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今日は、かなり前からすごくリクエストを頂いていた、こちらの
【スピケア V3 エキサイティングファンデーション】
という製品についてお話をしていきますね。
こちらの製品は多分Instagramをメイン舞台にかなり売り上げているアイテムなのだと思うのですが、
（正直TwitterやYouTube等ではあまりお見かけしたことがなく）
実は１年くらい前から結構な頻度で「この製品どう思いますか！？」と聞かれることが多かったです。
まぁ正直
「どう思うも何も、、疑問に思ったその感覚を信じてほしいな…。」
なんて僕は思っていましたし
あえて記事にするほどでも無いかなと思っていた部分があったため傍観していました。
…が、やはり質問を頂く機会がかなり増えてきたので
今回実際に購入しまして、その成分＆使用感レビューと
僕の考え（？）を後でお話したいと思います！
◎SNSで超話題！？革命のハリ美容ファンデ【V3ファンデーション】の使用感と成分について
まずこちらのアイテム、こんな感じの、
いわゆる「クッションファンデーション」です。
中身の部分（？）をぐっと押し込むとちょっとずつリキッドファンデーションが中心からにじみ出てきます。
それをクッションに取ってお肌に塗布していきます。
さっと使ってみる感じですと、こちらのシミとかもある右手の甲に塗ってみますね。
結構こってり系のファンデで、
ムラになりにくく、薄いシミやお肌の粗は綺麗に隠してくれるので、
クッションファンデとしてはかなり使い勝手の良いアイテムだと思いました。
後で説明しますがこのファンデには「天然針」が配合されていて刺激があるとか書いてあるのですが、
針が実際に肌に刺さるみたいな刺激は別に感じないですね😉💦
ただカバー力はそこまで高くはないですし、
クレンジングもジェルクレンジングでも結構綺麗に落とせたので
キープ力とかもそこまで高くはない、ナチュラル肌系のファンデーションですね。
肝心の成分はこんな感じです。
水、PG、酸化チタン、メトキシケイヒ酸エチルへキシル、トリ（カプリル酸/カプリン酸）グリセリル、スクワラン、エチルヘキサン酸セチル、ジメチコンセチルPEG/PPG-10/1、ジメチコンサリチル酸エチルヘキシル、フェニルトリメチコン、アルブチン、マイカ、ホホバ種子油、リンゴ酸ジイソステアリル、酸化亜鉛、セスキオレイン酸ソルビタン、ジステアルジモニウムヘクトライト、硫酸Mg、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG-100、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、ヒドロキシアセトフェノン、パンテノール、酸化鉄、ステアリン酸Ca、アロエベラ液汁、マンニトール、ナイアシンアミド、ヒト臍帯血細胞順化培養液、ヒアルロン酸Na、グンジョウ酢酸トコフェロール、ハイドロゲンジメチコン、アラントイン、アデノシン、加水分解カイメン、トリエトキシカプリリルシラン、ダイオウショウ葉エキス、ウルムスダビディアナ根エキス、メマツヨイグサ花エキス、クズ根エキス、ニコチノイルジペプチド-22、ヘキシルシンナマル、ブチルフェニルメチルプロピオナール、シトロネロール、リモネン、香料
まず初っ端のベース成分が「PG」という成分が使われています。
これ、細胞侵襲性が高いとかで実は日本では今殆ど使われていない成分なんですよね。。
これが主成分のファンデーションは久しく見ていないです😅
まぁ実際に刺激性のデータとか見てみると今汎用されている「DPG」などよりむしろ低刺激で、
（▶BGやグリセリンなど「水性基剤」の安全性データをまとめてみました【マニア向け】）
使われなくなったのは過去に旧表示指定成分に指定されていたからという理由が一番大きいと思います。（水性基剤成分ではこれだけが指定されている）
実際の刺激性はエタノールとかの方が普通に強いです…が、
敏感肌向けかというと、さほど適した基剤ではないのは確かです。
（アトピーの僕は普段から使うのはできるだけ避けたい成分）
あと次に配合されているのが「酸化チタン」で、これは紫外線散乱剤です。
「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」は紫外線吸収剤ですね。
ムラになりにくい使用感から吸収剤が結構入っていると思いました。
なので散乱剤と吸収剤を上手に配合したハイブリッド系のファンデーションになっています。
SPF37/PA++なので、 SPFは日常使いには十分ですが、PAが少なめなのでPA（UVA対策）は下地等でカバーしたいところです。
この数値から見る感じ、吸収剤はさほど高濃度ではなさそうです。
あと紫外線防止剤は「酸化亜鉛」も１％以下で入っているみたいです。
亜鉛の金属アレルギー持ちの方はご注意ください。
ベースの油分はトリ（カプリル酸/カプリン酸）グリセリルとスクワランとエチルヘキサン酸セチルで構成されており、
シリコーンなどの皮膜力の高いベースではありません。
なので、ジェルなどでも落としやすい程度のマイルドな皮膜になります。
普段からガッツリカバーしている方だと、こういう落としやすめのファンデに変えるだけでもお肌の調子が上がったりします。
その辺は悪くないなと思いました。
あとは、美容成分が結構豊富に配合されているのが特徴ですね。
特に「パンテノール」「ナイアシンアミド」「ヒト臍帯血細胞順化培養液（※）」「アデノシン」辺りは、
（※幹細胞エキスの一種）
肌の活性を促すタイプの美容成分で、まぁ入っていると嬉しい成分ですよね。
ただメイクアップアイテムにはこういった美容成分はそう多くは入れられないので、
効果は「あると良いね」くらいのものです。
多分これよりも、肌荒れ防止などの効果は「アラントイン」という成分の方が実感できると思います。
これは医薬品のキズぐすりとかにも使われている成分で、細胞修復効果の高い成分です。
（ただモアリップとかにもこれが入っていて、継続すると肌が敏感になっちゃう弊害もあるんですが…）
幹細胞系の化粧品にはたいていアラントイン入っているので、
アラントインの効果を幹細胞エキスの効果だと思わせている手法は結構多く見かけますね。
（上手いけど僕は好きではない）
実際、幹細胞エキスはそこまで言うほど凄いものではないので…
僕はあまり注目はしていません。
こんなものよりナイアシンアミドとかパンテノールの方が断然嬉しい成分です。
幹細胞培養液は皮膚塗布でのポジティブなエビデンスは殆どありませんが、
ナイアシンアミドやパンテノールは実際に塗布して肌に良い影響というのが多数確認されていますし、実績も豊富な成分です。
まぁいずれにせよメイクアップ製品である以上美容成分の効果はちょっとだけあったら良いなくらいに思っておくと良いと思います。
◎V3ファンデーションに配合されている「天然針」とは？
そしてこの製品の一番の特徴としては
『天然針』というものを配合しているということだそうです。
販売サイトから引用しますが、
これは、成分名としては「加水分解カイメン」というものです。
海の生物「海綿」を原料に作られている針状結晶物質です。
この針状結晶が、肌に触れた際に皮膚の内部に入っていく～という感じで広告されていますが…
これについては正直根拠はかなり薄いと思います。
そもそも配合量がすごく少ないですし（配合順的にどう見ても１％以下）、
↑の資料には「0.2mm」と書いてあるのですが、
0.2mmてシャーペンの芯の太さでもあるくらいの大きさですよね？
そんなの入ってたらメイクするときに必ず使用感に現れるというか、
普通に何らかのつぶつぶが目に見えますね。
0.2mmのダーマローラーとか売ってますしね。。↓こんくらいの長さですよ。普通に見える…。
でも使ってみると実際に針なんか見えないですし、針の感触なんて全然感じないので、
実際には「加水分解」という化学反応によってかなり微小なサイズに分解されてしまった使用感に影響しない加水分解カイメンを配合しているのだと思います。
だから、実際には針の刺激なんてほとんどありませんし、そういう意味で安全に使えます。
それに加えて、どれだけ加水分解カイメンに美容成分をコーティング（？）したとしても、
角層表面に刺さって終わるので肌の内部に浸透させることなどできません。
仮に出来たとしても、化粧品である以上角層を超えた部位への成分の浸透を標榜することは法律上基本的にできません。
なので、加水分解カイメンの天然針については、あくまで「コンセプト成分」であって、
これによる針治療？的な効果などは殆ど無いと思います。
当然、肌を針で固定することなんかも出来ません。
◎V3ファンデーション…ハッキリ言って「ごく普通のクッションファンデ」
というわけで僕の結論としては、
話題のV3ファンデーションさん。
当たり前ですがメイクアップ化粧品の域を出ない「ごく普通のクッションファンデ」です。
使用感はとても良く、落としやすく、自然なツヤ肌を演出してくれますし、
肌に刺さる針なんて無いので、安全にご利用頂けます。
ただし敏感肌適正とかは、吸収剤や酸化亜鉛とかも入っているし、PGベースの時点であまり高くはないです。市販品と比べても普通という感じです。
これを8000円で購入するメリットがあるかどうか？それは個人の感覚次第だと思います。
◎販売サイトが明らかに攻め過ぎ。薬機法NG表現を添削してみると…
それで、使ってみてもそうだし成分を見てもそうなんですけど、
この「普通のクッションファンデ」がどうしてこんなに話題なのか？というと、
やはり↓この販売店の広告が凄い（？）んですよね…。。。
なんと言っても薬機法NG表現が多すぎます。
ちょっと上から順々に「僕ならこう書くかな…？」という感じで添削してみました。笑
（多すぎるので面倒なら飛ばしてください😅）
- 「リフトアップ」は痩身を連想させるのでNG。「小顔見せ！※メイクアップによる」などの表現なら可？
- 「整形レベル」…表現自体かなり怪しいが「※メイクアップによる」等と注記すればあるいは…？
- 「美白」…医薬部外品承認がなければ不可。「メイクアップにより肌を白く見せる」などは可。
- 「透明感」…洗浄などによるものか、「※メイクアップによる」等と注記する必要あり
- 「しわにハリ」は医薬部外品承認がなければ不可。「ハリ＝針」と関連させる何らかの注記があれば可？
- 美白・シワ改善…医薬部外品承認がなければ不可。「メイクアップにより肌を白く見せ、シワを目立たなくする」は可。
- 「栄養」表現は不可
- 「リフトアップ」…同上
- 「肌深くに浸透」…「※角層まで」注記が必要
- 「肌再生」…化粧品での表現不可
- 「ダイレクトに変化を届ける」…怪しい表現。「ダイレクト」を「お肌」等にすれば恐らく可。
- 「治療系ファンデーション」…化粧品において「治療」表現は不可。「ハリ美容ファンデ」ならOK
- 「メイクタイムを美容医療の時間に」…化粧品で「医療」表現は不可。
・「幹細胞をコーティング」…幹細胞エキスに幹細胞は入っていないので不可。「幹細胞エキス※ヒト臍帯血細胞順化培養液をコーティング」ならあるいは可？
- 「皮脂を抑える」等は医薬部外品承認なければ不可。
- 「皮脂を増やす」なども化粧品表現を逸脱しているので恐らく不可。
- 「皮脂コントロール」の表現なら恐らく可。
- 「栄養素」…化粧品では表現不可。「美容成分」等に。
- 「肌再生」…化粧品では表現不可。
- 「美白やシワ」…医薬部外品承認が必要。「メイクアップによってシワを目立たなくする、メイクアップにより肌を白く見せる」などはOK。
・「リフトアップ」…略
・「皮脂量調整」その他…「皮脂コントロール」等が無難
・「肌荒れ改善」…「改善」は不可。「肌荒れ防止」なら可。
・美白/シワ/皮脂…※注記が必要
・「幹細胞の力」…NG表現。「幹細胞エキス（ヒト臍帯血細胞順化培養液）の力」なら可
・「肌の再生・沈静化」…NG表現
・「疲れた肌を安定」…疲労回復を連想させるためNG。「疲れた」を削除すればOK。
・「肌荒れ改善」…「肌荒れ防止」に
- 「治療しながら肌の免疫力を上げ」…もちろんNG。完全カット
- 「アンチエイジング」…NG表現。「エイジングケア※年齢に応じた保湿お手入れ」等なら可
- 「リフトアップ」…痩身をイメージするためNG。「メイクアップ効果で小顔に見せる」なら可
- 「安心、安全」…安心、安全の表現はNG。安全性の保証を連想させる。
- 「有効成分」…医薬部外品もしくは医薬品でなければ不可。「美容成分」に。
- 「72時間」…具体的な時間の表記は客観的な根拠が必要。（あれば良いけど多分無理）
これがひとつでもあれば、その時点でルールを守る気概がないと判断して良いんです。
「幹細胞が入っている」と連想させる表現とかも同じです。
で、これはあくまで通報ベースですし、通報しても行政が動くのってすごく遅いので、
中々実際に指導してくれることって無いんですよね。
（あと裏金とかでなんとかしてるケースも実際にあるので…）
ですから、こういうのは消費者が自ら見抜いて欲しいと僕は思っています。
毎回専門家に聞かなくても、明らかにダメなものは見るからにダメですし、
「怪しんなぁ」と少しでも皆さんが思う広告は、大体にして本当に怪しいです。
で、そういう化粧品はできるだけ買わないでください。
消費者がそれを自分で判断して悪質な広告に騙されなければ、
自動的に悪質なメーカーは淘汰されていきます。
というわけで、
別に製品自体はことさら悪いものではないですし、
効果があるかどうかは置いておいて、「ハリ美容」をコンセプトにしているのは面白いと思いますので
スピケアさんには是非こちらの記事を参考に、
ルールに則った広告を徹底してもらえたら良いなぁと思います…。
（販売店のサイトなどでも同じく徹底させる必要があります）
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