。読書感想文を抜きに考えると課題図書というのは、読み応えのある作品が多いと思いませんか?夏休みを目前にして、図書館では「課題図書」の貸し出しを1週間に制限をするようになってきました。
子どもたちに混じって、夏休みの間にどれくらいの課題図書を借りて読めるか、ちょっと試してみようかしら?図書館の蔵書には限りがあるのだから、この時期に課題図書を借りる大人ってひどいんじゃない?両方の気持ちがせめぎあっています。ともかく既に何冊かは借りて読んでしまいました。
以下は、その感想文です。今なら、ブログに書く程度の感想文なら、苦もなく書けるんだけどなぁ。でも、コンクールに出せるような内容ではないから、やっぱダメダメかなぁ。何で勉強だと思うと、面倒だったりつらく苦しかったりするのに、趣味だと思うと寝る間も惜しんで読んでしまうのかなぁ。不思議だな。
- エミリー スミス, Emily Smith, もりうち すみこ, 村山 鉢子
- ロボママ
小学校3・4年生を対象にした課題図書です。仕事はう~んとできるママと僕の二人暮らしの家庭で、あまりにも家事ができないママに代わってロボットが家事をしてくれることになっりました。ママよりも完璧に家事をこなすけど、やっぱり本物のママにはかなわないって事が判ってハッピーエンドというお話です。
星新一のショートショートをもう少しお子様向けにしたような楽しい作品でした。特別仕事ができる訳でもないけれど、家事が苦手な私も一台欲しいと思わせるようなロボママでした。
- 松久保 晃作
- イシガメの里
この作品は、小学校中学年向けの課題図書です。写真は、絵や文章とは違った説得力があります。それにしても、このように、ひとつの生き物の生態を丹念に撮り続け、一冊の作品にするにはどれほどの時間と労力がかかっているのでしょう。イシガメに対する愛情がなければ、これ程の事はできないだろうと想像すると、あながちには読み流すことができないと思えてしまいます。
写真絵本と分類されるものの多くは、自然の中で生きることの素晴らしさや不思議さを存分に伝えてくれます。本当は、子どもの眼を通して、心に焼き付けられる体験ができればよいのですけど、なかなか難しいですね。
- ゲイリー ポールセン, Gary Paulsen, 林田 康一
- 少年は戦場へ旅立った
これは、中学生を対象にした課題図書です。さすがに骨太です。舞台は、アメノカ。南北戦争の始まる直前です。主人公の少年は、15歳という年齢を偽って、戦争に参加すべく、入隊をします。少年が戦場で目にしたものは、勝利への栄光ではなく、死への恐怖と多くの死体だけでした。親しい友人を作ることは、別れがつらくなるのでやめました。傷病兵のために馬を撃ち殺し、見方の死体を積み上げて風除けを作りました。
戦争は、どんな人をも狂気に陥れるむごい現実です。ページを繰る毎にこわれてゆく少年の心を読みながら、不思議と生きていくことのつらさや切なさ、大切さがこみあげてきました。少年が生きる事をあきらめていなかったからです。もう戻れない処に来てしまったと判っていても、あきらめない潔さがこの作品に悲惨さだけではない何かを伝えてくれているように思えてなりません。
2006年一学期の総決算
読み聞かせをしている子ども達のクラスや先生には、何をしているかがよく判るのだけど、読み聞かせをしていない5年生以上の児童や保護者様には、私達が何をしているかが、全然判らないので、毎学期末に上の写真のような活動記録を配布しています。
毎回、必ず書くのは、参加している会員さんのお名前と、新規会員さんの募集です。今回は、初めての試みである、「夏休みお楽しみお話し会」の話題をメインにし、「二学期からの読み聞かせ予定日の変更について」の告知もしました。
対外的な活動報告は、済んだのですが、これから、会員さん達に記入してもらう来学期の予定表を作らなくてはなりません。現在、複式さん2がクラス、1年生・2年生が5クラス、3年生と4年生が4クラスを対象に読み聞かせをしています。各々が好きな絵本を選んでというと、何が何だか判らない混乱に陥ってしまいます。
ですから、『○月×日の1年生は「□□□」で2年生には「■■■」という本を予定しています。』というところまでを、私の独断と偏見で決めさせてもらっているのです。大雑把に予定表を組んでおくことによって、「どうしてもこの絵本とは相性が悪いから別の学年の読み聞かせをするわ。」とか「このクラスの子ども達が気になるから、集中的にフォローしたい。」「じゃあ、この日だけは仕事を遅番にてもらおうっと。」というように、少しでも予定が組み易いように考えているのです。
本当に役に立っているかどうかは定かではありませんが、どちらにしても、今学期の読み聞かせは、あと二回しかないので、その二回の集まりの時に、「夏休みお楽しみお話し会の打ち合わせ」と二学期最初の読み聞かせのお当番だけは決めなくてはいけません。なかなか気ぜわしい毎日です。
わたし-かがくのとも傑作集
- 谷川 俊太郎, 長 新太
- わたし
27P/25cm/福音館-わくわく☆にんげん/読み聞かせにかかる時間/季節-なし。
わたしという少女が主人公で、周りから見ると何に見えるのだろう?という視点にたって描かれた絵本です。この絵本を読むと、谷川さんの詩に長さんが絵をつけたように思えてなりません。
わたし
おとこのこからみると おんなのこ
あかちゃんからみると おねえちゃん
おにいちゃんからみると いもうと
おかあさんからみると むすめのみちこ
おとうさんからみても むすめのみちこ
ほかの人や生き物からみた私は、色々な立場になります。とっても不思議で、とっても面白い。ちっぽけで、色々なものに見られてしまう私だけど、中身は変わらないよ。だから私は、私を大切にしなくちゃ。と思わせてくれる一冊です。
スプーンぼし(ほくとしちせい)とおっぱいぼし(カシオペア座)
- 八板 康麿, 杉浦 範茂
- スプーンぼし(ほくとしちせい)とおっぱいぼし(カシオペア座)
27P/26cm/福音館-かがくのとも傑作集・どきどき☆しぜん/読み聞かせにかかる時間-3分程度/季節-写真を撮影したのが3月頃なので、その少し前がいいかな。
来たの夜空には、スプーン星(北斗七星)とおっぱい星(カシオペア座)があります。スプーン星のとってには、ミザールとアルコルという二重星があります。
都会の夜は明るい上、高層ビルやたくさんの住宅があってなかなか、美しい夜空を見ることができません。夏休みや冬休み、春休みに、ちょっと自然の多いところへ出掛けたら、ひと息ついて美しい夜空を眺めてはいかがでしょう。
太古の昔に思いを馳せて、人類の進化について考えるのも善し。自分の星座を探して、好きな相手との相性に一喜一憂するも善し。冬の星座オリオンを見つけて、「リボンの形だぁ。」といったり、「スプーン星やおっぱい星が見えるよ。」と子供達と一緒に楽しむのも善し。
ゆったりとした時間の中で、自然とたわむれるひと時が持てるというのは、今の時代における最大の贅沢かも知れないですね。
しまふくろう-かがくのとも傑作集
- 神沢 利子, 山本 純郎
- しまふくろう -どきどき☆しぜん
25P/26cm/福音館-かがくのとも傑作集/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節-なし。しまふくろうは、北海道の生き物で、その一年間の生態を写真で捉えた写真絵本です。
しまふくろうの生態を丹念に写真で追ってゆく写真絵本です。一つの生き物について、簡潔に判り易い、かがくのともの多くの作品は、ストーリーのある読み物に興味のない子供達でも、真剣に聞いてくれることがあり、色々な個性のある公立の小学生を相手にする時は、重宝しています。
かがくのとも傑作集は、『どきどき☆しぜん』-動物・星座などについて。『わくわく☆にんげん』-道具や人体・料理などについて。『わいわい☆あそび』-紙ひこうきやしゃぼんだまなどの遊びについてという大きな三つの分野に分けられているようです。
読み聞かせで使いやすいのは、『どきどき☆しぜん』と『わくわく☆にんげん』ではないでしょうか。『わいわい☆あそび』は、実験的な内容が多く、実演しないと実感がわかなかったり、思わずやってみたいくなるものが多いのです。特別なイベントの時には、良いかもしれませんが、まだそういうか機会がないので、何ともいえません。
どんぐり-かがくのとも傑作集
- こうや すすむ
- どんぐり
28P/26×23/福音館-どきどきしぜん☆かがくのとも傑作集/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節-冒頭には「北海道の春」と書いてある。でも、主題がどんぐりだから、秋に読みたいですね。
北海道のみずならの木の一年間を紹介した科学絵本です。小鳥や小動物が浅い土の中に備蓄したどんぐりの実の中で、忘れ去られたものだけが芽を出し、次の世代が育ってゆくのです。どんぐりと森の動物達の共生関係がわかりやすく描かれています。
我が家も子供達が幼稚園の頃は、近くの市民公園へ出向き、マテバシイやスダジイといったどんぐりを山ほど拾ってきたものです。そして、どんぐり銀行 なるものへの貯金を試みたものでした。この絵本を読んだら、またどんぐり貯金が恋しくなりました。今年の秋は数年振りにどんぐり貯金をして、森にどんぐりの木を植えるお手伝いをしようかしら。
おてだまのたね-秋田・向陽幼稚園の実践記録より
- 織茂 恭子
- おてだまのたね―秋田・向陽幼稚園の実践記録より
28P/26×23/福音館-がくのとも傑作集/1998/読み聞かせにかかる時間-6分程度/季節/おはぎが出てくるので秋かな。
ある日、おひさま幼稚園に近所のおばあさんから88個のお手玉が届けられました。おばあさんが、米寿になったお祝いのおすそ分けにと、寄付したものだったのです。子ども達は、大いに感謝し、そのお手玉でイロイロな事をして遊びました。やがて、お手玉は、汚れ、ほつれてきました。
破れたお手玉の中から出てきたものは、「お手玉のたね」でした。先生と子ども達は、このタネを撒いて、大切に育てました。苗はすくすくと育ち、翌年の秋には、たくさんの「おてだまのたね」が収穫できたのです。
先生は、これをぐつぐつと煮てお砂糖をいれて甘~いあんこを作りました。もち米を炊いて、小さな丸いおにぎりをつくって、これをあんこでくるむと、「おいしいお手玉」が出来ちゃったのです。子ども達は、大喜びです。そして、おてだまをくれたおばあさんにも「おいしいあてだま」のおすそ分けをして、皆でおいしく頂きました。
おばあさんの米寿のおすそ分けというところに、惹かれました。自分の誕生日を祝ってもらうのではなく、ここまで長生きできた事を感謝し、その喜びを分かちあおうという気持ちを持てるって、いいですね。こんな風に年をとれたらいいなと思いました。
幼稚園の先生も、ちゃんとおばあさんに感謝して、お手玉でたくさん遊びます。お手玉の中から出てきた小豆を撒いて栽培して、命が続いていることをさりげなく子供達に教えています。
こんな温かい人ばかりだから、最後には、「おいしいお手玉」のおすそ分けを思いつくのでしょうね。全く同じように実践することは出来ないかもしれませんが、クラスで工夫をいれば似たような体験ができるかもしれないですね。素敵な思い出が出来そうな気がします。
美しい数学⑦-ふしぎなたね
- 安野 光雅
- 美しい数学-⑦ ふしぎな たね
- 32P/26.1×21.5/童話屋/1992/読み聞かせにかかる時間-読むだけなら9分なんだけど、計算しながら読むと、個人差が出るかも・・・/季節-なし。
なまけものの男が神様にもらったタネは、ひと粒食べると一年間何も食べる必要がありません。最初に2つぶもらった男、一つは食べ、一つは地面に植えました。翌年、一粒のタネから二つの花が咲き、二つの実がなりました。一粒は食べ、一粒は植えるということを繰り返しているうちに、これでは全然増えないことに気づき、ある年、男は違う食べ物で一年間凌ぎ、二粒とも、植えることにしました。
翌年は、4つの実がなりました。一粒食べ、残りを植えました。翌年は、6つの実がなり、その次の年は、10個の実がなりました。男は、9つのタネを植えました。次の年は、18の実がなり、その次の年は、34個の実がなりました。その次の年には、通りがかりの女の人がきて手伝ってくれたので、女の人にも実を分けてあげました。そして、次の年、その女性と結婚することにしました。招待した5にんに、2こずつあげました。ついでに蔵を建てて、16個のタネをしまいました・・・。
このあたりになると、電卓とかメモがないと、今、何個の実が手元にあるのかが全然判りません。その後も子どもが生まれたり、蔵に備蓄したり、算数が嫌いな人には、苦しい展開が続きます。しかし、終盤には台風が来て、10個のたねを残して、皆、流されてしまいます。
お母さんは「この子が無事でよかった」と言います。お父さんは「10個もタネが助かった」と言いました。残ったタネのうち、3個を家族で食べて、残りを地面に植えて「どうか、いいタネが実りますように」と天に祈りました。
途中まで読んだときは、計算が面倒臭くって、放り出しそうになってしまいました。けれども、根気よく読み進んだら、なまけものの男は、いつしか働き者になり、家族が増えて、神に感謝するようになったのです。最後まで我慢して読んでよかったと思いました。でもね、なまけものの男が結婚した年からは、計算はしていません。こういうのは、ちゃんと子どもが神と鉛筆を使って、勉強するべきものです。大人が、むきになってやるものじゃあ、ありませんよね。
シリーズの紹介
①10人のゆかいなひっこし
②③すうがく博物誌 上・下
④壷の中
⑤赤いぼうし
⑥3びきのこぶた
せかい1おいしいスープ
- マーシャ・ブラウン, 渡辺 茂男
- せかい1おいしいスープ―あるむかしばなし
52P/25.6×20.2/ペンギン社/1979/読み聞かせにかかる時間-10分程度/季節-食べ物が残り少ないし、体が温まるおいしいスープの話だから秋から冬かなぁ。
腹ペコで疲労困憊しているの兵隊達を冷たくあしらう村人達に対して、三人の兵隊は知恵を絞り、石で作る「世界一おいしいスープ」を作ることにしました。隠し味に、塩・こしょうがいるな。人参が入ると尚、おいしいよ。と次々と村人達から、食材をget。仕上がったスープを村人達にも振舞ってあげて、村人達は「石で作ったスープがこんなにおいしくなるなんて・・・」と大感激で、「村中で一番上等のベット」でひと眠りできるおまけまでついてきます。
ストーリーがしっかりしているので、お話の内容の邪魔にならない、挿絵が、good job !です。絵本を読み終わってから、作者を見たら・・・『三びきのやぎのがらがらどん』や『パンはころころ』を書いたマーシャ・ブラウンでした。う~ん。流石です。
中学年以上の子供達なら、兵隊さんたちの知恵も村人達の意地悪さも愚かさも理解できそうだし、時間もどんぴしゃり!いいんじゃな~い。と思っていたら・・・絶版なんですって。図書館で借りるしか手に入らないなんて、かなり残念な絵本です。300円台のアニメ絵本の出版をむ1/4に抑えて、こういう絵本の継続出版をして欲しいものです。
おほしさまかいて
- エリック カール, Eric Carle, 佐野 洋子
- おほしさま かいて!
31P/31×24/偕成社/1992/読み聞かせにかかる時間-3分程度/季節-なし。自分の先入観で、星=7月というイメージがあります。でも、この絵本に限っては、一年中使えそうです。
原作がエリック・カールですから、ストーリーというよりは、絵の美しさと流れを重視したい絵本です。美しい色彩と子供たちが好む美しいものを次から次に連想して行く絵本です。ドイツ人のおばあちゃんの星の絵描き歌を紹介して終りという優しくて懐かしくて夢のある絵本です。

