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前回の動画で、
かずのすけの持論として、
「日焼け止めの塗布量は、実際の使用量に即していない日焼け止め試験を元にした量(0.7g)も塗らなくても、半量程度で十分日常的な紫外線を防ぐ効果がある」
という話をさせてもらいました!
白浮きしたりメイクがヨレヨレになるなど、使用感を損ねてまで無理に試験時の塗布量に合わせて塗る必要はないよ!
という話をしましたね💡
ただこの内容について
『実際に日焼け止めを規定量の半分しか塗らなかった場合、どの程度のSPF等が出るのか不安です』
という意見を結構たくさん頂きました!
確かに、
しっかり塗ればSPF表記通りに日焼けを防ぐことができるけど、
半量程度しか塗らなかった場合どのくらいSPFが下がってしまうのか…
中々不安ではありますよね。
もしかしたらものすごく効果が低下してしまう可能性もありますもんね…!!!
先日の動画のコメントでも何情報かは定かではありませんでしたが
「半分にすると3割程度になってしまう」という意見もあり、
不安に感じた人も多かった様子です。
(さすがにこれはあまりに根拠のない数字だったので不要な混乱を避けるために非表示にしましたが…💦)
ただこれについては実は以前ある資料を見たことがありまして、
今日はそれを参考に日焼け止めの塗布量とSPFの関係についてややマニアックなお話をしたいと思います!
あと、
『メーカーが実生活に即した試験をしないのはなぜ?本来より多い塗布量で効果を標榜しているというのは、誇大広告ではないのか?』
という意見もあったので、これについても解説します!
◎おさらい:日焼け止めの「SPF」とその試験法について
まず「SPF」とはなんぞや?という話なんですが、
これはSun Protection Facterの略で、
紫外線のうち「UVB」と言われる波長の光線を遮断する効力を表しています。
これは肌が赤くなったり炎症を起こす「サンバーン」という反応を防ぐ効果とされていますね!
SPF2~50+の数値で表されていて、50+が最高値です。
化粧品でも国際基準の日焼け止め試験を行ったアイテムにのみ表示が許されています。
SPFの数値の意味は、その定義を説明すると
「紫外線(UVB)を浴びて炎症を伴う日焼け(サンバーン)をするまでの時間をその数値倍伸ばす」というものです。
例えば日焼け止めなしで日差しを受けて「20分」で日焼けする人が、
「SPF10」の日焼け止めを試験と同等量塗った場合、
その日焼けするまでの時間を20分×10=200分まで伸ばす、という意味になります。
ま~、非常にややこしいです。
なので僕は
SPFは、肌に届く紫外線量を「数値分の1」にする
という風にも説明することがあります。
例えばSPF10であれば、肌に届く紫外線量を1/10にするということです。
難しいですが、先程の「数値倍伸ばす」というのとこれは結果的に同じ意味です。
肌に届く紫外線が1/10になっているから、日焼けまでの時間が10倍に伸びるわけですね。
SPF50であれば、肌に届く紫外線が1/50!
この方がイメージしやすいと思います💡
あと、日焼け止めの試験法(SPF)は以下のような方法で行われています。
まぁこれも非常にややこしいのであまり詳しく知っておく必要はないですが、
一応人の肌(背中)でしっかり試験をしているということと、
日焼け止めの塗布量が「1平方cmあたり2mg」と規定されている
ことは知っておくと良いと思います!
そしてこの「2mg/cm2」というのがこれまた意外と多くて、実際にこれだけ塗っている人はほとんどいないぞ!というのを先日お話したわけですね!
◎日本人の日焼け止めの平均塗布量は「1.2mg/cm2」(KOSE調べ)!
そして、これらについて
KOSEさんが以下のような文献を発表しています。
▶サンスクリーンの長期使用効果
全体的にとても参考になる文献ですが、
特にFig.4とFig.5は面白いです。
こちらがFig.4ですが、
これは一般の消費者がForearm(前腕部)とお顔に塗布する日焼け止め量を調査したものです。
ご覧のように、日焼け止め試験で規定されている
「2.0mg/cm2」を塗っている人はだれもいません…😅
どれほど実生活とかけ離れた量で試験しているかがよく分かりますね…。
ただ、稀にものすごく少ない人はいますが、
平均的に「1.2mg/cm2」くらいは塗っているということも分かっています。
◎日焼け止めの塗布量とSPFの関係…SPF50なら半量でもSPF40程度は出ている!
そして次にもっとも面白いのが、
Fig.5ですね。
これはSPF50+の日焼け止めA●、B■、C▲の3種類を、
日焼け止めの塗布量(無塗布、0.5、1.0、2.0)に合わせてSPFの簡易試験を行い、
その結果をプロットしたものです。
近似線がなぜか知らないですが直線で引かれているのでなんとなく分かりにくいグラフになっているのですが、
詳しい数値が文献に乗っていなかったので、僕の目視で大体このくらいかな?というのをプロットして近似線を引き直してグラフを作り直してみました。
するとこんな感じです。
もう少し詳しく解説したのがこちらです!
SPF50の日焼け止めならば、規定量の半量(1mg/cm2)であっても、
なんとSPF40付近の効果が期待できるという結果です!
(45くらい出てるものもある)
コーセーの文献だと、「効果が十分出ていないので、しっかり塗ってもらうように指導する必要がある」って締めくくっているんですが、
平均1.2mg塗っているなら日常生活なら十分じゃないかな…?
と僕は思ってしまいました😅
さっきも言ったようにSPF40なら紫外線影響を1/40まで下げてますからね。
20分で焼ける人は800分まで耐えられるようになると。
=13時間強も日差しを浴びる人はほとんどいないでしょうと。
◎日焼け止め塗布量とSPFの関係がみんなのイメージと違う理由
この結果を見たときに「半分でも意外と高い!」と思った方が結構多いと思います。
多分多くの人のイメージは↓こんな感じだったのではないかと思います。
つまり半分にすれば大体半分くらいになるか、もしかしたらそれ以下の可能性もあるかも…?と。
30%などと言っていた人も居たんですよね。
でも日焼け止めの構成を考えると、↓のプロットは「なるほど」と僕は思いました。
というのも、日焼け止めって、SPF30くらいまで出すのは結構簡単なのですが、
それ以上のSPFを求めると、かなり粉体量や紫外線吸収剤量を入れなければならないんです。
紫外線防止剤を倍入れたからと言って、SPFは倍にならないんです。
よく「SPF50の日焼け止めにSPF30のファンデーションを重ねたら、SPF80相当になるか?」と聞かれまして、
これについては「単純加算はできないです」とお答えするんですが、
多分僕の勘ではSPF55~60くらい相当にしかならないのではないかと思われます。
というのも、上のプロットグラフを見れば予想ができて、
結局紫外線防止効果はその紫外線防止剤の「量」に依存しているので、
SPF30をプラスするということは、同じ日焼け止めをさらに0.5g(SPF30相当)足すのと実質的に同じだと思うんです。
でもグラフの形を見れば、グラフの傾きがかなり平坦になってしまっているので、2.5mgまで伸びても55~60程度までではないか?と考えられる…と。
このように、日焼け止めの塗布量とSPFは対数関数的な線形を取って増加するため、
初めの方はどんどん増加するけど、後の方は量を足しても中々増えなくなるのです。
そのため、半量塗った状態でもすでにSPFがそこそこ高く出ているというわけ。
これはおそらくSPF30とかにしても同じで、半量でも少なくとも半分以上の効果は出ているものと考えられます。半分を切ることはまずないでしょう。
◎なぜメーカーは実生活に即した試験をしないのか?
そして最後にこの質問ですが、これは単純で、
「日焼け止めの試験法は国際基準で決められているから」です😅
メーカーが勝手に日焼け止めの試験法を変えることはできません。
そして、
『数値を参考に選ぶのだから実生活に則さない方法での試験はインチキだ』
という人も居たんですが、
これもちょっと解釈が違っていると思いました。
というのも、
そもそもSPFやPAって、日焼け止め本体とかにその詳しい計算法とか何時間持ちますとか書いてないですよね?
「SPF50!PA++++!」とか書いてあっても、普通はよくわからないですよね😅
これ、なぜかと言うと、試験法が過酷条件での最大効力を測っているものですから
こんなのあくまでも「目安」なのでこれを消費者に詳しく伝えても解釈に誤解が生じるだけだからです。
生活様式や顔や体の面積、塗布量などの感覚は本当に人それぞれなので限定的な効果を示せるわけもなく、
本来は「なんとなく数字が大きくてプラスが多い方が効果が高いんだな~」くらいのぼやっとした理解で良いものなんですけど
最近ではSPFやPAのことをみんな知りすぎてしまっていたり、
誤った解釈で「0.7g塗らなきゃ効果ない!」なんて言い出す人がいるもんだから
日焼け止めに関して混沌とした状況になってしまっていると…😅
例えばPCのスペックで
プロセッサ:11th Gen Intel(R) Core(TM) i7-11700 @ 2.50GHz 2.50 GHz
実装RAM:64.0 GB
とか書いてあってもそれを完全に理解して購入する人あんまりいませんよね。
なんとなく数字がデカイ方が凄いんだろうな?くらいの理解の人が大半のはず。
稀にちゃんと調べる詳しい人がいる…と。
(ちなみに僕もよく分かってない数字がいっぱいありますがデカイほうが凄いんでしょって思って買っています。笑)
日焼け止めも本来そんなもんなんです。
メーカーは「SPF50は20分で焼ける人なら1000分持ちます!」なんて別に言っていないはずですよね。
一応そういう計算にはなるけど、それはあくまで理想的なものなので、
実際には全然違う効果になってしまいますので、明言することはないはずです。
なので、散々詳しい話をしてきてなんですが、
日焼け止めのSPFやPAは「でかけりゃ凄い!」程度に覚えておいて
そこまで厳密に考える必要はありませんよ!😅
というわけで、
日常生活であれば、SPF30を大きいパール一粒でも塗っておけば大体十分に日焼けを防ぐ効果があります!
塗布量が仮に半分でも、SPFが半分以下に減少することもありません。
先日に引き続き、
日焼け止めを無理にたくさん塗る必要はないよ、というお話でした💡
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