日記「今日見た映画 2017」40『八重子のハミング』 | やりすぎ限界映画入門

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■『八重子のハミング』
☆☆☆☆★★[90]

2016年/日本映画/112分
監督:佐々部清
出演:升毅/高橋洋子/梅沢富美男/文音/中村優一/二宮慶多/安倍萌生/辻伊吹/朝加真由美/月影瞳/井上順

■2017年 劇場公開作品 40本目

僕が見た「アルツハイマー病」の映画で印象に残ってるのは『明日の記憶』『私の頭の中の消しゴム』『アリスのままで』。『八重子のハミング』も印象に残る映画となった。

「この世の全ての人間」が、誰でも、「他人事ではない」。「明日は自分の番かもしれない」。「アルツハイマー病」になるか、「介護する人間」になるか、どちらにもならずに済むことの方が難しいかもしれない。

もし僕が、妻の介護をしなければならなくなったらどうなるだろう? 『八重子のハミング』のように添い遂げることを全うできるだろうか? 介護に疲れた殺人や自殺が現実に多く起きる理由が、『八重子のハミング』を見て理解できる。あまりの極限のくそリアリズムに見てて怖くて震え上がった。もし僕なら、自殺しないで添い遂げられるだろうか? 見てて追い込まれた。

石崎が「苦しみ」を一人で抱え切れず、みんなに打ち明けると、みんなが協力して助けてくれた。「実話」だったと見終わってから知ったが、本当に頑張ってると誰かが助けてくれることも極限のくそリアリズムに見えた。「かなり」涙が出た。

ものすごい壮絶な「苦しみ」に見える介護をしながら、それでも妻に生きててほしいと思う石崎に「震撼」「驚愕」「圧倒」「尊敬」「絶句」だった。

「明日は自分の番かもしれない」。石崎のように全うすることが僕にもできるだろうか? 本当に成し遂げられもしないのに、口先だけで、簡単に「感動した」とか言っちゃいけないほど重い映画に見えた。


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画像 2020年 1月