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「洗顔料はよく泡立ててから使え」
というのがスキンケアの常識…
ですが、最近SNS(というかYouTube)にて
『洗顔料は泡立てる過程で洗浄力を発揮するから泡立てた後は洗浄力がなくなる。肌に直付けして泡立てたほうが良い。』
という新理論を提唱した人がいて、それがめちゃくちゃ話題になっていたそうです。
まぁ僕自身これ最初に見たのは結構前で、
さすがにこんな謎理論がまかり通ることは無かろうと思って静観していたんですけど
こないだTwitterで一瞬バズってたり(後ほど批判されて削除されていたが)
昨日の100の質問LIVEでも質問に出てきたり、
意外なほど沢山の人に影響を与えている様子でした…(^^;)
今日はこちらについて詳しい解説をしていきたいと思います!
◎「洗顔料は泡立てると洗浄力がなくなる」…はもちろん科学的根拠なし
まずこの話なんですけど、
洗剤が泡立てると洗浄力がなくなる、というのはもちろん全く根拠がありません。
こんなの実際に泡立てた泡でメイク汚れとか洗ってみれば分かることです。
問題なく洗えるはずです。
元から泡で出てくる洗顔料とかはどうしたら良いの?という話ですよね…。
多分この理論を提唱した方のイメージでは、
「洗浄力」はエネルギーみたいなもの(?)で、
一度発揮したら戻ってこない(?)ようなそんな感じに思っているのかもしれませんね…。
で、それが泡立てる過程で消費される(?)ので、
=泡立てた後に使うと既に洗浄力が失われている
という発想になったのだと思います。
まぁ厳密に言うと「洗浄力が消費される」的な発想はあながち間違いではないんですけど、
「泡立てる」ことではそれは一切消費されないんですよね。
つまり泡立てることで洗浄力が失われることはありません。
◎洗剤の基本…「泡立ち」と「洗浄力」は無関係?
一般に洗浄力に寄与する要素は「濃度」「温度」「機械力(摩擦力)」「洗浄時間」「pH」などが上げられます。
しかし「泡立ち」と「洗浄力」は基本的には無関係というのがこれまでの常識でした。
モコモコ泡の洗顔料ほど洗浄力がしっかりしているイメージがあろうかと思いますが、
実はそういうわけではないんですよね😅
例えば衣類用洗剤でいうと、洗浄力がすごく高い洗剤でも泡がほとんど立たないというケースが結構あります。
これはわざと消泡剤というのを加えて泡立ちを抑えています。
(泡立ちすぎて洗濯機から溢れたりするから)
そんなこんなでこれまでの洗剤業界の常識として、
泡立ちと洗浄力は無関係
=泡立てても泡立てなくても洗浄力はほぼ同じ
ということになります。
◎しかし最近の研究で「高密度な泡」は洗浄力が上がることが分かった
これは花王さんが2014年に発表しているもので、
多少の泡立てでは洗浄力に影響はないが、
ある一定以上の高密度の泡だと洗浄力が上昇することが分かっています。
これは、洗浄剤の洗浄力が向上しているのではなく、
密集した泡が毛細管現象的に油を吸収するようになるためだそうです。
なので、実際には泡立てることで洗浄力が低下するばかりか、
高密度に泡立てた場合は洗浄力がむしろアップするということなのです。
※「洗浄力別に上げたくないわ!」という方は、そこまで高密度の泡を作らないようにすれば良いと思います😅
◎濃密な泡を作るにはその分水分を加える必要があるので、これによって濃度が低下して洗浄力が下がる可能性は?
しかし泡を作るには水(お湯)を結構加える必要がありますね。
泡の正体って水ですからね!
そうすると加えた水分量に合わせて洗剤濃度が低下して、洗浄力を失う可能性はないのでしょうか?
洗剤の洗浄力を左右する要素として「濃度」はたしかに重要です。
ただし、洗剤の濃度要素は結構複雑で
ごく低濃度では洗浄力が低いですが
一定の濃度(臨界ミセル濃度)に達すると洗浄力が頭打ちになります。
(ちなみにさらに濃度を上げるとかえって洗浄力が低下傾向になります)
洗剤・洗浄百科事典 p.326より
(反射洗浄効率…測色色差計というもので図る洗浄力 SDS…ラウリル硫酸Naのこと)
単純に低濃度であれば洗浄力が低く、高濃度ならば洗浄力が高いというわけではないんですよね!
ただこのようなグラフ形の洗浄力変化をするのはほとんどの界面活性剤において1%以下の話で、
我々が使用している洗顔料などは少なくとも界面活性剤濃度10%以上あります。
使用時に10倍程度に薄めたとしても、1%以下濃度で使用することは稀です。
つまり泡立たせるためにある程度水を加えて濃度が薄まったとしても、
実際の洗浄力には大きな差は生じない濃度範囲になっているということです。
ゆえにご家庭での使用における濃度変化に伴う洗浄力減退を心配する必要はありません。
◎洗剤の「皮膚刺激」は濃度が薄いほど低刺激!
しかし、洗浄力は変わりませんが、洗剤の「接触皮膚刺激」は濃度が薄まれば低刺激になります。
例えば僕の手持ちの資料(油脂・脂質・界面活性剤データブック)ですと
「ラウレス硫酸Na」は
25%で皮膚一次刺激性指数が5.3~6.13程度です。
(大体ペースト系の洗顔料はこのくらいの洗剤濃度です)
そして7.5%で、0.5~1.15程度です。
(0が無刺激、8.0が最大刺激)
これは強刺激が微刺激になったくらいの差があります。
他にも「ラウレス硫酸アンモニウム」は25%で4.1~8.0で、7.5%で0.5~0.9となります。
つまり、
10%以上濃度のものを直接肌に塗りつけるよりも、
1%程度のもののほうが単純な皮膚刺激が低くなるわけです。
洗浄力は一定でも、皮膚刺激は濃度によってだいぶ変わるので、
その意味でも洗顔料は薄めて泡を立てた方が良いです💡
間違っても洗顔料をそのまま肌に乗せて直接泡立てるようなことはしないでください!
◎同じ濃度・成分でも「高密度な泡」の方が低刺激になる
また、先程の花王さんの研究によると
きめ細かい泡のほうが、肌に吸着&浸透する界面活性剤量が低下することが分かっています。
皮膚に直接残存しにくくなるため、皮膚刺激も低下するといえるでしょう。
◎補足:石鹸の場合はpHが下がると洗浄力も下がるので、薄めると洗浄力が落ちるかも?
追記ですが、
そういえば「石鹸」を主体にしている洗顔料の場合は、pHが低下すると洗浄力も下がるので、
薄めると少し洗浄力が下がる可能性がありますね。
ただ10倍にしてもpHは約1しか変わらないので、市販の洗顔料の場合はそこまでの差はないかもしれませんね。
(何十~何百倍としている洗濯洗剤等の場合はかなり大きな影響が出ると予想できます)
◎結論:洗顔料は絶対に泡立てるべき!(泡立てない使用法を推奨されているものは除く)
というわけで、洗顔料に関して話題の新理論(?)についてですが
- 泡立てると洗浄力がなくなる→根拠なし(泡立てても洗浄力は下がらない)
- 肌で直接泡立てるべし→高濃度で接触するので肌負担が増える
- 水を加えて薄めた方が洗剤の接触刺激が下がる
- 水で薄めても洗浄力は下がらない
- 濃密に泡立てた方が洗浄力がアップする
- 濃密に泡立てた方が皮膚刺激が低下する
- 泡のクッション効果で摩擦も低下
- 容積が増えるので少量の洗剤で洗える
など、どの面から見てもしっかり泡立てた方がメリットが大きいので
くれぐれも真似することの無いようご注意ください💡
かずのすけ@kazunosuke13洗浄科学のプロとしてこれだけは皆に伝えたい。 【洗顔料を顔に直塗りして直接泡立てる】 これは絶対やめるべき洗顔法。 「洗顔料は泡立てる過程で洗浄力を発揮するから泡立てた後は洗浄力がなくなる」という誤情報が出回っているが、… https://t.co/1YSUs4X90K
2022年01月12日 17:02
※ただし「ジェル洗顔」とか「泥洗顔」とか、一部には『そのまま塗ってね』というタイプの洗顔料もありますからそれは公式の使い方に従ってほしいと思います!
ちなみに僕はずっとバルクオムさんの泡立てネットを使用していますが、
高密度な泡が本当に簡単に作れるのでもし良い泡立てネットをお探しの方はこちら試してみてください!😉
それでは本日は以上です!
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