日焼け止めやファンデーションが【洗顔料で落ちてるor落ちてない】を見分ける方法を考えてみた | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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最近いくつか日焼け止めの動画を作っているのですが、

 

コメントでもすごく多い質問で

 

「【洗顔料で落ちる】と書いてあるのですが、本当に落ちているかどうか不安です!!」

 

というご意見を多数頂いています。

 

 

今回はその「日焼け止め(や下地・ファンデーション)が洗顔料で落ちるかどうか自宅で見分ける方法」を考えてみたという記事になります。

 

 

 

ちなみに「こうすれば分かる!(断言)」というよりは、

 

「試行錯誤してみた」っていうニュアンスの記事になってますのでその点ご了承ください(;^o^)A

 

基本は僕が普段成分解析の「落としやすさ」を判定する際にやっている方法をより詳しくした感じになります。

 

 

 

◎【洗顔料(or石けん)で落とせる日焼け止め】などの定義について

 

 

最近、日焼け止めやファンデーションで「洗顔料(or石けん)で落とせる」と謳っているものが結構増えてますよね。

 

動画でも紹介したキュレルやアスリズムなどにも

 

 

 

 

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「せっけんで落ちる」「いつもの洗浄料で落ちる」などの記載があります。

 

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(↑すべてアスリズムの外装)



こういった表記って業界的に「何らかの基準」があってもおかしくなさそうですよね…?

 



でも実はこういった表記には、業界での共通の基準や定義は存在せず、

 

あくまで【メーカー裁量に任せた社内基準での表記】なんです。

 

 

つまり、特に「この表記があれば本当に落とせるよ!」という第三者的な裏付けはないわけです。

 

 

 

これはどういうことかというと、

 

最悪「全く落ちない処方」であっても「書こうと思えば書ける」 

 

ということです。



また、厄介なことに「洗顔料」や「洗浄料」「石けん」といっても洗浄力は製品によって千差万別で、

 

例えばその会社の洗顔料なら落ちたかもしれないですが、他社製品では落とせない、ということも普通にあります。

 




そのため、現に多くの方が、

 

「洗顔料で落とせるって書いてあるけど、落ちてない気がするぞ…!?」

 

という不安を感じているわけですね。

 

 

 

 

そこで、今回はその「落ちてる?落ちてない?」を視覚的に判断できる方法を考えてみました。

 

 

 

◎日焼け止め(やファンデーション)が石けんや洗顔料で落ちるかどうかを見分ける方法 

 

 

 

まず準備物】は、

 

・落ちるかどうか気になる日焼け止め

・落とせるかどうか気になる洗顔料など

・何でも良いから「乳液」か「ゆるいクリーム」など 

(クレンジングミルクやクリームなどでもOK)

・コットン

・黒い布(ここではフェルトを用意しました)

・ブラックライト

 

などです!!

 

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上の写真は洗顔料がないですが、ご自身が普段お使いのものを準備してください。


今回は以下の3つの日焼け止めをサンプルに使用します。

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散乱剤ベースのクリームタイプで「落とすときは洗顔料・全身洗浄料でよく洗って」と記載のある

 

比較的落としやすそうな【キュレル UVエッセンス】

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そして紫外線散乱剤・紫外線吸収剤の混合処方で、

 

「いつもの洗浄料で落ちる」と記載のある

 

【ビオレUVアスリズム サンバーンプロテクトミルク】

 

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紫外線吸収剤のみの処方で、「石けんで落ちる」と記載のある

 

【ビオレUVアスリズム スキンプロテクトエッセンス】

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この3つで検証してみます。

 

 

 

まずこのように↓各日焼け止めを腕の裏の部分にしっかり塗ってみます。

 

撮り忘れたのですが、日焼け止め量は大体同量のパール一粒くらいを塗り伸ばしました。

 

まぁ普段の塗り方で試さないと意味が無いので、普段塗るくらいの量を塗ってください。

 

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白浮きの加減などがわかりやすいですね(^^;)

 

 

そして、この状態で30分ほど放置(※ここはとても重要です!)して、

(塗った直後は基剤が揮発しておらず本来よりも落としやすくなってしまうので、必ず30分程度は待って欲しいです)

 

実際に落とせるがどうかを見たい洗顔料や石けん等で洗います。



今回は「せっけんで落ちる」という製品があったので、一番ベーシックな無添加せっけんの洗顔料を使用してみました。

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普段洗うような感じで洗ってみてください。

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全部それなりに擦ってしっかりお湯で流しました。

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これで、洗い終わったのが以下の状態です。

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↓キュレルUVエッセンス、 一見落ちているように見える…?

(線の近くはあまりしっかり擦らなかったので若干落ちてませんね…)
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↓アスリズム サンバーンプロテクトミルク、落ちて…る…?;(苦笑)
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↓アスリズムスキンプロテクトエッセンス、見た目上は落ちているようにしか見えない。
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…という感じで、普通に洗ったこの状態では、

 

外見上で「落ちているか、落ちていないか」を判断するのは結構難しいです。

 

 

 

ではこの状態から、どういった方法で落ちているかどうかを判断するのか、方法を紹介していきます。

 

 

 

◎酸化チタン、酸化亜鉛など…【紫外線散乱剤】を含む製品に使える方法

 

 

 

まず「紫外線散乱剤」が配合されている製品の場合です。

 

今回はキュレルUVエッセンスサンバーンプロテクトミルクに適用できます。

 

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ご用意頂くのは「黒い布」です。

 

今回は実験用にまっさらな黒いフェルト地を用意しましたが、

 

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なければご自宅で「着なくなった黒いTシャツ」とかを再利用しても良いと思います。

 

繊維は綿でもポリエステルでもなんでも構いません。

 

 

このような布を、ハサミを用いてコットンくらいのサイズに切り揃えます。


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そして次にご用意頂くのは、「乳液」「ゆるいクリーム」です。

(クレンジングミルクやクリームでも構いませんが、スキンケアで使用している乳液で十分です)

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乳液状のものであれば、ぶっちゃけなんでも構いません。

ベビーオイルや、スクワランやホホバ油などのピュアオイルとかでもできると思います。)


今回は極潤乳液でやってみますね。

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黒い布地に、このように乳液を出します。

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半分に折って染み込ませます。


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乳液を染み込ませた黒い布を、コットンを挟むように持って、

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先程洗った部分を拭き取ってみます。



キュレルUVエッセンスの部分↓
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すると、「洗っても落ちていない場合」は↓このように

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黒い布地に白い色が付着するんです。


これは、紫外線散乱剤は「白い粉体」のため、黒い布地では目立って見えるんですね。

 

乳液には油分や乳化剤が含まれているので、

 

乳液を含ませた布で拭けば、被膜が解けて繊維に移って見えるのです。



アスリズムサンバーンプロテクトミルクの部分も同じようにしてみると、


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ご覧の通り、白い粉が付着します。
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というわけで、

今回用いたキュレルUVエッセンスも、アスリズムサンバーンプロテクトミルクも、

 

「せっけんで落ちる」とか「洗顔料で落とせる」等と書いてありましたが、

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軽くせっけんで洗った程度では、ご覧の通り日焼け止めが残存していました。

 

 

実際には汗をかいたり皮脂が出たりで皮膜の特性が変わるため、

 

長時間経ってからなら落とせる可能性もあります。

 

 

 

 

ただ、「顔」の場合は、

 

腕の裏に比べて凹凸も激しく、そういった凹凸にパウダー成分が入り込むと想定よりもかなり落ちにくくなると予想できます。

 

 

なので、僕はこの条件で落とせないものに関しては、

 

顔での使用時にはクレンジング推奨と考えています。

 

 

 

 

というわけで、紫外線散乱剤ベースのものの場合は

 

【黒い布に乳液を湿らせて拭く】だけで、日焼け止めが落ちているかどうか判断できますので、

 

とても簡単な方法です。

 

ちなみに、「ファンデーション」でも同じ方法が使え、

 

ファンデーションの場合は肌色が付いていますので「普通の白いコットン」でも代用ができます。

 

 

 

 

◎「紫外線散乱剤を含まない」製品の場合

 

 

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しかし、厄介なのは「紫外線散乱剤を含まない日焼け止め」です。

 

 

散乱剤ではなく「紫外線吸収剤」のみで作られている製品の場合は上記の黒布乳液法は使えません。

 

紫外線吸収剤の多くは、淡黄色~ほぼ無色透明の油状成分のため、

 

黒い布に付着したとしても色が判別できないからです。

 

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(↑実際に拭いてみても色は付かないので分からない)

 

 

ただし、上記方法が使えないとしても判別方法はいくつかあるにはあります。

 

例えば紫外線吸収剤は「かなり独特のニオイ」があります。

 

 

あの『日焼け止めっぽいニオイ』といえば分かる人は分かると思いますが、

 

そのニオイが分かる人は、洗った後に香りを嗅いでみて、そのニオイがまだ残っている場合洗っても落ちていないと捉える一つの指標にしても良いでしょう。

 

 

 

ただし、嗅覚は人それぞれなので中にはそのニオイが分からないという人もいますので、

 

できれば「視覚的に捉える方法」があると便利ですよね。

 

 

 

というわけでこれも考えてみました。

 

 

用意するのは同じく「乳液」と、

 

「白いコットン」「ブラックライト」です。

 

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これが準備できましたが、先程と同じ要領でコットンに乳液を湿らせます。

 

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同じ要領で洗った場所を拭きます。

 

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この状態で、登場するのが「ブラックライト」です。

 

 

「ブラックライト」というのは、視認可能の長波長の紫外線を照射するライトで、

 

Amazonなどで1000円くらいで購入可能です。

 

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こんな感じで「ギリギリ目に見える紫外線」を照射できます。

 

 

ブラックライトは紫外線なので、

 

紫外線吸収剤が配合されている日焼け止めが付着した部位に当てると

 

以下のようにその部分がブラックライトを吸収して周囲と色が異なって見えるのです。

 

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(↑コットンの半分に日焼け止めを塗ってブラックライトを当ててみた写真。周りを極力暗くすると見やすいです。ちなみにコットンは紫外線を反射するため若干光って見えます。腕は紫外線を反射しないので見えません。)

 




というわけで、

 

先程の洗った部位を拭き取ったコットンに、

 

照明を消してブラックライトを当ててみますと…

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写真だと表示デバイスの画面のコントラスト等で見にくいかもしれませんが、

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拭き取った中心部分がうっすら色がぼんやりして見えるのが分かるでしょうか?


カメラのレンズを通すと微妙なのですが、目視の場合はもっとはっきり見えます。



なので、吸収剤のみのアスリズムスキンプロテクトエッセンスの場合も、

 

一見するとしっかり落ちているように見えても

 

若干の日焼け止めが残存していたことが分かりました。

 

 

吸収剤オンリーのものは比較的落としやすい処方が多いですが、

 

中には残存してしまうものもあります。

 

 

◎「洗顔料(orせっけん)で落とせる」表記はあくまで目安として、本当に落とせるかどうかは自分でしっかり確かめるべし!



というわけで、

 

今回試してみた3つについては、無添加せっけんでは多少擦った程度では完全に落としきれないことが明らかになりました。

 

もちろん洗い方によっては落とせる場合もあると思いますので、

 

普段自分で洗っている方法で試すのがポイントです。

 

 

 

また、このように日焼け止めが残存しているからと言っても、

 

残存している成分程度では肌に悪影響にならないというケースも多いです。

 

皮膚の表面の汚れはターンオーバーで自然と剥がれる場合が大半なので、

 

無理に落とそうとゴシゴシ擦ったり、強力なクレンジングを使うとその方が負担になってしまうという場合もあります。

 

その点はくれぐれもご注意ください。

 

 

 

ただ、残存成分が毛穴を詰まらせていたり、成分が刺激になって肌荒れしている

 

というケースももちろんありえますので、

 

そういった肌荒れの原因のチェック

 

これから使いたい製品の特性を判断する際に参考にして頂けるのではないかと思います。

 



ぜひ参考にしてみてください!!




ところで、本日6月3日はかずのすけの30歳の誕生日でした(*^-^*)/

 

 

 

30の節目というわけではないですが、実は3月に「株式会社セララボ」の登記を済ませておりまして、

 

僭越ながら、この度代表に就任しましたことをここにご報告させて頂きます。

 

これからもやることは何も変わりませんが、より気を引き締めて活動してまいります!


今後ともなにとぞよろしくお願い致します!


 

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