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昨日こちらの内容がTwitterですごく話題になっていましたね。
▶【韓国コスメ】韓国ブランド化粧品から発がん物質を検出 20製品のうち10製品で 韓国環境運動連合が発表 =ネットの反応「知ってた」「あーこれ、日本のマスコミでは報道しない自由を発動するやつだ」
内容を掻い摘んで説明すると
・韓国産のコスメをランダムに20製品検査したら、そのうち10製品から発がん性や環境汚染物質として指摘されている「PFAS」の成分が(微量に)検出された。
という感じです。
そしてこの内容を受けて
「韓国や外資コスメはやっぱり良くない!」「国産コスメの方が安全!」
のような意見がTwitterでも話題になっていましたね。
(なぜ外資コスメも一括にされてしまったのかは全く謎なんですが…)
ただ、この報道(?)の内容や、これを受けて韓国コスメや外資コスメを批判する流れになっているのは…
僕の率直な感想としては不適切ではないか?と感じています。
どういうことなのか、そもそも「PFAS」とは何なのか?という話から詳しく解説していきたいと思います。
◎「永久に残る化学物質」…【PFAS】とは何か?
まず問題となっている発がん性&環境汚染物質である【PFAS】という物質についてです。
こちらに参考になるページがありました。
欧米では「永久に残る化学物質」と言われ、
動物への発がん性や環境汚染物質として永らく問題視されてきた物質です。
「パーフルオロアルキル化合物」もしくは「ポリフルオロアルキル化合物」の略称で、
最も有名なのが
- パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)
- パーフルオロオクタンカルボン酸(PFOA)
の2つです。
ちなみにこれらは「フッ素系界面活性剤」と呼ばれるもので、
いわゆる『フッ素』が多数結合した「フッ素化合物」です。
安定性が非常に高く撥水性・撥油性に優れる特徴から
主にはフライパンのコーティング剤、消火剤、潤滑剤、表面処理剤、金属処理剤などなど様々な用途で過去70年間以上利用されてきました。
問題としてはあまりに安定性が優れているために自然界に流入したときに分解されないため、
それが土壌や河川湖沼に蓄積すると、その生態系に影響を与えたり、
これを摂取した動植物などを食したり、飲用水などに含まれているなどで
長期視点で見ると人間にも悪影響になると判明したのです。
それで、このPFOAやPFOSに関してはかなり昔からいろんな規制などが逐次決められており、
昨年には日本でも水道水に含まれる両成分の基準値が設けられていたりと
国内外でどんどん対策が進められている状況です。
◎PFASは現在4700以上の種類がある!?
しかし
こちらのサイトで確認すると、
PFASには現在では4700以上の種類があり、
(↓こんな感じで沢山の種類があります。)
先程のPFOSやPFOAが入っていなくても、類似の特性の成分というのもとても沢山あります。
このPFASの成分の定義について調べてみたところ、
↓のOECDが出している資料に載っていました。
英語で難しいんですけど良かったら読んでみて下さい。
かなり定義は広くて、「パーフルオロアルキル○○」みたいな名前のものは大体これに該当するようです。
その中には国産化粧品の「崩れ防止コスメ」によく利用されていた
【フッ素変性シリコーン】等も含まれると考えられます。
◎日本では今年から規制されたが、これまではPFAS成分を普通に使っていた!?
で、お恥ずかしい話ですが実はこれ、僕も今調べていて初めて知ったことなんですけど、
化粧品を含む化学製品の成分について色々定めている「化審法」っていう法律があるのですが、これが今年の4月に改定されまして、
ちょうど「PFOAまたはその塩類」を第一種特定化学物質として指定して、
関係成分を配合禁止とすることになっていたようです。
※ちなみに「PFOSとその塩類」については平成21年(2009年)から化審法で取り締まられていました。
で、新しく規制されたのはどういう成分が例えばあるのか?というと、
結構有名どころだと
・パーフルオロアルキル(C4-14)エトキシジメチコン
という成分があります。
さっき言ってた「フッ素変性シリコーン」の一種ですね。
現在は配合禁止になっているようですね。
「え、こんな成分聞いたことない!」と思った人いるかもしれませんが、
これ、めちゃくちゃ使っている人多かったんですよね…。。。。
↑のサイト、下部のところから配合されている市販化粧品を調べられるので、
クリックして見ると何に入っていたか大体分かります。
そうです…
旧型の『ソフィーナ プリマヴィスタ』シリーズの大半に配合されていました。。
プリマヴィスタの主力としていた『皮脂くずれ防止下地』の主成分なんですよ😅
(これ言って良いんか…?)
全成分の上位4番目という、かなり高濃度で入っていました。
現在ではすでにリニューアルされていて新しい方には同成分は入っていないのですが、
まぁかなり人気な製品でしたからね…。。。
発売からリニューアルまで相当の消費量があったと思われます…。。。
ちなみに最も有名所としてこれを紹介してますが、
類似のフッ素樹脂成分については僕のブログでは前々から何度も警戒してきたように
ぶっちゃけいろんな製品に配合されていたので、
プリマだけに限った話ではないというのは何卒ご理解下さい。
まぁ今は一応化審法によって明らかにPFASに該当するような成分は今年から配合禁止ということで、
(これからは)国産化粧品なら安全よ!というのも、一理あるかもしれません。
しかしながら普通に10年以上も上記の成分を配合した製品がベストセラーだったお国というわけで、
その時点で韓国や欧米を下に見ることは出来ないのではないか…?と僕は思います。。
◎韓国コスメのPFOAの検出は気になるが、健康影響があるレベルとは考えにくい
ところで件の韓国コスメの場合一番問題視されている「PFOA」そのものが出ているっぽいんですよね。
実際にPFASの一番良くない成分というのは先程紹介した「PFOA」と「PFOS」で、
発がん性や不妊症等の毒性の懸念が指摘されているのもこの2成分が主です。
その他の成分は種類が多すぎて安全性については十分に検討されているとは言えない状況です。
恐らく、PFOAやPFOSを超えるような毒性の成分は他にはほとんどないと思われます。
またPFOAやPFOSであっても経皮浸透による毒性の発現を示した根拠は今の所なく、
↓の資料では経皮毒性はデータなしで分類出来ないとなっています。(アンモニウム塩の経皮毒性が全て1,000mg/kg以上であることから察するにng単位では毒性はなさそう。皮膚刺激も一応刺激ありとのことだけど明確な根拠はなさそう。)
大半の文献の情報では、汚染された食品や飲料水として摂取した場合に懸念されるものとのことです。
さらにそもそもの発がん性や不妊症との関係性自体もまだ確実とは言えない(「懸念がある」の段階)です。
なので、なぜPFOAが検出されているかはハッキリ言って謎ですが、
(僕の予想としては、検出量がものすごく微量なので、フッ素変性シリコーンの副生成物みたいな感じで不純物として混入した…とか原料由来のものの可能性があるのでは?と考えています。あとは製造機材に予め付着していた処理剤とか…。)
化粧品として長期塗布していたとしても、経皮浸透による毒性はほぼ考えなくていいと思います。
もちろん断言はできないですが、積極的に飲んでいるわけでもないですしね。
ぶっちゃけこの程度の検出量なら人体に対しては何の影響もないレベルだと思います。
大本の記事はだいぶ恐怖を煽りすぎているし、記載内容も正確とは言えないと思いました。
そもそも韓国コスメはフッ素成分をあまり使わないイメージなので、
ちょっとでも出てきたからびっくりということなのかもしれません。
むしろ「よく調べたな」、という印象です。
そういう意味では日本の方がこの辺かなりゆるいと思います。
もし先程のプリマの成分とかもPFASとして調べていたとしたら、
検出量はng単位で済んだのでしょうか…。
また原料由来の回避できない不純物や製造機材のコーティング剤が溶け出している等の原因だった場合は、国産コスメであっても検査すればPFOA等が微量に検出されたとしてもなんら不思議ではありません。(やってみないと分からない)
◎完全なPFASではなくても、「フッ素樹脂」全般に【環境汚染】の懸念がある?
ただ、僕としては完全なPFASではなかったとしても『フッ素樹脂』全般をあまり良いものとは思っていません。
化粧品として皮膚に塗布してそれでガンになるとか、それは過剰な恐怖を煽る情報だと思います。
なので上記プリマのフッ素変性シリコーンについてもその点を懸念する必要は全く無いと思います。
(まぁ毛穴につまりやすかったのでニキビとかができやすくなるとかはあっただろうけど…;)
しかし無視できない大きな問題がありまして、それが「環境汚染」なんですよね。
皮脂くずれ防止などのコーティング剤なので、
コスメとして配合している場合は、クレンジングして水で流すのが一般的だと思います。
そうすると、フッ素成分が下水から自然界に流れ出てしまうわけですね。
もちろん下水処理して大部分は除去していると思うのですが、下水処理は何でも完全に除去できるわけではなく、ある程度は河川や湖沼、海などに流れ出てしまうんです。
微量ずつであってもフッ素成分は自然に流してもほぼ全く分解できないのでそのまま残りまして、
そこで生きている生き物とかがその汚染水を飲んだりして体内に蓄積してしまいます。
巡り巡ってそういったお魚さんなどを人間が食して、なにかの悪影響に結びつくかも…という話なんです。
で、この問題については今規制されていない完全なPFASではなくても、
類似のフッ素樹脂成分であれば同様の懸念があるのでは?と僕は思うんです。
類似のフッ素樹脂成分というとどんなものがあるのか?というと、
今でも販売されているオイリー肌用のプリマヴィスタにも入っている
「パーフルオロヘキシルエトキシジメチコン」とか、
(というかこれはれっきとしたPFASな気がする…。。)
その下の「トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸」とか、
これにも入っている↑。
「PEG-8トリフルオロプロピルジメチコンコポリマー」とか、、
つまり国産コスメの皮脂くずれ防止系のものに大体入っているいわゆる『フッ素変性シリコーン』ですよね。
規制されているような完全なPFASではないものの、今後これも懸念成分として指摘されかねない予備軍成分だと僕は思っています。
いずれにせよ生分解性はものすごく低い成分のはずです。
実際のところ、韓国コスメや欧米コスメではあまりこういったフッ素成分って使われていない印象が強いんですよね。
皮脂くずれ防止にここまで傾倒しているのは日本独自の化粧文化のような気がします。
日本でも世界でも今の所規制されている成分というわけではないので、別に悪いことしているわけではないですが、
いずれも大手メーカー製で、ものすごい消費量の化粧品だと思いますから、
これを機にフッ素成分全般の環境負荷とかをよく研究してみてほしいなぁと思うところです。
今後の研究で上記のトリフルオロ系とかはまだ大丈夫とかそういう展開になる可能性もありますが、
多分現在の世界情勢を考えると、フッ素系成分全般が縮小の方向になっていきそうな雲行きと言う気がしますね…。
(揮発性シリコーンも怪しいくらいですからね…。)
はい、というわけで長くなりましたが、
韓国コスメに検出されたPFASについて調べたことをまとめてみました。
僕自身短い時間で調べたことなのでまだ分かってないことも多いんですが…
少なくともこの件については少々韓国コスメバッシングが強すぎるかなという印象がありました。
僕も日本人ですし国産コスメが好きですから是非国産コスメが一番良いよって言いたい気持ちもありますが、、(実際に安全性はめちゃくちゃ高いんですよ!)
フッ素成分については正直なところ日本は世界に対してあまり大きな顔できる状況ではなく、
これからまだまだ検討していかなければならない立場にあると思います。
今後の動向に注目ですね!
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