回顧録「いつか見た映画 1991」33『プロスペローの本』 | やりすぎ限界映画入門

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■『プロスペローの本』
☆☆☆☆★★[90]

1991年/イギリス=フランス映画/126分
監督:ピーター・グリーナウェイ
出演:ジョン・ギールグッド/マイケル・クラーク/ミシェル・ブラン/エルランド・ヨセフソン/イザベル・パスコー

■1991年 劇場公開作品 33本目

映画監督になりたい「妄想」を見て、そのために「何かしなきゃ」と思って始めた一つが映画雑誌『スクリーン』の購読だった。初めて買ったのは17歳の時。「外国映画ベストテン」の「映画評論家選出ベスト作品」と「読者選出」のあまりの違いに興味を引かれた。「専門家」と「一般客」の意見が何でここまで違うのか「不思議」でならなかった。「専門家」の中には「淀川先生」「佐藤先生」がいた。

「ピーター・グリーナウェイ監督」の『コックと泥棒、その妻と愛人』が1990年の「映画評論家選出ベスト作品」「1位」だった。20歳の僕に「見たい」と思う「精神力」はなかった。むしろ「勉強」しなければならないのに「こんなの見たくねぇよ」が「本音」。何がそんなに「偉大」なのか、興味を持つのも難しかった。以来「今」も『コックと泥棒、その妻と愛人』を「見てない」。この「ツケ」は近いうちにきそうな予感がしてる。

『コックと泥棒、その妻と愛人』から「逃げた」僕だったが、翌年91年に『プロスペローの本』が公開された。『あの夏、いちばん静かな海。』のように「淀川先生ベタ褒め」。「意を決して」僕は「渋谷シネマライズ」に観に行った。冒頭始まって「数分」で「完全熟睡」。「気づいたら終わってた」。「罪悪感」「自己嫌悪」を感じながら後日「LD」を買った。だが「冒頭数分」以上「見たことがない」。その「ツケ」が今やってきた。

当時初の「ハイビジョン技術」を使った「絢爛豪華」な美術が話題となった。シェイクスピアの『テンペスト』を基にしたグリーナウェイ監督の創作なのだが、やはり「現代」になっても、「一時停止」しながら「確認」して見てかないと理解できなかった。話より、映画でしか表現できない映像の美しさが見せ場なのは理解した。「女好き」の僕は、200人ぐらい登場する女性が、殆ど全員「全裸」なのは圧倒された。『パフューム ある人殺しの物語』に並ぶ「全裸」に見えた。「とにかく美しい」のは納得した。ものすごく凝ってて、撮影大変だっただろうと想像して「尊敬」する以外なす術がなかった。


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「いつか見た映画 1991」31『バックドラフト』
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「いつか見た映画 1991」34『シラノ・ド・ベルジュラック』
「いつか見た映画 1991」35『夢の降る街』
「いつか見た映画 1991」36『アリス』
「いつか見た映画 1991」37『夢二』
「いつか見た映画 1991」38『ゴッホ』
「いつか見た映画 1991」39『アタメ』
「いつか見た映画 1991」40『白い婚礼』
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画像 2018年 9月